JPH02149658A - ばね性の優れた高強度熱処理鋼帯の製造方法 - Google Patents
ばね性の優れた高強度熱処理鋼帯の製造方法Info
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- JPH02149658A JPH02149658A JP30217388A JP30217388A JPH02149658A JP H02149658 A JPH02149658 A JP H02149658A JP 30217388 A JP30217388 A JP 30217388A JP 30217388 A JP30217388 A JP 30217388A JP H02149658 A JPH02149658 A JP H02149658A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〈産業上の利用分野〉
本発明は、浸炭処理により表層部分の炭素量を高めた後
調質熱処理をすることにより、ばね限界値(kbo、
+)が180 kgf/mm”以上を発現するばね性の
すぐれた高強度熱処理鋼帯を製造する方法に関する。
調質熱処理をすることにより、ばね限界値(kbo、
+)が180 kgf/mm”以上を発現するばね性の
すぐれた高強度熱処理鋼帯を製造する方法に関する。
(従来の技術)
従来の高強度熱処理鋼帯は、高炭素のみがき帯鋼をオー
ステンパー処理するか、あるいは焼入れ焼もどし処理す
ることにより製造される。前者は熱処理後の組織がベー
ナイトのため靭性は良好であるが0.2%耐力が低く、
このためばね限界値も低くなり、自動車部品、薄物ばね
、或いはぜんまい等のばね性が要求される用途には一般
に適さない。
ステンパー処理するか、あるいは焼入れ焼もどし処理す
ることにより製造される。前者は熱処理後の組織がベー
ナイトのため靭性は良好であるが0.2%耐力が低く、
このためばね限界値も低くなり、自動車部品、薄物ばね
、或いはぜんまい等のばね性が要求される用途には一般
に適さない。
一方、後者の焼入れ焼もどし材は0.2%耐力も高く、
しかも高強度が得られるので、高い疲労強度やばね性が
要求される用途に数多く使用されている。しかし、最近
の自動車部品や精密機械部品などは軽量化の指向が強く
、これに使用される部品は小形化のため高品質化が要求
される。
しかも高強度が得られるので、高い疲労強度やばね性が
要求される用途に数多く使用されている。しかし、最近
の自動車部品や精密機械部品などは軽量化の指向が強く
、これに使用される部品は小形化のため高品質化が要求
される。
このようなことから、薄板でしかも高いぼね限界値や疲
労強度が要求されるばね用材料においては、従来の製造
方法に従う高炭素みがき帯鋼の焼入鋼帯(例えばSK5
など)では、ばね限界値や疲労強度に限界があり、製品
の小形化に対応できないものが多くなりつつある。
労強度が要求されるばね用材料においては、従来の製造
方法に従う高炭素みがき帯鋼の焼入鋼帯(例えばSK5
など)では、ばね限界値や疲労強度に限界があり、製品
の小形化に対応できないものが多くなりつつある。
〈発明の目的〉
本発明は前記のような問題の解決を目的としたものであ
り、従来の焼入炉もどし材では得られない特性をもつば
ね性の優れた高強度熱処理鋼帯の製造方法を提供しよう
とするものである。
り、従来の焼入炉もどし材では得られない特性をもつば
ね性の優れた高強度熱処理鋼帯の製造方法を提供しよう
とするものである。
〈発明の要旨〉
本発明に従うばね性の優れた高強度熱処理鋼帯の製造法
は。
は。
C:0.01〜0.80%。
Si:0.01〜0.20%。
Mn : 0.20〜1.0%。
を含有し、場合によってはさらに0.02〜1.0%の
Ni、 0.02〜1.0%のCrまたは0.02〜0
.6%のMoの1種または2種以上を含有し、必要に応
じてさらに0.02〜0.30%の■または0.02〜
0.30%のNbの1種または2種とを含有し、残部が
Feおよび不可避的不純物からなる炭素鋼の冷間圧延鋼
帯を常法に従って製造し。
Ni、 0.02〜1.0%のCrまたは0.02〜0
.6%のMoの1種または2種以上を含有し、必要に応
じてさらに0.02〜0.30%の■または0.02〜
0.30%のNbの1種または2種とを含有し、残部が
Feおよび不可避的不純物からなる炭素鋼の冷間圧延鋼
帯を常法に従って製造し。
この冷間圧延鋼帯を、浸炭処理後における表面(7)
CflA度カ0.70〜1.10 %、 +ffi厚中
心(7)Cfi度が0.40%以上であり、且つ表面と
中心のC濃度差が0.20%以上になるように浸炭処理
し。
CflA度カ0.70〜1.10 %、 +ffi厚中
心(7)Cfi度が0.40%以上であり、且つ表面と
中心のC濃度差が0.20%以上になるように浸炭処理
し。
次いでこの浸炭処理鋼帯を調質熱処理することを特徴と
する。
する。
すなわち本発明は、適切な鋼成分の選定と特定条件下で
の浸炭処理によって、美麗冷延鋼帯の表面の炭素量を板
厚中心部より高めたうえ調質熱処理を行なうことによっ
て2表面の圧縮残留応力を高め、これによってばね限界
値や疲労強度の高い高強度熱処理鋼帯を製造するのであ
り、既存の焼入炉もどし材にはない優れた特性を有する
ばね材料、とくに板厚1.Q■以下の薄板ばねやぜんま
いばねに適した材料を提供するものである。なお。
の浸炭処理によって、美麗冷延鋼帯の表面の炭素量を板
厚中心部より高めたうえ調質熱処理を行なうことによっ
て2表面の圧縮残留応力を高め、これによってばね限界
値や疲労強度の高い高強度熱処理鋼帯を製造するのであ
り、既存の焼入炉もどし材にはない優れた特性を有する
ばね材料、とくに板厚1.Q■以下の薄板ばねやぜんま
いばねに適した材料を提供するものである。なお。
浸炭処理に供する本発明の冷延鋼帯は美麗な表面に仕上
げておき、これによって浸炭処理時の粒界酸化や素材表
面粗さによる応力負荷時の切欠感受性を可及的低くする
ようにすることが肝要である。
げておき、これによって浸炭処理時の粒界酸化や素材表
面粗さによる応力負荷時の切欠感受性を可及的低くする
ようにすることが肝要である。
浸炭処理後に行なう調質熱処理は焼入れ焼もどし処理を
採用するのがよい。
採用するのがよい。
〈発明の詳述〉
本発明に係るばね性の優れた高強度熱処理鋼帯の製造条
件について以下に詳述する。
件について以下に詳述する。
先ず使用する素材鋼の化学成分値(重量%)について説
明する。
明する。
C:素材のC量は浸炭処理後のCfA度分布に影響する
。C量が低いほど浸炭後の表層と中心部のC濃度差が大
きくなり、焼入焼もどし後の表面の圧縮残留応力が高く
なって、高いぼね限界値が得られる。C量を0.01%
未満に低下させてもその効果が特に向上するわけでもな
く、かえって溶製時に脱ガス処理を必要として製造コス
トが高くなるのでCiの下限値を0.01%とする。他
方C量が高くなると短時間の浸炭処理で高い中心部硬さ
は得られるが、C量が0.8%を越えると浸炭処理後の
表層とのC濃度差0.2%を確保することができず2表
面の圧縮残留応力を高めるという本発明の特徴が発現し
ない。したがって、C量の上限を0、8%とする。
。C量が低いほど浸炭後の表層と中心部のC濃度差が大
きくなり、焼入焼もどし後の表面の圧縮残留応力が高く
なって、高いぼね限界値が得られる。C量を0.01%
未満に低下させてもその効果が特に向上するわけでもな
く、かえって溶製時に脱ガス処理を必要として製造コス
トが高くなるのでCiの下限値を0.01%とする。他
方C量が高くなると短時間の浸炭処理で高い中心部硬さ
は得られるが、C量が0.8%を越えると浸炭処理後の
表層とのC濃度差0.2%を確保することができず2表
面の圧縮残留応力を高めるという本発明の特徴が発現し
ない。したがって、C量の上限を0、8%とする。
St : Siは酸素との親和力が強いため、Si量が
高くなると浸炭処理中、特にガス浸炭中に粒界酸化が生
じやすく、表面欠陥となって疲労強度を低めるのでSi
量はできる限り低い方が良<Si量の上限は0.20%
とする。
高くなると浸炭処理中、特にガス浸炭中に粒界酸化が生
じやすく、表面欠陥となって疲労強度を低めるのでSi
量はできる限り低い方が良<Si量の上限は0.20%
とする。
Mn : Mnは素材の焼入性を確保するために添加し
、Mn量が0.20%未満では焼入性が不足し、調質熱
処理後に中心部硬さHV450以上を確保することが困
難になる。一方、最大板厚1.0Mの調帯を焼入れるに
は、Mn量を1,0%を越えて添加しても、得られる中
心部硬さに変化はなく、その効果は飽和するのでMnf
iは0.15〜1.0%の範囲とする。
、Mn量が0.20%未満では焼入性が不足し、調質熱
処理後に中心部硬さHV450以上を確保することが困
難になる。一方、最大板厚1.0Mの調帯を焼入れるに
は、Mn量を1,0%を越えて添加しても、得られる中
心部硬さに変化はなく、その効果は飽和するのでMnf
iは0.15〜1.0%の範囲とする。
Ni:Niは調質熱処理後の靭性を改善するために添加
し、その添加量が0.02%未満ではその効果はなく、
1.0%を越えて添加してもその効果は飽和するととも
に製造コストが高くなるので、Ni1iは0.05〜1
.0%の範囲とするのがよい。
し、その添加量が0.02%未満ではその効果はなく、
1.0%を越えて添加してもその効果は飽和するととも
に製造コストが高くなるので、Ni1iは0.05〜1
.0%の範囲とするのがよい。
Cr : Crは焼入性向上元素で素材の焼入性を確保
するために添加し、Cr量が0.02%未満ではその効
果が得られなく、1.0%を越えて添加しても得られる
焼入硬さの増加はなく、その効果は飽和する。一方、
CrはCとの親和力が強いので1%を越えて添加すると
浸炭時の表層部のclが非常に高くなり、焼入れ時残留
オーステナイトが生成し、焼もどし後に高いぼね限界値
が得られなくなる。
するために添加し、Cr量が0.02%未満ではその効
果が得られなく、1.0%を越えて添加しても得られる
焼入硬さの増加はなく、その効果は飽和する。一方、
CrはCとの親和力が強いので1%を越えて添加すると
浸炭時の表層部のclが非常に高くなり、焼入れ時残留
オーステナイトが生成し、焼もどし後に高いぼね限界値
が得られなくなる。
したがってCr量は0.02〜1.0%の範囲とするの
がよい。
がよい。
Mo : Moは酸素との親和力が弱く、かつ焼入性向
上元素でもあるので、浸炭時の粒界酸化を抑制して焼入
性を確保するのに最も好ましい元素の一つである。Mo
量が0.02%未満では焼入性に対し効果がなく、0.
6%を越えて添加しても得られる焼入硬さの増加はなく
その効果は飽和するとともに高価な元素のため製造コス
トが高(なるので、M。
上元素でもあるので、浸炭時の粒界酸化を抑制して焼入
性を確保するのに最も好ましい元素の一つである。Mo
量が0.02%未満では焼入性に対し効果がなく、0.
6%を越えて添加しても得られる焼入硬さの増加はなく
その効果は飽和するとともに高価な元素のため製造コス
トが高(なるので、M。
量は0.02〜0.6%の範囲とする。
■またはNb:■またはNbを添加したさいに生成する
炭化物は高温まで安定しているため、浸炭処理中のオー
ステナイト結晶粒が微細となり、この効果を通して調質
熱処理後の0.2%耐力、ばね限界値が高くなる。V、
Nbのいずれか1種の添加量が0.02%未満ではオー
ステナイト結晶粒の微細化効果がなく0.30%を越え
て添加してもその効果は飽和するのでV、Nbの添加量
はばね限界値が向上する0、02〜0.30%の範囲と
する。
炭化物は高温まで安定しているため、浸炭処理中のオー
ステナイト結晶粒が微細となり、この効果を通して調質
熱処理後の0.2%耐力、ばね限界値が高くなる。V、
Nbのいずれか1種の添加量が0.02%未満ではオー
ステナイト結晶粒の微細化効果がなく0.30%を越え
て添加してもその効果は飽和するのでV、Nbの添加量
はばね限界値が向上する0、02〜0.30%の範囲と
する。
このように成分調整した鋼を溶製し、そのスラブを通常
の圧延条件で熱間圧延し、その熱延板を酸洗したあと通
常の圧延条件で冷間圧延して好ましくは1.0 mm以
下の冷延鋼帯として仕上げる。゛次いでこの冷延鋼帯を
鋼帯状態で浸炭処理する。そのさいの浸炭条件を前記の
ように規制する理由は次のとおりである。
の圧延条件で熱間圧延し、その熱延板を酸洗したあと通
常の圧延条件で冷間圧延して好ましくは1.0 mm以
下の冷延鋼帯として仕上げる。゛次いでこの冷延鋼帯を
鋼帯状態で浸炭処理する。そのさいの浸炭条件を前記の
ように規制する理由は次のとおりである。
浸炭条件:浸炭処理によって生ずる厚み方向のC濃度分
布は、表面の圧縮残留応力を介してばね限界値や疲労強
度に大きく影響を与える。浸炭処理後の表層のCMが0
.7%未満であると、調質熱処理後の表面硬さが低く、
180kgf/+m”以上のばね限界値が得られない。
布は、表面の圧縮残留応力を介してばね限界値や疲労強
度に大きく影響を与える。浸炭処理後の表層のCMが0
.7%未満であると、調質熱処理後の表面硬さが低く、
180kgf/+m”以上のばね限界値が得られない。
また浸炭処理後の表層のC量が1.1%を越えると、調
質熱処理時における焼入れ時に残留オーステナイトが生
成し、焼もどし後の耐力が低くなり、やはり180 k
gf/mm”以上のばね限界値が得られなくなる。した
がって浸炭処理は鋼帯の表面Ciiが0.7〜1.1%
となるように行なう。
質熱処理時における焼入れ時に残留オーステナイトが生
成し、焼もどし後の耐力が低くなり、やはり180 k
gf/mm”以上のばね限界値が得られなくなる。した
がって浸炭処理は鋼帯の表面Ciiが0.7〜1.1%
となるように行なう。
他方、前記の表層C量を確保した上で、調帯厚み中心部
のC量が0.4%以上となるように浸炭処理することが
必要である。中心部のclが0.4%未満では調質熱処
理後の中心部硬さHv450が得られず、180kgf
/mm”以上のばね限界値が得られない。
のC量が0.4%以上となるように浸炭処理することが
必要である。中心部のclが0.4%未満では調質熱処
理後の中心部硬さHv450が得られず、180kgf
/mm”以上のばね限界値が得られない。
さらに表層と中心部のC濃度差が0.2%未満では、調
質熱処理後の表面の圧縮残留応力値が通常のSK5焼入
鋼帯のそれと同等程度となり、従来材に比べて圧縮残留
応力値を高めるためには表層と中心部のce濃度差が0
.2%以上存在することが必要である。
質熱処理後の表面の圧縮残留応力値が通常のSK5焼入
鋼帯のそれと同等程度となり、従来材に比べて圧縮残留
応力値を高めるためには表層と中心部のce濃度差が0
.2%以上存在することが必要である。
このようにして、鋼帯の表面C量が0.7〜1.1%、
中心部のC量が0.4%以上、そして表層と中心部のc
濃度差が0.2%以上という三条性を満足したC濃度分
布を浸炭処理によって形成したときに、本発明で目的と
する十分なばね限界値180kgf/mm”以上が達成
される。なお、浸炭処理はガス浸炭、ガス浸炭窒化ある
いは液体浸炭のいずれの方法を採用してもよい。
中心部のC量が0.4%以上、そして表層と中心部のc
濃度差が0.2%以上という三条性を満足したC濃度分
布を浸炭処理によって形成したときに、本発明で目的と
する十分なばね限界値180kgf/mm”以上が達成
される。なお、浸炭処理はガス浸炭、ガス浸炭窒化ある
いは液体浸炭のいずれの方法を採用してもよい。
調質熱処理:浸炭処理により前記したC濃度分布が得ら
れても、C量に見合った硬さ、特に中心部硬さを得るこ
とが必要であり、このために調質熱処理を行なう。調質
熱処理してもその中心部硬さがHv450未満では18
0 kgf/mm”以上のばね限界値が得られない。調
質熱処理としては、この条件を達成しやすい焼入れ焼戻
し処理を採用するのがよい。この焼入れ焼戻し処理は、
浸炭処理とは別ラインで行うことも可能であるが、浸炭
直後に行うことがコスト、品質上からも好ましい。
れても、C量に見合った硬さ、特に中心部硬さを得るこ
とが必要であり、このために調質熱処理を行なう。調質
熱処理してもその中心部硬さがHv450未満では18
0 kgf/mm”以上のばね限界値が得られない。調
質熱処理としては、この条件を達成しやすい焼入れ焼戻
し処理を採用するのがよい。この焼入れ焼戻し処理は、
浸炭処理とは別ラインで行うことも可能であるが、浸炭
直後に行うことがコスト、品質上からも好ましい。
浸炭温度から直接的に焼入れを行なうことも有利である
。焼戻し温度は一般に550 ’Cを越えると軟化が進
むため、550°C未満とすることが好ましい。
。焼戻し温度は一般に550 ’Cを越えると軟化が進
むため、550°C未満とすることが好ましい。
以下に本発明法の代表的な実施例を挙げて2本発明鋼の
特性を示す。
特性を示す。
〈実施例1〉
第1表に示す化学成分(重量%)の鋼を転炉または転炉
−説ガス設備(溶製No、 2のみ)を使用して溶製し
、連続鋳造によって約10トンのスラブとし、これを通
常の圧延条件で熱間圧延を行なって板厚2.0 mmの
熱延板を製造し、引続き酸洗後、冷間圧延によって板厚
0.9 mmに仕上げた。冷延鋼帯の仕上げ面の粗さは
、いずれも0.35〜0.41μlllR2の範囲であ
った。
−説ガス設備(溶製No、 2のみ)を使用して溶製し
、連続鋳造によって約10トンのスラブとし、これを通
常の圧延条件で熱間圧延を行なって板厚2.0 mmの
熱延板を製造し、引続き酸洗後、冷間圧延によって板厚
0.9 mmに仕上げた。冷延鋼帯の仕上げ面の粗さは
、いずれも0.35〜0.41μlllR2の範囲であ
った。
このうち比較鋼のNαl (SK5相当)は通常の焼入
れ焼もどし処理により製造したビッカース硬さIfv5
65の焼入れ鋼帯である。
れ焼もどし処理により製造したビッカース硬さIfv5
65の焼入れ鋼帯である。
Nα2〜Nα8の名調は連続式のガス浸炭炉を用い、雰
囲気中のカーボンポテンシャル(C,P)を0.95%
にコントロールしくRXガス+ブタンガス)900°C
の温度で、通算90分の浸炭処理を行ない、冷却帯で冷
却後巻取りを行なった。浸炭後の各コイルを引続き、連
続式の焼入れ焼もどし炉で加熱温度880°C1焼もど
し温度300 ’Cで熱処理し焼入鋼帯を製造した。
囲気中のカーボンポテンシャル(C,P)を0.95%
にコントロールしくRXガス+ブタンガス)900°C
の温度で、通算90分の浸炭処理を行ない、冷却帯で冷
却後巻取りを行なった。浸炭後の各コイルを引続き、連
続式の焼入れ焼もどし炉で加熱温度880°C1焼もど
し温度300 ’Cで熱処理し焼入鋼帯を製造した。
得られた鋼帯の機械的性質、ばね限界値、X線回折によ
る残留応力の測定値などを第2表に示した。また、第3
表にX線マイクロアナライザーによる板断面のC濃度分
析を行った結果を示した。
る残留応力の測定値などを第2表に示した。また、第3
表にX線マイクロアナライザーによる板断面のC濃度分
析を行った結果を示した。
これらの結果から次のことが明らかである。
(イ) 比較鋼Nα1のSK5焼入焼もどし処理材は
引張強さ195.4 kgf/mm2、ばね限界値17
5.6kgf/mm2である。
引張強さ195.4 kgf/mm2、ばね限界値17
5.6kgf/mm2である。
また、溶製Nα2の比較鋼はMn量が本発明の範囲以下
である。このため焼入性が低く、浸炭・調質熱処理後の
中心部硬さがHV410と低い。
である。このため焼入性が低く、浸炭・調質熱処理後の
中心部硬さがHV410と低い。
したがって引張強さ133.6 kgf/mm2、ばね
限界値151.4 kgf/mm”と、従来の焼入焼も
どし材に比べても低く、特性値の改善は認められない。
限界値151.4 kgf/mm”と、従来の焼入焼も
どし材に比べても低く、特性値の改善は認められない。
(0)次に溶製Nα3および4はMn量を本発明範囲内
で変化させた例、溶製Nα6および7はC量を本発明範
囲内で変化させた例である。いずれも引張強さ181〜
198 kgf/mm”で比較較Na 1と同程度の強
度レベルを示すが、表面の圧縮残留応力が高く、ばね限
界値が184〜192kgf/ml11!と高くなって
いる。従って本発明法によってばね性の良好な熱処理鋼
帯が得られたことがわかる。
で変化させた例、溶製Nα6および7はC量を本発明範
囲内で変化させた例である。いずれも引張強さ181〜
198 kgf/mm”で比較較Na 1と同程度の強
度レベルを示すが、表面の圧縮残留応力が高く、ばね限
界値が184〜192kgf/ml11!と高くなって
いる。従って本発明法によってばね性の良好な熱処理鋼
帯が得られたことがわかる。
(ハ)比較鋼の溶製隨5はMn1lが本発明範囲より高
い例であるが、得られるばね限界値は溶製Nα4と同じ
191 kgf/mm”で、本発明範囲より多(Mnを
添加してもその効果は認められない。
い例であるが、得られるばね限界値は溶製Nα4と同じ
191 kgf/mm”で、本発明範囲より多(Mnを
添加してもその効果は認められない。
さらに、溶製Nα8はC量が本発明範囲より多い例であ
るが、第3表に示す浸炭・調質熱処理後の断面のC濃度
分布に示すように本サンプルは表面と中心部のC濃度差
が0.14%と本発明範囲の0.2%以上に比べ少くな
っており、このため表面の圧縮残留応力値が低く、また
このために、ばね限界値は比較鋼のNo、 1とほぼ同
じ水準でばね特性の改善は認められない。
るが、第3表に示す浸炭・調質熱処理後の断面のC濃度
分布に示すように本サンプルは表面と中心部のC濃度差
が0.14%と本発明範囲の0.2%以上に比べ少くな
っており、このため表面の圧縮残留応力値が低く、また
このために、ばね限界値は比較鋼のNo、 1とほぼ同
じ水準でばね特性の改善は認められない。
(wt%)
〈実施例2〉
第4表に示す化学成分の鋼を転炉により溶製し、連続鋳
造によって約10トンのスラブとし、これを通常の圧延
条件で熱間圧延を行ない、板厚2.0鵬の熱延板を製造
し、引続き酸洗後冷間圧延によって板厚0.9 rmに
仕上げた。
造によって約10トンのスラブとし、これを通常の圧延
条件で熱間圧延を行ない、板厚2.0鵬の熱延板を製造
し、引続き酸洗後冷間圧延によって板厚0.9 rmに
仕上げた。
冷間圧延鋼帯の仕上げ面の粗さはいずれも0.36〜0
.40μlllR2の範囲であった。
.40μlllR2の範囲であった。
阻9〜16の名調は連続式のガス浸炭炉を用い、雰囲気
中のC0Pを0.90%にコントロールしくRXガス+
ブタンガス)、900°Cの温度で通算90分の浸炭処
理を行ない、その後直接油冷して焼入れし、焼入れ槽に
続く焼もどし炉で、300°Cの温度で焼もどし、熱処
理鋼帯を製造した。
中のC0Pを0.90%にコントロールしくRXガス+
ブタンガス)、900°Cの温度で通算90分の浸炭処
理を行ない、その後直接油冷して焼入れし、焼入れ槽に
続く焼もどし炉で、300°Cの温度で焼もどし、熱処
理鋼帯を製造した。
得られた特性値を第5表に示した。
溶製に9および10は浸炭時の粒界酸化挙動に及ぼすS
i量の影響を見たもので、溶製Nα10の比較鋼は本発
明範囲よりも高い5ifiの例である。第1図はNα9
について、第2図はNα10についての断面写真である
。第1〜2図に見られるように、Si量が本発明の範囲
のNα9では粒界酸化の発生は認められないのに対し、
漱10では表面に粒界酸化が認められる。また第5表に
見られるように、これら両サンプルの引張強さ、ばね限
界値はほぼ同水準であるが、第6表にその結果を示した
ように両振り曲げ疲労試験による疲労強度は、比較鋼の
溶製No、10のサンプルは本発明の溶製Nα9のサン
プルに比べ約7.5 kgf/mmz低下している。す
なわち粒界酸化層が切欠き効果を示し疲労特性を低下さ
せていることが認められる。
i量の影響を見たもので、溶製Nα10の比較鋼は本発
明範囲よりも高い5ifiの例である。第1図はNα9
について、第2図はNα10についての断面写真である
。第1〜2図に見られるように、Si量が本発明の範囲
のNα9では粒界酸化の発生は認められないのに対し、
漱10では表面に粒界酸化が認められる。また第5表に
見られるように、これら両サンプルの引張強さ、ばね限
界値はほぼ同水準であるが、第6表にその結果を示した
ように両振り曲げ疲労試験による疲労強度は、比較鋼の
溶製No、10のサンプルは本発明の溶製Nα9のサン
プルに比べ約7.5 kgf/mmz低下している。す
なわち粒界酸化層が切欠き効果を示し疲労特性を低下さ
せていることが認められる。
溶製Nα11は基本成分にNiを添加した例、溶製Nα
12はCrを添加した例、溶製Nα13はMoを添加し
た例、溶製Nα14はCr、 Moをそれぞれ添加した
例である。
12はCrを添加した例、溶製Nα13はMoを添加し
た例、溶製Nα14はCr、 Moをそれぞれ添加した
例である。
これらの浸炭・調質熱処理したサンプルはいずれも中心
部硬さがHV500以上を有し、表面の圧縮残留応力も
49kgf/ms”以上を有し、この結果ばね限界値は
184〜187 kgf/mm”と従来の焼入れ焼もど
し処理した比較fiNo、1に比べて、いずれも高いぼ
ね限界値を示している。
部硬さがHV500以上を有し、表面の圧縮残留応力も
49kgf/ms”以上を有し、この結果ばね限界値は
184〜187 kgf/mm”と従来の焼入れ焼もど
し処理した比較fiNo、1に比べて、いずれも高いぼ
ね限界値を示している。
さらに溶製Nα15はさらにNbを、溶製Nα16は■
をそれぞれ添加した例である。
をそれぞれ添加した例である。
これらの浸炭・調質熱処理したサンプルは、同一処理条
件溶製No、11〜14の本発明鋼のサンプルよりもさ
らに引張強さと表面の圧縮残留応力が高く、この結果、
ばね限界値は200 kgf/mm”以上とさらに高い
値が得られた。
件溶製No、11〜14の本発明鋼のサンプルよりもさ
らに引張強さと表面の圧縮残留応力が高く、この結果、
ばね限界値は200 kgf/mm”以上とさらに高い
値が得られた。
第
表
〈実施例3〉
第4表に示す溶製NCL16の鋼を用い、通常の圧延条
件で熱間圧延を行ない板厚2.0 mmの熱延板を製造
し、引続き酸洗後、冷間圧延によって板厚0、9 mm
に仕上げた。冷間圧延鋼帯の仕上げ粗さは0、38 μ
mR,であった。
件で熱間圧延を行ない板厚2.0 mmの熱延板を製造
し、引続き酸洗後、冷間圧延によって板厚0、9 mm
に仕上げた。冷間圧延鋼帯の仕上げ粗さは0、38 μ
mR,であった。
この鋼帯を連続式のガス浸炭炉を用い、雰囲気中のc、
pを0.65%にコントロールし、900°Cの温度で
通算90分の浸炭処理を行ない、その後直接油冷して焼
入れ、焼入れ槽に続く焼もどし炉で300°Cの温度で
焼もどして熱処理鋼帯を製造した。
pを0.65%にコントロールし、900°Cの温度で
通算90分の浸炭処理を行ない、その後直接油冷して焼
入れ、焼入れ槽に続く焼もどし炉で300°Cの温度で
焼もどして熱処理鋼帯を製造した。
得られた特性値を実施例2の溶製N1116の結果(試
験NCJ、A)とともに第7表に示した。
験NCJ、A)とともに第7表に示した。
試験No、Bは浸炭処理中のc、pが0.65%と低い
ため浸炭処理後の表面C量は0.62%と本発明範囲よ
りも低く、また中心部のC量も0.26%と低いため、
焼入れ焼もどし後の中心部硬さがHv450より低く、
ばね限界値も150 kgf/nun”と低い値しか得
られない。
ため浸炭処理後の表面C量は0.62%と本発明範囲よ
りも低く、また中心部のC量も0.26%と低いため、
焼入れ焼もどし後の中心部硬さがHv450より低く、
ばね限界値も150 kgf/nun”と低い値しか得
られない。
以上の実施例結果に示されるとおり、本発明によれば、
ばね限界値が180 kgf/mm2以上を有するばね
性のすぐれた高強度熱処理鋼帯が得られ、その製品は自
動車部品、精密機械部品などの薄物のばね、ぜんまい部
品として好適に利用され得るものである。
ばね限界値が180 kgf/mm2以上を有するばね
性のすぐれた高強度熱処理鋼帯が得られ、その製品は自
動車部品、精密機械部品などの薄物のばね、ぜんまい部
品として好適に利用され得るものである。
第1図は実施例における溶製Nα9の本発明例について
ガス浸炭時の粒界酸化の状態を調べるために逼った鋼板
断面の金属組織を示す金属顕微鏡写真(X400倍)、
第2図は溶製Nα10について同様の金属組織を示す金
属顕微鏡写真(X400倍)である。
ガス浸炭時の粒界酸化の状態を調べるために逼った鋼板
断面の金属組織を示す金属顕微鏡写真(X400倍)、
第2図は溶製Nα10について同様の金属組織を示す金
属顕微鏡写真(X400倍)である。
Claims (5)
- (1)C:0.01〜0.80%、 Si:0.01〜0.20%、 Mn:0.20〜1.0%、 を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる炭
素鋼の冷間圧延鋼帯を常法に従って製造し、この冷間圧
延鋼帯を、浸炭処理後における表面のC濃度が0.70
〜1.10%、板厚中心のC濃度が0.40%以上であ
り、且つ表面と中心のC濃度差が0.20%以上になる
ように浸炭処理し、次いでこの浸炭処理鋼帯を調質熱処
理することからなる、ばね性の優れた高強度熱処理鋼帯
の製造方法。 - (2)C:0.01〜0.80%。 Si:0.01〜0.20%、 Mn:0.20〜1.0%、 を含有し、さらに0.02〜1.0%のNi、0.02
〜1.0%のCr、0.02〜0.6%のMoの1種ま
たは2種以上を含有し、残部が不可避的不純物からなる
鋼の冷間圧延鋼帯を常法に従って製造し、この冷間圧延
鋼帯を、浸炭処理後における表面のC濃度が0.70〜
1.10%、板厚中心のC濃度が0.40%以上であり
、且つ表面と中心のC濃度差が0.20%以上になる条
件下で浸炭処理し、次いでこの浸炭処理鋼帯を調質熱処
理することからなる、ばね性の優れた高強度熱処理鋼帯
の製造方法。 - (3)C:0.01〜0.80%、 Si:0.01〜0.20%。 Mn:0.20〜1.0%、 を含有し、さらに0.02〜1.0%のNi、0.02
〜1.0%のCr、0.02〜0.6%のMoの1種ま
たは2種以上と、0.02〜0.30%のV、0.02
〜0.30%のNbの1種または2種とを含有し、残部
が不可避的不純物からなる綱の冷間圧延鋼帯を常法に従
って製造し、 この冷間圧延鋼帯を、浸炭処理後における表面のC濃度
が0.70〜1.10%、板厚中心のC濃度が0.40
%以上であり、且つ表面と中心のC濃度差が0.20%
以上になる条件下で浸炭処理し、次いでこの浸炭処理鋼
帯を調質熱処理することからなる、ばね性の優れた高強
度熱処理鋼帯の製造方法。 - (4)調質熱処理が焼入れ焼もどし処理である請求項1
、2または3に記載のばね性に優れた高強度熱処理鋼帯
の製造方法。 - (5)調質熱処理は、鋼帯の中心部硬さがHv450と
なる条件で行なう請求項4に記載のばね性に優れた高強
度熱処理鋼帯の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30217388A JPH02149658A (ja) | 1988-12-01 | 1988-12-01 | ばね性の優れた高強度熱処理鋼帯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30217388A JPH02149658A (ja) | 1988-12-01 | 1988-12-01 | ばね性の優れた高強度熱処理鋼帯の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02149658A true JPH02149658A (ja) | 1990-06-08 |
Family
ID=17905803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30217388A Pending JPH02149658A (ja) | 1988-12-01 | 1988-12-01 | ばね性の優れた高強度熱処理鋼帯の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02149658A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008106359A (ja) * | 2007-10-04 | 2008-05-08 | Air Water Inc | ステンレス鋼ばね |
-
1988
- 1988-12-01 JP JP30217388A patent/JPH02149658A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008106359A (ja) * | 2007-10-04 | 2008-05-08 | Air Water Inc | ステンレス鋼ばね |
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