JPH0219163Y2

JPH0219163Y2 -

Info

Publication number: JPH0219163Y2
Application number: JP1983192849U
Authority: JP
Priority date: 1983-12-16
Filing date: 1983-12-16
Publication date: 1990-05-28
Also published as: DE3425365A1; DK327684A; DK327684D0; SE8403596D0; DK159810B; NZ208759A; NL8402194A; CA1240721A; US4575084A; SE457328B; GB8417024D0; MY100096A; DE3425365C2; ZA845176B; GB2151492A; GB2151492B; BE900154A; SE8403596L; JPS6099965U; DK159810C

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、バドミントン用のラケツトに関す
る。

一般に、バドミントンでは、狭いコート内でシ
ヤトルコツクを激しく打ち合うため、テニス等に
比べると、極めて機敏でかつ速いスピードのスイ
ング動作がプレイヤーに要求される。この機敏性
およびスピードこそが、バドミントンの特長でも
あるわけだが、しかし、このためにバドミントン
ラケツト枠はプレイヤーの機敏かつ迅速なスイン
グ動作に対応すべく構成されていなければならな
い。このバドミントンラケツト枠が本来備えるべ
き要件として、まず、軽量であつて、適度なしな
やかさを持つことによる操作性の良さが挙げられ
る。そして、次にバドミントンの最も大きな特徴
であるところの高速スイングを可能にするため
に、スイング方向に対する風圧面積が極力小さく
されていることと、その高速スイングおよびイン
パクト時の衝撃に耐え得る十分な機械的強度を持
つことである。このらの要件は、バドミントンラ
ケツト枠として何れも欠くことができぬものであ
るが、これらの要件は、互いに背反する要素が多
く、その全部を同時に満足させようとすることは
非常に困難である。例えば操作性と高速スイング
の適性を得るために、軽量化し、また適度のしな
やかさを持たせ、そしてスイング方向への風圧面
積を小さくするといつたことは、すべて機械的強
度の低下に結びつくもので、この点を克服しない
限り、他の部分でどのような改良がなされたとし
ても意味をなさない。

以上の要件をできるだけ満たそうとするため
に、バドミントンラケツト枠はその形状が自ずと
淘汰され、テニス等の重球技用ラケツト枠とは全
く異なる独自の進化を遂げてきた。そして、現在
においては、第１図ａ，ｂ，ｃに示すように、単
一体の管状シヤフト１と管状フレーム２とを略Ｔ
型の管継手３で連結した構造のものが主流を占め
ている。このものは、フレーム２を、例えば
FRP（繊維強化樹脂：以下FRPと略称する。）或
いはアルミニウム等の素材からなる軽量で強度の
あるパイプ材を使用して構成し、これを同図ａに
示すように、略Ｔ型の管継手３でシヤフト１に連
結せしめてある。そして、シヤフト１は、同図ｂ
に示すようにその断面が等径（真円）に形成さ
れ、またフレーム２は、同図ｃに示すように、そ
の断面のスイング方向（ラケツト面と垂直な方
向）の径がそれと直交する方向の径よりも長い異
径（非真円）形状に形成されている。これによ
り、軽量化、小風圧面積および適度なしなやかさ
とともに、高速スイングに耐えるのに必要とされ
る機械的強度を得んとしている。

このように構成されたバドミントンラケツト枠
は、従来においてはバドミントンラケツト枠とし
て最も理想に近いものということができたが、実
はなお多くの解決すべき問題点を残していた。そ
の問題とは、まず、上記Ｔ型管継手３の部分にお
ける風圧面積が他の部分（例えばシヤフト部分）
に比べてどうしても大きくならざるを得なくなつ
ていることである。すなわち、従来のバドミント
ンラケツト枠は、第２図ａ，ｂ，ｃに詳細に示す
ように、上記フレーム２と上記シヤフト１とを連
結するために、上記フレーム２の両端部２ａ，２
ａ及び上記シヤフト１の上端部１ａがそれぞれ嵌
入するような支管部３ａ，３ａ及び３ｂを有する
略Ｔ型の中空管継手３を使用しているが、この継
手３部分の外径がシヤフト１及びフレーム２に比
べて格段に太径となつているため、この部分の存
在によつて風圧抵抗がどうしても大きくなつてし
まう。そして、その継手３部分における風圧は、
前述したように、極めて機敏でかつ速いスピード
のスイング動作が行なわれるバドミントンラケツ
ト枠においては、無視し得ぬどころか、総体的な
風圧面積を小さくする上で大きな障害となつてい
る。更に厄介なことに、上記継手３はスイング時
に荷重が集中的にかかるシヤフト部とフレーム部
との要部分となつているため、各支管部３ａ，３
ａ，３ｂを肉薄に形成して風圧面積を小さくする
と、要部分の機械的耐久性の低下が大となり、肉
薄化に限度が生じた。従つて、上記継手３は、風
圧面積を犠牲にして充分に肉厚に形成せざるを得
なかつた。

また、上記Ｔ型中空管継手３は、バドミントン
ラケツト枠に適度のしなやかさを付与するという
点においても、大きな障害となつている。すなわ
ち、上記管継手３はフレーム２とシヤフト１とを
連結する要であるから、その機械的強度は充分に
大きくすることが求められている一方で、上記継
手３の機械的強度を増大させると、それに伴つて
バドミントンラケツト枠にしなやかさを持たせる
ことが難しくなつてくるのである。その理由は、
上記継手３の機械的強度を増す一方でフレーム２
をしなやかなものとすると、その間の剛性及びし
なやかさの違いによつて、フレーム２が上記継手
３の各支管部３ａ，３ａの端部と接する部分にて
集中荷重を受けて疲労しやすくなり、その部分に
おいてフレーム２が折損しやすくなるという問題
が生じてくるからである。

以上のように、従来のバドミントンラケツト枠
においては、バドミントンラケツト枠として必要
な機能を漏らさず付与するためには、相互に背反
する課題が多過ぎた。すなわち、第１図、第２図
に示した如き従来のバドミントンラケツト枠にお
いては、機械的耐久性、小風圧面積及びしなやか
さという要求の全てを同時に満足させることはで
きなかつた。

この考案は以上のような問題に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、従来において
は互いに背反していて相容れることのなかつた複
数の要求課題を調和させながら克服する点に存
し、具体的には、機械的耐久性を低下させること
なくより一層小風圧面積化を可能にし、更にバド
ミントンラケツト枠として必要な適度のしなりを
持たせることができるようにしたバドミントンラ
ケツト枠を提供することにある。

以下、この考案の好適な実施例について添附図
面を参照しながら詳述する。

まず、第３図ａ，ｂ，ｃに示すのは、この考案
の一実施例に係るバドミントンラケツト枠の要部
を示したものである。同図に示すバドミントンラ
ケツト枠は、等径断面の中空管状シヤフト４と、
スイング方向に長い異径断面の管状フレーム５
と、これらを連結する略Ｔ型のジヨイント６と、
これらを一体化固定するFRP（繊維強化樹脂）層
７から成る。シヤフト４は、例えばカーボン繊維
を主体としたFRPから成る。またフレーム５は
芯材８の周りを繊維強化樹脂からなる外殻部９で
被覆した構成であつて、図示した例では、発泡ウ
レタンから成る芯材８の外周にカーボン繊維を主
体としたプリプレグ状のFRP外殻部９を被覆し
たものを、型を用いて所定形状に加熱成型したも
ので、FRP外殻部９は、加熱成型時にウレタン
芯材の発泡によつて型に対して押圧され、型内壁
に対応した形状に成型される。型による加熱成型
では、フレーム５は楕円リング状に成形されると
ともに、長手方向の対向する両端部にはそれぞれ
小径の開口端部９ａが形成され、この端部９ａは
芯材８を越えて延長する中空状になつている。Ｔ
型ジヨイント６は、軽量でしかも強度の大なる材
質、例えばアルミニウム等の金属素材から構成さ
れ、シヤフト４の上端開口部に挿入される垂直支
部６ａはシヤフト４の内径とほぼ整合する外径寸
法を有し、フレーム５の一対の中空状端部９ａ，
９ａに挿入される一対の水平支部６ｂ，６ｂは、
中空状端部９ａの内径とほぼ整合する外径寸法
と、発泡ウレタン芯材８の各端部に達する長さを
有する。また、フレーム５の中空状端部９ａの各
端面下方部にはそれぞれ第３図ｃに示すように、
Ｔ型ジヨイント６の垂直支部６ａの外周形状と整
合する半円形状の切欠き９ｂが形成され、２つの
切欠き９ｂ，９ｂ内に垂直支部６ａが位置する一
方、端部９ａの端面の該切欠き以外の部分は相互
に当接している。FRP層７は、主にカーボン繊
維からなる薄手のプリプレグのシート数枚をフレ
ーム５の一対の小径端部９ａの外周からシヤフト
４の上端部外周にかけて積層被覆後、加熱硬化さ
せたもので、シヤフト４とフレーム５の接合部を
滑らかに被覆するとともに、フレーム５の小径部
９ａと残りの大径部とを無段差状に連続する。こ
のように、Ｔ型ジヨイント６によつてシヤフト４
とフレーム５をその内側から連結するとともに、
連結部の外面をFRP７で被覆することにより両
者をそれぞれ外側からも連結せしめている。

このようにしてフレーム５とシヤフト４とが連
結されたバドミントンラケツト枠は、第５図に示
すように、両者の間に太径部等を形成することな
く、外観上完全に一体に連結する構造が得られ
る。従つて、前述した如き従来のバドミントンラ
ケツト枠に比べると、スイング方向に対して大幅
な小風圧面積化が達成されている。また、フレー
ム５とシヤフト４との間の連結強度については、
第３図に戻つて説明すると、フレーム５とシヤフ
ト４との間に介在させられた上記Ｔ型ジヨイント
６と上記FRP７が、上記フレーム及びシヤフト
それぞれの内側と外側とでもつて両者間の連結強
度を互いに補強し合つているため、その連結部分
の見かけ上の外径を大きくせずとも、機械的に高
強度で安定な連結状態が得られる。

また、上記Ｔ型ジヨイント６は、上記フレーム
５及びシヤフト４のそれぞれの管の内側に挿入さ
れているため、フレーム５及びシヤフト４のしな
りに対しても、それよりも小さいしなりでもつて
追従することができるようになつている。これと
ともに、フレーム５及びシヤフト４のしなりに対
して、より一層のしなりが要求される外側連結部
分は、上述したように比較的可撓性、弾力性に富
むFRP７で形成されているから、フレーム５及
びシヤフト４のそれぞれのしなりに対して無理な
く追従することができる。従つて、バドミントン
ラケツト枠にしなやかさを持たせても、これによ
つて機械的耐久性が低下する恐れはない。更に
は、フレーム５の中空端部９ａの端面は切欠き９
ｂを除いて相互に当接しているので、シヤフト４
とフレーム５の連結部分はすべて三層構造（ジヨ
イント６、フレーム５またはシヤフト４及び
FRP７）となり、強度が一層向上するばかりで
なく、フレーム５のしなりに伴うジヨイント６及
びFRP７への負担が小さくなり、その結果とし
てフレーム５の疲労が減少する。また、ジヨイン
ト６の水平支部６ｂは芯材８まで延びてこれらの
端面が相互に当接しているため、フレーム５には
外殻部だけの部分がなくなり、連結部付近におけ
る強度の非連続的な変化もなくなつて、応力が特
定箇所に集中することが防止される。つまりここ
では、機械的強度、小風圧面積及びしなやかさが
互いに背反し合うことなく、むしろ両立して同時
に向上させられるのである。

ところで、上記実施例の如くフレーム５の長手
方向開口端部９ａを小径に形成した場合には、こ
の小径部と残りの大径部とが無段差状に連続する
ようにFRP７を被覆することが、風圧面積減少
の観点から望ましい。しかし、FRP７の肉厚は
実際上僅かであるから、所望の場合には、第３図
ｄに示すように、フレーム端部を小径にすること
なくその全周を同径に形成することとしても差し
支えない。また、Ｔ型ジヨイント６は第３図ａ，
ｂに示されたように中空のものでも良いが、第３
図ｄに示す如く密実のジヨイントを金属素材（例
えばアルミニウム等）からダイカスト成形等で一
体に形成することとすれば、軽量化と機械的強度
の向上を同時に図ることができる。

第４図は本考案の他の実施例に係るバドミント
ンラケツト枠の要部を示しており、上記実施例と
異なる点は、フレーム５の開口端部９ａの切欠き
９b′が大きく形成され、シヤフト４の上端が切欠
き９b′−９b′の内側に位置してその上端面をジヨ
イント６に直接当接させていることである。

以上のように、本考案に係るバドミントンラケ
ツト枠は、従来では互いに背反する要求事項であ
るとされていた機械的耐久性、小風圧面積及びバ
ドミントンラケツト枠としての適度のしなやかさ
を、その何れをも損なうことなく同時に達成する
ことができるものである。また、その外形状につ
いても、特にフレーム両端部における連結部から
段差や張り出し部分を無くすることができるの
で、意匠的効果を高めることができるとともに、
高速スイング時における空気力学特性を高めて、
一層操作しやすいバドミントンラケツト枠とする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは従来のバドミントンラケツト枠の一
例を示す正面図、同図ｂは同図ａにおけるA₁−
A₁断面図、同図ｃは同図ａにおけるA₂−A₂断面
図、第２図は第１図に示したバドミントンラケツ
ト枠の連結部の詳細を示したもので、同図ａは正
面断面図、同図ｂは同図ａにおけるA₃−A₃断面
図、同図ｃは同図ａにおけるA₄−A₄断面図、第
３図ａは本考案の一実施例に係るバドミントンラ
ケツト枠の正面側から見た要部断面図、同図ｂは
その分解図、同図ｃは同図ｂにおけるA₅−A₅断
面図、同図ｄはフレーム端部とジヨイントの他の
例を示す断面図、第４図は本考案の他の実施例に
係るバドミントンラケツト枠の要部断面図、第５
図は該バドミントンラケツト枠の外形を示す正面
図である。４……シヤフト、５……フレーム、６……Ｔ型
ジヨイント、６ａ……垂直支部、６ｂ……水平支
部、７……FRP層。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

中空管状シヤフトと、楕円リング状管状フレー
ムとが互いに連結されて成るバドミントンラケツ
ト枠において、該管状フレームは芯材の周りを繊
維強化樹脂からなる外殻部で被覆してなり、かつ
該シヤフトとの連結部に該芯材を越えて延長する
２つの中空開口端部を有し、該中空開口端部の端
面下方部に略半円形の切欠きを形成するとともに
該端面を該切欠き以外の部分で相互に当接させ、
該フレームと該シヤフトとを、該各中空開口端部
の内側にそれぞれ挿入される一対の水平支部と該
シヤフトの開口上端部の内側に挿入される垂直支
部とから成る略Ｔ型のジヨイントによつて連結す
るとともに、該ジヨイント水平支部の端面を該芯
材の端部に当接させる一方、該フレームの該中空
開口端部と該シヤフトの該開口上端部のそれぞれ
の外側に繊維強化樹脂を被覆してなることを特徴
とするバドミントンラケツト枠。