JPH0216803Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は一般に回転式被搬送物交換装置に関
し、より詳しくは例えば折り曲げ加工機における
金型を供給する回転式被搬送物交換装置に関す
る。

［従来技術］ 折り曲げ加工機（ベンデイングマシン）に使用
される金型は、一般に、複数のラツク（棚）を有
する装置によつて収納されており、近年における
加工工程の省力化に伴つて金型をラツク装置に収
納された状態で自動的に交換するような装置が考
案されている。上記考案の概要は以下のようであ
る。すなわち前述したラツク装置において、金型
を収納する複数のラツクをリンク部材等に連結し
てエンドレスに形成するとともに移動方向の切り
換えが自在に構成された搬送装置とする。そして
コントロールボツクス等に内蔵されている演算制
御部が、交換を所望する金型の載置されているラ
ツクから該金型を折り曲げ加工機に供給する位置
までの移動距離を、例えばパルスエンコーダのご
ときから出力されるパルス数に換算して算出し、
該算出結果に従つて前記搬送装置の駆動を制御し
金型の交換を行なつていた。

しかしながら上述のごとき構成にあつては、演
算制御部が交換を所望する金型と折り曲げ加工機
への供給位置との移動距離を一度パルス数に換算
して前記移動距離を算出していたために、前記演
算制御部が行なう搬送装置の制御動作自体は比較
的単純であるのに比して複雑な演算処理を必要と
した。

［目的］ 従つて本考案は従来の技術の上記に鑑みてなさ
れたもので、その目的は、移動する搬送装置に載
置されている金型で折り曲げ加工機に供給するに
当り簡易な判別処理でしかも能率的な供給が可能
な折り曲げ加工機に使用される回転式被搬送物交
換装置を提供することにある。

［考案の概要］ 上記目的を達成するための本考案の特徴は、供
給位置に対して無端状に形成され、被搬送物を載
置する載置台を複数備えた移動方向の切り換えが
自在な搬送装置と、前記各々の載置台のいずれか
１つを基準として一方向に沿つて各々の載置台毎
に割り当てられた特定番号とこれら特定番号に対
応して設定される前記基準となる載置台から各々
の載置台までの距離を示すパラメータとに関する
データを記憶する手段と、該手段によつて記憶さ
れている前記データに基づいて交換目標となる載
置台から供給位置までの正／逆両方向における移
動距離を求め、近廻りとなる移動方向を判断して
前記装置の移動方向切り換えを行なう移動方向判
別手段とを設けたごとき回転式被搬送物交換装置
にある。

［実施例］ 以下図面により本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案の一実施例に従う折り曲げ加工
機と自動工具交換装置とを示した概要図、第２図
は第１図の−線断面図、第３図は本考案の一
実施例に従う自動工具交換装置の要部を示した
図、第４図は本考案の一実施例に従うブロツク
図、第５図は本考案の一実施例に従うコントロー
ルボツクス（図示しない）に記憶されるデータを
示した図である。なお第１図〜第５図において、
参照番号が同符号のものは同一物を示す。

第１図において、折り曲げ加工機１は、例えば
プレスブレーキのごときものであつて、一般的な
プレスブレーキと同様に、Ｃ形状をした左右のサ
イドフレーム３Ｌ，３Ｒを備えている。これら左
右のサイドフレーム３Ｌ，３Ｒの上部は上部フレ
ーム５によつて一体的に連結されており、下部は
下部フレーム７によつて連結されている。該下部
フレームの上部には長大な下型９が着脱交換自在
に装着してあり、下部フレーム７の上方には、前
記下型９と協働して板材Ｓの折り曲げ加工を行な
う上型１１を支承したラム１３が上下動自在に設
けられている。該ラム１３は、前記サイドフレー
ム３Ｌ，３Ｒに支承された油圧シリンダ１５Ｌ，
１５Ｒの上下動自在ピストンロツドと連結されて
おり、前記油圧シリンダ１５Ｌ，１５Ｒの作動に
よつて上下動される。

前記下型９及び上型１１を折り曲げ加工機１に
対して着脱交換するために、下型９及び上型１１
は下部フレーム７およびラム１３に対して長手方
向へ移動可能かつ着脱交換自在に設けられてお
り、更に折り曲げ加工機１の適宜一側には、下型
９及び上型１１を該折り曲げ加工機１に対して着
脱交換するための自動工具交換装置（金型交換装
置）１７が配設されている。後述するごとく、金
型交換装置１７は、下型９及び上型１１を収納自
在な複数の金型収納体８３を備えるとともに、下
型９及び上型１１を長手方向へ押し引きして搬出
入する金型搬出入装置８５を備えている。

金型交換装置１７は、外観的には複数の支持軸
５５に支持された箱状のフレーム５７により構成
されている。上記フレーム５７が折り曲げ加工機
１と対面した一側板５９には、下型９及び上型１
１を搬出入するための搬出入口６１が開口してい
る。

金型交換装置１７は、折り曲げ加工機１に使用
される長大な下型９及び上型１１を収納するにも
拘らず、左右方向の幅は、折り曲げ加工機１の左
右方向の幅に比較して、例えば1/2，1/3などと相
当小さく構成されている。従つて、金型交換装置
１７は折り曲げ加工機１に比較してかなり小さな
ものである。すなわち金型交換装置１７は、長大
な下型９及び上型１１を収納するものである。

第２図において、金型収納体８３はガイドレー
ル１１１，１１３の内方に位置している。ガイド
レール１１１及び１１３は夫々図のごとく無端状
に形成されたガイドレール１１１，１１３上を摺
動するリンク部材１０３，１０５にボルト等を介
して枢支されている。リンク部材１０３，１０５
には夫々ラツク１２５が設けられており、これら
ラツク１２５は装置１７の上部に設けられ第４図
にて図示する駆動モータ１５７の駆動力を受けて
回転する前記ラツク１２５と同一歯数のピニオン
１２３と噛合している。前記駆動モータ１５７
は、第４図にて図示するコントロールボツクス１
５１に内蔵されている演算制御装置１５３から出
力される指令信号に従つて駆動し、正／逆回転自
在に構成されいる。前記複数の金型収納体８３に
よつて取り囲まれた空間の略中央部には装置１７
の外部に設けられた搬出入モータ（図示しない）
によつて駆動される金型搬出入装置８５が設けら
れ、該搬出入装置８５の直上部にある収納体８３
内の金型を前記搬出入口６１を介して折り曲げ加
工機１に供給するように構成されている。第３図
はこのような金型交換装置１７において例えば図
のごとく静止した状態で搬出入口６１に位置して
いる金型収納体８３を基準位置として番号１を付
し、各々の収納体８３に時計廻り方向に順次２〜
８の番号を付したものである。第５図は上記のよ
うにして各々の収納体８３に付した特定番号と、
これら特定番号を付した収納体８３と前記基準と
なる収納体８３までの距離を示すパルス信号数を
パラメータとして各々の収納体８３毎に上記パラ
メータを対応させたデータである。上記のごとき
データは第４図にて図示するコントロールボツク
ス１５１に内蔵される記憶装置１５５に記憶され
ている。なお各々の収納体８３を示す特定番号毎
に対応して表示したパルス数は、例えば各々の収
納体８３の間隔等の機械系によつて決定される数
値であり、基準となる収納体８３から時計廻り方
向に遠距離にある収納体８３ほどパルス数が多
く、又隣接する収納体８３間の差分は100パルス
に設定されている。

上記のごときデータに基づいてコントロールボ
ツクス１５１に内蔵されている演算制御装置１５
３は、前記搬出入口６１から交換を所望する金型
が載置されている収納体８３までの距離を例えば
パルスエンコーダのごときで構成される移動距離
測定装置１５９から出力されるパルス信号に基づ
き、時計廻り方向と反時計廻り方向の２方向から
演算して近回りとなる方向を判別する。該演算制
御装置１５３は、前記判別結果に基づいて前記駆
動モータ１５７に指令信号を出力する。

演算制御装置１５３は、上述したごとく第５図
上段にて図示するデータに基づいて目標とする収
納体８３と搬出入口６１との正／逆両方向からの
移動距離を算出するとともに、第５図下段にて図
示するデータに基づいて目標パルス数と現在検出
されているパルス数とを比較し一致した時点で搬
出入口６１への位置決めを完了させる。

なお前述した複数の金型収納体８３は、リンク
部材１０３，１０５によつて無端状に形成されて
いる。そのため例えば搬出入口６１に位置してい
る番号１で示す収納体８３のパルス数が０に設定
されているとすれば、正／逆いずれの方向に移動
しても一周して再び原位置に戻つてきたときはパ
ルス数がＯになるように演算処理される。

上記構成の作用を以下に説明する。

演算制御装置１５３は、第４図にて図示したデ
ータに基づき、以下のごとき２つの算式に従つて
搬出入口６１と目標とする収納体８３との距離を
演算する。

目標金型収納体８３の番号一般出入口６１に位
置している金型収納体８３の番号……(1) ±［金型収納体８３に付した最大番号±(1)式の
演算結果］……(2) なお上記(2)式における符号は、前記(1)式を用い
て演算した結果の符号と逆符号となる。この符号
がプラスであるときには第３図に矢印にて図示す
る時計廻り方向に、又マイナスであるときには同
図反時計廻り方向に装置１７を駆動させることと
なる。従つて交換を所望する金型が例えば第３図
にて図示する４番で示す収納体８３にあり、又搬
出入口６１に位置する収納体８３が１番で示すも
のであるときは上記算式(1)を用いて４−１＝３を
求めるとともに上記算式(2)を用いて−（８−（４−
１））＝−５を求める。そして上記２つの絶対値を
比較した結果が｜３｜＜｜−５｜であるため演算
制御装置１５３は反時計廻り方向へ収納体８３を
３個分だけ移動すべく前記駆動モータ１５９に指
令信号を出力する。これとともに演算制御装置１
５３は第４図にて示す番号４の収納体８３におけ
るパルス数300を取り出し、現在搬出入口６１に
位置している番号１にて示す収納体８３のパルス
数０と比較し、前記目標パルス数300が現在パル
ス数０になつたところで前記収納体８３の搬出入
口６１への位置決めを完了させるものである。

以上説明したように本考案に従う一実施例によ
れば、例えば座標計算のごとき複数の演算処理を
行なわなくても目標とする金型収納体８３から搬
出入口６１までの距離を適確に把握できる。又、
近廻りによつて目標金型収納体８３の搬出入口６
１への位置決めが可能となつたため、位置決め時
間の短縮化をも実現できるものである。なお上述
した内容はあくまで本考案に従う一実施例に関す
るものであつて、本考案が上記内容のみに限定さ
れることを意味するものではない。

［効果］ 以上説明したように本考案によれば、記憶手段
によつて記憶されているデータに基づいて近回り
となる移動方向を判別して搬送装置の移動方向切
り換えを行なうこととしたので、移動する搬送装
置に載置されている金型を折り曲げ加工機に供給
するに当り簡易な判別処理でしかも能率的な供給
が可能な回転式被搬送物交換装置を提供すること
ができる。更にＭ／Ｃ毎により個体差（組付け、
部品等）にもパラメータにより簡易的に適正値が
設定できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に従う折り曲げ加工
機と自動工具交換装置とを示した概要図、第２図
は第１図の−線断面図、第３図は本考案の一
実施例に従う自動工具交換装置の要部を示した
図、第４図は本考案の一実施例に従うブロツク
図、第５図は本考案の一実施例に従うコントロー
ルボツクスに記憶されるデータを示した図であ
る。 １……折り曲げ加工機、１１１，１１３……ガ
イドレール、１７……金型交換装置、１５１……
制御装置、６１……金型搬出入口、８３……金型
収納体、１５３……演算部、８５……金型搬出入
装置、１５５……記憶部、１０３，１０５……リ
ンク部材、１５７……駆動モータ、１５９……移
動距離測定装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 供給位置に対して無端状に形成され、被搬送物
   を載置する載置台を複数備えた移動方向の切り換
   えが自在な搬送装置と、前記各々の載置台のいず
   れか１つを基準として一方向に沿つて各々の載置
   台毎に割り当てられた特定番号とこれら特定番号
   に対応して設定される前記基準となる載置台から
   各々の載置台までの距離を示すパラメータとに関
   するデータを記憶する手段と、該手段によつて記
   憶されている前記データに基づいて交換目標とな
   る載置台から供給位置までの正／逆両方向におけ
   る移動距離を求め、近廻りとなる移動方向を判別
   して前記装置の移動方向切り換えを行なう移動方
   向判別手段とを設けたことを特徴とする回転式被
   搬送物交換装置。