JPH02163351A - 相手攻撃性の小さいＦｅ基焼結合金製バルブシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、内燃機関、特にディーゼルエンジンやガソ
リンエンジンなどのバルブシートとして用いた場合に、
相手部材であるバルブに対する攻撃性がきわめて小さく
、かつすぐれた耐摩耗性を発揮するＦｅ基焼結合金製バ
ルブシート関するものである。

〔従来の技術〕

従来、特開昭５８−１７８０７３号公報に記載されるよ
うに、玉量％で（以下％は玉量％を示す）、Ｍｏ　：　
　０．１〜０．９％、Ｎｉ　　：　　０．５〜２．５％
、Ｃｏ：　　４．５〜７．５　％、　　Ｃｒ：　３〜６
．５　％、Ｃ：０．５〜１．７　％、　　Ｗ　：１〜２
．７　％、を含有し、残りがＦｅと不可避不純物からな
る組成を有するＦｅ基合金素地に、 Ｃ：２２３％、　　　ＣＯ；７〜１５％、Ｗ：１５〜２
５％、　　　Ｆｅ：１〜８％、を含有し、残りがＣｒと
不可避不純物からなる組成を有するＣｒ基合金粒子と、
Ｆｅ−Ｍｏ合金粒子：８〜１２容量％、 が分散含有した組織、並びに６〜１４容量％の気孔率を
有するＦｅ基焼結合金基体に、銅溶浸してなる銅含浸Ｆ
ｅ基焼結合金製バルブシートが知られている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、上記の従来銅含浸Ｆｅ’ｊに焼結合金製バルブ
シートにおいては、特にＦｅ基合金素地中に分散するＣ
ｒ基合金粒子およびＦｅ−Ｍｏ合金粒子がきわめて硬質
で、その硬さがビッカース硬さで１６００を越える場合
があり、このため自身はすぐれた耐摩耗性を示すものの
、相手部材であるバルブの摩耗が大きくなるという問題
がある；〔課題を解決するための手段〕 そこで、本発明者等は、上述のような観点から、相手攻
撃性が低く、かつ耐摩耗性のすぐれたＦｅ基焼結合金製
バルブシート開発すべく研究を行なった結果、素地をビ
ッカース硬さ＝１５０〜５００を有するＦｅ基合金で構
成し、この素地中に、同じくビッカース硬さ＝５００〜
１０００を有するＣｏｄ合金粒子と、弗化バリウム（Ｂ
ａＦ２）および／またたは弗化カルシウム（Ｃａ　Ｆ　
２　）からなる潤滑粒子を分散含有させ、かつ８０％以
上、望ましくは９０％以上の理論密度比とすると、相手
攻撃性がきわめて小さく、その上すぐれた耐摩耗性を示
すようになり、さらに、加えて前記Ｃｏ基合金粒子に比
して高い硬さ、すなわちビッカース硬さで１０００〜１
５００を有するＦｅ−Ｍｏ合金粒子を分散含有させても
、前記Ｃｏ基合金粒子による緩和作用によって高い硬さ
のＦｅ−Ｍｏ合金粒子が相手部材であるバルブをいため
ることなく、耐摩耗性の一段の向上が見られるようにな
るという知見を得たのである。

この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであっ
て、 ＭＯ：　０゜１〜３％、　Ｎ１：０゜１〜３％、ＣＯ：
、１〜１０％、　Ｃｒ：０．５〜５％、Ｃ：０．５〜１
．５％、Ｎｂ＋０．１〜２％、を含有し、残りがＦｅと
不可避不純物からなる組成、並びに主体がパーライト相
からなる組織を有し、かつビッカース硬さ＝１５０〜５
００を有するＦＱ基合金素地に、 Ｃｒ：５〜１５％、　　Ｍｏ：２０〜４０％、Ｓｉ　：
１〜５％、 を倉内°し、残りがＣｏと不可避不純物からなる組成を
有し、かつビッカース硬さ：５００〜１０００をｈ゛す
るＣｏ基合金粒子：５〜２０％と、 Ｂ　ａ　Ｆ　２およびＣａ　Ｆ　２のうちの１種または
２種からなる潤滑粒子：０．２〜２％、 が分散含有し、さらに必要に応じて、 Ｍｏ：５５〜７０％を含有し、ビッカース硬さ：１ｏｏ
ｏ　〜１５００を有するＦ　ｅ−ＭＯ＝金拉了：１〜１
５％、 が分散含有した組織、並びに８０％以上、望ましくは９
０％の理論密度比を有するＦｅ基焼結合金で構成してな
るバルブシートに特徴を有するものである。

ツキに、この発明のバルブシートを構成するＦｅ基焼結
合金の組成および理論密度比を上記の通りに限定した理
由を説明する。

Ａ、Ｆｅ基合金素地 （ａ）　　Ｍｏ　、　Ｃｒ　、およびＮｂこれらの成分
には、゛素地に固溶して耐熱性を向上させるほか、炭化
物を形成して耐摩耗性を向上させる作用があるが、その
含有量がそれぞれＭｏ：０．１％未満、Ｃｒ：　０．５
％未満、およびＮｂ：ｏ、１％未満では前記作用に所望
の効果が得られず、素地の硬さをＣ含有量との関係でビ
ッカース硬さ（Ｈｖ）　：　１００以上に保持すること
が困難となり、−方その含有量がそれぞれＭｏ：３％、
Ｃｒ：５％、およびＮｂ：２％を越えても前記作用が飽
和し、より一層の向上効果が現われないことから、その
含有量をそれぞれＭｏ：０．１〜３％、Ｃｒ：　０．５
〜５％、Ｎｂ：　０．１〜２％と定めた。

（ｂ）ＮｉおよびＣ。

これらの成分には、素地に固溶して、これを強化し、素
地９強度向上に寄与する作用があるが、その含有量がそ
れぞれＮｉ：０．１％未満およびＣｏ：１％未満では所
望の強度向上効果が得られず、一方その含有量がそれぞ
れＮ１：３％、Ｃｏ：１０％を越えてもより一層の強度
向上効果は得られず、経済性を考慮して、その含有量を
Ｎｌ：０．１〜３％、Ｃｏ：１〜王Ｏ％と定めた。

（ｃ）　　Ｃ Ｃ成分には、上記の通りＭｏ、Ｃｒ、および成して、耐
摩耗性を向上させる作用があるが、その含有量がｏ　、
　５　ｑ６未満では前記作用に所望の効果が得られず、
素地硬さもＨｖ：１００未満となってしまい、一方その
含有量が１．５％を越えると、素地硬さがＨｖ：５００
を越えて高くなり、相手攻撃性が増すようになることか
ら、その含有量、を０．５〜１．５％と定めた。

Ｂ、Ｃｏ基合金粒子 Ｃｏ基合金粒子の組成は、Ｈｖ：５００〜１０００の硬
さをもつように経験的に定められたものであり、したが
ってＣｒ、Ｍｏ、およびＳｉの含有量のうちのいずれか
でも、Ｃｒ：５〜１５％、Ｍｏ＋２０〜４０％、および
Ｓｆ：１〜５％の範囲から外れるとＨｖ；５００〜１０
００の硬さを確保することは困難となるのである。　ま
た、その含有量が５％未満では所望の耐摩耗性を確保す
石ことがてきず、一方その含ｌ′１′瓜が２０％を越え
ると相手攻撃性が増すようになることから、その含有量
を５〜２０％と定めた。

Ｃ１潤滑成分 所望の潤滑作用を確保するためには０．２％以上の含Ｈ
が必要であるが、その含有量が２％を越えると強度が低
下するようになることから、その含有】を０．２〜２％
と定めた。

Ｄ、Ｆｅ　−ＭＯ合金粒子 Ｆｅ−Ｍｏ合金粒子には、Ｃｏｄ合金拉了・との共存に
おいて、相手攻撃性が著しく抑制された状態で耐摩耗性
を一段と向上させる作用があるので、必要に応じて含有
されるが、その含有Ｉが１９６未満では所望の耐摩耗性
向上効果が得られず、一方その含有量が１５％を越える
と相手攻撃性が急激に増大するようになることから、そ
の含有量を１〜１５％と定めた。

また、Ｆｅ−Ｍｏ合金粒子におけるＭｏ含有量が５５％
未満ではＨｖ：１Ｏ００を確保することができず、一方
Ｍｏ含有量が７０％を越えると、Ｈｖ：　１５００を越
えて高くなりすぎ、相手攻撃性が増すようになることか
ら、その含有量を５５〜７０％と定めた。

Ｅ、理論密度比 ディーゼルエンジンなどの苛酷な条件下での実用に際し
ては９０％以上の理論密度比をもつ必要があるが、ガソ
リンエンジンなどに用いる場合には８０９６の理論密呉
も十分に実用に供することができることから、理論密度
比を８０％以上、望ましくは９０％以上と定めた。

〔実　施　例〕

つぎに、この発明のバルブシートを実施例により具体的
に説明する。

素地形成用原料粉末として、いずれも粒度ニー１００メ
ツシユのＦｅ粉末、Ｆｅ　−Ｃｒ　−Ｎｂ合金（Ｃｒ：
１２％、Ｎｂ＋５％含有）粉末、Ｆｅ　−Ｃｒ合金（Ｃ
ｒ：　１２％含有）粉末、Ｆｅ−Ｎｂ合金（Ｎｂ：６５
％含有）粉末、さらに同一１５０メツシユのカーボニル
Ｎｉ粉末、Ｃｏ粉末、Ｍｏ粉末、Ｗ粉末、および天然黒
鉛粉末、さらにＣａ　Ｆ　２粉末およびＢ　ａ　Ｆ　２
粉末を用意し、またＣｏ基合金粒子およびＣｒ＆合金粒
子、さらにＦ’ｅ−ＭＯ合金粒子形成用原料粉末として
、第１表にそれぞれ示される組成をもった、いずれも−
１００メツシユの粒度のＣｏ基合金粉末、Ｃｒ基合金粉
末、およびＦｅ−Ｍｏ合金粉末を用意し、これら原料粉
末をそれぞれ第１表に示される配合組成に配合し、ミキ
サーにて３０分間混合した後、５〜７　ｔｏｎ／　ｃｄ
の範囲内の所定の圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧
粉体を５００℃に３０分間保持の条件で脱消し、ついで
アンモニア分解ガス（その他の還元性ガスや真空でもよ
い）雰囲気中、９００〜１１８０℃の範囲内の所定温度
に１時間保持の条件で予備焼結し、９５０〜１１００℃
の範囲内の所定の温度で熱間鍛造し、続いて−同じくア
ンモニア分解ガス雰囲気中、１０００〜１１８０℃の範
囲内の所定温度に１時間保持の一条件で焼結し、さらに
６００〜７００℃の範囲内の所定温度に９０分間保持の
条件で熱処理を施すことにより、実質的に配合組成と同
一の成分組成を白゛し、かつ第２表に示される理論密度
比および硬さ封缶、直径：４８闘Ｘ内径：４０ｍｍＸ厚
さ：８ｉＩ１１の寸法をもった本発明Ｆｅ基焼結合金製
バルブシート（以下、本発明バルブシートという）１〜
９を製造した。

また、比較の目的で、上記の予備焼結および熱間鍛造を
行なわず、一方焼結後に、メタン変成ガス（その他の還
元性ガスや真空でもよい）雰囲気中、温度＝１１００℃
に１５分間保持（溶浸率：８５〜９５％）の条件で銅溶
浸を施す以外は同一の条件で従来銅含浸Ｆｅ基焼結合金
製バルブシート（以下、従来銅含浸バルブシートという
）１〜６をそれぞれ製造した。

つぎに、これらの各種のバルブシートラ、バルブシート
台上摩耗試験機にセットし、 バルブ、の材質：５ＵＨ−３、 バルブの加熱温度：９００℃、 バルブの着座回数：　３０００回／分、雰囲気：０．４
ｋｇ／ｃｄの圧力のプロパンガスと、流、Ｑ　Ｌ５Ｊｌ
！　／ｍｉｎの酸素による燃焼ガス、バルブシートの加
熱温度（水冷）　：２５０〜３００℃、管座荷重：　３
０ｋｇ、 試験時間：１００時間、 の条件で摩耗試験を行ない、バルブシートの最大）Ｙ粍
深さと、相手部材であるバルブの最大摩耗深さを４ｐｊ
定した。

また、上記の各種のバルブシートについて、第１図に概
略説明図で示されるように、加熱トーチ］をはさんで所
定間隔離れた位置に冷却用ノズル２．２を設け、これの
下に所定間隔離れた状態で１１−復動する２個１χ・Ｉ
のＦＣ２５製水冷ホルダー３３を配置し、このホルダー
３，３にそれぞれ１００−の締代でバルブシート４，４
を嵌着し、加熱トーチ１からのプロパンガス：　５Ｒ／
Ｉｎ１ｎ　、酸素：２０ｉ）　／ｌｌ１ｎの割合の燃焼
ガスにてバルブシート４を３００℃に加熱し、一方冷却
用ノズル２からの圧縮空気にて３００℃に加熱されたバ
ルブシート３を１００℃に冷却し、かかる加熱と冷却を
１２０秒ごとに繰り返し１００回行なう繰り返し熱衝撃
試験を行ない、試験後のバルブシートの抜出荷重を１１
定した。これらの１ｆｌｌｌ定結果を第２表に示した。

〔発明の効果〕

第２表に示される結果から、本発明バルブシート１〜９
は、いずれも従来銅含浸バルブシート１〜６と同等また
はそれ以上のすぐれた耐摩耗性を示し、かつこれより一
段と相手攻撃性が低く、嵌着性（耐脱落性）にもすぐれ
ていることが明らかである。

上述のように、この発明のＦｅ基焼結合金製バルブシー
トは、相手部材であるバルブに対する攻撃性がきわめて
小さく、かつすぐれた耐摩耗性と嵌着性を有するので、
ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関
に適用した場合に、すぐれた性能を長期に亘って発揮す
るのである。

【図面の簡単な説明】 第１図は繰り返し熱衝撃試験の概略説明図である。 １・・・加熱トーチ、　　　　　２・・・冷却用ノズル
、３・・・ＦＣ製水冷ホルダー、４・・・バルブシート
、５・・・エアシリンダー 出 願 人 ：　三菱金属株式会社 代 理 人 晶 田 和 夫 外１名

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｍｏ：０．１〜３％、Ｎｉ：０．１〜３％、Ｃｏ
   ：１〜１０％、Ｃｒ：０．５〜５％、 Ｃ：０．５〜１．５％、Ｎｂ：０．１〜２％、を含有し
   、残りがＦｅと不可避不純物からなる組成、並びに主体
   がパーライト相からなる組織を有し、かつビッカース硬
   さ：１５０〜５００を有するＦｅ基合金素地に、 Ｃｒ：５〜１５％、Ｍｏ：２０〜４０％、 Ｓｉ：１〜５％、 を含有し、残りがＣｏと不可避不純物からなる組成を有
   し、かつビッカース硬さ：５００〜１０００を有するＣ
   ｏ基合金粒子：５〜２０％と、 弗化バリウムおよび弗化カルシウムのうちの１種または
   ２種からなる潤滑粒子：０．２〜２％、（以上重量％）
   が分散含有した組織、並びに８０％以上の理論密度比を
   有するＦｅ基焼結合金で構成してなる相手攻撃性の小さ
   いＦｅ基焼結合金製バルブシート。
2. （２）Ｍｏ：０．１〜３％、Ｎｉ：０．１〜３％、Ｃｏ
   ：１〜１０％、Ｃｒ：０．５〜５％、 Ｃ：０．５〜１．５％、Ｎｂ：０．１〜２％、を含有し
   、残りがＦｅと不可避不純物からなる組成、並びに主体
   がパーライト相からなる組織を有し、かつビッカース硬
   さ：１５０〜５００を有するＦｅ基合金素地に、 Ｃｒ：５〜１５％、Ｍｏ：２０〜４０％、 Ｓｉ：１〜５％、 を含有し、残りがＣｏと不可避不純物からなる組成を有
   し、かつビッカース硬さ：５００〜１０００を有するＣ
   ｏ基合金粒子：５〜２０％と、 弗化バリウムおよび弗化カルシウムのうちの１種または
   ２種からなる潤滑粒子：０．２〜２％と、Ｍｏ：５５〜
   ７０％を含有し、ビッカース硬さ：１０００〜１５００
   を有するＦｅ−Ｍｏ合金粒子：１〜１５％、 （以上重量％）が分散含有した組織、並びに８０％以上
   の理論密度比を有するＦｅ基焼結合金で構成してなる相
   手攻撃性の小さいＦｅ基焼結合金製バルブシート。