JPH0215114Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は回転機の軸受潤滑装置の改良に関す
る。

〈従来の技術〉 回転機の軸受を潤滑する方法として自己潤滑方
式とポンプを使用した強制給油方式とがある。

強制給油方式はポンプ故障の場合、油の供給が
断たれるため、軸受潤滑に支障を生ずる故、重力
差により油を供給する槽を設けている。この油供
給槽は、給油能力を確保するため従来は、第４図
に示すように回転機１０の設置場所よりも10ｍ程
度高い建屋上部の壁面あるいは天井部分に、油槽
２０を配置し、油槽２０よりも下方に集油槽３０
を据えると共に、回転機１０の軸受部１１と油槽
２０間、油槽２０と集油槽３０間および集油槽３
０と軸受部１１間を給油パイプ５０で連結したも
のである。そして、油槽２０、集油槽３０、軸受
部１１に油を循環するように、集油槽３０と油槽
２０の給油パイプ路５０中に強制給油ポンプ４０
を配置し、集油槽３０の油を油槽２０へ強制的に
送給する方式のものが多かつた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかし、このように建屋の上部位置に油槽を配
置するためには、スペースおよび給油パイプの配
管径路を考えて建屋のレイアウトを決めねばなら
ず、建屋の経済的設計上好ましくなかつた。

本考案は、このように建屋上部に油槽を設ける
強制給油方式の欠点を除くためになされたもので
あつて、油槽の配置、給油パイプの配管径路の設
計にあたつて、建屋のレイアウトを特に考慮しな
いで決めることができる強制給油方式による回転
機の軸受潤滑装置を提供しようとするものであ
る。

また、本考案は強制給油ポンプの故障時におい
ても、油槽から回転機の軸受部へ油が流下し、回
転機に障害を生じないようにする回転機の軸受潤
滑装置を提供しようとするものである。

〈問題点を解決するための技術手段および作用〉 本考案による回転機の軸受潤滑装置は、回転機
の少なくとも１つの軸受箱内にスラストカラーを
有するスラスト軸受を備えると共に、前記軸受箱
の上方に油槽を設け、該油槽と前記軸受箱との
間、該軸受箱と集油槽との間、該集油槽と前記油
槽との間の夫々を給油ポンプで連結すると共に、
潤滑油を循環させるための強制給油ポンプを前記
給油パイプの途中に設けたことを特徴とするもの
である。

従つて、強制給油ポンプを作動させることによ
り、該ポンプにより圧送された潤滑油が、集油
槽、軸受箱、油槽の夫々の間を給油パイプを介し
て循環し、以て軸受箱内の軸受を好適に潤滑冷却
する。さらに何らかの原因により強制給油ポンプ
が停止した場合には、油槽内に貯溜されていた潤
滑油が重力及び軸受の回転に伴う吸引力によつて
軸受箱内に流下し、非常時の潤滑冷却が行われ
る。

この際、軸受箱内のスラスト軸受が大きな吸引
力を発生して潤滑油を軸受側へと吸引すると共
に、通常時においても該スラスト軸受によるポン
プ作用が発生して潤滑油の循環を助ける。

〈実施例〉 以下、図面を用いて本考案の実施例について説
明する。

第１図および第２図は、それぞれ本考案にかか
る回転機の軸受潤滑装置の一実施例および他の実
施例の概略構成を示す図である。図中、１０は回
転機、１１は軸受部、１２は固定子部、２０は油
槽、３０は集油槽、４０はポンプ、５０−１，５
０−２，５０−３は給油パイプである。

第１図に示す回転機の軸受潤滑装置は、回転機
１０の固定子部１２上部に油槽２０を設け、また
油槽２０の下方位置には集油槽３０を配置し、回
転機１０の軸受部１１と集油槽３０間を給油パイ
プ５０−１で、軸受部１１と油槽２０間を給油パ
イプ５０−２で、油槽２０と集油槽２０間を給油
パイプ５０−３で連結すると共に、給油パイプ５
０−１に強制給油するためのポンプ４０を設けた
ものである。

本実施例の回転機１０の軸受部１１は第３図Ａ
およびＡ図の−矢視図Ｂに示すように、ケー
シング１３の内には、ケーシングの内壁に回転機
１０の回転軸１４を囲むように、等間隔で固設し
た４個のセクタ１５ａとカラー１５ｂとからなる
推力軸受１５と、案内軸受１６が設けられてい
る。

カラー１５ｂの図中右端面とセクタ１５ａとの
間には油路１７が、セクタ１５ａとケーシング１
３との間には外周油路１８が、給油パイプ５０−
１と外周油路間はケーシング内を連通した給油孔
１９が設けられている。さらに、ケーシング１３
の上部には、ケーシング内室と給油パイプ５０−
２に接続する給油穴が設けられ、上述した油槽２
０側へ給油する構造になつている。

また、第２図に示す回転機の軸受潤滑装置は、
回転機１０の両側の軸受部１１の上部に、それぞ
れ油槽２０を設け、また油槽２０の下方位置には
集油槽３０を配置し、回転機１０の軸受部１１，
１１と集油槽３０間を給油パイプ５０−１で、軸
受部１１と二つの油槽２０，２０間を給油パイプ
５０−２で、油槽２０，２０と集油槽３０間を給
油パイプ５０−３，５０−３で連結すると共に、
集油槽３０の給油パイプ５０−３内に強制給油ポ
ンプ４０を設け、集油槽３０、軸受部１１、油槽
２０、集油槽３０の径路で、油を強制給油する構
成にしたものである。

本実施例の装置（第２図の装置）における軸受
部１１の構造は、上述した第１図の装置で説明し
た軸受部（第３図Ａ，Ｂ）と同じであるので、特
に説明しないが、給油パイプ５０−１，５０−１
から、それぞれ回転機１０の両側の軸受部１１，
１１へ強制給油された油は、軸受部１１のケーシ
ング１３内室に入り、案内軸受１６、推力軸受１
５を潤滑し、外周油路１８および油路１７を経た
後、給油パイプ５０−２を通つて油槽２０側へ送
られる。強制給油ポンプ４０の故障時には、油槽
２０との重力差により上記径路を逆に辿り、集油
槽３０側へ油が流れるので、案内軸受１６、推力
軸受１５は自然に潤滑され、回転機１０は損傷を
生じることがない。

第１図および第２図の実施例において、強制給
油ポンプ４０はいずれも給油パイプ５０−１内に
配置した例を示したが、集油槽３０と油槽２０間
の給油パイプ５０−３に配置し、集油槽３０から
油槽２０へ向う、反対回りの強制給油方式にして
もよい。

〈考案の効果〉 以上の説明から明らかなように、本考案にかか
る回転機の軸受潤滑装置は、従来の強制給油方式
の装置に比べて、 油槽の据付スペースが少くてすみ、建屋を特
別設計する必要がない。

油槽から軸受、軸受から集油槽および集油槽
と油槽との間の給油パイプの配管を大巾に簡略
化できる。

給油パイプ配管の簡略化等によりメンテナン
スが楽になるなど、建屋を含めた経済的設計が
可能になる利点がある。

軸受箱内には、大きな吸引力を発生し得るス
ラストカラーを有したスラスト軸受が備えられ
ているため、非常時の潤滑冷却を極めて効率よ
く行えると共に、通常時においても該スラスト
軸受によるポンプ作用が発生して強制給油ポン
プの所要能力を最小限とし得る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ本考案の回転機
の軸受潤滑装置の一実施例と他の実施例の概略構
成図、第３図Ａは第１図および第２図の装置中の
軸受部の構造を示す要部断面図であり、第３図Ｂ
は第３図Ａの−矢視図、第４図は強制給油方
式による従来の回転機の軸受潤滑装置の概略構成
図である。 図面中、１０は回転機、１１は軸受部、１２は
固定子部、２０は油槽、３０は集油槽、４０は強
制給油ポンプ、５０は給油パイプである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転機の少なくとも１つの軸受箱内にスラスト
   カラーを有するスラスト軸受を備えると共に、前
   記軸受箱の上方に油槽を設け、該油槽と前記軸受
   箱との間、該軸受箱と集油槽との間、該集油槽と
   前記油槽との間の夫々を給油パイプで連結すると
   共に、潤滑油を循環させるための強制給油ポンプ
   を前記給油パイプの途中に設けたことを特徴とす
   る回転機の軸受潤滑装置。