JPH02154621A - きのこ種菌植菌方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、担子菌または子のう菌に属する菌を含むきの
こ種菌を、荒床内部に定量植菌する装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

近年、きのこの人工栽培のため、おが屑および米ぬか等
による培養床即ち、室床に高吸水性ポリマーを層状にし
てまたは一様に分布させ、室床の保水性をよくし、きの
この育成を促進することが行われている。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来のきのこ種菌の室床への植菌は、一般的に粉末状の
種菌を匙でばら蒔（ことにより行っていた。

しかし、このような匙によるばら蒔き植菌方法では、人
手を必要とし、きのこ種菌を均一に一定量植菌すること
ができず、またこの植菌時に雑菌が混入する恐れがあり
、植菌効率も悪い。

従って、本発明の目的は、きのこ種菌を均一に一定量植
菌することができ、植菌時に雑菌が混入する恐れがなく
、植菌効率がよく、更に自動的に植菌を行うこともでき
るきのこ種菌植菌方法および装置を得るにある。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するため、本発明きのこ種菌植菌方法は
、担子菌または子のう菌を培養した固体または液体培養
基に高吸水性ポリマーを添加したゾル状種菌を形成し、
個別の容器に入れ滅菌した室床のそれぞれに、温度およ
びｐＨの調節により活性化させた前記ゾル状種菌を無菌
的雰囲気中で注射ディスペンサーの刺入接種によりほぼ
均一に分注植菌することを特徴とする。

更に、本発明きのこ種菌植菌装置は、担子菌または子の
う菌を培養した固体または液体培養基に高吸水性ポリマ
ーを添加したゾル状種菌を収容した種菌タンクと、個別
の容器に入れかつ滅菌した室床を、順次搬入ステーショ
ンから植菌ステーションを経て搬出ステーションまで至
る無菌的雰囲気の経路に沿って移送する移送手段と、前
記植菌ステーションに配置した注射ディスペンサーおよ
び前記種菌タンクから注射ディスペンサーにゾル状種菌
を移送するポンプ手段を有し、この植菌ステーションに
存在する室床に前記種菌タンクのゾル状種菌を温度およ
びｐＨの調節により活性化して注射ディスペンサーによ
ってほぼ均一に分注接種する殖菌手段とを具えたことを
特１衣とする。

本明細書中用語「ゾル状種菌」は、固体培養基または液
体培養基で世子菌若しくは子のう菌などのきのこの菌を
培養したものに高吸水性ポリマーを添加して滅菌水を加
えまたは加えることなく懸濁液または粘液体の状態にな
った種菌を意味する。

〔作　用〕

本発明方法および装置によれば、担子菌または子のう菌
に属するきのこ菌を培養した培養基に高吸水性ポリマー
を添加するとともに、温度およびｐＨを調節して活性化
したゾル状種菌を、注射ディスペンサーを使用して、個
別の容器に入ったかつ滅菌した茸床内に、均一かつ定量
分注接種することにより、室床に好適に植菌し、荒床各
部に迅速に菌糸をまん延するような環境を維持する。

〔実施例〕

次に、図面につき本発明の好適な実施例を説明する。

第１乃至５図は、図示しない自動袋詰め機により、個別
の容器としてのポリプロピレン袋に、広葉樹おが屑また
はその他の固体材料および栄養体を詰めた個別の室床に
きのこ種菌を植菌する植菌装置の好適な実施例を示す。

この室床の容器はポリ袋に限定されるものではなく、他
の素材のびんまたは箱等の任意の容器に詰めたものでも
可能である。

第１乃至５図の植菌装置１は、室床２を搬入ステーショ
ン３から植菌ステーシゴン４を経て搬出ステーション５
まで移送する移送手段６を有する。

この移送手段６は、支持テーブル７と、この支持テーブ
ルに回転自在に支承したターンテーブル８と、このター
ンテーブルを好ましくは間欠的に連続駆動する駆動モー
タ９、駆動ブー１月Ｏ，減速装置１１とにより構成する
。

支持テーブル７は、排出ステーション５の位置で切欠き
１２を設ける。ターンテーブル８には、外周縁に互いに
等間隔離して取付けた複数個のアーム１３を設け、各ア
ーム１３には、搬入ステーション３から導入した茸床２
の底部の近傍を捕捉し、ターンテーブルの回転に伴って
茸床を搬入ステーション３から植菌ステーション４を経
て排出ステーション５まで延びるレール１４に沿って慴
動させるグリッパ１５を設ける。

排出ステーション５は、下方に傾斜したシュート１６お
よびこのシュートの下端に連続する水平な取出テーブル
１７を有する。

支持テーブル７には、ターンテーブルおよび茸床の移送
経路をカバーするフード１８を設け、このフードの内側
には茸床の移送経路に沿って紫外線殺菌灯１９を設ける
。

茸床２は、上述のように図示しない自動袋詰め機により
、ポリプロピレン袋に、培地としての広葉樹おが屑また
はその他の固体材料および栄養体を詰めて押圧し、シー
ル後空気孔を開け、通気栓としてウレタンスポンジの栓
をし、次に、これを高温で適当時間加熱して培地内含ま
れている雑菌を殺菌し、後に接種するきのこ種菌の接種
に好適な温度まで冷却し、無菌的室内に保存しておく。

このように処理保存しておいた茸床２を、搬入ステーシ
ョン３において段進する空のグリッパ１５が到来する前
に支持テーブル上に載置する。駆動モータ、ブーりおよ
び減速装置により間欠的に段進するターンテーブルに取
付けたアームに設けたグリッパ１５は、搬入ステーショ
ンで支持テーブルに載置された茸床２を、順次間欠的に
段進させて植菌ステーション４に摺動移送し、この植菌
ステーション４で植菌し、この後植菌した茸床２を搬出
ステーション５まで移送し、このステーションで支持テ
ーブルに形成した切欠き１２からシュート１６に落下さ
せ、重力の作用でシュートから水平の取出テーブル１７
上に転送する。この取出テーブル１７上の茸床２は、人
手によりまたはベルトコンベヤにより自動的に、調温・
調湿した培養室まで搬送する。

植菌ステーション４には植菌手段を設ける。この植菌手
段は、植菌ステーション４に到来した茸床２に植菌する
ための注射ディスペンサー２０と、種菌タンク２１から
この注射ディスペンサー２０にゾル状種菌を送り出すポ
ンプ手段Ｐと、注射ディスペンサー２０を並進移動させ
る駆動手段Ｑとを有する。

種菌タンク２１には、木屑、微細断バガス、米ぬか、石
こう等の固形分を含有する培養基で担子菌若しくは子の
う菌を培養した種菌、この種菌を滅菌水で希釈した固液
混合の懸濁液種菌または液体培養基で担子菌若しくは子
のう菌を培養した液状種菌に、高吸水性ポリマーを添加
して調整した本発明で使用するゾル状種菌を収納する。

種菌タンク内温度およびｐＨを適切に調整してゾル種菌
を活性化しておく。接種活性化するため植菌時のゾル状
種菌の温度はＯ″Ｃ〜１Ｂ’Ｃ，ｐＨは７以下とすると
よい、必要に応じ種菌タンク以降の部分に保冷装置を設
けて温度を適温に維持する。

高吸水性ポリマーは、ポリアクリル酸塩系、ポリビニー
ルアルコール系などの合成ポリマー、またはセルロース
系、でんぷん系などの天然ポリマーのうちのいずれを使
用することもできる。この高吸水性ポリマーの添加量は
、ゾル状種菌中の液分に対し、０．０５％〜５％、好ま
しくは０．１％〜１％とする。この範囲外であると、菌
の浮遊、分散状態が好ましいものでなくなる。固形分は
、粒度が直径３１ＩＩＩｌｌ以下で５％〜１０％、液分
は９５％〜９０％の割合がゾル状種菌の注射ディスペン
サーによる植菌に好適である。

ポンプ手段Ｐは、回転容積式−軸偏心スクリューポンプ
またはチュービングポンプを使用すると好適である。

スクリューポンプは、無脈動で、吸込側および吐出側の
双方とも弁がなく、渦流、撹拌、液だまりを生ぜず、ゾ
ル状種菌を傷めることなくまた雑菌に汚染されることな
く定量的に注射ディスベンサーに送り、茸床に植菌でき
る。また構造が簡単で洗浄、滅菌が容易にできる。また
スクリューポンプを使用すると、固形分粒子の大きさが
直径３ｍｍ、繊維の長さが５柵のものを含有するゾル状
種菌でも、本発明方法による高吸水性ポリマーの存在下
で容易に送出でき、植菌できる。更に、瞬間的に逆回転
させてゾル状種菌を吸戻すことができるため、本発明に
よる注射ディスペンサー植菌において液だれがなく、正
確に一定量植菌でき、液だれによる雑菌汚染を生じない
。またこのスクリューポンプは、信号に対する応答性が
迅速で本発明による自動植菌装置の場合都合がよい。

チュービングポンプの場合、固形分を含まないまたは固
形分粒子の大きさが小さい例えば、ＩＷ１以下のゾル状
種菌の送出に適している。チュービングポンプは、チュ
ーブ内にゾル状種菌が通過するだけで、外気との接触が
なく雑菌による汚染を防止することができ、チューブは
蒸気殺菌を行うことができる。またローラ機構によって
、脈流がほとんどなく、定量精度は比較的高く、正転、
逆転が簡単にでき、本発明による注射ディスペンサー植
菌において液だれを防止することができる。

注射ディスペンサーの先端には中空パイプの針を設け、
この針をポリ袋に貫通させて、または堅固な容器の場合
、ウレタンスポンジの通気栓を貫通させて、荒床内部に
高吸水性ポリマーを含有するゾル状種菌を接種植菌する
。スクリューポンプまたはチュービングポンプを使用す
ると、低粘度から極めて高粘度の液体の送出を行うこと
ができるため、粘度が高いまたは固形分含量の多いゾル
状種菌でも均一定量の植菌を行うことができる。

植菌手段は、好適には、駆動手段Ｑ例えば流体圧シリン
ダ装置により注射ディスペンサーを直線的に移動させ、
中空針を上方から下方へまたは水平に、好適には、茸床
のほぼ対角分割面に沿って少なくとも１個所荒床の上端
縁の近傍から茸床の下端縁の近傍まで対角方向に刺し込
み、次にこの注射ディスペンサーを等速で引き抜きつつ
、ポンプ手段Ｐにより前記ゾル状種菌を前記茸床にほぼ
均一に分注接種する。図示の実施例のように対角方向（
斜め）に接種すると、育成する菌糸は重力その他に関係
なく上下左右に蔓延し、茸床の周辺末端部に短期間で延
びてい（ため、培養時間が短縮されて栽培採取効率が向
上する。中空針が茸床の容器から引き抜かれる瞬間にポ
ンプを逆回転して針からのゾル状種菌のだれを防止する
。

注射ディスペンサーの針の各茸床への刺し込み個所は、
１個所だけでな（適切な間隔および時間をおいて２個所
以上で行うこともでき、２個以上の注射ディスペンサー
を同時に個別の個所で茸床に刺し込むこともできる。

図示の実施例においては、植菌ステーションに隣接する
位置にラベリングステーションを設け、このラベリング
ステーションに設けたラベリング手段２２により、植菌
して針を抜いた後の茸床の容器の刺し込み孔をラベルで
シールする。これにより刺し込み孔からの雑菌汚染を防
止でき、更にラベルには植菌の日付、ロフト番号等を予
めプリントし、または後で記入することにより培養およ
び栽培の管理をすることもできる。発泡シリコン栓等の
通気栓をした茸床の通気栓に、中空針を刺し込んだ場合
、この刺し込み孔をシールする必要がない。

植菌ステーションおよびラベリングステーションに茸床
が存在するか否かの判定はこれらステーションに設けた
光センサーまたは近接スイッチ等のセンサー（図示せず
）により感知し、茸床がこれらステーションに存在する
ときのみ植菌手段およびラベリング手段を動作させるよ
うにする。

移送手段、植菌手段およびラベリング手段の動作は、操
作パネル２３で入力したプログラムに基づいてこれら手
段を制御する制御手段（図示せず）例えば、マイクロプ
ロセッサによりこれら手段を調歩動作させ、すべて自動
的に植菌等の処理を行うようにすることができる。

本発明方法を実施するには、必ずしも図示の実施例のよ
うに制御手段により全工程を自動化する必要はなく、無
菌環境下であれば人手を介しての作業でもよい。

〔発明の効果〕

本発明によれば、荒床に植菌する種菌は、高吸水性ポリ
マーを含有するゾル状種菌であるため、注射ディスペン
サーの刺入接種による植菌を可能にし、従って、無菌的
環境下において均一で一定量の植菌が容易に行うことが
でき、雑菌汚染を防止することができる。また従来のよ
うに、予め荒床に高吸水性ポリマーを分布させておく必
要がな・く、植菌されたきのこ菌の育成に必要な荒床の
個所にのみ高吸水性ポリマーを植菌と同時に配室するこ
とができるため、手間と材料の節約になる。

また高吸水性ポリマーを添加し、更に接種活性化した本
発明方法によるゾル状種菌を荒床に植菌した場合、従来
の種菌を接種した場合に比較して、茸床中の菌糸の密度
が大となり、繁殖が旺盛となる傾向がある。また高吸水
性ポリマーを含むことにより、菌および固形分を充分分
散させる効果がありまた植菌時に荒床以外の部分に液だ
れするのを防止することもできる。更に、本発明方法お
よび装置は自動化が可能であり、生産効率を飛躍的に向
上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による自動植菌装置のフードを外した
状態の平面図、 第２図は、第１図の装置の一部断面とする側面図、 第３図は、第１図の装置の移送手段のカバーを取り付け
た状態の平面図、 第４図は、第１図の装置の植菌手段の側面図、第５図は
、第１図の装置のラベリング手段の側面図である。 ■・・・植菌装置　　　　　２・・・荒床３・・・１ｌ
ｉｌステーシヨン　４・ｒ・植菌ステーション５・・・
搬出ステーション　６・・・移送手段７・・・支持テー
ブル　　　８・・・ターンテーブル９・・・駆動モータ
　　　　１０・・・駆動プーリ１１・・・減速装置　　
　　　１２・・・切欠き１３・・・アーム　　　　　　
１４・・・レール１５・・・グリッパ　　　　　１６・
・・シュート１７・・・取出テーブル　　　１８・・・
フード１９・・・紫外線殺菌灯 ２１・・・種菌タンク ２３・・・操作パネル ２０・・・注射ディスペンサー ２２・・・ラベリング手段

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、担子菌または子のう菌を培養した固体または液体培
   養基に高吸水性ポリマーを添加したゾル状種菌を形成し
   、個別の容器に入れかつ滅菌した茸床のそれぞれに、温
   度およびｐＨの調節により活性化させた前記ゾル状種菌
   を無菌的雰囲気中で注射ディスペンサーの刺入接種によ
   りほぼ均一に分注植菌することを特徴とするきのこ種菌
   植菌方法。 ２、担子菌または子のう菌を培養した固体または液体培
   養基に高吸水性ポリマーを添加したゾル状種菌を収容し
   た種菌タンクと、個別の容器に入れかつ滅菌した茸床を
   、順次搬入ステーションから植菌ステーションを経て搬
   出ステーションまで無菌的雰囲気の経路に沿って移送す
   る移送手段と、前記植菌ステーションに配置した注射デ
   ィスペンサーおよび前記種菌タンクから注射ディスペン
   サーにゾル状種菌を移送するポンプ手段を有し、この植
   菌ステーションに存在する茸床に前記種菌タンクのゾル
   状種菌を温度およびｐＨの調節により活性化して注射デ
   ィスペンサーによってほぼ均一に分注接種する植菌手段
   とを具えたことを特徴とするきのこ種菌植菌装置。 ３、前記ポンプ手段をスクリューポンプとした請求項２
   記載のきのこ種菌植菌装置。 ４、前記ポンプ手段をチュービングポンプとした請求項
   ２記載のきのこ種菌植菌装置。 ５、前記植菌ステーションと搬出ステーションとの間に
   、前記注射ディスペンサーの刺し込み孔を無菌的にシー
   ルするラベルを前記茸床の容器に張り付けるラベリング
   手段を設けた請求項２乃至４のうちいずれか一項に記載
   のきのこ種菌植菌装置。 ６、前記植菌ステーションおよびラベリングステーショ
   ンに前記茸床の有無を感知するセンサを設け、更に、前
   記移送手段の間欠的な送りと前記注射ディスペンサーお
   よびラベリング手段の動作とを自動的に調歩連動させる
   制御手段を設けた請求項５記載のきのこ種菌植菌装置。