JPH0215426Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、標準テレビ信号とCATV信号とが
入力され、CATV信号を標準テレビ信号に変換
するCATVコンバータに関するものである。

従来の技術 標準テレビ信号を受信する時は、入力端子に加
えられた信号をそのまま出力端子に出力してテレ
ビ受像機に加え、CATV信号を受信する時は、
入力端子に加えられた信号を所定のチヤネルの標
準テレビ信号に変換してテレビ受像機に加える
CATVコンバータが知られている。このような
CATVコンバータは、従来、例えば、第３図に
示す構成を有するものであつた。同図に於いて、
１は入力端子、２，１０は切換スイツチ、３は入
力フイルタ、４は第１ミキサ、５は第１局部発振
器、６はバンドパスフイルタ、７は第２ミキサ、
８は第２局部発振器、９は出力フイルタ、１１は
出力端子、１２はバイパス線路である。

出力端子１１に、図示を省略したテレビ受像機
が接続されるものであり、このテレビ受像機が標
準テレビ信号を受信する場合は、切換スイツチ
２，１０は図示のように接点ａ側に切換えられ、
入力端子１に加えられた信号はバイパス線路１２
を介して出力端子１１に出力されて、テレビ受像
機に加えられ、このテレビ受像機に於いて所望の
チヤネル選択が行われることになる。

又テレビ受像機がCATV信号を受信する場合
は、切換スイツチ２，１０は接点ｂ側に切換えら
れ、入力端子１に加えられた信号は、入力フイル
タ３に加えられる。

第４図は周波数配列説明図であり、標準テレビ
信号に割当てられたチヤネルは、周波数₁から周
波数₂までの間のローバンドと、周波数₄から周
波数₅までの間のハイバンドとであり、又
CATV信号は、周波数₃から周波数₄までの間の
ミドルバンドに割当てられている。これらの周波
数₁，₂，₃，₄，₅は、例えば、米国に於いて
は、₁＝54MHz，₂＝88MHz，₃＝120MHz，₄
＝174MHz，₅＝216MHzである。

入力フイルタ３はミドルバンドのCATV信号
のみを通過させるフイルタであり、CATV信号
は第１ミキサ４に加えられる。この第１ミキサ４
に於いて、周波数可変の第１局部発振器５からの
局部発振信号とCATV信号とが混合され、所定
の中間周波数を中心周波数としたバンドパスフイ
ルタ６に混合出力信号が加えられ、バンドパスフ
イルタ６の出力信号は第２ミキサ７に加えられ
る。従つて、第１局部発振器５の発振周波数を調
整することにより、所望のチヤネルのCATV信
号を受信することができる。

第２ミキサ７に於いては、発振周波数固定の第
２局部発振器８からの局部発振信号とバンドパス
フイルタ６の出力信号とが混合され、標準テレビ
信号のローチヤネル等の所定のチヤネルの信号に
変換され、出力フイルタ９を介して出力端子１１
からテレビ受像機に加えられ、テレビ受像機では
その所定のチヤネルに設定することにより、
CATV信号を受信することができる。

第５図は、第１図に於ける第１局部発振器５の
要部回路図を示すものであり、１７は同調用イン
ダクタンス、１８〜２０はコンデンサ、２１は可
変容量ダイオード、２２は発振素子、２３は同調
電圧を印加する端子である。この端子２３から可
変容量ダイオード２１に加える電圧を調整して、
局部発振周波数を所望のCATV信号が受信でき
るようにするものであり、例えば、第６図に示す
ように、局部発振周波数が₀₁の時に、周波数₃
のCATV信号が受信され、局部発振周波数が₀₂
の時に、周波数₄のCATV信号が受信される。
即ち、局部発振周波数を₀₁から₀₂までの間の周
波数に調整することにより、周波数₃から周波数
₄までの間のミドルバンドのCATV信号を選択
して受信することができる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前述のように、CATV信号は、ローチヤネル
信号に変換されるものであり、米国に於いては、
２〜４チヤネルの何れかのチヤネルが所定のチヤ
ネルとなる。例えば、CATV信号を第３チヤネ
ルの標準テレビ信号に変換して出力端子１１から
テレビ受像機に加える構成を有する場合、標準テ
レビ信号の第３チヤネルを受信する為に、切換ス
イツチ２，１０を接点ａ側に切換えると、入力端
子１に加えられた信号は、切換スイツチ２、バイ
パス線路１２、切換スイツチ１０、出力端子１１
を介してテレビ受像機に加えられ、このテレビ受
像機で第３チヤネル受信を行うようにチユーナの
調整が行われる。

このような第３チヤネル受信時に於いて、切換
スイツチ２，１０のアイソレーシヨンが完全では
ないから、入力端子１に加えられた第３チヤネル
の標準テレビ信号が、切換スイツチ２の接点ｂ側
へ漏洩し、入力フイルタ３から第１ミキサ４に加
えられることになり、前述のように周波数変換さ
れて出力フイルタ９から第３チヤネルの標準テレ
ビ信号に変換された信号が、切換スイツチ１０の
接点ｂ側から出力端子１１に漏洩して、テレビ受
像機に加えられることになり、この不要信号によ
つてビート妨害が生じる欠点があつた。

このような欠点を防ぐ為に、標準テレビ信号受
信時に、第１局部発振器５又は第２局部発振器８
への電圧印加を停止させることが考えられるが、
標準テレビ信号受信状態からCATV信号受信に
切換える為に、第１局部発振器５又は第２局部発
振器８へ再び動作電圧を印加した時、発振周波数
ドリフトが生じる欠点がある。

本考案はこのようなビート妨害を防止すること
を目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のCATVコンバータは、入力端子に標
準のテレビ信号とCATV信号とが入力され、前
記CATV信号を所定のチヤネルの標準テレビ信
号に変換するCATVコンバータに於いて、前記
入力端子に加えられた標準テレビ信号を出力端子
に直接的に出力するバイパス線路と、局部発振器
と、この局部発振器の局部発振周波数の設定によ
つて前記CATV信号を前記所定のチヤネルの標
準テレビ信号に変換する周波数変換回路と、前記
入力端子と前記出力端子とを前記バイパス線路又
は前記周波数変換回路との何れかに切換接続する
切換スイツチとを備え、前記標準テレビ信号受信
時には、前記入力端子と出力端子とを前記バイパ
ス線路に前記切換スイツチにより接続すると共
に、この切換スイツチに連動して前記局部発振器
の局部発振周波数を前記CATV信号を受信不能
とする範囲まで高くするように切換える切換手段
を設けたものである。

〔作用〕

標準テレビ信号受信時に、局部発振器の発振周
波数を通常のCATV信号受信時に比較して高く
なるように切換えることにより、切換スイツチを
介して漏洩したCATV信号が所定の標準テレビ
信号のチヤネルに変換されないので、テレビ受像
機に於けるビート妨害が生じないことになる。

〔実施例〕

以下図面を参照して、本考案の実施例について
詳細に説明する。

第１図は本考案の実施例の要部回路図を示し、
１は入力端子、２，１０は切換スイツチ、４は第
１ミキサ、１１は出力端子、１２はバイパス線
路、１５は周波数変換回路、１７は同調用インダ
クタンス、１８〜２０はコンデンサ、２１は可変
容量ダイオード、２２は発振素子、２３は同調電
圧を印加する端子、２４は切換スイツチ、２５は
所定の電圧を印加する端子である。

周波数変換回路１５は、同調用インダクタンス
１７とコンデンサ１８〜２０と可変容量ダイオー
ド２１と発振素子２２と切換スイツチ２４とから
なる第１局部発振器と、第１ミキサ４とを含むも
のであり、必要に応じてフイルタや第２ミキサ、
第２局部発振器等を設けることができるものであ
る。

又切換スイツチ２，１０，２４は連動して切換
えられるものであり、標準テレビ信号受信時は、
図示状態のように接点ａ側に切換えられ、入力端
子１からバイパス線路１２を介して出力端子１１
にそのまま信号が出力されてテレビ受像機に加え
られ、又CATV信号受信時は、切換スイツチ２，
１０，２４は接点ｂ側に切換えられ、入力端子１
から周波数変換回路１５にCATV信号が加えら
れ、標準テレビ信号の周波数に変換されて、出力
端子１１からテレビ受像機に加えられる。

CATV信号受信時は、第１局部発振器の発振
周波数を可変とする可変容量ダイオード２１に、
端子２３から切換スイツチ２４を介して同調電圧
が印加され、ミドルバンドのCATV信号の所望
のチヤネル受信用の周波数に同調されることにな
り、局部発振周波数が₀₁の時に周波数₃の
CATV信号が受信され、又局部発振周波数が₀₂
の時に周波数₄のCATV信号が受信されるもの
である。

又標準テレビ信号を受信する時は、切換スイツ
チ２４は接点ａ側に切換えられ、端子２５から電
源電圧等の所定電圧が可変容量ダイオード２１に
印加される。それにより第１局部発振器の発振周
波数は、₀₂より高い₀₃となる。

第２図は第１局部発振器の発振周波数と受信周
波数との関係の説明図であり、CATV信号受信
時は、第６図について説明したように、第１局部
発振器の発振周波数は₀₁〜₀₂の間に調整され
て、周波数₃〜₄間のCATV信号が受信されるも
のであり、標準テレビ信号受信時は、第１局部発
振器の発振周波数が前述のように₀₃に切換えら
れる。それにより受信周波数は₆で示すものとな
る。即ち、標準テレビ信号受信時は、第１局部発
振器の発振周波数を高くするように切換えること
によつて、切換スイツチ２の接点ｂ側へ標準テレ
ビ信号が漏洩しても、第１ミキサ４と第１局部発
振器５とを含む周波数変換回路１５により、第３
チヤネルとは全く異なる帯域の周波数に変換する
ことになるから、第３チヤネルの標準テレビ信号
の受信信号に対してビート妨害を与えることはな
くなる。

前述の実施例は、第１局部発振器に於ける発振
周波数を、標準テレビ信号受信時に高くする場合
についてのものであるが、第２局部発振器の発振
周波数をこのように切換えることも可能である。
又単一の局部発振器を設けたCATVコンバータ
に於いては、その局部発振器の発振周波数を、標
準テレビ信号受信時に高くなるように切換える手
段を設ければ良いことになる。

〔考案の効果〕 以上説明したように、本考案は、標準テレビ信
号受信時に、入力端子１と出力端子１１とを切換
スイツチ２，１０を介してバイパス線路１２によ
り接続すると共に、この切換スイツチ２，１０に
連動して、局部発振器の発振周波数をCATV信
号受信時の発振周波数より高くして、CATV信
号の受信を不能とする切換スイツチ２４等の切換
手段を設けたものであり、標準テレビ信号と
CATV信号との受信切換えを行う切換スイツチ
２，１０のアイソレーシヨンが充分でない場合で
も、標準テレビ信号受信時のビート妨害の発生を
防止することができる利点があり、その為の構成
も簡単であると共に、標準テレビ信号受信状態か
らCATV信号受信状態に切換えた時の局部発振
器の発振周波数のドリフトは無視できる程度のも
のとなる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の要部回路図、第２図
は本考案の実施例の局部発振器の発振周波数と受
信周波数との関係説明図、第３図は従来の
CATVコンバータのブロツク図、第４図は標準
テレビ信号とCATV信号との周波数配置説明図、
第５図は従来の第１局部発振器の要部回路図、第
６図は従来の局部発振の発振周波数と受信周波数
との関係説明図である。 １は入力端子、２，１０，２４は切換スイツ
チ、３は入力フイルタ、４は第１ミキサ、５は第
１局部発振器、６はバンドパスフイルタ、７は第
２ミキサ、８は第２局部発振器、９は出力フイル
タ、１１は出力端子、２１は可変容量ダイオー
ド、２２は発振素子、２３は同調電圧印加用の端
子、２５は所定電圧印加用の端子である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 入力端子に標準のテレビ信号とCATV信号と
   が入力され、前記CATV信号を所定のチヤネル
   の標準テレビ信号に変換するCATVコンバータ
   に於いて、 前記入力端子に加えられた標準テレビ信号を出
   力端子に直接的に出力するバイパス線路と、局部
   発振器と、該局部発振器の局部発振周波数の設定
   によつて前記CATV信号を前記所定のチヤネル
   の標準テレビ信号に変換する周波数変換回路と、
   前記入力端子と前記出力端子とを前記バイパス線
   路又は前記周波数変換回路との何れかに切換接続
   する切換スイツチとを備え、 前記標準テレビ信号受信時には、前記入力端子
   と前記出力端子とを前記バイパス線路に前記切換
   スイツチにより接続すると共に、該切換スイツチ
   に連動して前記局部発振器の局部発振周波数を、
   前記CATV信号を受信不能とする範囲まで高く
   なるように切換える切換手段を設けたことを特徴
   とするCATVコンバータ。