JPH0218256B2

JPH0218256B2 -

Info

Publication number: JPH0218256B2
Application number: JP58139875A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Imai; Takayuki Yagishima; Junichi Kasai
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1983-07-30
Filing date: 1983-07-30
Publication date: 1990-04-25
Also published as: JPS6033147A; US4720867A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、所定の振動部材を加振して低音再生
を行なう音響装置において、該振動部材を保護す
るための構造に関する。

従来技術従来の車両用音響装置としては、第１図に示し
たようなものがある（特公昭58−9640号）すなわ
ち音響装置１は、発泡性樹脂等で成形された振動
板２と、該振動板２の一面側に固着された音響用
加振器３とから構成されており、該音響用加振器
３の内部には、ハウジング４にダンパ５を介して
取り付けられたマグネツト６、ヨークプレート
７，８ポールピース９とから構成された磁気回路
部材１０と、該磁気回路部材１０によつて形成さ
れる磁場１１内に位置し、上面プレート１２中央
に立設されたコイル枠１３に巻き付けられたボイ
スコイル１４とが設けられている。

かかる音響装置１は、第２図に示したように、
自動車１６のリヤパーセルシエルフ１５の中央に
配置するとともに、その両側に中高音用スピーカ
１７，１７を配し、該中高音用スピーカ１７，１
７により中高音再生を又、前記ボイスコイル１４
に電気信号を入力し該ボイスコイル１４と前記磁
場１１の磁気的干渉作用により振動板２を加振し
て、大口径スピーカに匹適する重低音を得るので
ある。

したがつて、前記振動板２は、この重低音再生
を行なうに適した軽量で振動特性に優れる素材で
あつて、比較的剛性の小さい素材で成形されてお
り、一方前記リヤパーセルシエルフ１５が通常乗
員の荷物等を置く場所として利用されていること
から、該荷物等による荷重によつて前記振動板２
が破損することを防止するための手段を構ずる必
要がある。

このように振動板２を保護するための構造とし
ては、第３，４図に示したものが既に提案されて
いる（昭和58年７月15日出願、出願番号未定）。
すなわち音響装置１は、車体鋼板１８、フエルト
等の緩衝材１９、リヤパーセルトリム２０とが重
畳された車体内パネル部材であるリヤパーセルシ
エルフ１５に設けられた開口部２１に、該開口部
２１のリヤパーセルトリム側周部に振動板２の周
部を固定して取り付けられている。そしてこの音
響装置１の前記振動板２の車室内面側には、密閉
状の平面部２２と、該平面部２２の周部に垂下さ
れた複数の脚部２３ａと、該脚部２３ａの間に設
けられた開口部２３ｂとからなるガード２４が、
前記脚部２３ａの先端をリヤパーセルトリム２０
に接触させて、ビス２５にて固定されている。し
かしてリヤパーセルシエルフ１５上に荷物が置か
れた場合においても、振動板２はガード２４によ
つて保護されていることから、その荷重によつて
影響を受けあるいは破損されることなく振動して
低音再生を行なうことができるのである。

しかしながら車両用音響装置にあつては、低音
再生時の振動板２の加振時には、これが固着され
ているリヤパーセルシエルフ１５も共に振動する
ことにより、該振動板２の振動を助長し、振動板
２の振幅を増加させて、低音再生帯域を拡大して
迫力ある重低音再生が可能であるにもかかわら
ず、前述のようにビス２５でガード２４を取り付
けた場合、脚部２３ａの先端が、リヤパーセルシ
エルフ１５と圧接した状態となつて該リヤパーセ
ルシエルフ１５の振動板２周囲を押え込み、該部
におけるリヤパーセルシエルフ１５の自由な振動
を阻害してしまう。このため低音再生帯域が減退
し、具体的にはガード２４を取り付けた場合に
は、取り付けない場合に比べて再生帯域の音圧レ
ベルが著るしく低下してしまう不都合がある。

又この音圧レベルの低下を防止すべく、ビス２
５による締め付け力を少なくした場合には、脚部
２３ａのリヤパーセルシエルフとの圧接力は低下
し、前記押え込みは減少するものの、加振に判つ
て該脚部２３ａの先端がリヤパーセルトリム２０
に当接し、所謂びびり音が生ずることとなる。

発明の目的本発明は、このような音響装置の保護構造に鑑
みてなされたものであり、再生帯域の音圧レベル
の低下及び、びびり音の発生等の不利を伴うこと
なく、振動板の保護を図ることが可能な車両用音
響装置の保護構造を提供することを目的とするも
のである。

発明の構成前記目的を達成するために本発明にあつては、
適宜の車室内パネル部材を開口し、この開口に周
部を該パネル部材に結合させて振動部材を取り付
けるとともに、該振動部材に音響加振器を装着
し、該振動部材を加振して低音再生を行なう車両
用音響装置において、振動部材の車室内面側に
は、この振動部材と対向する無開口の平面部と、
該平面部周縁に間隔をおいて設けられ、通常時に
は前記パネル部材表面と非接状態にあり、前記平
面部に荷重が加わつた際、該平面部の撓み変形に
よつて前記パネル部材に当接する支持脚部と、該
支持脚部間に設けられた放出口とを、有するガー
ド部材を覆設してある。

実施例以下、本発明の一実施例について、図面に従つ
て説明する。なお前述した装置と同一部材、同一
部分については同一符号を付して重複した説明は
省略する。

すなわち第５〜７図に示したように、音響装置
１は、車室内パネル部材であるリヤパーセルシエ
ルフ１５に設けられた開口２１に、振動板２の周
部をリヤパーセルトリム２０に結合させて取り付
けられており、該振動板２の車室内面側にはガー
ド２６が覆設されている。該ガード２６は振動板
２に対向しかつこれより大径であつて無開口の平
面部２７を有し、該平面部２７の四方に設けられ
たボス部２８に蝶合された図示しないビスによつ
てリヤパーセルシエルフ１５に固着されている。
又前記平面部２７の周縁には、該平面部２７が通
常の状態ではリヤパーセルトリム２０に接するこ
となく、かつ第７図に示したように平面部２７に
荷重Ｇが加わつた場合の下方への撓み変形によつ
て、その先端部をリヤパーセルトリム２０に当接
する長さの支持脚部２９が複数間隔をおいて設け
られており、又各支持脚部２９間には放出口３０
が設けられている。

以上の構成に係る本実施例において、通常時に
は、振動板２の振動により、再生された低音は、
低周波音であつて波長が長いため、回り込み等を
起し易く、よつて前記平面部２７の存在によつて
影響を受けず、ほとんど減垂することなく周部の
放出口３０より車室内に放出される。そしてこの
とき、ガード２６の支持脚部２９はリヤパーセル
シエルフ１５と非接状態にあることから、該リヤ
パーセルシエルフ１５は、このガード２６の存在
に影響を受けることなく、振動板２と一体となつ
て振動し、該振動板２の加振を助長するととも
に、該振動板２とリヤパーセルシエルフ１５が一
体となつた振動部材による低音再生が行なわれ再
生帯域の音圧レベルが低下するようなことはな
く、又前記支持脚部２９の先端部とリヤパーセル
トリム２０との接触によるびびり音の発生もな
く、ガード２６非着装状態と同様の迫力ある再生
音を得ることができる。

そして乗員がリヤパーセルシエルフ１５に荷物
等を置き、あるいは誤つて平面部２７を押え付
け、この荷重Ｇによつて平面部２７が下方に撓み
変形したような場合においては、この変形によつ
て支持脚部２９はその先端をリヤパーセルシエル
フ１５に接当させてこの荷重を支え、平面部２７
の破損、変形を阻止し、振動板２を確実に保護す
ることができるのである。

第８図は本発明の他の実施例を示すものであつ
て、リヤパーセルシエルフが他の構成に係る場合
である。すなわち車室内パネルであるリヤパーセ
ルシエルフ３１が、車体鋼板１８、緩衝材１９、
リヤパーセルトリム２０で構成されている点は前
記実施例と同様であるが、前記リヤパーセルトリ
ム２０の表面にはパイル３２が植設されている。
一方ガード２６の支持脚部２９の先端は、通常時
においてパイル３２とは接触状態にあるが、リヤ
パーセルシエルフ３１の表面であるリヤパーセル
トリム２０とは非接状態にある。

以上の構成に係る本実施例において、振動板２
の加振時に支持脚部２９とパイル３２が接触状態
にあるが、両部材の接触によつてはびびり音は発
生しないことから前記実施例と同様にガード２６
の非着装時と同様の良好な再生音を得ることがで
きるとともに、前記パイル３２によつて支持脚部
２９とリヤパーセルトリム２０間に生じている間
隙を隠蔽することができることから、外観品質を
向上させることができ、又平面部２２に荷重が加
わつた場合には、支持脚部２９の先端をリヤパー
セルトリム２０に圧接させて、振動板２の保護を
行ない得るのである。なお実施例においては車室
内パネル部材としてリヤパーセルシエルフを示し
たが、音響装置を他の車室内パネル部材に装着し
た場合も、同様の作用効果を奏することは勿論で
ある。

発明の効果以上説明したように本発明は、適宜の車室内パ
ネル部材を開口し、この開口に周部を該パネル部
材に結合させて振動部材を取り付けるとともに、
該振動部材に音響用加振器を装着し、該振動部材
を加振して低音再生を行なう車両用音響装置にお
いて、振動部材の車室内面側には、この振動部材
と対向する無開口の平面部と、該平面部周縁に間
隔をおいて設けられ、通常時には前記パネル部材
の表面と非接状態にあり、前記平面部に荷重が加
つた際該平面部の撓み変形によつて前記表面に当
接する支持脚部と、該支持脚部間に設けられた放
出口とを、有するガード部材を覆設したことか
ら、通常時においては、ガード部材の支持脚部は
前記パネル部材に非接状態にあり、よつてパネル
部材はガード部材に影響を受けることなく、振動
自在性が確保され、前記振動部材の振動を助長し
さらには振幅を増加させて再生帯域を拡大し、び
びり音の発生を伴うことなく迫力ある重低音再生
を行なうことができる。又この再生器は波長の長
い低周波音であることから、前記平面部が無開口
であつても回り込みによつて前記放出口から支障
なく放出され、こもり感のない明瞭な再生音を得
ることができるのである。

そして乗員が音響装置取付け部位上に荷物を置
き、あるいは誤まつて手を付く等して、荷重が生
じた場合には、前記支持脚部がパネル部材に当接
して、振動部材に対向して設けられた平面部を支
持し、該振動部材に荷重が加わるのを阻止するこ
とから、比較的剛性の低い素材で成形される振動
部材は、前記荷重によつて破損することを確実に
防止され、また前記平面部は無開口であるから、
この上に載置された物品が小さくても落下を防
ぎ、この種車両用音響装置の保守性を向上するこ
とができるものである。

本願発明は、振動部材の完全な保護と、支障な
き音の放出という、相反する効果を両立させたも
のである。

加えて前述した他の実施例にあつては、びびり
音を発生させることなく、パイルによつてガード
部材と車室内パネル部材との間隙を隠蔽すること
ができることから、さらに外観品質を向上させる
こともできるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の音響装置を示す断面図、第２図
はその取り付け状態を示す外観斜視図、第３図は
既提案の音響装置の保護構造を示す平面図、第４
図は第３図−線断面図、第５図は、本発明の
一実施例を示す第３図−線に相当する断面
図、第６図は同実施例を示す正面図、第７図は同
実施例の作用を示す説明図、第８図は本発明の他
の実施例を示す正面図である。１……音響装置、２……振動板、３……音響加
振器、１５，３１……リヤパーセルシエルフ、２
０……リヤパーセルトリム、２７……平面部、２
９……支持脚部、２６……ガード、３２……パイ
ル。

Claims

【特許請求の範囲】

１適宜の車室内パネル部材に振動部材を取り付
けるとともに、該振動部材に音響加振器を装着
し、該振動部材を加振して低音再生を行う車両用
音響装置において、前記振動部材の車室内面側に
は、この振動部材と対向する無開口の平面部と、
該平面部周縁に間隔をおいて設けられ、通常時に
は前記パネル部材の表面と非接状態にあり、前記
平面部に荷重が加わつた際該平面部の撓み変形に
よつて前記表面に当接する支持脚部と、該支持脚
部間に設けられた放出口とを、有するガード部材
を、覆設したことを特徴とする車両用音響装置の
保護構造。