JPH0214493Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車体の略中央にエンジン、ミツシヨ
ンケース、トランスフアケースを配設し、前記ト
ランスフアケースの上部からドライブシヤフトを
介して後輪の中央のデフケースに動力を伝達すべ
く構成すると共に、前記トランスフアケースの下
端を機体横一側方に変位させて、その下端部から
前方に突出させたドライブシヤフトと、そのドラ
イブシヤフトの先端側から機体横巾方向の中央側
に向けて配設したギアー伝動ケースを介して前輪
の中央のデフケースに動力を伝達するように構成
してある四輪駆動型運搬車における動力取出し構
造に関する。

上述のように、エンジンの横側を、トランスフ
アケース、前輪へのドライブシヤフト、ギアー伝
動ケースからなる平面視コの字形の伝動系によつ
て迂回して、前輪の中央のデフケースに動力を伝
達するものでは、前輪に対する伝動系を、エンジ
ンの下側を通して前輪の中央のデフケースに動力
を伝達する構造のものに比して、エンジンより下
方への突出部分がなく、車体の最低地上高を高く
維持して、車体の一部が地面等の他物と衝突する
ことを避けられる利点を有する。

〔従来技術〕

上述のような利点を有する四輪駆動型の運搬車
としては先願として実願昭59−46497号がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、この構造のものには、運搬車で運搬
して来た散布装置等を圃場で使用する場合、散布
装置を駆動する為のPTO軸が設けられていなか
つた。

そこで、運搬車のトランスフアからPTO軸を
設けることが考えられる。

このトランスフアは、第６図、第７図に示す如
く、前記ミツシヨンケース１０かららの動力が、
減速軸２４Ａに固定の減速ギアー２４ａ，２４ｂ
を介して後輪への出力軸２５に遊嵌のギアー２５
ａに伝達され、前記後輪への出力軸２５にスプラ
イン嵌合の切換ギアー２６を前記後輪への出力軸
２５に遊嵌のギアー２５ａに咬合させて後輪への
出力軸２５に動力を伝達する一方、前輪へは、前
記後輪への出力軸２５に固定のギアー２５ｂから
アイドラギアー２９を介して前輪への出力軸２８
に動力を伝達する減速状態と、前記切換ギアー２
６を、ミツシヨンケースからの出力ギアー１０ｂ
と一体的なギアー１０b′に咬合させて、後輪への
出力軸２５並びに前記後輪への出力軸２５に固定
のギアー２５ｂ、アイドラギアー２９を介して前
輪への出力軸２８に動力を伝達する増速状態に切
換え可能に構成されている。

このトランスフアにPTO軸を設けるに当つて、
ミツシヨンケース１０の出力ギアー１０ｂに咬合
する減速ギアー２４ａの減速軸２４ＡをPTO軸
に兼用することが考えられるが、このようにする
と、前輪への出力軸２８に動力を伝達するアイド
ラギアー２９にPTO軸が接当する為、減速軸２
４Ａを前記アイドラギアー２９を避けて設けなけ
ればならずケースが大型化する欠点がある。

本考案は、トランスフアケース内における前輪
への伝動構造を工夫して、ケースを大型化するこ
となくPTO軸を設けることを目的とする。

〔問題を解決する為の手段〕

前記トランスフアケース内における後輪への出
力軸と前輪への出力軸とをチエーンを介して動力
を伝達すべく構成すると共に、このチエーン伝動
機構の中を通してPTO軸を設けたことである。

〔作用〕

前輪への伝動系をチエーン伝動にしたことによ
つて、チエーンの中を通してPTO軸を設けるこ
とができる。

〔考案の効果〕

チエーンの中をPTO軸を通すことで、アイド
ラギアーを避けてPTO軸を設ける必要がなくな
り、トランスフアケースを大型化することなく
PTO軸を設けることができるに至つた。

〔実施例〕

左右一対の操向可能な駆動前輪１，１、及び左
右一対の駆動後輪２，２を夫々リーフサスペンシ
ヨン機構Ｓを用いて支持し、上部に運転キヤビン
３及び荷台４等を備えた車体フレーム５の下腹部
に、前後軸心型のエンジン６を、車体の前後中
間、かつ、略左右中心に配設し、車体フレーム５
上部を有効利用しながら車体の重量バランスを良
好に維持できるようにした四輪駆動型運搬車を構
成してある。

エンジン６から各駆動輪１，１、２，２に対す
る動力伝達機構について説明すると、第４図に示
すように、エンジン６の後端に連結したミツシヨ
ンケース１０内の走行変速装置１０ａによつて適
宜変速した出力の一部を、後輪用ドライブシヤフ
ト１１、後輪用デフケース１２内のデフ装置１２
ａ、及び後輪用伝動軸１３を介して、後車輪２，
２に伝動し、一方、ミツシヨンケース１０に付設
したトランスフアケース１４内のギアー伝動部１
４ａに分岐伝達されたミツシヨンケース１０の変
速出力を、前輪用ドライブシヤフト１５、ギアー
伝動ケース１６内のギアー伝動部１６ａを介して
左右の前車輪の中央に配置した前輪用デフケース
１７に伝達し、さらに前輪用デフケース１７の出
力を左右夫々のユニバーサルジヨイント１８ａ，
１８ｂと前輪用伝動軸１９を介して前車輪１，１
に伝達している。

そして、トランスフアケース１４内のギアー伝
動部１４ａ、前輪用ドライブシヤフト１５、伝動
ケース１６内のギアー伝動部１６ａからなる前車
輪１，１に対する伝導系Ａを、エンジン６の横側
を平面視コの字形に迂回するように配置し、エン
ジン６下方への突出がないようにして車体の最低
地上高を高く維持し、地面等の他物との衝突によ
る車体の損傷を防止するように構成してある。

前記エンジン６、ミツシヨンケース１０、トラ
ンスフアケース１４からなる原動部関係は、エン
ジン６の左右両側とトランスフアケース１４の左
右両側が防振具２０…を介して車体フレームに搭
載されている。

すなわち、車体フレームの側枠２１，２１から
延出のステー２１ａ，２１ａ，２１ａ，２１ａと
エンジン６に付設のブラケツト６ａ，６ａ並びに
トランスフアケース１４に付設のブラケツト１４
ｂ，１４ｂが上下のボルト２０ａ，２０ａ間にゴ
ム２０ｃを固着したゴム付きボルトからなる防振
具２０…を介して連結されて車体フレームに搭載
されている。

そして、前記車体フレームから延出の前記ステ
ー２１ａ…とブラケツト６ａ，１４ａを連結する
２本の防振具２０，２０の間には前記防振ゴム２
０ｃが接着面で剥がれてもエンジン６が車体フレ
ームから脱落することがないように脱落防止ボル
ト２２…を介して連結されており、また、その脱
落防止ボルト２２…には、エンジンの振動を脱落
防止ボルト２２…を介して車体フレームに伝幡す
ることがないように防振ゴム２３…を外嵌してあ
る。

前記ミツシヨンケース１０からの動力は、減速
軸兼用のPTO軸２４に固定の減速ギアー２４ａ，
２４ｂを介して後輪への出力軸２５に遊嵌のギア
ー２５ａに伝達され、前記後輪への出力軸２５に
スプライン嵌合の切換ギアー２６を前記後輪への
出力軸２５に遊嵌のギアー２５ａに咬合させて後
輪への出力軸２５に動力を伝達する一方、前輪へ
は、前記後輪への出力軸２５に固定のギアー２５
ｂからチエーン２７を介して前輪への出力軸２８
に動力を伝達する減速状態と、前記切換ギアー２
６を、ミツシヨンケースからの出力ギアー１０ｂ
と一体的なギアー１０b′に咬合させて、後輪への
出力軸２５並びに前記後輪への出力軸２５に固定
のギアー２５ｂ、チエーン２７を介して前輪への
出力軸２８に動力を伝達する増速状態に切換え可
能に構成されている。

そして、前記減速軸兼用のPTO軸２４を、後
輪への出力軸２５に固定のギアー２５ｂと前輪へ
の出力軸２８に固定のギアー２８ａとに掛け渡し
たチエーン２７伝動機構の中を通して配設してあ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る四輪駆動型運搬車における
動力取出し構造の実施例を示し、第１図は要部の
概略側面図、第２図は要部の縦断背面図、第３図
は運搬車全体を示す側面図、第４図は車体の下部
を示す平面図、第５図は第４図の−縦断面
図、第６図は従来構造を示す要部の概略側面図、
第７図は同要部の縦断背面図である。 １……前輪、６……エンジン、１０……ミツシ
ヨンケース、１４……トランスフアケース、１５
……ドライブシヤフト、１６……ギアー伝動ケー
ス、１７……デフケース、２４……PTO軸、２
５……後輪用出力軸、２７……チエーン、２８…
…前輪用出力軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の略中央にエンジン６、ミツシヨンケース
   １０、トランスフアケース１４を配設し、前記ト
   ランスフアケース１４の上部からドライブシヤフ
   ト１１を介して後輪の中央のデフケース１２に動
   力を伝達すべく構成すると共に、前記トランスフ
   アケース１４の下端を機体横一側方に変位させ
   て、その下端部から前方に突出させたドライブシ
   ヤフト１５と、そのドライブシヤフト１５の先端
   側から機体横巾方向の中央側に向けて配設したギ
   アー伝動ケース１６を介して前輪１，１の中央の
   デフケース１７に動力を伝達するように構成して
   ある四輪駆動型運搬車において、前記トランスフ
   アケース１４内における後輪への出力軸２５と前
   輪への出力軸２８とをチエーン２７を介して動力
   を伝達すべく構成すると共に、このチエーン２７
   伝動機構の中を通してPTO軸２４を設けてある
   ことを特徴とする四輪駆動型運搬車における動力
   取出し構造。