JPH021602B2

JPH021602B2 -

Info

Publication number: JPH021602B2
Application number: JP22216183A
Authority: JP
Inventors: Tatsuji Kinukawa
Original assignee: NGK Spark Plug Co Ltd
Current assignee: Niterra Co Ltd
Priority date: 1983-11-28
Filing date: 1983-11-28
Publication date: 1990-01-12
Also published as: JPS60114404A

Description

【発明の詳細な説明】［技術分野］本発明は工作機械で加工するときに用いられる
クランプバイト、特にクランプ穴付チツプまたは
穴無しチツプの双方を固定するようにしたクラン
プバイトに関する。

［従来技術］この種従来のクランプバイトとしては実開昭53
−116090号に開示されたものがある。このクラン
プバイトは第１図および第２図に示す如く、主構
成がチツプ１を載置するホルダ２、チツプ１を上
から押え付けるクランプ駒３およびクランプ駒３
をホルダ２に締着させるホルダ４から成つてい
る。そしてこのクランプバイトはクランプ穴付チ
ツプを固定する部品としてホルダ２内部にレバー
部材５、係合部材６およびばね７を備えている。

第１図に示す如く、クランプ穴付チツプ１をホ
ルダ２に固定するときは、レバー部材５の垂直に
なつた一端にチツプ１のクランプ穴を嵌め込み更
にブレーカピース８を載せてボルト４を締め付け
ると、クランプ駒３の先端がチツプ１をチツプ座
に押し付けると同時にクランプ駒の尾部が係合部
材６を押し下げる。この係合部材６によつてレバ
ー部材５の水平な他端が回動され、レバー部材５
はクランプ穴付チツプ１をチツプ座の壁面９に押
し付ける方向に回転する。

また、第２図に示す如く穴無しチツプ１を固定
するときは、ホルダ２内部に有するレバー部材
５、係合部材６およびばね７を取り除いてチツプ
座にチツプ１およびブレーカピース８の順に載せ
ボルト４を締め付けてクランプ駒３の先端でチツ
プ１をホルダ２に固定する。

［従来技術の欠点］切削現場では切削目的に応じてチツプを使いわ
ける場合がある。この場合、１つのクランプバイ
トでクランプ穴付チツプと穴無しチツプの両者を
使いわけることができれば便利である。この要求
を満たすものとして先に説明した実開昭53−
116090号に開示されたクランプバイトがあるが、
このものは構造が極めて複雑であり、チツプを壁
面へ押圧する力は、壁面に直交して作用するが壁
面に平行な方向での固定は十分でないという欠点
がある。また穴無しチツプをホルダに固定すると
きはホルダ内部に有するレバー部材、係合部材等
を撤去しなければならないといる煩しさがある。
また、このクランプバイトは上記したような構造
であるため、穴無しチツプを固定するとき、クラ
ンプ駒の尾部を支えるものがなくなるのでチツプ
の固定が不安定になるという欠点がある。

［発明の目的］本発明は上記欠点を解消するためになされたも
のであり、その目的は構造が簡単で、即座にチツ
プの交換ができ、しかもクランプ穴付および穴無
しチツプの固定を確実にしたクランプバイトを提
供することにある。

［発明の概要］上記目的を達成するため、本発明のクランプバ
イトはそれを構成する各要素が次のような特徴を
もつている。

ホルダのチツプ座に載置したチツプを上から押
し付けるクランプ駒はホルダのメネジ部と逆ネジ
に形成されたメネジ部を有すると共にこのメネジ
部を中心として一端にチツプのクランプ穴に挿入
する突起部と、この突起部より低くチツプの上面
と平行な平面に形成された押圧部と有し、反対側
の他端にクランプ穴無しチツプの上面と平行な平
面に形成された別の押圧部を有している。

クランプ穴付または穴無しのチツプを載置する
チツプ座を先端に有するホルダは、ボルトの締め
付け回転方向で切削に影響のない場所にチツプの
側面と当接するチツプ座の壁面を有すると共にメ
ネジ部を中心としてチツプ座と反対側にクランプ
駒の突起部が挿入する凹部を有している。そして
クランプ駒をホルダに締着する前述のボルトはそ
の両端部が互いに逆ネジに形成されていてクラン
プ駒およびホルダの各メネジ部に螺合している。

このようなクランプバイトの構成で、ホルダの
メネジ部を右ネジにし、クランプ駒のメネジ部を
左ネジにすると右勝手のバイトになり、逆にホル
ダのメネジ部を左ネジにし、クランプ駒のメネジ
部を右ネジにすると左勝手のバイトになる。

右勝手のバイトであつて、クランプ穴付チツプ
をホルダに固定するときは、まず最初にボルトを
左回りに回転させてクランプ駒とチツプ座との間
にチツプが挿入できる空間を形成する。このとき
のボルトの回転はボルト自体両端部が逆ネジに形
成されて、クランプ駒およびホルダの各メネジ部
に螺合しているので拡大的効果を有し、クランプ
駒とホルダとの離間の度合を大きくさせる。所定
の空間が形成されたらホルダのチツプ座にクラン
プ駒の突起部を向け、チツプ座にチツプを載せる
と同時にクランプ駒の位置を保持しながら、ボル
トを右回りに回転させる。クランプ駒の突起部が
チツプのクランプ穴にかかつたら、クランプ駒を
自由にさせて、更にボルトを右回りに回転させ
る。クランプ駒は、螺合するネジ部の摩擦により
右回転し、チツプの側面をチツプ座の壁面に押し
当て回転を止める。更にボルトを右回りに回転さ
せるとボルトのみが回転して、クランプ駒とホル
ダとが更に接近し、クランプ駒の押圧部でチツプ
をチツプ座に押し付ける。このときの反作用でネ
ジ部の摩擦力が大きくなり、クランプ駒に回転ト
ルクを与えて、更にチツプを壁面に強く押し付け
る。このようにしてチツプはチツプ座および壁面
に強く押し付けられてホルダに固定される。ま
た、チツプを取り外すときは上述の逆を行うこと
により達せられる。

また、穴無しチツプをホルダに固定するときは
前述同様所定の空間を形成し、クランプ駒の突起
部と反対側の押圧部をホルダのチツプ座に向けて
保持し、ボルトを右回りに回転させる。クランプ
駒の突起部がホルダの凹部に挿入され始めたらク
ランプ駒を自由にして更にボルトを右回り回転さ
せ、押圧部でチツプをチツプ座に押し付ける。こ
のようにしてチツプはホルダに固定される。ま
た、チツプを取り外すときは、上述の逆を行う。

以上説明したように本発明のクランプバイトは
構造が簡単であり、従来のようにクランプ穴付・
穴無しチツプの交換の際、一部部品の撤去・挿入
を必要としないので、チツプ交換が容易かつチツ
プを強固に固定でき、逆ネジボルトによる回転力
により穴付チツプの固定は一層強固になる。また
逆ネジボルトが拡大的効果を有するので、チツプ
の交換を迅速に行うことができる。

［実施例］以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。第３図、第４図、並びに第５図に示すクラ
ンプバイトは右勝手のバイトである。

このクランプバイトの主要な構成はホルダ２
０、クランプ駒２１、およびボルト２２である。
ホルダ２０はその先端の一部を切欠いてチツプ座
２３が形成されている。チツプ座２３には敷金２
４がビス２５で固定され、ボルト２２の締め付け
回転方向すなわち右回り方向にチツプ１の側面が
当接する壁面２６が形成されている。この壁面２
６と逃げ２７を介して他方にある壁面２８とはチ
ツプ１の三角形状に合わせて鋭角に形成されてい
る。また、チツプ座２３の後方にはクランプ駒２
１を締着するためのメネジ部２９が形成されてい
る。このメネジ部２９は右ねじで中心線がチツプ
座２３に垂直である。

クランプ駒２１はホルダ２０のメネジ部２９の
中心線上でホルダ２０のメネジ部２９とは逆のね
じすなわち左ねじに形成されたメネジ部３０を有
している。このクランプ駒２１の裏面にはメネジ
部３０を中心とした一端に突起部３１と押圧部３
２が、他端に押圧部３３がそれぞれ形成されてい
る。突起部３１はクランプ駒２１とホルダ２０に
セツトし、クランプ穴付チツプをチツプ座２３の
所定の位置に載置したとき、クランプ穴のほぼ直
上にくるような位置に設けられている。この突起
部３１側にある押圧部３２は突起部３１の高さよ
りも低く、突起部３１の回りをリング状にしかも
チツプ１の上面と平行な平面になるように形成さ
れている。他方の押圧部３３も同様な位置に同様
のリング状の平坦部に形成されている。上記の突
起部３１との関係において、ホルダ２０にはメネ
ジ部２９を中心としてチツプ座２３と反対側にク
ランプ駒２１の突起部３１が挿入する凹部３４が
形成されている。

ボルト２２は両端部が逆ネジすなわちホルダ２
０側が右ネジ２２Ａにクランプ駒２１側が左ネジ
２２Ｂにそれぞれ形成されている。また、このボ
ルト２２の両端にはＬ形レンチの六角穴３５が形
成されている。

なお、この実施例ではクランプ駒２１のメネジ
部30周辺に突出部３６が、ホルダ２０には突出部
３６と対応した位置に扇形の溝３７がそれぞれ形
成されていて、クランプ駒２１が必要以上にふら
つかないようにされている。

ホルダ２０とクランプ駒２１の連結はボルト２
２の右ネジ２２Ａとホルダ２０のメネジ部２９に
１、２回ねじ込んでボルト２２を安定させ、その
後ボルト２２の左ネジ２２Ｂにクランプ駒２１の
メネジ部３０を押し当て、ボルト２２が回転しな
いように保持しながら、クランプ駒２１を１、２
回左回転させる。その後クランプ駒２１およびホ
ルダ２０を保持してＬ形レンチ等でボルト２２を
右回転させるとクランプ駒２１およびホルダ２０
が互いに接近して連結される。

次にこのクランプバイトでクランプ穴付チツプ
をホツダに固定する場合について説明する（第４
図参照）。

ボルト２２を右あるいは左に回転させて、クラ
ンプ駒２１とホルダ２０のチツプ座２３との間に
チツプ１を挿入するに必要な空間を形成する。そ
して、チツプ座２３にチツプ１を載せるとともに
クランプ駒２１の突起部３１をクランプ穴の真上
になるように向け、両者をその位置に保持する。
次にＬ形レンチボルト２２を右回りに回転させ、
クランプ駒２１をホルダ２０に接近させてクラン
プ駒２１の突起部３１をチツプ１のクランプ穴に
挿入させ、クランプ駒２１とチツプ１を自由にさ
せる。その状態で更にボルト２２を右回りに回転
させると、クランプ駒２１はネジ部３０，２２Ｂ
の摩擦力により右回転してチツプ１をチツプ座２
３の壁面２６および他の壁面２８に当接させて停
止しホルダ２０へと接近する。突起部３１回りの
押圧部３２がチツプ１の上面に接触してチツプ１
をチツプ座２３に押し付けると、反作用により、
ネジ部３０，２２Ｂの摩擦力が高くなり、クラン
プ駒２１は回転トルクを得てチツプ１を更にチツ
プ座２３の壁面２６，２８に強く押し当てる。こ
のようにしてチツプ１はホルダ２０のチツプ座２
３および壁面２６，２８に強固に固定される。こ
のため、本発明のクランプバイトは重切削や断続
切削あるいは端面切上げ切削において、チツプ１
がチツプ座２３から離れることなくまた破損する
ことなく、切削を続けることができる。

チツプ１をホルダ２０から取り外すときは、ボ
ルト２２を左回転させて、クランプ駒２１とホル
ダ２０との間に所要の空間を形成し、その間から
チツプ１をチツプ座２３から取り出す。

次にクランプ穴無しチツプをホルダに取り付け
る場合について説明する（第５図参照）。

前述のクランプ穴付きチツプを取り出した後、
クランプ駒２１を回転させて突起部３１を後方で
あるホルダ２０の凹部３４まで移す。そして、チ
ツプ座２３に穴無しチツプ１を載せる。この状態
からボルト２２を右回りに回転させ、押圧部３３
でチツプ１をチツプ座２３に押し付ける。

チツプ１をチツプ座２３から取り外すときは、
ボルト２２を左回転させて行う。

なお、本実施例ではホルダのメネジ部を貫通さ
せて、ボルトの両端にＬ形レンチ用の六角穴を設
けているので、ホルダの裏側からチツプの交換を
行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のクランプバイトを示した断面
図、第２図は第１図の組立斜視図、第３図は本発
明の一実施例を示した平面図、第４図は第３図の
縦断面図、第５図は第４図においてクランプ駒を
180゜回転させた縦断面図である。２０……ホルダ、２１……クランプ駒、２２…
…ボルト、２２Ａ，２２Ｂ……互いに逆になつた
ネジ、２３……チツプ座、２４……敷金、２５…
…ビス、２６……壁面、２７……逃げ、２８……
他の壁面、２９，３０……互いに逆になつたメネ
ジ部、３１……突起部、３２，３３……押圧部、
３４……凹部、３５……六角穴、３６……突出
部、３７……溝。

Claims

【特許請求の範囲】

１クランプ穴付または穴無しのチツプを載置す
るチツプ座を先端に有するホルダと、載置したチ
ツプをその上から押し付けるクランプ駒と、クラ
ンプ駒をホルダに締着するボルトから成るクラン
プバイトにおいて、前記クランプ駒はホルダのメ
ネジ部と逆ネジに形成されたメネジ部を有すると
共にこのメネジ部を中心として一端に前記チツプ
座に載置されたクランプ穴付チツプの穴に挿入す
る突起部とこの突起部より低くチツプの上面と平
行な平面に形成されている押圧部と有し、反対側
の他端に穴無しチツプの上面と平行な平面に形成
されている押圧部を有し、前記ホルダはボルトの
締め付け回転方向で切削に影響のない場所にチツ
プの側面と当接するチツプ座の壁面を有すると共
にメネジ部を中心としてチツプ座と反対側にクラ
ンプ駒の突起部を挿入する凹部を有し、前記ボル
トはその両端部が互いに逆ネジに形成されていて
クランプ駒およびホルダの各メネジ部に螺合して
いることを特徴とするクランプバイト。