JPH0217595Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は一般家庭において使用する除湿型の衣
類乾燥機に関するものである。

従来例の構成とその問題点 現在主流の衣類乾燥機は、外部の空気を加熱体
で加熱し、この加熱にて生じた熱風を衣類収納庫
内に導入して乾燥作用を行なわせる方式をとつて
いる。この方式において問題となるのは、湿気が
機器外部へ排出されるため、室内で乾燥機を使用
した場合、室内の湿度が著しく高くなつて不快に
なる点である。また、壁等に水分が露結したりし
て、使用者にとつては非常に不快であるとともに
壁にひび等を生じる原因にもなつている。

これらの問題点を解決するために、最近では湿
気を含んだ空気を乾燥機外に放出させない方式、
すなわち除湿機能を具備した衣類乾燥機が提案さ
れるに至つた。

この方式の衣類乾燥機を第１図に示す。図にお
いて、１は回転自在に設けられた衣類収納庫で、
後壁面にはフイルタ２およびフイルタカバー３が
装備されている。４は循環フアン、５は熱交換器
で、衣類収納庫１と熱交換器５は、循環風胴６，
７を介して連通しており、循環風胴７内には加熱
体８を具備している。すなわち、上記衣類収納庫
１、循環フアン４、熱交換器５、循環風胴６，７
によつて循環空気経路を構成しており、この乾燥
空気経路途中より乾燥空気が外部に漏れないよう
に連結箇所等の要部はシールを気密的に施こして
いる。

９は冷却風胴で、内部には冷却フアン１０を具
備している。１１はモータで、プーリ１２，１３
およびベルト１４を介して循環フアン４を駆動
し、また、冷却フアン１０も駆動する。さらに、
モータ１１は衣類収納庫１を駆動するものであ
る。冷却フアン１０は外気を熱交換器５表面に供
給し、熱交換器５内を通過する湿気を含む乾燥空
気を冷却するものである。

乾燥中は高温多湿の空気が熱交換器５で冷却さ
れるため、その湿気は凝縮され、減湿された空気
は加熱体８で加熱されて再び衣類収納庫１へ導入
される。

熱交換器５内に生じた凝結水は乾燥機外へ排出
される。以上の乾燥サイクルにより乾燥が進行
し、乾燥機外へ多湿空気を排気することなく乾燥
することができる。なお、第１図中、ａは循環空
気流を示し、ｂは冷却空気流を示す。

上記の除湿方式の乾燥機とは別に、現在乾燥機
市場では、設置面積を小さくすべく奥行寸法を短
かくした薄型の乾燥機が脚光を浴びつつある。こ
の薄型の乾燥機は、日本の居住空間に合わせた省
スペースをねらいとしたものであるが、乾燥機を
洗濯機の上にセツトで置くいわゆるシステムラン
ドリー形式で設置した場合、従来の奥行の大きい
乾燥機より圧迫感が少なく、また洗濯機上方にお
ける出張りが少なくなるので洗濯機の操作性も良
くなる。さらに、洗濯機の操作に邪魔にならない
分だけ乾燥機を低い位置に設置できるので乾燥機
そのものの使い勝手も良くなるというメリツトも
この薄型の乾燥機は有している。

さて、当然のことながら付加価値の高い乾燥機
を追求すれば、以上に述べた除湿方式でしかも薄
型コンパクトであるという２つの機能を備えた乾
燥機が要求されるが、残念ながらこの２つの機能
は相反するものである。除湿方式にすることによ
つて熱交換器、循環風胴、冷却フアン等の部品点
数が増加し大型化する中で奥行を小さくしなけれ
ばならないのであるから必然的に設計が苦しくな
る。

除湿方式の乾燥機を薄型コンパクト化した従来
例が第２図である。第２図に示す乾燥機が第１図
に示すそれと大きく異なるのは、乾燥空気送風用
の循環フアン４を衣類収納庫１の側部に来るよう
に構成している点である。各部品の機能は第１図
の場合と全く同様である。なお、第２図では冷却
フアン及び冷却風胴は省略してある。

従来においては、循環フアンを衣類収納庫後部
からなくすことで衣類収納庫後部の奥行を小さく
できたが、衣類収納庫前部には循環風胴７及び加
熱体８があるために奥行を小さくすることができ
なかつた。特に、循環風胴７の加熱体８前部の空
間は、循環風量、乾燥空気加熱効率に影響するた
め、十分に確保する必要があり、このために衣類
収納庫前部にデツドスペースが生じてもこの空間
を確保せざるを得なかつた。

このように従来においては、コンパクト化し１
cmでも奥行を小さくしたいという課題に対して、
衣類収納庫前部にデツドスペースを有するという
決定的な問題点があつた。

考案の目的 本考案はこのような従来の問題を解消し、除湿
型の衣類乾燥機の衣類収納庫前部の循環風胴によ
つて生じるデツドスペースを減少させ、無駄のな
い密度の高い薄型コンパクトな乾燥機を提供する
ことを目的とするものである。

考案の構成 そして、上記目的を達成するために本考案は、
従来衣類収納庫前部の本体内部に収容していた循
環風胴の一部を、本体前面に設けた穴部を介し本
体外部へ突出させたことにより、循環風胴の形成
により生じていた無駄なスペースが少なくなり、
短かい奥行寸法の乾燥機を提供するものである。

実施例の説明 以下、添付図面に基き本考案の一実施例につい
て説明する。第３図、第４図において、１５は回
転自在に設けられた衣類収納庫で、後壁面にはフ
イルタ１６およびフイルタカバー１７が装備され
ている。１８は循環フアン、１９は熱交換器で、
これら循環フアン１８および熱交換器１９は衣類
収納庫１５の側壁と本体内壁との空間に配設され
ている。また、衣類収納庫１５と熱交換器１９
は、循環風胴２０，２１を介して衣類収納庫１５
の前面および後面側と連通しており、衣類収納庫
１５の前面側の循環風胴２１内には加熱体２２を
具備している。すなわち、上記衣類収納庫１５、
循環フアン１８、熱交換器１９、循環風胴２０，
２１によつて循環空気経路を構成している。そし
て、前記循環風胴２１の加熱体２２前部の空間
は、循環風量の確保、加熱効率の向上等の理由か
ら広くとる必要があるため、奥行を大きくとつて
いるが、この奥行を大きくとることで前方へ突出
した循環風胴２１一部における膨出部２１ａは、
本体２３前面に設けた穴部２３ａを介し外部へ突
出させるように構成している。

すなわち、上記のように、循環風胴２１のどう
しても奥行寸法を必要とする部分だけを、本体２
３の穴部２３ａを介し本体２３外部へ出している
ため、本体２３の奥行寸法を広げる必要がなく、
最小限の本体奥行寸法で十分な乾燥性能を有する
除湿型衣類乾燥機を得ることができる。なお、２
４は本体２３より突出した膨出部２１ａを外部か
らおおうための風胴カバーである。

また、第３図では省略しているが、第４図に示
すように、２５は冷却風胴で、内部には冷却フア
ン２６を具備している。２７はモータで、プーリ
２８，２９およびベルト３０を介して循環フアン
１８と冷却フアン２６を駆動する。さらに、モー
タ２７はＶベルト３１を介して衣類収納庫１５を
も駆動する。冷却フアン２６は外気を熱交換器１
９表面に供給し、熱交換器１９内を通過する湿気
を含んだ循環空気を冷却するものである。

乾燥中は高温多湿の空気が熱交換器１９で冷却
されるため、その湿気は凝縮され、減湿された空
気は加熱体２２で加熱されて再び衣類収納庫１５
へ導入される。熱交換器１９内に生じた凝結水は
排水口３２より乾燥機外へ排出される。

考案の効果 上記実施例から明らかなように本考案によれば
乾燥性能に影響を及ぼす加熱体前部に位置する循
環風胴を、本体前部に設けた穴を介し本体外部へ
突出させるという極めて簡単な構成によつて、乾
燥性能を十分に確保しながらも奥行寸法の短かい
薄型コンパクトな除湿型の衣類乾燥機を提供でき
る。また、従来では機外排気型の乾燥機から除湿
型の乾燥機へ機種展開する場合に、本体寸法を広
げなければならないことがしばしばあつたが、本
考案によれば、排気型も除湿型も同一本体で構成
することが可能になり、機種展開時のコスト面、
製造面でのメリツトが生じることは言うまでもな
い。なお、一般的によく行なわれているように、
加熱体の電気入力を雰囲気温度によつて切換える
ために循環風胴の加熱体近傍部分にサーモスタツ
トを取付けた場合にも、従来の乾燥機ではこのサ
ーモスタツトの交換は衣類収納庫等を取り出し分
解して循環風胴を露出させて行なわなければなら
なかつたが、本考案の乾燥機であれば、循環風胴
の一部が本体より露出しているため、風胴カバー
を取はずす等簡単な作業でサーモスタツトが交換
可能となり、サービス面でも有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の除湿型衣類乾燥機の一般的構造
を示す横断上面図、第２図は薄型化を図つた従来
の除湿型衣類乾燥機の横断上面図、第３図は本考
案の一実施例における衣類乾燥機の横断上面図、
第４図は同一部欠截斜視図である。 １５……衣類収納庫、１８……循環フアン、１
９……熱交換器、２０，２１……循環風胴、２２
……加熱体、ａ……循環空気流、ｂ……冷却空気
流。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 衣類収納庫の前面と後面とを連通状態に接続す
   る循環風胴、循環フアンおよび熱交換器を有し、
   前記衣類収納庫、循環風胴、循環フアンおよび熱
   交換器から循環空気経路を構成するとともに、前
   記熱交換器を冷却する冷却空気経路と前記循環空
   気経路を本体に収容し、前記循環フアンおよび熱
   交換器を本体内壁と衣類収納庫側壁との間の空間
   に位置させ、前記熱交換器より風下側で、衣類収
   納庫前面近傍に加熱体を収容した循環風胴の加熱
   体前部を、前記本体前面に設けた穴部を介して本
   体外部に突設させた衣類乾燥機。