JPS628877Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転ドラム内の衣類の乾燥作用によつ
て生じた高温多湿の空気中から除湿することによ
り、除湿後の空気を再度加熱して乾燥用空気とし
て、回転ドラム内に送りこむ、いわゆる除湿式の
衣類乾燥機に関するものである。

第１図は従来の除湿式の衣類乾燥機を示してお
り、１は衣類乾燥機のボデイ、２は衣類を収納し
ボデイ１内に回転自在に設置された回転ドラム
で、モータによりベルトを介して回転駆動され
る。４は熱交換型送風機のインペラ、５はインペ
ラ４を回すためのフアンベルト、６はインペラ４
と共に熱交換型送風機を形成するフアンケース、
７はインペラ４とフアンケース６とをボデイ１に
固定するためのホルダー、８は裏板９と共に冷却
空気の吸気風胴を形成する吸気ガイド、１０は裏
板９に設けた冷却空気排気ルーバ、１１，１２は
それぞれ除湿水を排水するための第１，第２の排
水口である。

第２図は衣類乾燥機の側断面構造を示し、１３
は回転ドラム２内に衣類を投入する投入口、１４
は乾燥用循環空気を導く循環風胴、１５は回転ド
ラム２内へ供給される乾燥用循環空気を加熱する
ヒータである。矢印１６は乾燥用循環空気の流れ
を表わし、破線矢印１７は冷却空気の流れを表わ
している。第１の排水口１１は循環風胴１４部分
に設けており、第２の排水口１２はフアンケース
６部分に設けている。

第３図は、熱交換型送風機のインペラ４の外観
形状を示しており、１８は波形状薄板で構成され
るブレード、１９はブレード１８の内周端を内包
し支持する円筒２０とインペラ４の回転軸を固定
するボス部２１とを有する内側主板、２２はブレ
ード１８の外周端を内包し支持する交互に突出し
た櫛歯状突起２３を有する外側主板である。

第４図は前記インペラ４のブレード１８部分の
詳細を示したもので、櫛歯状突起２３はブレード
１８の両面を流れる空気の混合を防ぐ役割を有し
ている。インペラ４両面を流れる空気はそれぞれ
白矢印と黒矢印で示しており、両空気は波形状薄
板からなるブレード１８の両面の溝を混合するこ
となく隣り合つて流れ、ブレード１８を構成する
薄板の面を介して熱交換することができる。

上記構成によれば、電源を投入すると、モータ
３が回転し、ベルト伝動により回転ドラム２が回
転すると同時にフアンベルト５を介してインペラ
４が回転する。インペラ４の回転により乾燥用循
環空気１６の流れと冷却空気１７の流れが生じ、
乾燥用循環空気はヒータ１５で加熱された後、回
転ドラム２内に入つて衣類の水分を蒸発させ、高
温高湿の空気となつてインペラ４に吸気される。
この時、インペラ４のもう一方の面には冷却用の
室温の空気が流れているため、インペラ４のブレ
ード１８の表面を介して熱交換が行なわれ、乾燥
用循環空気は熱を奪われて凝縮し水を生じる。イ
ンペラ４により冷却除湿された乾燥用循環空気は
ヒータ１５へ再び導かれ、循環される。一方、除
湿水はボデイ１の正倒立いかんによつて第１の排
水口１１または第２の排水口１２より排水され
る。

ここで、第１の排水口１１より排水される場合
は、第５図に示したように、乾燥機を洗濯機２４
の上部に設置した場合である。この場合、乾燥時
間を設定するタイマー２５を有する燥作パネル２
６は、操作上、できる限り下方にある方がよく、
したがつてこのように設置した場合、排水口位置
は操作パネル２６側の第１の排水口１１より排水
されることになる。

また、第６図に示すように、乾燥機を床置きす
る場合においては、操作パネル２６は上方にある
方が操作上都合が良い。これを同一機種の乾燥機
で実現するためには、乾燥機を倒立させればよ
い。この場合は、操作パネル２６とは反対側にあ
る第２の排水口１２より排水されることになる。

以上述べたように、熱交換型送風機を用いた従
来の除湿式の衣類乾燥機では、洗濯機上方の空間
に設置するいわゆるランドリータイプと床置きタ
イプの兼用を実現するために、第１，第２の排水
口１１，１２が必要となり、このため、ボデイ１
の加工、フアンケース６の加工が必要であり、ま
た、長い排水ホースが必要である等、大きなコス
トアツプの要因となるものである。また、床置き
で使用する場合においては、第２の排水口１２よ
り排水されるが、第２の排水口１２が糸くず等で
閉鎖された場合に、フアンケース６内に除湿水が
たまり、フアンケース６とインペラ４との間隙よ
り機外に除湿水がもれるという欠点を有してい
る。

本考案は、上記従来の欠点を解消するもので循
環空気経路の下部に鉛直方向に開口した第１の排
水口および水平方向に開口した第２の排水口を設
けたことにより、加工の簡易化によつてコストダ
ウンをはかり、また排水口が目づまりした場合に
おいても、除湿水の機外への流出を防ぎ、さらに
ランドリータイプおよび床置きで使用した際にお
いても、実用性に富む衣類乾燥機を提供するもの
である。

以下、本考案の一実施例を添付図面を参照して
説明する。第７図，第８図に示すように、２７，
２８はそれぞれれ鉛直方向に開口された第１の排
水口、水平方向に開口された第２の排水口で循環
風胴１４の下部２ケ所に一体に形成されている。
第１の排水口２７は、鉛直方向に位置して下方に
開口し、第２の排水口２８は第１の排水口２７と
の間に略90゜の角度を隔てて水平方向に位置し開
口している。

第９図はランドリータイプとして洗濯機２４の
上部に乾燥機を設置した場合であり、この場合、
除湿水は第１の排水口２７より排出される。

また第１０図に示すように床置きにする場合
は、乾燥機を90゜横転させることにより、タイマ
ー２５を有する操作パネル２６を使いやすい上部
に持つてくることができると共に除湿水は第２の
排水口２８より排出することができる。

そして、第１，第２の排水口２７，２８が糸く
ず等により閉鎖された場合においては、循環風胴
１４に除湿水が徐々にたまる。しかしながら、循
環風胴１４がすべて除湿水で満たされると、乾燥
用循環空気１６が流れなくなり、これ以上に乾燥
が進まず除湿されない。したがつて、被乾燥物が
乾燥しないことにより、排水口の目づまりの異常
を検知することができる。また、これ以上除湿さ
れないことにより、除湿水が機外にあふれ出るこ
とを防ぐことができる。

以上のように本考案によれば、循環風胴の下部
に鉛直方向に開口した第１の排水口と、水平方向
に開口した第２の排水口とを設け、循環風胴と一
体を成して形成することにより、排水口の形成に
当つての加工を簡易化して大巾なコストダウンを
図り得、また、排水口が目づまりした場合におい
て、除湿水が機外にあふれ出ることがなく、しか
も、ランドリータイプおよび床置きタイプのいず
れの使用形態においても、実用性の大なる衣類乾
燥機を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は熱交換型送風機を用いた従来の除湿型
衣類乾燥機の裏板を外した状態の外観斜視図、第
２図は同側断面図、第３図は熱交換型送風機に用
いられているインペラの外観斜視図、第４図は同
インペラのブレード部分の詳細を示す拡大断面
図、第５図はランドリータイプとして使用した場
合の外観斜視図、第６図は床置きタイプとして使
用した場合の外観斜視図、第７図は本考案の実施
例における衣類乾燥機の裏板を外した状態での外
観斜視図、第８図は同側断面図、第９図はランド
リータイプの場合の外観斜視図、第１０図は床置
きの場合の外観斜視図である。 ２……回転ドラム、４……インペラ、１４……
循環風胴、２６……操作パネル、２７，２８……
第１，第２の排水口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両面にブレードを備え両面で独立して送風を行
   なうインペラを有し、このインペラ両面で送風さ
   れる空気間で熱交換を行なうことのできる熱交換
   型送風機と、収容した被乾燥物を転動かくはんす
   る回転ドラムと、この回転ドラム内に供給する乾
   燥用空気を加熱するための加熱器、前記加熱器、
   回転ドラム、熱交換型送風機の回転ドラム面側お
   よび乾燥用空気を循環させる循環風胴より成る循
   環空気経路とを備え、前記循環空気経路の下部に
   鉛直方向に開口した第１の排水口と水平方向に開
   口した第２の排水口とを設けた衣類乾燥機。