JPH0215124Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、減圧弁に関する。

従来の技術 この種の減圧弁としては、隔壁によつて上下２
つの空間に仕切られている弁室、弁室の下部空間
に連通している高圧側流体通路および弁室の上部
空間に連通している低圧側流体通路を有する弁本
体と、隔壁の流体通過孔のまわりに設けられてい
る弁座と、弁座に下側より着座するように配され
ている茸状弁体と、低圧側流体通路が所定圧力と
なるように弁体を昇降させる手段とよりなるもの
が知られている。

考案が解決しようとする課題 上記減圧弁において、弁体を昇降させるのはば
ねによる。とくに弁体を弁座に向けて押付ける際
のばねの力が、弁体の中心に常に正確に働くよう
にすることは、一般に困難であつて、弁体の中心
から若干はずれた所にばねの力が作用することが
避けられない。この結果、弁の開閉の円滑さが阻
害されるのみならず、弁体を支持している支持部
に摩耗が生じ、減圧弁の耐用年数が短縮されると
いううらみがあつた。

この考案は、上記の従来減圧弁の難点を解消
し、開閉が円滑であり、かつ耐用年数の長い減圧
弁を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段 この考案による減圧弁は、上記の従来の減圧弁
において、弁体の弁棒上端部は弁室の頂壁で摺動
自在に支持され、弁体の下面中央部に、弁棒と一
直線となるように下方突出垂直ガイドロツドが設
けられ、ガイドロツドの下端部は弁室の底壁で摺
動自在に支持され、弁体下面のガイドロツドのま
わりに、環状凹所が設けられ、凹所の外周面はガ
イドロツドと同心の下向きテーパ状に形成され、
ガイドロツドに、フランジ付環状ばね座が昇降自
在にはめられ、ばね座のフランジ外周面はガイド
ロツドと同心の突状球面に形成されてこれが凹所
のテーパ状外周面に当接させられ、フランジと弁
室の底壁の間に、ガイドロツドにはめられた圧縮
ばねが介在されていることを特徴とするものであ
る。

作 用 この考案による減圧弁では、弁体の弁棒上端部
は弁室の頂壁で摺動自在に支持され、弁体の下面
中央部に、弁棒と一直線となるように下方突出垂
直ガイドロツドが設けられ、ガイドロツドの下端
部は弁室の底壁で摺動自在に支持されているか
ら、弁体は水平方向に振れることなく円滑に昇降
し、弁座の所定位置に着座する。

さらに、弁体下面のガイドロツドのまわりに、
環状凹所が設けられ、凹所の外周面はガイドロツ
ドと同心の下向きテーパ状に形成され、ガイドロ
ツドに、フランジ付環状ばね座が昇降自在にはめ
られ、ばね座のフランジ外周面はガイドロツドと
同心の突状球面に形成されてこれが凹所のテーパ
状外周面に当接させられ、フランジと弁室の底壁
の間に、ガイドロツドにはめられた圧縮ばねが介
在されているから、弁体とばね座の接触部はガイ
ドロツドの軸線を中心とする円輪状となり、これ
にばねの力が作用する。

実施例 この考案の実施例を図面を参照してつぎに説明
する。

この明細書において、「上」または「下」とい
うのは図面の上または下をさすものとするが、こ
の考案の減圧弁の設置方向を限定するものではな
い。

減圧弁は、隔壁１１によつて上下２つの空間に
仕切られている弁室１２、弁室１２の下部空間に
連通している高圧側流体通路１３および弁室１２
の上部空間に連通している低圧側流体通路１４を
有する弁本体１５と、隔壁１１の流体通過孔１６
のまわりに設けられている弁座１７と、弁座１７
に下側より着座するように配されている茸状弁体
１８とを備えている。

弁体１８の弁棒２１上端部は弁室１２の頂壁２
２を摺動自在に貫通してその上方に突出してい
る。弁棒２１の上端は球面に形成されている。

弁室１２の頂壁２２上方には有底筒状弁体押え
２３が配置されるとともに、弁体押え２３を覆う
ように頂壁付筒状カバー２４が弁本体１５上に配
置されている。弁体押え２３の底壁下面中央部に
は下向き有底孔２５が設けられ、これに弁棒２１
上端がはめ入れられている。弁体押え２３の周壁
上端寄りにはフランジ２６が設けられており、こ
のフランジ２６より下方にベローズ２７が弁体押
え２３を取り囲んで配置されている。ベローズ２
７のフランジ２８は弁本体１５と弁体押え２３の
間に挾み止められている。このベローズ２７の内
側に低圧側流体を導く細孔２９が低圧側流体通路
１４から上向きに設けられている。カバー２４の
頂壁外周縁部と弁体押え２３のフランジ２６の間
には調圧圧縮ばね３１が介在されている。カバー
２４の頂壁中央部には雌ねじ付筒状部３２が設け
られ、これの外面に有底筒状ばね押え３３が摺動
自在にはめ被せられている。ばね押え３３の上端
にはフランジ３４が設けられ、このフランジ３４
と弁体押え２３の底壁の間に設定圧縮ばね３５が
介在されている。雌ねじ付筒状部３２には調圧ボ
ルト３６がねじ入れられ、その下端はばね押え３
３の底壁に当接させられている。雌ねじ付筒状部
３２の上端にはキヤツプ３７が被せられている。

弁室１２の底壁４１中央部にはプラグ４２が貫
通状にねじ込まれている。プラグ４２の上面中央
部には有底孔４３が設けられている。

弁体１８に下面中央部には、弁棒２１と一直線
となるように下方突出垂直ガイドロツド４４が設
けられ、その下端部はプラグ４２の有底孔４３に
摺動自在にはめ入れられている。弁体１８下面の
ガイドロツド４４のまわりに、環状凹所４５が設
けられている。凹所４５の外周面４６はガイドロ
ツド４４と同心の下向きテーパ状に形成されてい
る。ガイドロツド４４には、フランジ４７付環状
ばね座４８が昇降自在にはめられている。ばね座
フランジ４７の外周面４９はガイドロツド４４と
同心の突状球面に形成されてこれが凹所４５のテ
ーパ状外周面４６に当接させられている。ばね座
４８のフランジ４７とプラグ４２の間に、ガイド
ロツド４４にはめられた高圧圧縮ばね５１が介在
されている。高圧圧縮ばね５１を取り囲んで弁体
１８下面周縁部とプラグ４２の間にベローズ５２
が介在されるとともに、ベローズ５２を取り囲ん
で弁座押え５３と弁室１２の底壁４１の間に筒状
フイルタ５４が介在されている。

いま、弁体１８は、調圧ばね３１、設定ばね３
５および高圧ばね５１の合力によつて下方に押し
下げられており、弁体１８と弁座１７との間には
〓間が生じているものとする。

高圧側流体は、高圧側流体通路１３より下部弁
室１２に導入され、フイルター５４により濾過せ
られたのち、弁体１８と弁座１７との〓間を通つ
て上部弁室１２へ導かれ、最終的に低圧側流体通
路１４から導出される。

流体が低圧側通路１４に流入すると、その圧力
は細孔２９を通じて弁体押え２３の底壁下面に作
用し、上記したばねの合力に打勝つて弁体押え２
３を上方に押し上げ、その結果、弁体１８は上方
に押し上げられて弁座１７との〓間は減少しめら
れて高圧側流体の低温側への流入は抑制せられ
る。このようにして低圧側圧力は所定の圧力に調
整せられる。

考案の効果 この考案によれば、弁体は水平方向に振れるこ
となく円滑に昇降し、弁座の所定位置に着座する
ことに加えて、弁体とばね座の接触部はガイドロ
ツドの軸線を中心とする円輪状となり、これにば
ねの力が作用することにより、弁開閉の円滑さが
阻害されることが少ないのみならず、弁体の支持
部の摩耗が少く、減圧弁の耐用年数は従来より長
くなるという効果を奏するのである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示す弁閉状態の縦断
面図である。 １１……隔壁、１２……弁室、１３……高圧側
流体通路、１４……低圧側通体通路、１５……弁
本体、１６……流体通過孔、１７……弁座、１８
……弁体、２１……弁棒、２２……弁室頂壁、４
１……弁室底壁、４４……ガイドロツド、４５…
…凹所、４６……凹所外周面、４７……ばね座フ
ランジ、４８……ばね座、４９……フランジ外周
面、５１……圧縮ばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 隔壁１１によつて上下２つの空間に仕切られて
   いる弁室１２、弁室１２の下部空間に連通してい
   る高圧側流体通路１３および弁室１２の上部空間
   に連通している低圧側流体通路１４を有する弁本
   体１５と、 隔壁１１の流体通過孔１６のまわりに設けられ
   ている弁座１７と、 弁座１７に下側より着座するように配されてい
   る茸状弁体１８と、 低圧側流体通路１４が所定圧力となるように弁
   体１８を昇降させる手段と、 よりなる減圧弁において、 弁体１８の弁棒２１上端部は弁室１２の頂壁２
   ２で摺動自在に支持され、弁体１８の下面中央部
   に、弁棒２１と一直線となるように下方突出垂直
   ガイドロツド４４が設けられ、ガイドロツド４４
   の下端部は弁室１２の底壁４１で摺動自在に支持
   され、 弁体１８下面のガイドロツド４４のまわりに、
   環状凹所４５が設けられ、凹所４５の外周面４６
   はガイドロツド４４と同心の下向きテーパ状に形
   成され、ガイドロツド４４に、フランジ４７付環
   状ばね座４８が昇降自在にはめられ、ばね座４８
   のフランジ４７外周面４９はガイドロツド４４と
   同心の突状球面に形成されてこれが凹所４５のテ
   ーパ状外周面４６に当接させられ、フランジ４７
   と弁室１２の底壁４１の間に、ガイドロツド４４
   にはめられた圧縮ばね５１が介在されていること
   を特徴とする減圧弁。