JPH0217161B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、織物支持帯と支持帯に織り込まれた
合成樹脂モノフイラメント製噛合素子列とを有す
るスライドフアスナに関する。その際、支持帯は
経糸と連続した基本緯糸の二重緯糸とからなり、
噛合素子列の各噛合素子は、連続したコイル状を
なし、前方の噛合頭部、スライドフアスナの平面
上の投影図において互いに重なり合う上下脚部お
よび後方の連絡部からなり、さらにその際、二重
緯糸は、噛合素子列の下方の平面において、噛合
素子の脚部に平行に走行し、脚部は緯糸方向に位
置しかつ支持帯に結合され、さらにその際いくつ
かの経糸は支持帯平面から出て、互いに偏位し、
噛合素子の脚部上に伸びている。

この種の公知のスライドフアスナ（西独特許公
開2219907号公報および特開昭49−21245号公報、
特に第１４図）において、噛合素子列の範囲にお
いて、基本緯糸の二重緯糸とモノフイラメントの
二重緯糸とは、別々の無関係な経糸群によつて、
対応する経糸ポケツトに織り込まれている。その
際、基本緯糸の二重緯糸と結合する経糸は、スラ
イドフアスナの平面上の投影図において低−中の
順に案内された糸であり、そしてモノフイラメン
トの二重緯糸と結合する経糸は、前記の経糸の間
に配置され、高−低の順に案内された糸である。
このような経糸の配置の場合、全部の経糸はが、
二つの噛合素子に対して一回の割合で低い位置に
案内されるので、この位置における支持帯の密度
が増加する。さらに、噛合素子列を支持帯に固定
する経糸は、高−低の順に案内された経糸である
が、噛合素子の間隔を安定化するためには、とく
に高い張力が要求される。以上の結果、噛合素子
列の範囲において、支持帯の柔軟性と可撓性とが
低下する欠点があるばかりでなく、高速度で縫製
することが困難である。本発明の目的は、この種
の公知の構成を改良して、支持帯の可撓性の低下
を避けることができ、完成スライドフアスナに横
方向の力が加わつても噛合素子間のピツチが安定
で、しかも高速度で製造することのできるスライ
ドフアスナを提供することにある。

本発明は、この種の公知の構成において、スラ
イドフアスナの平面に対して垂直に高−中−低の
順に案内された経糸を用いることによつて、噛合
素子間のピツチの安定化に必要な、経糸密度の均
等な分布を実現することができるという知見に基
ずいている。これによつて、噛合素子間のピツチ
の安定化を実現できるばかりでなく、意外にも、
とくに高い張力なしに、経糸ポケツトを構成する
経糸の密度を非常に高めることができる。その結
果、噛合素子間のピツチが安定で、優れた支持帯
の柔軟性と可撓性とを有するスライドフアスナを
高速度で縫製することができる。

さらに、本発明により、従来技術よりも簡単な
装置で、スライドフアスナの性能を本質的に改良
することができる。その際、代表的な大量生産品
であるスライドフアスナを、簡単な手段で改良で
き、かつ製造速度と正確さとを向上させることが
できる。

本発明によるスライドフアスナの実用的な構成
は次の通りである。

噛合素子列の範囲において、基本緯糸の二重緯
糸とモノフイラメントの二重緯糸とが、経糸によ
つて、それぞれの共通の経糸ポケツトに織り込ま
れ、その際、前記経糸がスライドフアスナの平面
上の投影図において、高−中−低−中の繰り返し
単位をなして案内されている。

また、噛合素子列の範囲において、基本緯糸の
二重緯糸とモノフイラメントの二重緯糸とを、８
本以上の経糸によつて、対応する共通の経糸ポケ
ツトに織り込むことができる。

さらに、噛合素子列の範囲において、基本緯糸
の二重緯糸とモノフイラメントの二重緯糸とを共
通の対応する経糸ポケツトに織り込むための経糸
を密接して配置することもできる。

次に本発明の実施例を示す添付図面によつて、
本発明を詳記する。

第１，２図において、スライドフアスナは織成
支持帯１と、これに織り込まれたコイル状の噛合
素子列２とからなつている。支持帯１は経糸４，
５で織成され、連続した基本緯糸３を緯入れして
いる。噛合素子列２の噛合素子１０は、それぞれ
二つの脚部９を有している。脚部９は、スライド
フアスナの平面上の投影図において実質的に重な
り合い、後方の連絡部１２によつて合体され、噛
合素子列２をなしている。基本緯糸３は基本二重
緯糸８をなし、支持帯１の一側に帯縁部１６をな
すループを形成し、かつ支持帯１の全幅を走行
し、経糸４，５で支持帯１に織成されている。一
つの噛合素子に一つの二重緯糸８がある。モノフ
イラメントの二重緯糸１７からなる噛合素子列２
は、経糸４により支持帯１の幅の一部に織り込ま
れ、噛合頭部１１は、帯縁部１６と反対側の支持
帯縦縁部１８から突出している。第１，２図から
わかるように、支持帯の二重緯糸８及び噛合素子
列２のモノフイラメントの二重緯糸１７はそれぞ
れ別の経糸ポケツト１３，１４に収容されている
が、これらの経糸ポケツトはスライドフアスナの
平面に対して実質的に直角に互いに重なつている
ので、経糸は高−中−低−中の順に案内されてい
る。ここに高は、経糸４がモノフイラメントの二
重緯糸１７上にあること、中は、経糸４がモノフ
イラメントの二重緯糸１７とこれに対応する支持
帯用二重緯糸８との間にあること、低は、経糸４
が支持帯用二重緯糸８の下を通ることである。従
つて、すべての経糸４は高−中−低−中−高−中
−低−中の順に走行し、支持帯用二重緯糸８また
はモノフイラメントの二重緯糸１７のところで方
向を変えている。噛合素子列２を固定する８本の
経糸４は互いに密接しているが、噛合素子列２の
そばの支持帯部分の経糸５は互いに離間され、高
−低の順に配置されている。

第３図に示されたスライドフアスナと上述のス
ライドフアスナとの相違的は、ハトメ状の噛合頭
部１１から伸びた二つの脚部９が、スライドフア
スナの平面及び縦軸に対して直角に配置され、12
の経糸５によつて経糸ポケツト１４に案内されて
いる点である。その際、スライドフアスナの平面
から突出した脚部９の延長部分は実質的に直線状
をなして並び、互いに支え合つている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるスライドフアスナの一部
の平面図、第２図は第１図の線Ｃ−Ｃにおける断
面図、第３図は別の実施例による第１図と同様の
図である。 １……支持帯、２……噛合素子列、３……基本
緯糸、４……経糸、５……経糸、８……支持帯の
二重緯糸、９……脚部、１０……噛合素子、１１
……噛合頭部、１２……連絡部、１３……経糸ポ
ケツト、１４……経糸ポケツト、１６……帯縁
部、１７……モノフイラメントの二重緯糸、１８
……縦縁部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 織物支持帯と支持帯に織り込まれた合成樹脂
   モノフイラメント製噛合素子列とを有し、その
   際、支持帯は経糸と連続した基本緯糸の二重緯糸
   とからなり、噛合素子列の各噛合素子は、連続し
   たコイル状をなし、前方の噛合頭部、スライドフ
   アスナの平面上の投影図において互いに重なり合
   つた上下脚部および後方の連絡部からなり、さら
   にその際、二重緯糸は、噛合素子列の下方の平面
   において、噛合素子の脚部に平行に走行し、脚部
   は緯糸方向に位置しかつ支持帯に織り込まれ、さ
   らにその際いくつかの経糸は支持帯平面から出
   て、互いに偏位し、噛合素子の脚部上に伸びてい
   る、スライドフアスナにおいて、 噛合素子列２の範囲において、基本緯糸の二重
   緯糸８とモノフイラメントの二重緯糸１７とが、
   経糸４によつて、それぞれの経糸ポケツト１３ま
   たは１４に共に織り込まれ、その際前記経糸がス
   ライドフアスナの平面上の投影図において、高−
   中−低−中の繰り返し単位をなして案内されてい
   ることを特徴とするスライドフアスナ。 ２ 噛合素子列２の範囲において、基本緯糸の二
   重緯糸８とモノフイラメントの二重緯糸１７と
   が、８本以上の経糸４によつて、対応する経糸ポ
   ケツト１３または１４に共り織り込まれている、
   特許請求の範囲１記載のスライドフアスナ。 ３ 噛合素子列２の範囲において、基本緯糸の二
   重緯糸８とモノフイラメントの二重緯糸１７とを
   共に対応する経糸ポケツト１３または１４に織り
   込むための経糸４が密接して配置されている、特
   許請求の範囲１記載のスライドフアスナ。