JPH021791B2 - - Google Patents

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JPH021791B2
JPH021791B2 JP5916783A JP5916783A JPH021791B2 JP H021791 B2 JPH021791 B2 JP H021791B2 JP 5916783 A JP5916783 A JP 5916783A JP 5916783 A JP5916783 A JP 5916783A JP H021791 B2 JPH021791 B2 JP H021791B2
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water
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alkali
fluidity
present
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JP5916783A
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JPS59184755A (ja
Inventor
Yoshibumi Noshi
Hiroyuki Naito
Kyoshi Takai
Masaaki Sugawara
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Publication date
Application filed by Mizusawa Industrial Chemicals Ltd filed Critical Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Priority to JP5916783A priority Critical patent/JPS59184755A/ja
Publication of JPS59184755A publication Critical patent/JPS59184755A/ja
Publication of JPH021791B2 publication Critical patent/JPH021791B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、ホウケイ酸アルカリ等を結着剤成分
として含有する水硬化性セメント組成物に関する
もので、より詳細には、少ない混水量で流動性に
際立つて優れていると共に、微細な空隙等へ急速
に浸透して充填する特性に優れており、しかも延
長された可使用時間を有する水硬性セメント組成
物に関する。特に、本発明は種々の材料に対する
結着剤、固着剤乃至固化剤として有用な水硬性セ
メント組成物に関する。 従来、セメント組成物としては、ボルトランド
セメントの如き水硬性セメント類が広く使用され
ているが、このような公知の水硬性セメント類に
おいては、この組成物に流動性と硬化性を与える
ために、26乃至35%にも達する混水量が必要であ
る。しかしながら、水硬性セメントの機械的強度
や緻密性は混水量に密接な関連があることがよく
知られており、従来のポルトランドセメントは比
較的大きい混水量を有することに関連して、その
硬化体は曲げ強度等が比較的低く、また透水性が
比較的大であるという欠点を有している。更に、
公知のポルトランドセメントの未硬化水性組成物
は、混水量が大きいにもかかわらず、流動性に乏
しく、例えば微細な空隙等に前記組成物を充填さ
せることが困難であるという問題がある。 従来、原子炉周辺から出る濃縮廃液の乾燥物や
廃液処理に使つたイオン交換樹脂等を、固化剤で
固めた状態で容器内に充填し、この密閉容器を貯
蔵し或いは廃棄処分に付することが行われている
が、この目的に使用する固化剤は以下に述べる
種々の要求を満足するものでなければならない。
先ず、この固化剤は放射線に曝露されることか
ら、放射線による劣化の著しいものであつてはな
らず、かかる見地からは無機系の固化剤が望まれ
る。また、この固化剤は、耐水浸透性に優れ、機
械的強度や耐候性に優れたものでなければならな
い。更に、この固化剤は充填等の作業に十分な時
間のポツトライフを有すると共に、容器内のどの
部分、例えば微細な空隙部にも一様に流動・浸透
して充填されるような流動性を有するものでなけ
ればならない。更にまた、容器容量当りの廃棄物
容量、即ち減容比を大きくすることも重要であ
り、このためには前記固化剤は可及的に少ない容
積で使用されなければならない。 一方、無機質結着剤としてホウケイ酸アルカリ
と無機リン酸硬化剤等に硬化剤とから成る組成物
も既に提案されており(特公昭57−42581号公
報)、この組成物は早期ゲル化や部分ゲル化に対
して安定化され、かなり長いポツトライフを有す
ることが知られているが、この結着剤組成物を上
述した固化剤としての用途に使用すると、未だ流
動性の点で不満足であり、例えば容器内に粒状物
を充填し、この充填物中にスラリーを注加して全
体を強固に固化するという用途には未だ不満足で
あつた。 本発明者等は、この組成物中に結晶性メタケイ
酸バリウムを配合すると、組成物の流動性が顕著
に向上し、微細な空隙へ急速に浸透してこれを充
填するという新規な特性が得られることを見出し
た。更に、このメタケイ酸バリウムの添加によ
り、組成物のポツトライフ(可使時間)もかなり
延長されることを見出した。 本発明によれば、(A)水溶性ホウケイ酸アルカリ
または水溶性ケイ酸アルカリとアルカリ水溶液に
可溶なホウ酸アルカリとの組合せ、(B)のホウケイ
酸アルカリに対する酸性硬化剤及び、(C)結晶性メ
タケイ酸バリウムを主体とする流動性改良剤を含
有して成ることを特徴とする水硬性セメント組成
物が提供される。 本発明のセメント組成物は、先ず従来の水硬性
セメント類に比して、著しく少ない混水量で流動
性を有し且つ硬化し得るという特性を有する。即
ち、本発明の組成物は、その配合比によつても相
違するが、一般に15乃至30%、特に18乃至28%の
水分量で流動性と自己硬化性とを示し、例えばポ
ルトランドセメントが26乃至35%、石膏プラスタ
ーが29乃至38%の混水量を有するのに対して、著
しく少ない混水量を有することがわかる。この混
水量は得られる硬化体の緻密性とも密接に関連し
ており、本発明によれば、より緻密な硬化体を形
成させることが可能となるものである。 本発明のセメント組成物は、このように少ない
混水量を有するにもかかわらず、著しく流動性に
優れているという利点を有する。即ち、このよう
な水硬性組成物の流動性は、この組成物を傾斜板
に施こし、所定時間経過後の流下長即ち、後述す
る定義によるフロー値として表わすことができる
が、従来のポルトランドセメントスラリーのフロ
ー値は5分経時後ですでに5乃至34cm/minの値
を示し、またホウケイ酸アルカリ−ポリリン酸ケ
イ素・スラリーのフロー値は初期には高いとして
も、30分経時後には数cm/minのオーダーに低下
するのに対して、本発明のセメント組成物は、上
述した混水量範囲でしかも30分間経過後において
も20乃至120cm/minのフロー値を示し、流動性
に顕著に優れていることがわかる。 添付図面第1図は、結晶性メタケイ酸バリウム
の未添加物水性ペースト及び添加物水性ペースト
のフロー値と経過時間との関係を示すが、この図
面からもメタケイ酸バリウム配合によるフロー特
性の著しい向上が明白となろう。 本発明において第一の成分Aとして用いる(i)水
溶性ホウケイ酸アルカリまたは(ii)水溶性ケイ酸ア
ルカリとアルカリ水溶液に可溶なホウ酸アルカリ
との組合せは、従来のケイ酸アルカリ・バインダ
ーに加えて、ホウ酸分を含有するという化学組成
上の特徴を有し、この特徴に関連して、強度の脱
水条件下においても尚、水アメ状の状態を維持す
るという従来のケイ酸質バインダーには認められ
ない特性を有している。この特性の故に、この第
一成分Aは、硬化剤との組合せで使用したとき
も、このセメント組成物に優れた結着作用と適度
のポツトライフとを与え、しかも水性分散液とし
て使用したときに、該組成物を早期ゲル化や部分
ゲル化を生ずることなく、流動性に富んだ状態に
維持するという望ましい作用を行う。 第一成分Aとしては、ケイ酸アルカリ粉末とホ
ウ酸アルカリ粉末との組合せを用いることが特に
望ましい。この組合せを用いることにより、全て
の成分を粉末状態でワンパツケージ内に配合する
ことが可能となり、使用直前に必要所定量の水の
みを加えてペースト化し使用に供すればよく、最
終使用に際して各成分の計量や、混合が不要であ
るという利点も同時に達成されるものである。 本発明で使用する粉末ケイ酸アルカリは、水溶
性乃至は水分散性のものであり、M2O:SiO2(式
中、Mはアルカリ金属を表わす)のモル比で表わ
して、1:1.3乃至1:3.2のモル比を有するもの
が好適である。アルカリのモル比が上記範囲外で
は結着剤として使用したときの接着強度等が低下
する傾向がある。ケイ酸ソーダが本発明の目的に
好適であるが、ケイ酸カリを用いることもでき
る。本発明に用いるケイ酸アルカリは、粉末であ
るという条件内で水和した水分等を含有していて
も何等差支えない。 ホウ酸アルカリ塩としては、このものがアルカ
リ性水溶液に可溶であるという条件内で任意の塩
を用いることができ、例えばホウ酸ソーダ、ホウ
酸カリが好適に使用される。これらのホウ酸塩
は、無水塩でも、或いは3水塩、5水塩、7水
塩、10水塩のような含水塩であつてもよい。 ケイ酸アルカリとホウ酸アルカリとは、ケイ酸
アルカリ中のSiO2に対するホウ酸アルカリ中の
B2O3のモル比が1:0.03乃至1:0.3、特に1:
0.05乃至1:0.25の範囲となるように組合せ使用
するのがよい。 ケイ酸アルカリとホウ酸アルカリとを、粉末混
合物として使用する代りに、これらをホウケイア
酸アルカリ水力液の形で用いることもできる。即
ち、この水溶液は前記2つの塩を水に溶解し、所
望により加熱反応させることにより得られる。 尚、ホウ酸分(B2O3)のモル比が上記範囲よ
りも小さいときには、耐水性が低下すると共に、
ペーストの安定性も低下する傾向があり、一方上
記範囲よりも大きくしてもそれにより格別の利点
は得られず、特にペーストの流動性が低下し、経
済的にも不利となる。 第二の成分Bとして用いる酸性硬化剤として
は、ケイフツ化ナトリウム、ケイフツ化カリウ
ム、ケイフツ化バリウム、ケイフツ化カルシウ
ム、ケイフツ化アルミニウム等のケイフツ化物;
ポリリン酸ケイ素、ポリリン酸ケイ素のアルカリ
金属塩、リン酸チタン、リン酸ジルコニウム、リ
ン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸塩;硫
酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミ
ニウム、各ホウ酸塩等の他の酸性塩を挙げること
ができる。これらの酸性硬化剤は何れも水中に添
加したとき酸性側のPHを示すものであり、第一成
分Aの硬化剤として作用するものである。 これらの酸性硬化剤Bの内でも、本発明におい
ては、ケイフツ化物、特にケイフツ化アルカリを
用いることが望ましい。即ち、ケイフツ化アルカ
リは、硬化剤としての作用を有することは勿論で
あるが、水への溶解度が極めて小さく、しかも水
との接触角が小さいため水との濡れがよく、従つ
て所定の混水量において、バインダー成分である
ケイ酸アルカリの粘性を著しく低下させることか
ら、この硬化剤を含有する組成物は、水への濡れ
性やペースト状態での初期流動性を著しく向上さ
せるという利点を与える。このケイフツ化アルカ
リを、少量のポリリン酸ケイ素との組合せで硬化
剤として用いると硬化体の機械的強度、接着強
度、耐水性等の諸物性の点では最良の結果が得ら
れる。 本発明において、第三成分Cとして用いる流動
性改良剤は結晶性メタケイ酸バリウム(BaSiO3
を主体とするものである。この結晶性メタケイ酸
バリウムは、一般に無水塩の形であることが好ま
しく、一般に0.5乃至30重量%のBaO水可溶分を
含有することが流動性改良の見地から望ましい。
無定形のケイ酸バリウムでは、後述する例に示す
通り、流動性改良の効果が小さい。 この結晶性メタケイ酸バリウムは、文献による
と、計算量の酸化バリウムと二酸化ケイ素とを融
解することにより得られるが、本発明者等の研究
によると、石英型結晶構造のケイ砂と炭酸バリウ
ム、酸化バリウム或いは水酸化バリウムとを900
乃至1200℃の温度で焼成することにより容易に得
られる。尚、本明細書において、結晶性メタケイ
酸バリウムを主体とするとは、この結晶性メタケ
イ酸バリウムが主成分であることを意味してお
り、例えば少量の二酸化ケイ素や酸化バリウム或
いは炭酸バリウムが含有されていても差支えない
ことを意味する。このメタケイ酸バリウムは、60
メツシユよりも小さい粒度を有することが望まし
い。 本発明において、結晶性メタケイ酸バリウムの
配合により、ホウケイ酸アルカリ−酸性硬化剤系
水硬性セメントの流動性が向上することは、現象
として見出されたものであり、その理由は十分に
解明されるに至つていない。只、本発明者等はそ
の理由を次のように推定している。即ち、この結
晶性メタケイ酸バリウムは、結着主成分であるホ
ウケイ酸アルカリに対して、ケイ酸塩であり且つ
塩基性であるという点で共通しており、しかも
BaO水可溶分は実質的にケイ酸バリウムとして
溶解することからこの結着主成分に非常にナジミ
やすいという特性を有し、しかもこの溶解したケ
イ酸バリウム分が結着主成分のケイ酸ソーダーの
表面に極めて薄い被膜を形成するものと思われ
る。従つてこのメタケイ酸バリウムは塩基性で水
溶性BaO分を有することから、酸性硬化剤のホ
ウケイ酸アルカリに対する硬化作用を遅延させる
作用を示すものと認められる。このため、本発明
の水硬性組成物は著しく初期流動性が向上し、ポ
ツトライフが一層延長されるという極めて優れた
流動特性を示すものと推定される。 本発明において、固形分を基準として、ホウケ
イ酸アルカリ等のバインダー主成分(A)100重量部
当り、酸性硬化剤(B)を50乃至100重量部、特に60
乃至75重量部、及び流動性改良剤(C)を1乃至20重
量部、特に3乃至10重量部の量で使用するのがよ
い。 即ち、酸性硬化剤の量が上記範囲よりも少い
と、この組成物が固化しにくく、また硬化物の強
度及び耐水性が低下する傾向があり、また上記範
囲よりも多いと流動性が低下し、ポツトライフも
短かくなり、更に硬化物の緻密性が失われて、硬
化物の諸特性が低下する傾向がある。また、結晶
性メタケイ酸バリウムの量が上記範囲よりも少な
い場合にも多い場合にも、組成物の流動性が所期
のレベルに到達せず、更にこの量が上記範囲より
も多いと硬化物の諸特性が低下するようになる。 本発明の水硬性セメント組成物は、硬化剤成分
とバインダー成分とを別個に包装したツー・パツ
ケージ型の硬化組成物として、また全ての成分を
一緒に配合したワン・パツケージ型の硬化組成物
として種々の用途に供することができる。 本発明のセメント組成物には、予じめパツケー
ジ内に、或いは最終使用時に種々の助剤や配合剤
を配合できる。このような助剤としては種々の補
強剤乃至は骨材、顔料、アンカー剤、初期粘着性
付与剤等を配合できる。 また、補強剤としては、ガラス繊維、ロツク・
ウール、スラグ・ウール、石綿、タルク、カーボ
ン繊維、金属繊維等のステープル、スライバー、
マツト、織布、不織布或いは網等の繊維質補強剤
を使用することができ、更にカーボンブラツク、
ガラス粉、ホワイトカーボン、ケイ砂粉、各種金
属粉等の微粉末補強剤を使用することができる。
また、充填材としては、カオリン、焼成クレイ、
酸性白土、活性白土、二酸化ケイ素、アルミノケ
イ酸およびその塩、二酸化チタン、二酸化ジルコ
ニウム、アルミナ粉、硫酸バリウム、炭酸マグネ
シウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、ケ
イ酸カルシウム、酸化亜鉛、石膏、ゼオライト
粉、砂、岩石、耐火性鉱物等の各種無機質充填材
や骨材が使用される。また、本発明のセメント組
成物の強度補強ならびに適度の含水量の調節のた
めに、ポルトランドセメント粉末、アルミノセメ
ント粉末、等の水和型セメント粉末を使用するこ
ともできる。さらにまたフエノール樹脂、尿素樹
脂、CMC等の各種有機質の充填材を粉末として
または液状体として配合使用することができる。 顔料としては、二酸化チタン等の白色顔料の外
に、黄鉛、ベンガラ、群青、クロムグリーン、マ
ルスバイオレツト、カーボンブラツク、ベンガラ
等の有色顔料が使用される。 骨材としては、用途に応じて、酸性、中性或い
は塩基性の各種耐火物骨材が使用され、例えばシ
ヤモツト、ロウ石、ムライト、半ケイ石質高アル
ミナ質(パーライト)等のAl2O3−SiO2系骨材;
ケイ石等のSiO2系骨材;コランダム、その他の
電融アルミナ等のAl2O3系骨材;ホルステライト
等のMgO−SiO2系骨材;炭化硅素(SiC系);黒
鉛;クロム質、クロムマグネシウム質、マグネシ
ウムクロム質;マグネシアクリンカー、電融マグ
ネシア、焼成ドロマイト、マグネシヤ、カルシ
ヤ、各種ケイ酸塩、ゼオライト、フライアツシユ
等の単独或いは2種以上の組合せを挙げることが
できる。 これらの耐火物骨材は、それ自体公知の粒度調
整、即ち、一般に粒径1乃至5mmの粗粒分が10乃
至70重量%、粒径1mmよりも小さい微粒分が90乃
至30重量%となるような割合いで配合し、耐火物
組成物とする。勿論、これらの骨材を、直接上記
粒度構成に近い粒度となるように粉砕し、篩分け
等を行うことなしに骨材として使用することもで
きる。 また、初期水性分散液の粘着性を一時的に増強
するために、各種糊料、ラテツクス等を配合する
こともできる。 上述した配合剤は、勿論最終組成物の作業性を
損わないように、種類及び配合量を選択する必要
がある。 本発明のセメント組成物は、種々の成形物品の
製造に使用することができる。例えば、本発明の
セメント組成物は、繊維質或いは微粉末状の補強
材或いは充填材、更に骨材と組合せて、種々の難
燃性の成形構造物、例えば屋根材、内外装用タイ
ル、ブロツク、レンガ、中空壁部材、床部材、仕
切部材、防音材、高層建築の鉄材の耐火被覆等の
建築材料;テーブル、椅子等の家具類;食器その
他の容器;各種装飾品;パイプ、シート、ブロツ
ク、ビーム、柱、ケーシング等の各種構造材料;
各種鋳物用型;定形或いは不定形の窯業用レン
ガ;産業廃棄特に放射性廃棄等の処理に結着性、
粘結剤、接着剤、固結剤、セメント剤、目地剤、
バインダーとして有用である。 また、本発明のセメント組成物は、ガラス、レ
ンガ、スレート、ブロツク、トウ磁器等の各種窯
業製品、金属等を接着させて集合体乃至接着構造
物を製造するための接着剤としての用途にも有用
である。 更に本発明のセメント組成物は、レンガ、トウ
器、コンクリート製品、石膏ボード、木材、紙、
その他の繊維製品を含浸乃至表面処理して、これ
らの材料に不燃性或いは水不浸透性等の性質を賦
与するのに有用であり、またこれに不燃性被覆を
形成するのに有用である。 更にまた、本発明のセメント組成物は、充填材
或いは顔料を必要により添加して、無機質塗料と
し、耐熱塗料として各種構造物に塗布することが
できる。 本発明の組成物を用いて固化物成形物、接着構
造物及び被覆構造物を製造するに際して、その水
性分散体の硬化は、常態においても或いは加熱加
圧下にも行うことができる。例えば、硬化温度は
10乃至200℃、特に10乃至150℃の範囲でよく、ま
た硬化時の圧力は常圧でも或いは10Kg/cm2程度迄
の加圧下でもよい。また、硬化時の雰囲気は通常
空気中で十分であるが、所望によつては減圧下或
いは窒素ガス雰囲気のような不活性雰囲気とする
ことができ、更に硬化時間を短縮するために雰囲
気として炭酸ガスを用いてもよい。さらにまた、
硬化に際して硬化雰囲気を高湿度、例えば60%、
好適には80%以上の条件に保つことによつて、硬
化体の内部と表面部とを均質に硬化させることが
可能となり、成型体の強度ならびに他の物性を向
上させることができる。 必要な硬化時間は、温度や硬化剤さらに助剤の
種類及び配合量によつても相違するが、一般的に
言つて、2分間乃至1週間の内から用いる硬化温
度に応じて適当な時間を選ぶのがよい。例えば、
被覆組成物の加熱硬化の場合には2乃至10分間程
度の時間で十分な硬化を行うことができ、接着構
造物や厚手の成形物の室温硬化の場合には、完全
な機械的強度を有する硬化物を得るに1週間程度
の時間を要する場合もある。 本発明のセメント組成物は、前述した種々の特
性を有するため、放射性廃棄物の固化剤としての
用途に供すると種々の利点が達成される。先ず、
本発明の水硬性セメント組成物は、著しく少量の
混水量で硬化が可能で、しかもこの硬化物は種々
の機械的強度に優れているため、従来の水硬性セ
メント類に比して著しく少量の使用で放射性廃棄
物の固化をでき、その結果として、廃棄物を高い
減容比でドラムカン等の容器内に充填させ、固化
させることができる。しかも、この硬化用水性セ
メント組成物は、少ない混水量にもかかわらず、
高い流動性を有しており、前記廃棄物の粒状体を
容器内に充填した後、これを注加した場合にも容
器内の隅々に行きわたつて、これらを被覆し一体
に固化するという作用を有する。更に、この固化
剤は硬化後の緻密性、耐透水性にも優れているた
め、仮りに水分等と接触した場合にも、廃棄物と
水とが直接接触するのが防止され、また火災等に
あつても固化剤の層にクラツク等が発生するのを
防止できる。のみならず、この固化剤は耐水性、
耐酸性、耐候性に優れているばかりではなく、海
水に対しても顕著な耐性を有している。更に、こ
の固化剤は廃棄物中に高放射性のセシウムが含有
されている場合にも、これを固定してその溶出を
防止するという予想外の特性を有している。 本発明を次の例で説明する。 実施例 1 セメント組成物について説明する。 A−1 粉末ケイ酸ソーダ 下記第1表に表示する組成を有する4種の粉末
ケイ酸ソーダを市販工業薬品より選んだ。
【表】 A−2 アルカリ水溶液可溶なホウ酸アルカリ 下記第2表に表示する分子式を有する3種のホ
ウ酸塩を市販試薬より選んだ。
【表】 A−3 水溶性ホウケイ酸アルカリ 上記ケイ酸ソーダとホウ酸塩の両粉末を下記第
3表に示す量割合で均質に混合してバインダー剤
(成分A)を調製した。
【表】 A−4 ポリリン酸ケイ素(酸性硬化剤1、成分
B) ポリリン酸ケイ素は本発明者等の2件の特許
(特公昭46−40866号および特公昭46−42711号公
報及び特願昭57−32277号公報)明細書記載の方
法に準拠して調製されたポリリン酸ケイ素4種類
を選んだ。 ここに調製されたポリリン酸ケイ素のSiO2
P2O5のモル比、ケイ酸分として選んだ原料およ
びその原料より混入する他の成分(例えば
Al2O3,CaO,MgO等)の組成等を下記第4表に
併せ表示した。 なお、ここに調製したポリリン酸ケイ素につい
て、下記に記載する測定方法によつて分散性なら
びにゲル化時間を測定し、その結果を第4表に併
せ表示する。
【表】
【表】 表中の略記号:
AS=酸性白土より製造した易反応性ケイ酸
PA=工業用リン酸
A 分散性ならびにゲル化時間の測定 ゲル化時間の測定は、本発明者らの出願特許
(特公昭57−42581号公報及び特願昭57−32277号
公報)明細書記載の方法に準拠して測定した。 また分散性に関しては、粉末試料に水を加え、
撹拌を開始した時に試料全体が均質なペースト状
となることを分散性良好とし、撹拌開始時にママ
コが出来たり、不均質状態になる時は分散性不良
と判断した。もちろん分散性不良の試料は本発明
の硬化剤とはならない。 A−5 ケイフツ化アルカリ(酸性硬化剤2、成
分B) ケイフツ化アルカリとしては、市販工業薬品の
ケイフツ化ソーダ(Na2SiF6)(試料番号NSF)
およびケイフツ化カリ(K2SiF6)(試料番号
KSF)の粉末を選んだ。 A−6 結晶性メタケイ酸バリウム(流動性改良
剤、成分C) 結晶性メタケイ酸バリウムとしては、一般市販
のもので良いが、本実施例においては代表的調製
方法として下記参考例1に記載された方法により
珍製した結晶性メタケイ酸バリウム7種を選ん
だ。 参考例 1 ケイ酸源にフラタリ硅砂及び特許(特願昭57−
32277号公報−特開昭58−151356号)明細書記載
の参考例1の方法と調製された特殊ケイ酸ゲルで
ある易反応性ケイ酸とフラタリ硅砂との等モル混
合物、バリウム源として市販試薬の炭酸バリウム
を選び、SiO2/BaOのモル比が0.2乃至1、好ま
しくは0.5乃至1、より好ましくは1になるよう
に調製し、両者を混合し、15乃至20%の水で調湿
造粒にて約10mm径の顆粒状とした後、回転式キル
ンを用いて、900乃至1200℃好ましくは1000乃至
1100℃で0.5乃至1時間、焼成し、乾式粉砕にて
粒径60μ以下95%以上に分級し結晶性メタケイ酸
バリウム塩7種を調製した。 なお、ここに調製された結晶性メタケイ酸バリ
ウム塩はBaO成分として1乃至30重量%の水可
溶分をもちその結果と試料番号を併せて第5表に
表示する。
【表】 B 成分Cの水可溶BaOの測定 試料5gを秤量し、200三角フラスコに入れ、
蒸留水100mlを加え、密栓して30分間撹拌した後
別し、その液中のBaO成分を分析し、試料
5gで徐した重量%をもつて、BaO成分の水可
溶分とする。 A−7 無定形ケイ酸バリウム(充填安定化剤、
成分D) 無定形ケイ酸バリウムとしては、一般市販のも
のでも良いが、本実施例においては代表的調製方
法として本発明者等の特許(特願昭57−32277号
公報)明細書記載の方法により調製した無定形ケ
イ酸バリウムのうちから試料番号BALS−1を主
に選んだ。 なおここに調製されたケイ酸バリウムの粒度分
布は、10μ以下(50重量%)、10乃至30μ(30重量
%)、30乃至60μ(20重量%)又このものの5%水
分散PHは11及びBaOの水可溶分は2.6重量%であ
つた。 A−8 助剤 助剤としては市販の無機薬品粉末、顔料、充填
材、伝然の鉱物より、本発明のセメント組成物と
してのペーストの流動性を損なわない条件におい
て、下記に示す粉末を配合材として選んだ。
【表】 B−1 セメント組成物の水性ペーストおよびそ
の固化体 第6表に表示した流動性改良剤を添加した各配
合による水硬性セメント製成物粉体を所定の混水
量で撹拌させ、得られた均質な水性ペースト及び
このペーストを円柱状型枠(30φ×15mm)に流し
込み、25℃で関係湿度75%雰囲気下で硬化させ、
得られた固化体について下記C乃至Gの各項目に
記載する測定方法により物性及び効果についてそ
れぞれ測定し、その結果を第7表に表示した。 なお、本発明の流動性改良剤の添加効果を明確
にするため、比較例を挙げて、その試料番号を
“H−”シリーズとして示した。
【表】
【表】
【表】 以上の結果、第5表及び第6表から明らかなよ
うに、本発明セメント組成物配合剤の成分Aのバ
インダー剤、成分Bの酸性硬化剤、及び成分Dの
充填安定化剤等の配合剤が、この粉体の水性ペー
スト及びその固化体に及ぼす物性ならびに効果に
対し、相乗的に作用している。そこで特に水性ペ
ーストにおける経時的な粘性向上による流動性の
低下に対し、成分Dが成分Bの硬化剤に対し、充
填安定剤としてペーストの粘性向上による両動性
(フロー値)の低下を抑制させるように作用して
いる。この基本配合のセメント組成分に対し、本
発明の結晶性メタケイ酸バリウムから成る成分C
を添加することによつて、著しく初期流動性が向
上すると共に、流動性の経時劣化も著しく減少
(添付図第1図を参照)していることから、成分
Cが流動性改良剤として極めて効果的に作用して
いることがよく理解される。又、成分Cは上記の
如く、極めて低い混水量でありながら、著しく流
動性を高め、硬化速度をも著しく遅延させている
にもかかわらず、固化体の諸特性を損なわぬこと
もよく理解される。 C フロー値 本発明のセメント組成物粉体を所定量の混水量
(重量%)で均質な水性ペースト(流動体)とし、
各経時毎にその一定量5mlを注射器でガラス傾斜
板(傾斜角50゜)上に流し、その1分間の初期流
れ値(cm)を測定し、その値をもつてフロー値
(cm/min)と定義し、この値から水性ペースト
の流動特性を評価した。 D 固化時間 水性ペーストは雰囲気の温度及び湿度に対し、
経時的にゲル化しつつ硬化して、硬い固化体とな
る。そこで温度25℃、関係湿度75%の条件で固化
体の表面が硬度HOの鉛筆の芯がささらなくなる
時間を計り、これをもつて固化時間(hr)と定義
し評価した。 E 耐水性 Dと同寸法の固化体を静置水中に浸漬させ、少
なくとも60日以上に亘つて、ヒビ割れ、崩壊及び
膨潤等の形状変化が全くない場合をもつて耐水性
ありとして評価した。 F 曲げ及び圧縮強度 耐水性の良好な固化体についてJIS−A1106に
準拠して得られた正方形断面の供試体を用いて、
25℃、関係湿度75%の雰囲気に3日養生した後、
27日間20乃至25℃静置水中に浸漬させた後、それ
ぞれの供試体について3点曲げ法で曲げ強度
(Kg/cm2)を測定し、次いでその折片でJIS−
A1114に準拠して、圧縮強度(Kg/cm2)をそれぞ
れ測定し固化体の機械的強度を評価した。 G 混水量 ペースト中の添加水の重量% 実施例 2 実施例1における本発明セメント組成物配合中
の結晶性メタケイ酸バリウム(流動性改良剤、成
分C)の添加量とその効果について説明する。 まず実施例1の第6表に表示した試料番号1H
−2に対し、同じく第5表に表示した試料番号
BS−7の流動性改良剤を1H−2の配合剤中のバ
インダー剤の成分A100重量部に対し、0乃至20
重量部を添加した本発明のセメント組成物のペー
ストのフロー値を測定し、その結果成分Cの添加
効果について、表−8に表示した。
【表】 以上の結果、第8表から明らかなように、本発
明の結晶性メタケイ酸バリウムを添加することに
より、ペーストの初期流動性が著しく向上し、し
かもポツトライフも延長されることがよく理解さ
れる。 実施例 3 本発明水硬性セメント組成物の応用例について
説明する。 3−1:ペレツト状放射性廃棄物の固化 原子力発電所などから発生する放射性廃棄物は
従来ドラム罐などの容器内でセメントやアスフア
ルトと均質混合固化させた後、保管されている
が、従来の方法では容器内に充填できる放射性廃
棄物の量が少なく、貯蔵体の個数が増大するた
め、この減容比の改善が求められている。 この貯蔵体の貯蔵容量を減少させることを目的
に、放射性廃棄物の乾燥粉体を前もつて加圧成形
にて、35×25×13mmのココナツ形ペレツト状固形
物に圧縮成形した後、容器内にアスフアルトで固
化させる特許(特開昭52−85699、特開昭52−
85700)が出願されている。 そこで上記特許に準拠したペレツト状固形物
(株式会社日立製作所日立工場製)260Kgを充填さ
せた200ドラム容器中に実施例1の第6表に表
示した試料番号1−2の本発明セメント組成物粉
体の水性ペースト110Kg(約65)を8分で注入
させ、次いで温度25℃に放置し、2日間後に完全
な固化体となつた。 そこで、200のドラム罐容積が185、これに
260Kgのペレツトを入れた時に生ずるペレツト間
隙によるドラム罐の空隙容積が約65となる。本
実施例で注入した110Kgのペーストの容積は、ペ
ーストの比重(約1.7)から算出すると約65と
なる。 以上の結果から、流動性改良剤を配合した本発
明セメント組成物は、極めて低い混水量で使用し
てもそのペーストは容器内に細密充填されたペレ
ツト間隙による微細な空隙へ浸透し完全に充填さ
れるほど両動性に優ぐれた水性ペーストになるこ
とが判明した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、流動性改良剤の成分Cの未添加物水
性ペースト(比較例の試料番号1H−2)及び添
加物水性ペースト(実施例1の試料番号1−2)
の各経時毎のフロー値をそれぞれ表わす。 図中の記号Aは結晶性メタケイ酸バリウムの未
添加物の比較例(試料番号1H−2)及び記号B
は、添加物の実施例(試料番号1−2)をそれぞ
れ示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A)水溶性ホウケイ酸アルカリまたは水溶性ケ
    イ酸アルカリとアルカリ水溶液に可溶なホウ酸ア
    ルカリとの組合せ、(B)のホウケイ酸アルカリに対
    する酸性硬化剤及び(C)結晶性メタケイ酸バリウム
    を主体とする流動性改良剤を含有して成ることを
    特徴とする水硬性セメント組成物。 2 固形分を基準として、成分(A)100重量部当り、
    成分(B)を50乃至100重量部及び成分(C)を1乃至20
    重量部の量で含有することを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の組成物。 3 結晶性メタケイ酸バリウムは0.5乃至30重量
    %の水可溶分を含有するものである特許請求の範
    囲第1項記載の組成物。
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