JPS599285Y2 - 圧力調整器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、高圧ガス容器とガス器具との間に挿入され、
ガス圧力を所定値に制御する圧力調整器に関するもので
ある。

圧力調整器では、調整器本体の側壁の受孔内で横方向に
摺動してガス流入口を開閉する弁体は、調整器本体に枢
着された操作レバーを介してダイヤフラムの主軸に連結
され、調整器本体の上部開口部を閉塞するように装着さ
れたダイヤフラムは、下端周縁部をダイヤフラムの外周
縁部に重ねて調整器本体に固着したカバーとの間に介装
した圧縮コイルバネによって下方に付勢されている。

そして、ある設定圧よりガス圧力が低下したとき、ダイ
ヤフラムは前記バネの付勢を順当に受けて下降し、これ
と連動した弁体はガス流入口を開放することになる。

そして、ダイヤフラムの下部空間におけるガス圧力が設
定圧まで増大したとき、ダイヤフラムは前記バネの付勢
に抗して元の位置へ押し上げられ、ガス流入口は弁体に
よって再度閉止されることになる。

このように圧力変動に対応して繰返し上下動するダイヤ
フラム内蔵の圧力調整器では、操作レバーや弁体を安定
かつ的確に動作させたり、ダイヤフラムの周縁可動部分
を各部均一に移動変形させるには、ダイヤフラムの主体
部分が常に水平状態を保って作動する必要がある。

しかし、実公昭４１−２４４４５号公報に開示されてい
るように従来の圧力調整器では、カバーの頂壁中央部に
小径な立筒部を設け、ダイヤフラムの付勢用圧縮コイル
バネは、前記立筒部にねじ込んだ調整ねし体にその上端
を圧接するようになっている。

そのため、該付勢用コイルバネの口径は必然的に調整ね
し体の直径に拘束されて小さなものに限定され、該バネ
の下端は主軸周辺のダイヤフラム中央部のみに圧接して
いるのに過ぎない。

このようにダイヤフラム主体部分の直径に比べて付勢用
圧縮コイルバネの口径が小さいため、ダイヤフラムを常
に水平作動させるのは容易でなかった。

従って本考案の目的は、ダイヤフラムの水平作動が常に
確実に得られ、各部材が所定の態様で安定に動作するた
め信頼性が高い圧力調整器を提供することである。

以下、図面に基いて説明すると、本考案の圧力調整器の
要旨とするところは、円錐台形状の力バー頂壁がダイヤ
フラム主体部分２ａのほぼ全面に対向する円錐台形状カ
バー１を調整器本体３に装着し、該カバー頂壁の外周線
部にバネ受部４を調け、カバー１の頂壁中央部に設けた
立筒部５に調整ねじ体６をねじ込み、該調整ねじ体６の
上下動によって圧縮量を調整される第１圧縮コイルバネ
７の外側に、大口径の第２圧縮コイルバネ８をダイヤフ
ラム主軸９を中心として同心配置し、該第２圧縮コイル
バネ８の下端をダイヤフラム主体部分２ａの外周縁部上
面に圧接させる一方、第２圧縮コイル８の上端を前記バ
ネ受部４に圧接させて、ダイヤフラム２を水平に上下作
動させるようにしたことである。

図示の実施例では、キャップ１０の嵌着用の環状鍔部１
１を頂端外周に形戒するために、カバー１の上部周壁に
は凹部１２を設けてある。

カバーと同様に円錐台形状のキャップ１０は、その内周
壁に９０度間隔で４個の掛合部１３を設けてあり、カバ
ーの前記環状鍔部１１はこれら掛合部１３に密嵌めされ
る。

キャップ１０の頂壁にはその中央部下面側に環状突起１
４を設けてあり、この環状突起１４にはカバーの立筒部
５の上端部が密嵌めされる。

本例では、前記凹部１２の曲率を大きくとる一方、環状
突起１４と立筒部５を密嵌めする、という２重の防水対
策を施してあるため、上からも横からも雨水の浸入を許
さない優れた防水性を備えている。

環状突起１４の一部には、通気用切欠１５を設けてある
。

カバーの前記バネ受部４と立筒部５の上端とは同じ面位
置にあり、バネ受部４と立筒部５は逆テーパー状の斜壁
１６によって一体に連結されており、立筒部５の内周壁
には雌ねじを切ってある。

従って、外側の大口径の第２圧縮コイルバネ８の上部は
、前記凹部１２の部分のカバー側壁と前記斜壁１６の間
に配置されている。

第２圧縮コイルバネ８の下端は、環状突部１７の外側に
てダイヤフラム支持プレート１８に圧接し、内側の第ｌ
圧縮コイルバネ７の下端は、切起し部１９の内側にてダ
イヤフラム支持プレート１８に圧接している。

かくして、第１圧縮コイルバネ７と第２圧縮コイルバネ
８は横にずれることなく、常に同心配置されている。

調整器本体３の側壁に枢軸２０で支持された操作レバー
２１は、遊動孔２２を通る横断ピン２３によってその一
端をダイヤフラムの主軸９の下端に連結され、操作レバ
ー２１の他端は、弁体２４の割溝２５に挿入され、横断
ピン２６によって弁体２４に連結されている。

弁体２４は、調整器本体３の側壁に設けた受孔２７内で
摺動し、人口ニツプル２８のガス流入口２９を開閉する
。

本例の圧力調整器では、設定圧よりガス圧が低下すると
、内外の第１圧縮コイルバネ７、第２圧縮コイルバネ８
に押されてダイヤフラム２が下降するため、操作レバー
２１を介してこれと連動している弁体２４は第１図にお
いて右側に摺動し、ガス流入口２９を開放させる。

ダイヤフラム２の下部空間のガス圧が設定圧まで増大す
ると、前記第１圧縮コイルバネ７、第２圧縮コイルバネ
８の付勢に抗してダイヤフラム２が押し上げられるため
、操作レバー２１によって駆動された弁体２４は左側に
摺動し、ガス流入口２９を再度閉止する。

この設定圧の微調整は、前記調整ねじ体６のねし込み深
さを変更し、第１圧縮コイルバネ７の圧縮量を変えるこ
とによって行われる。

以上のように本考案の圧力調整器では、頂壁がダイヤフ
ラム２の主体部分２ａのほぼ全面に対向する円錐台形状
のカバー１を調整器本体３に装着し、該カバー頂壁の外
周縁部にバネ受部４を設け、カバー１の頂壁中央部に設
けた立筒部５に調整ねじ体６をねじ込み、該調整ねじ体
６の上下動によって圧縮量を調整される第１圧縮コイル
バネ７の外側に、大口径の第２圧縮コイルバネ８をダイ
ヤフラム主軸９を中心として同心配置し、該第２圧縮コ
イルバネ８の下端をダイヤフラム主体部分２ａの外周縁
部上面に圧接させる一方、第２圧縮コイルバネ８の上端
を前記バネ受部４の下面に圧接させたものである。

従って外側の第２圧縮コイルバネ８の口径は、第１圧縮
コイルバネ７のように調整ねじ体６の直径に制約される
ことがなく、力バー１の頂端部の直径に極く近いものと
なり、ダイヤフラム主体部分２ａの直径に対する比率は
、ダイヤフラム付勢用の圧縮コイルバネを１個しか使用
せず、かつそのバネの上端を中央の小径な立筒部内の調
整ねし体に圧接させていた従来の圧力調整器と比較する
と、極めて大きくなっている。

このようにダイヤフラム２は、内側の小口径の第１圧縮
コイルバネ７によって付勢されるだけでなく、外側の大
口径の第２圧縮コイルバネ８によっても付勢され、この
大口径の第２圧縮コイルバネ８の上端がダイヤフラム主
体部分２ａのほぼ全面に対向するカバー頂壁の外周縁バ
ネ受部４に圧接する一方、第２圧縮コイルバネ８の下端
がダイヤフラム主体部分２ａの外周縁部上面に圧接して
いるため、ダイヤフラムは傾斜することなく、常に確実
に水平に上下作動することになる。

そのため、操作レバー２１や弁体２４が所定の態様で安
定かつ的確に動作すると共に、ダイヤフラムの周縁可動
部分２ｂは片寄った力を局部的に受けることなく、各部
均一に移動、変形することになり、耐寒性や動作の安定
性、信頼性に優れた圧力調整器が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は圧力調整器の
縦断面図、第２図はカバーの平面図、第３図はカバーの
底面図、第４図は第２図のＡ −Ａ’線断面図、第５図
はキャップの平面図、第６図はキャップの底面図、第７
図は第５図のＢ−Ｂ’線断面図である。 １・・・カバー、２・・・ダイヤフラム、２ａ・・・ダ
イヤフラムの主体部分、２ｂ・・・ダイヤフラムの周縁
可動部分、３・・・調整器本体、４・・・バネ受部、５
・・・立筒部、６・・・調整ねし体、７・・・第１圧縮
コイルバネ、８・・・第２圧縮コイルバネ、９・・・主
軸、１０・・・キャップ、２１・・・操作レバー、２４
・・・弁体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 頂壁がダイヤフラム主体部分２ａのほぼ全面に対向する
   円錐台形状のカバー１を調整器本体３に装着し、該カバ
   ー頂壁の外周縁部にバネ受部４を設け、カバー１の頂壁
   中央部に設けた立筒部５に調整ねじ体６をねじ込み、該
   調整ねじ体６の上下動によって圧縮量を調整される第１
   圧縮コイルバネ７の外側に大口径の第２圧縮コイルバネ
   ８をダイヤフラム主軸９を中心として同心配置し、該第
   ２圧縮コイルバネ８の下端をダイヤフラム主体部分２ａ
   の外周縁部上面に圧接させる一方、第２圧縮コイルバネ
   の上端を前記バネ受部４の下面に圧接させて、ダイヤフ
   ラム２を水平に上下作動させるようにした圧力調整器。