JPH02191598A - バルキング防止剤及びバルキング防止方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、廃水処理に関するものであり、特に活性汚泥
におけるバルキング防止剤に関するものであって、更に
詳しくはバルキング防止成分としてニッケルまたはコバ
ルトおよびこれらの誘導体を含有することを特徴とした
バルキング防止剤に関するものである。

同じく本発明は、バルキングの発生を予防、防止すると
同時に、−旦発生したバルキングを解消、消滅させる方
法にも関するものである。

（従来の技術） 現在、活性汚泥法は、し尿、下水、工場廃水等有機性排
水の浄化方法として広く普及しているが、処理の中心が
活性汚泥という多種の微生物の集合体であるため、その
維持管理は難しく、様々なトラブルが発生しやすい環境
にあるといえる。特に、活性汚泥の典型的なトラブルと
して上げられるのが、バルキング現象である（特開昭５
２−１０９７６１号公報、特に２真人上刃うム下から４
行〜右上刃ラム３行）。

バルキング現象とは、沈殿池での汚泥の沈降性が悪化し
、８８分が放流水中に流出する現象であり、これには大
別すると糸状性微生物による場合と、排水中の粘性物質
による場合があるが、大部分は前者によるものといわれ
ている。糸状性バルキングの原因となる微生物としては
。

５ｐｈａｅｒｏｔｉｌｕｓ、　Ｂｅｇｇｉａｔｏａ％Ｔ
ｈ１ｏｔｈｒｉｘ＋Ｎｏｃａｒｄｉａ等が知られている
が、中でも５ｐｈａｅｒｏｔｉｌｕｓが代表的である。

従来バルキングの防止対策としては、排水水質の栄養バ
ランス（ＢＯＤ、窒素、リンの比率等）を整える方法、
送気量を多くしＤＯレベルを高くする方法、塩素、過酸
化水素等の酸化剤により糸状性微生物を殺菌する方法、
硫酸等の添加により曝気槽のｐＨを酸性にする方法、塩
化第二鉄、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、高分子
凝集剤等の凝集剤を添加し、強制的に汚泥を沈降させる
方法。

ベントナイト、ケイソウ土、粘土、カオリン等を添加し
、汚泥の比重を重くし、沈降を促進させる方法などが、
試行錯誤的に行なわれている。しかし、これらの方法は
、いずれも根本的な対策方法とは言えず、十分な効果が
得られていないのが現状である。

（発明が解決すべき問題点） 前記従来技術において、栄養バランスを整える方法およ
びＤｏレベルを高くする方法は、経験的にバルキングの
発生し易い条件と反対の条件にすることにより、糸状微
生物の増殖を抑制しようとするものであるが、この方法
では糸状微生物の完全な抑制は不可能であり、また栄養
バランスやＤｏが適正な状態に保たれているにもかかわ
らず、糸状微生物が多く出現している例も多く見られる
。

塩素、過酸化水素等による方法では、 ５ｐｈａｅｒｏｔｉｌｕｓ等糸状微生物に対して殺菌効
果はあるが、他の有用な菌まで殺菌してしまうので、処
理後の活性汚泥の機能が大幅に低下する、効果の持続性
が少ない、汚泥中の有機物と反応するため高い添加率を
必要とする等の問題があり実用化は難しい。

ｐ＋＋を酸性にする方法は、５ｐｈａｅｒｏｔｉｌｕｓ
の生育ｐｔ＋の下限が５．５前後にあり、他の細菌より
高くなっていることを利用したもので、曝気槽のｐＨを
５付近まで低下させれば５ｐｈａｅｒｏｔｉｌｕｓの生
育をある程度は抑えることが可能であると思われる。し
かし、この方法でも５ｐｈａｅｒｏｔｉｌｕｓの完全な
抑制は出来ず、また低ＰＨを持続することにより活性汚
泥中の他の有用な菌までその活動を低下させ、活性汚泥
の浄化機能の低下を招き易い。

凝集剤を添加する方法はごく一般的に行なわれている方
法であるが、効果が期待できるのはバルキングの程度が
軽い場合に限られ、重度のバルキングの場合には殆ど効
果を示さない。また、−時的に効果を表わした場合でも
、継続して使用しているうちに１次第に効かなくなる場
合が多い。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、これらの従来技術では成しえなかった根本的
かつ効果的なバルキング防止および解消方法を提供する
ことを目的とする。

本発明者は、糸状性バルキングの主原因菌である５ｐｈ
ａｅｒｏｔｉｌｕｓの特性に注目し、この細菌を死滅も
しくはその増殖を抑制する物質の検索または方法を発見
すべく鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことにニッケル
またはコバルトおよびこれらの誘導体（化合物）を５ｐ
ｈａｅｒｏｔｉｌｕｓの繁殖した液中に少量添加するこ
とにより５ｐｈａｓｒｏｔｉｌｕｓの増殖が特異的に抑
制されることを発見した。

また更に驚くべきことに、上記のようにバルキングの発
生を予防するだけでなく、−旦発生したバルキング、つ
まり糸状性バルキングが発生してしまった活性汚泥に、
ニッケルまたはコバルトおよびこれらの誘導体（化合物
）をバルキング防止剤として一定量添加することにより
バルキングが解消されることを発見し、つまり、ニッケ
ル、コバルト、これらの誘導体を使用することによって
、バルキングの発生を予防するだけでなく一旦発生して
しまったバルキングであってもこれを消滅することもで
きることを発見したのである。

本発明は、このような極めて有用な新知見を基礎として
完成されたのである。

本発明において、バルキング防止ないし解消成分として
用いられるニッケルやコバルト誘導体としては、ニッケ
ルやコバルトを含有する有機ないし無機化合物をすべて
指すものである。例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル
、酢酸ニッケル、蓚酸ニッケル、硫酸コバルト、塩化コ
バルト、酢酸コバルト、蓚酸コバルト等ニッケルまたは
コバルトの有機ないし無機塩のほか、エステル、キレー
ト化合物等ニッケルやコバルト含有化合物がすべて含ま
れる。

ニッケル化合物およびコバルト化合物はそれぞれ単独で
バルキング防止効果を発揮するものであるが、これらを
併用しても差し支えない。

なお、ニッケルおよびコバルトの５ｐｈａｅｒｏｔｉｌ
ｕｓに対する作用機構については現在研究中であるが、
５ｐｈａｅｒｏｔｉｌｕｓは鉄を体内に取り入れ酸化す
る鉄バクテリアに属する菌であり、鉄と同族、同周期に
ありその物理、化学的性質がよく似ているニッケルおよ
びコバルトは５ｐｈａｅｒｏｔｉｌｕｓの体内に取り入
れられるが１本質的には鉄と異なるため資化されず、逆
に毒性物質として作用するものと考えられる。

このようなバルキング防止剤を曝気槽内に存在せしめれ
ば、バルキングの発生を防止できることはもとより、−
旦発生してしまったバルキングであってもこれを減少な
いし解消せしめるという画期的な効果も奏される。

このように本発明に係るバルキングの防止及び／又は解
消方法は、ニッケル、コバルト及び／又はこれらの誘導
体を含有するバルキング防止／解消剤を、活性汚泥等の
生物処理過程において添加しく例えば、生物処理施設の
流入水、曝気槽水、沈殿池水等に添加し）、曝気槽での
ニッケルまたはコバルト濃度をある一定濃度以上に調整
するものであるが、その濃度はニッケル化合物またはコ
バルト化合物をそれぞれ単独で使用した場合、ニッケル
またはコバルトとして０．ｌｐｐｍ以上１１００ｐｐ以
下、またニッケル化合物またはコバルト化合物を併用す
る場合は、ニッケルおよびコバルトの合計濃度を０．１
ｐｐ＋ｍ以上１１００ｐｐ以下とする必要がある。

ニッケルまたはコバルトもしくはこれらの合計濃度が０
．ｌｐｐｍ以下ではバルキング防止効果は弱く、また１
１００ｐｐ以上では他の微生物に対して影響を与え、水
処理機能が低下する。なお、バルキングの進行が著しい
場合は、ニッケルまたはコバルトもしくはこれらの合計
濃度を１　ｐｐｍ以上とすることが望ましい。ただし、
ニッケルまたはコバルトもしくはこれらの合計濃度を高
くしすぎると、活性汚泥の種類によっては１１００ｐｐ
以下でも水処理機能が低下する場合があるので注意が必
要である。

以下実施例により、本発明を更に説明する。

〔実施例１〕 糸状菌用液体培地（１）に、硫酸ニッケル、硫酸コバル
トを下記衣１の濃度となるように溶解し、試験？７１０
本に１０ｍＱずつ分注後、高圧滅菌器により１５分間滅
菌する。これにあらかじめ振盪培養した５ｐｈａｅｒｏ
ｔｉｌｕｓ　ｎａｔａｎｓ（ＩＦＯ１３５４３）を−白
金耳植菌し、２７℃で５日間振盪培養する。この時の５
ｐｈａｅｒｏｔｉｉｕｓの増殖状況を毎日肉眼で観察（
２）シた。

この結果を、表２に示す。

（注）（１）糸状菌用液体培地 マンニラトール・・・０．２％、酵母エキス・・・０．
１％、硫酸マグネシウム・・・０．１％、　リン酸−カ
リウム・・・０．０３％、リン酸二カリウム・・・０．
０７％、残り（２）　５ｐｈａａｒｏｔｉｌｕｓは糸状
性細菌であるために、菌体数の測定は非常に難しく、数
学的な表現は困難である。

表２に示すごとく糸状菌用培地のみの場合、５ｐｈａｅ
ｒｏｔｉｌｕｓは非常な勢いで増殖したが、本発明のバ
ルキング防止剤を前述した濃度範囲で添加したものは５
ｐｈａｅｒｏｔｉｌｕｓの増殖は全く見られず、本発明
のバルキング防止剤により、５ｐｈａａｒｏｔｉｌｕｓ
の増殖を抑制することが可能となる。

〔実施例２〕 第１図に図示するようなプラントを用い１次の条件で、
生物処理を行った。

曝気槽滞留時間二８時間 返送比　　　　＝０．３ 流入水Ｂ　ＯＤ　　：　２５０ｐｐｍ ５ａ容量の曝気槽１に糸状性バルキングを起こした下水
曝気槽水を入れ、エアーを吹き込んで曝気した。これに
人工下水タンク２からローラポンプＰを介して人工下水
（３）を流入させて生物処理を開始した。

曝気槽１内の微生物相及び処理水の水質がバルキング状
態となって安定するのを待って１人工下水に硫酸ニッケ
ル、硫酸コバルトを下記表３の濃度となるように添加し
、引き続き曝気処理を行った。この時の曝気槽水のＳ　
Ｖ３ｏ値（４）の測定及び顕微鏡検査による糸状性微生
物のｉ祭を行い、それぞれ表４及び表５の結果を得た。

曝気槽１の上部開口３から曝気槽水をとり出してＩＱ容
の沈殿池４に導入した。沈殿池４において固形物と上澄
とは容易に分離するので、上澄を放流口５より放流した
。

また、比較例として、人工下水のみの流入水についても
並行して曝気処理を行ない、曝気槽水のＳｖ３゜値の測
定および顕ｖｌ鏡検査による糸状性微生物のａ察を行な
い、それぞれ表４及び表５の結果を得た。

（注）（３）人工下水組成 グルコース０．２ｇ、グルタミン酸０．０５ｇ、硫酸マ
グネシウム０．０２５ｇ、　　塩化カルシウム０．０３
ｇ、塩化第二鉄６水塩０．２５＋＋＋ｇ、　リン酸二水
素カリウムＬ５ｍｇ、リン酸水素二カリウム０．２ｇ、
　）１．０で１悲にする。

（４）ＳＶ３゜ 容量ＩＱのメスシリンダー中で試料を３０分間静置した
ときの沈殿汚泥斌を、その試料量に対する百分率で表わ
したもの。

表４および表５に示すごとく１人工下水流入のみの場合
、バルキングは一向に解消されず、沈殿池は汚泥が流出
し、処理水水質の不良および曝気槽水ＭＬＳＳの低下が
見られた。これに対し、本発明のバルキング防止剤を前
述した濃度範囲で添加したものは、添加開始後汚泥の沈
降性は徐々に改善され、顕微鏡検査の結果でも糸状性微
生物は大幅に減少し、本発明のバルキング防止方法によ
りバルキングが解消されることが分かった。

（発明の効果） 本発明によれば、きわめて効率よくバルキング現象を予
防、防止できるだけでなく、−旦生成したバルキングを
減少ないし解消することもでき、まさに画期的である。

したがって本発明によれば、廃水処理がきわめて効率よ
く行うことができ、特に嵩張るバルキング現象が抑制で
きるので設備を小型化、コンパクト化することが可能と
なり、廃水処理を低コスト化することができるという著
効が奏される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、 本発明方法を実施するための廃水処 理プラントの１例を図示したものである。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）ニッケル、コバルト及び／又はそれらの誘導体を
   有効成分として含有してなることを特徴とするバルキン
   グ防止剤。
2. （２）曝気槽内のニッケル及び／又はコバルト濃度を０
   ．１〜１００ｐｐｍにすることを特徴とするバルキング
   の防止及び／又は解消方法。