JPH02145613A - 塩化ビニル系多元共重合体樹脂 - Google Patents

塩化ビニル系多元共重合体樹脂

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JPH02145613A
JPH02145613A JP29834588A JP29834588A JPH02145613A JP H02145613 A JPH02145613 A JP H02145613A JP 29834588 A JP29834588 A JP 29834588A JP 29834588 A JP29834588 A JP 29834588A JP H02145613 A JPH02145613 A JP H02145613A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、改良された新規な塩化ビニル系多元共重合体
樹脂に関するものである。
さらに、詳しくは、本発明は、共重合成分組成分布が実
質的になく、実質的に均一な組成を有する塩化ビニル系
多元共重合体樹脂に関するものである。
〔従来の技術及び課題〕
きわめて大量の塩化ビニル樹脂が様々な用途に用いられ
ていることは云うをまたないが、自由な加工を行うため
には、大量の可塑剤の添加を必要とするのが欠点である
。例えば、ブロー成形ボトルなどは、その含有可t[l
]のゆえに本来塩化ビニル樹脂が持っているバリヤー性
を期待しえない。
一方では、可塑剤を低減しまたは用いずに済ますべく、
従来から他の単量体との共重合による内部可塑化で利用
度を高めようという提案が多数されてきている。
例えば、酢酸ビニルとの共重合体樹脂(いわゆる塩酢ビ
樹脂)は、有機溶剤に溶は易くなるので、コーティング
材料としてよく用いられている。しかし、そのことは、
とりもなおさず耐溶剤性に問題が出てくることを意味す
る。
また、塩化ビニルと塩化ビニリデンとの共重合体樹脂も
よく知られているが、この樹脂は、塩化ビニル含量が高
々20%程度のいわゆるサラン樹脂か、逆に塩化ビニリ
デン含量が20%止まりの樹脂が専らであり、その中間
の組成のものは稀である。
その理由は、従来公知の重合方法で共重合させたのでは
、平均して中間組成のものが出来ることはなく、塩化ビ
ニルリッチに組成の偏ったものから、塩化ビニリデンリ
ッチに組成の偏ったものまで広い組成分布をもつ、特徴
のない共重合体樹脂しか得られなかったためである。ま
た、どのような組成範囲においても重合時間が長(、生
産性のうえで、不利なものである。
これらの例のほかにも、様々な塩化ビニル系共重合体樹
脂があるが、その何れにおいても特長があれば、その一
方で欠点もまたあり、未だなお、さらに様々の新たな共
重合体樹脂が望まれるゆえんである。
(課題を解決するための手段〕 本発明者らは、このような状況に鑑み、就中、塩化ビニ
リデン樹脂の特長であるバリヤー性、耐薬品性、光沢な
どを出来るだけ付与し、可塑剤の低減または無可塑化を
図れる新規な塩化ビニル/塩化ビニリデン系共重合体樹
脂を開発提供せんものと鋭意研究したところ、さらに、
第3、第4の単量体を導入し、得られる樹脂が分子量で
分別した各々の分画の組成が同様に実質的に一定で、し
かも溶解度では分別出来ないもの、即ち、このことは一
般に共重合体の組成分布が実質的にないか、極めて小さ
いことを示す。
そのような組成均一な共重合体樹脂は、■大幅に可望剤
量を低減して押出成形加工が可能であって、高バリヤー
性の容器やフィルム・シートが得られたり、■また、低
可塑剤化ベーストレジンが作成でき、その樹脂皮膜は、
可塑剤のブリードも無く優れた難燃性を示したり、■さ
らに、溶解性に優れていながら、−旦塗膜を形成すると
、優れた耐溶剤性を示したり等の、現在、塩化ビニル系
樹脂が用いられている様々の用途分野において優れた性
能を示す樹脂であることが分かり、本発明を完成するに
至った。
即ち、本発明は; (A)塩化ビニル30〜80重量部、(B)塩化ビニリ
デン15〜65重量部、(C)その他の単量体成分合計
で5〜55重量部、あわせて総計100重量部からなる
共重合体樹脂であって、該樹脂は、分子量で分別される
各々の分画の組成が同様に実質的に一定で、溶解度では
分別することのできない共重合体であることを特徴とす
る、塩化ビニル系多元共重合体樹脂に関するものである
本発明において、塩化ビニル(A)、塩化ビニリデン(
B)と共重合しているその他の単量体(C)としては、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪族カルボン酸
のビニルエステル:アクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイ
ン酸等の不飽和脂肪族カルボン酸;およびその脂肪族ア
ルコールエステル;スチレン、(メタ)アクリロニトリ
ル、(メタ)アクリルアミドなどの共重合性二重結合を
1ケ有するオレフィン類:あるいはイソプレン、ブタジ
ェン等の共重合性二重結合を2ケ有するジエン類および
クロロブタジェン等のそれらの塩化物;グリシジル(メ
タ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等の共重
合性二重結合とエポキシ基を有する単量体ニジビニルベ
ンゼンや二価の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸
エステルのよう番こ共重合性二重結合を分子内に2ヶ持
つ単量体; ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、
2−スルホエチルメタクリレート、3−スルホプロピル
メタクリレート、メクリルスルホン酸、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸等およびそのNa
、kまたはNH,の塩などの中から、生成する共重合体
樹脂のガラス転移点や軟化点など加工特性を左右する特
性や、耐溶剤性、耐ブロッキング性など前記共重合体樹
脂の加工製品の実用特性などを考慮して選択される。
一般に、共重合、例えばラジカル共重合によって得られ
る樹脂は、組成に分布のある共重合体がらなっている。
それは、共重合反応において、各々の単量体に固有の反
応性比があり、反応器に成る比率で単量体を仕込み反応
させても、重合の進行とともに時々刻々生成する重合体
の組成は、単量体仕込み比率とは一致しない。一部の単
量体が重合し、残りの単量体組成が変わり、すると次に
できる重合体の組成が変わり、よって残りの単量体組成
が変わり、次の瞬間に生成する重合体の組成がまた変わ
る。かくして重合が進行する間、時々刻々生成する重合
体の組成は変化していく。
これを共重合組成のドリフトという、かくして、組成に
分布が生じることとなる。
塩化ビニリデンを第二成分とし、その他の単量体を第三
、第四の成分とする塩化ビニル系樹脂においては、塩化
ビニルと塩化ビニリデンとの反応性比が、大きくかけ離
れているため、従来公知の重合方法ではこのドリフトに
よる組成分布の大きいものしか得られず、工業的に有用
な樹脂かえられなかったのであるが、特殊な乳化重合反
応法において、初めに塩化ビニルの全量と塩化ビニリデ
ンの一部を反応器に仕込み、重合の開始とともに塩化ビ
ニリデンと他の単量体とを連続添加してやると、反応器
内での時々刻々の組成が一定となり、殆ど共重合組成の
ドリフトのない、組成分布の極めて狭くて実質的にない
、実質的に組成が均一な樹脂が得られる。
本発明は、このような共重合組成分布が極めて狭く、実
質的に組成均一と称し得る塩化ビニル系樹脂に関するも
のである。
本発明の樹脂は、■塩化ビニル系樹脂の汎用性に加えて
、可塑剤の低減または用いなくてもよい良好な加工性を
与え、■塩化ビニリデン樹脂のバリヤー性、耐溶剤性、
光沢等の特長を持たせ、■第三、第四の単量体の選択で
多用な実用性能を与えるものであり、■そのまま成形用
樹脂として、血液バッグなどの医療器材や、加工食品用
のカップやボトルなど、またはフィルムなどに供せられ
るし、■溶解性は良いのに、塗工後は優れた耐溶剤性を
示す特長を活かしてコーティング用、塗料原料用の樹脂
としても用いられるし、■乳化重合のあと樹脂粉末とは
せずに、そのままラテックスの形態で、コーティング用
、各種バインダー用に用いられる。■さらには、塩化ビ
ニル樹脂に混練りし、加工性の向上を図るポリマー改質
剤としても有用である。
本発明の樹脂において、塩化ビニリデンの含量が15重
量部以下では、内部可塑化効果や耐溶剤性、光沢等と、
塩化ビニリデンを共重合せしめる効果が期待できない。
また、65重量部を越えると、従来知られる塩化ビニリ
デン系樹脂に近いものとなる。また他の単量体の導入量
については、その−種または二種以上の合計量で5重量
部以下では、これを導入した効果は明瞭とならず、55
重量部以上では塩化ビニル系樹脂としての汎用性を失う
本発明の樹脂の分子量は、その用途に応じて適した値と
する。すなわち、有機溶剤に溶かすコーティングや塗料
原料用では溶液の粘度が高過ぎると不便なので、比較的
低めの分子量、たとえば数平均で2万から5万程度とし
、成形用ではそれより高めであるし、ラテックスではさ
らに高めともする。
上述の方法により製造できる本発明の樹脂では、組成分
布が実質的になく、かつ5万〜lO万という比較的高い
分子量を取り得ることも特徴である。
なお、分子量は、ポリスチレンを標準とするゲルパーミ
ェーションクロマトグラフィー(OPC)での値である
本発明の樹脂においては、GPCにて分取用の大容量カ
ラムを用いて、4乃至5区分に分取した各分画につき元
素分析を行うと、どの分画部分も測定バラツキの範囲内
で同様に実質的に一定であるという、実質的に均一な組
成を示す。
元素分析は、炭素、水素、窒素は、NCアナライザーな
どの常法により、塩素は酸素フラスコ燃焼法により、硫
黄は原子吸光分析により各々求める。
さらに、本発明の樹脂は、以下に述べるような溶解度分
別操作により、溶離液比率が溶出開始から終了まで狭い
範囲にあり、溶解度では分別できない。
搭解度分用:樹脂0.1gを、lO戚のテトラヒドロフ
ランに溶かし、粒径が1mm程度のガラスピーズと良く
混ぜあわせを行い、該溶媒を揮発させる。
得られた樹脂で表面コートされたガラスピーズを、定温
ジャケット付きのガラス筒に充填し、テトラヒドロフラ
ン(良)/メタノール(貧)溶離液により溶解度分別を
行う。貧溶媒100容量%から始めて、良/貧溶媒の比
率を5容量χ刻みに変えて良溶媒100容量χまで、2
1フラクシゴンに分別すべくン容出させる。
以下に実施例をあげて、本発明をさらに詳しく説明する
が、これらは本発明の範囲を制限するものではない。
なお、以下の例において部数はすべて重量部である 実施例1 組成比が塩化ビニリデン/アクリル酸メチル−64/3
6で、レーザー光散乱法による平均粒子径が27nmの
ラテックスをシードラテックスとし、塩化ビニル60部
と塩化ビニリデン3.2部とをガラスライニングを施し
た鉄製反応容器に仕込み、50°Cに昇温し、予め別に
準備した塩化ビニリデン11.8部とメタクリル酸メチ
ル20部とアクリル酸5部との混合物、過硫酸ソーダ、
重亜硫酸ソーダ、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、
各々の水溶液を連続添加し、乳化重合を行い、塩析、水
洗、乾燥して樹脂を得た。樹脂の同定結果を下記表1に
示した。
本実施例の樹脂は、例えば防湿セロハン用のコーティン
グ剤として、現在用いられている酢酸ビニルを共重合し
た塩化ビニル樹脂に比べ、優れ。
た溶解性を示すのに、−旦塗膜を形成すると耐溶剤性に
優れ、既存樹脂では問題のあった印刷ラミネート加工適
性が格段に向上するものであった。
表1 比較例1 実施例1において、初めに塩化ビニルと一部の塩化ビニ
リデンを仕込むのではなく、使用する単量体の全量を仕
込んだ、8時間後も反応器内圧は高く、低下する気配が
なかったので、過硫酸ソーダと重亜硫酸ソーダの添加を
続行した。65時間後にようやく圧の低下が始まったが
、極めて緩慢なため、ゲージ圧が0を示したところで反
応を中止した。微少量の塩化ビニルが残っていた。
塩析、水洗、乾燥して得た樹脂を、テトラヒドロフラン
に溶かしたところ、完全に溶けず、溶液は白濁した。2
Gのガラスフィルターで濾過し、透明な溶液について溶
解度分別を行ったところ、100%テトラヒドロフラン
から100%メタノールまでの5%刻みの21フラクシ
ヨンの全部に溶出があった。この樹脂は、塩酢ビ樹脂用
の溶剤系には溶けず、コーティング用レジンとしては実
用性の乏しいものであった。
比較例2 実施例1において、初めに塩化ビニルと塩化ビニリデン
を加えるのではなく、全ての単量体を混合し、30時間
にわたって連続添加し、これと共に、過硫酸ソーダと重
亜硫酸ソーダも連添し続けた。
界面活性剤は、実施例1と同じ量加えたところで、連添
を中止した。
塩析、水洗、乾燥して得られた樹脂は、テトラヒドロフ
ランに溶けたので、分子量を測定たところ、数平均で1
.8万、重量平均で6.3万であり、UV検出器によれ
ば低分子量側でアクリル酸系の含量が高いものであった
また、溶解度分別も行ったところ、良/貧−0/100
から直ちに溶出があり、同40/60で全量溶出した。
分別(溶出)曲線は、同25/75〜30/70にピー
クがあり、比較例1の樹脂よりは組成分布が狭いものと
みなされるが、実施例1の樹脂には及ばない。
この樹脂は、塩酢ビ樹脂用の溶剤に溶けたので、実施例
1とともに評価したところ、耐溶剤性が不十分であり、
塗膜とセロハンとの接着性が劣り、また塗膜同士をヒー
トシールしたところ、シール強度が小さく、この点でも
実用性の無いものであった。
実施例2 仕込み単量体の組成を、籾温の塩化ビニルを40部、塩
化ビニリデンを11.9部とし、連添混合物を塩化ビニ
リデン38.1部とアクリロニドニル9部および2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ1
部とする他は、実施例1と同様にして、乳化重合せしめ
、塩析、水洗、乾燥して樹脂を得た。樹脂の同定結果を
下記表2に示した。
本実施例の樹脂をビデオテープなどの磁気記録媒体用磁
性粉のバインダーとして用いられている塩ビ系樹脂と比
べた。
いわゆる、塗布型磁気記録媒体のメインバインダー樹脂
に求められる性能は多岐にわたるが、結局、■磁性粉の
分散性■耐久性の2点に絞られる。
ところが、塩ビ系樹脂の致命的な欠点は、高温時の分解
、すなわち脱塩酸が起こり易いことにあった。
本実施例の樹脂は、近年ますます微粉化し分散しにくく
なっている磁性粉を良く分散し、高温脱塩酸も大幅に抑
制されたものであった。
表2 比較例3 実施例2と同じ組成の単量体を比較例1と同じ方法で重
合して得た樹脂は、溶解度分布が広く、一般に磁性塗料
作成に用いられる組成の溶剤に溶けず、実用性のないも
のであった。
比較例4 実施例2と同じ組成の単量体を比較例2と同じ方法で重
合して得た樹脂は、溶解度分布が多少は狭いものの、な
お広く、分子量が小さかった。一応、磁性塗料は作成で
きたが、その塗膜は脱塩酸しやすく耐久性に劣ったもの
であった。
実施例3 仕込み単量体の組成を、籾温の塩化ビニルを60部、塩
化ビニリデンを6.7部とし、連添混合物を塩化ビニリ
デン18,3部とアクリル酸ブチル15部とする他は、
実施例1と同様に乳化重合せしめ、塩析、水洗、乾燥し
樹脂を得た。その同定結果を表3に示した。
本実施例の樹脂は、塩化ビニル樹脂に比べて可塑剤の所
要量を大幅に減らしても、良好な成形性が得られ、成形
した試料につき可塑剤の溶出量を見たところ、殆ど検出
されなかった。
表3 比較例5 ガラスライニングを施した鉄製耐圧反応容器に、水15
0 L ヒドロキシメチルプロピルセルロース1部、ラ
ウロイルパーオキサイド0.3部と、実施例3の単量体
の全部を仕込み、懸濁重合を行った。
重合が暴走反応となることを防止するため、初めの20
時間は40″05次いで60時間の間50°Cに保った
反応器の内圧は高くて、多量の塩化ビニルが残存し、重
合転化率は進んでいないものと看なされた。
さらに60°Cに昇温したが、温度上昇に伴い内圧が上
昇するだけで、反応が進行している気配はなかった。そ
のうち、ラウロイルパーオキサイドの分解半減期から推
して、もはや実質的に重合を進めるだけの開始剤が残存
していないと判断されたので、降温させ、ブローダウン
タンクに未反応単量体を抜き取った。
開始剤の量を増やして試してみても、初期の反応速度は
若干速まるものの、徒に分子量を下げるだけで、単量体
の全てを重合さすことは出来なかった。未反応単量体は
、殆どが塩化ビニルであったが、これを無視して生成樹
脂を得た。
得られた樹脂をテトラヒドロフランに溶かしたところ、
完全には透明にならず、白濁していた。
2Gのガラスフィルターで濾過したものにつきt容解度
分別を行った。良/貧溶媒比全区画において、溶出があ
った。この樹脂を実施例3と同様に成形して試料を得よ
うと、加熱混練していたら、その最中に褐変し始め、熱
安定性の悪いものであった。
実施例4 仕込み単量体の組成を、籾温の塩化ビニルを50部、塩
化ビニリデンを8.8部とし、連添混合物を塩化ビニリ
デン21.2部とブタジェン20部とする他は、実施例
1と同様に、乳化重合せしめ、塩析、水洗、乾燥して樹
脂を得た。その同定結果を下記表4に示した。
本実施例の樹脂は、単量体が塩化ビニルなどと同様に安
価なものを用い、しかも、可塑剤量を大幅に低減し、製
造コストの面でも有利なストレンチフィルムを与えるも
のであった。
市販の塩化ビニル樹脂製ストレッチフィルムと比較した
ところ、包装フィルムとしての実用的な強度特性は全て
市販品同等で、きわめて低い溶出量を示した。バリヤー
性(透湿度)も格段に良かった。バリヤー性は、塩化ビ
ニリデンを共重合している本発明の樹脂組成及び使用可
塑剤量が少ないことから期待される利点である。
表4 型ボトルなど各種食品飲料用の容器が広く用いられてい
るが、可塑剤が内容物に溶出する問題と、多量の可塑剤
のため塩化ビニル樹脂が本来持つバリヤー性が全く失わ
れている問題がある。
本実施例の樹脂は、より少ない可塑剤の添加で、良好な
成形性を示し、得られた容器のバリヤー性は極めて高く
、塩化ビニル樹脂の欠点を解消するものであった。
実施例5 仕込みRi量体の組成を、籾温の塩化ビニルを30部、
塩化ビニリデンを10部とし、連添混合物を、塩化ビニ
リデン30部、スチレン15部、アクリロニトリル12
部、N−フェニルマレイミド3部とする以外は、実施例
1と同様に、乳化重合せしめ、塩析、水洗、乾燥して樹
脂を得た。その同定結果を表5に示した。
可塑剤を加えた軟質塩化ビニル樹脂のブロー成表5 比較例6 比較例5と同様にして、実施例5の単量体を懸濁重合し
た。ここでも塩化ビニルの全量を重合させることは出来
ず、得られた樹脂は溶解度分布が広く、樹脂の組成分布
が広いことを示していた。
この樹脂を実施例5と同様に成形しようとしたところ、
押出機からでてくるパリソンが褐色を呈しており、成形
性も悪いものであった。
実施例6 仕込み単量体の組成を、籾温の塩化ビニルを40部、塩
化ビニリデン13.3部とし、連添混合物を、塩化ビニ
リデン36.7部、アクリル酸メチル10部とする以外
は、実施例1と同様に、乳化重合せしめ、塩析、水洗、
乾燥し樹脂を得た。その同定結果を下記表6に示した。
台紙のうえに、塩化ビニル樹脂を大量の可塑剤と配合し
た、いわゆる塩ビペーストをコートし、印刷、エンボス
加工したものが高級壁紙として広く用いられているが、
家屋の火災に際し、燃えにくくするため、多量の難燃剤
も同時に配合されている。
ところが、本実施例の樹脂は■より少ない可塑剤量でペ
ーストが得られるため、時間とともに可塑剤が壁紙の表
面に移行し汚れやす(なったり、甚だしくはベトついた
りなどの従来の塩ビ壁紙の欠点がない。■樹脂組成のう
えからも、また可塑剤量が少ないことからも、難燃剤は
殆ど加えずとも良い、■また、本発明の樹脂による壁紙
は、防汚性に優れ、防炎1級をクリヤーするのに対し、
塩ビ壁紙は防炎2級であった。
表6 なお、比較のために、実施例1と各比較例とについて、
その生成樹脂の分子量および溶解度分別の結果を下記表
7にまとめた。
〔発明の効果〕
本発明の樹脂は、■塩化ビニル系樹脂の汎用性に加えて
、可塑剤の低減または用いなくてもよい良好な加工性を
与える。
■塩化ビニリデン樹脂のバリヤー性、耐溶剤性、光沢等
々の特徴をもたせる。
■第三、第四の単量体の選択で多用な実用性能を与える
■そのまま成形用樹脂として、血液バッグなどの医療器
材や、加工食品用のカップやボトルなど、またはフィル
ムなどに供せられる。
■溶解性は良いのに、塗工後は優れた耐溶剤性を示す特
長を活かしてコーティング用、塗料原ネ4用の1ijA
脂としても用いられる。
■乳化重合のあと樹脂粉末とはせずに、そのままラテッ
クスの形態で、コーティング用、各種バインダー用に用
いられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (A)塩化ビニル30〜80重量部、(B)塩化ビニリ
    デン15〜65重量部、(C)その他の単量体成分合計
    で5〜55重量部、あわせて総計100重量部からなる
    共重合体樹脂であって、該樹脂は、分子量で分別される
    各々の分画の組成が同様に実質的に一定で、溶解度では
    分別することのできない共重合体であることを特徴とす
    る、塩化ビニル系多元共重合体樹脂。
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