JPH0214248Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、建築物の配管・配線に用いる支持棒
へ掛止する電線管等のクランプ具に関する。

従来、例えば電線管の配管においては二重天井
の空間部あるいは間仕切り壁の空間部に設置され
る支持ボルト等を支持棒として電線管が支持され
ている。この場合鋼線で電線管を支持棒へ結束し
固定していた。しかし結束作業は手間を要し、作
業性が悪かつた。又、電線管が支持棒へ常に押圧
されているので樹脂製電線管の場合は容易に偏平
し、通線の障害をきたしていた。特に、外力によ
り容易に変形する合成樹脂製可撓管が近時頻繁に
使用され、この管の場合は偏平が著しく、更には
支持ボルトのネジ山で穴があいたり、割れたりし
ていた。

本考案は、かかる欠点に鑑みて、電線管等と支
持棒とを別体のクランプ具で固定するようにして
作業性の向上を図ると共に、電線管等の把持部を
設けて、電線管等の偏平を防止せんとしたもので
ある。

すなわち本考案は、電線管又はケーブルを支持
棒へ掛止するクランプ具であつて、一側を開閉自
在とするように他側に支点部を設けた電線管又は
ケーブルを把持する把持部と、支持棒へ掛止する
ために、支点部両側の把持部外壁から突出され、
把持部の閉状態時において、把持部の一側と他側
を結ぶ直線に体し漸次離間するように傾斜する掛
止部とから成り、把持部の閉状態時に、支持棒を
両掛止部と支点部とで挟持して掛止することを特
徴とする支持棒へ掛止する電線管等のクランプ具
を提供せんとするものである。

以下、実施例により説明する。

実施例 第１図によればクランプ具１は電線管等を把持
する筒状の把持部２の一側３が軸心と平行に分離
され、これと対向する他側４に屈曲自在なヒンジ
状の支点部５把持部２と一体形成して把持片６と
７とを支点部５を介して開閉自在とする。把持片
６と７の外壁には支点部５から等距離の位置に外
方へ突出した鉤状の掛止部８，９が一体形成さ
れ、この掛止部８，９は把持片６と７が閉状態の
時、把持部２の一側３と他側４を結ぶ直線に対し
掛止部８は上方へ、掛止部９は下方へ鋭角に傾斜
している。把持部２の一側３には把持片６に係止
片１０を設け、該係止片１０に係止する係止孔１
１を把持片７に形成している。

図中１２，１２，１２，１２は、把持部２内面
より内方へ突出する断面三角形状の４個の突起で
ある。

このように構成した本実施例の支持棒への取付
要領を第２図イ，ロにより説明する。

先ず第２図イに示すように掛止部８，９が支持
ボルト１３に対して直交する位置まで把持片６，
７を開く。この状態で掛止部８，９を支持ボルト
１３へ引掛ける。次に、把持片６，７の開口部１
４より電線管１５を把持部２内へ挿入する。その
後、把持片６，７を閉方向Ｒへ回動すれば、鉤状
の掛止部８，９とヒンジ状の支点部５の三点にて
支持ボルト１３を挟持するので電線管１５を把持
部２で把持すると同時にクランプ具１を支持ボル
ト１３に強固に固定することができる。この時、
係止片１０は係合孔１１に係止されているので把
持片６，７が開くことはない。また突起１２，１
２，１２，１２が電線管１５に喰いこんでいるか
ら電線管１５は移動しない。

なお本実施例のクランプ具１においては、屈曲
自在なヒンジ状の支点部５を把持部２と一体形成
して、把持部２の一側３を開閉自在とする構造に
なつているが、本考案にあつては、これに限ら
ず、掛止部が外壁に突設される半分割のクランプ
片を一対に組付け、一側を支持ピンにより軸承し
て、支点部とすることによつて、クランプ片の他
側を開閉自在とするようにしてもよく、さらに、
クランプ片の外壁に突設される掛止部間にスプリ
ングを設けて、掛止部が常時外方へ押圧されるよ
うにすることによつて、クランプ片の他側を常時
閉状態にすることが出来、この場合においては、
スプリングの伸力に抗して掛止部を手で押圧して
クランプ片の他側を開状態とし、電線管をクラン
プ片に挿入して掛止部を支持棒に掛けて手を離せ
ば電線管をクランプ片で把持できると共に、支持
棒を掛止部と支持棒に掛止することができる。

また、本考案のケーブルクランプにあつては、
掛止部が把持部の外壁から突出する位置は、把持
部を閉状態にした時に、両掛止部と支点部とで支
持棒を挟持することができれば何ら限定されるこ
とはなく、適宜変更することができる。

また、本実施例にあつては、対応する把持部は
筒状としたが、偏平な外形状のケーブルをクラン
プする時は把持部を対応する偏平形状にする等、
適宜変更し得ることはもちろんである。また、本
実施例の把持片６と７の係止構造は適宜選択し得
る。このように本考案のクランプ具にあつては、
電線管を把持部で把持すると同時に、支持棒へ掛
止することができるため作業性が著しく向上す
る。また電線管等の外形状に対応する把持部を有
するので電線管等が支持棒へ直接押圧されること
はなく、従つて従来のように電線管等が偏平して
通線の障害になつたり、更には電線管等に穴があ
いたり、割れたりすることは全くなくなつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例の斜視図、第２図
イ，ロは、本考案の実施例の支持棒への取付要領
図を示す斜視図である。 主要部分の符号の説明、１……クランプ具、２
……把持部、５……支点部、８，９……掛止部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 電線管又はケーブルを支持棒へ掛止するクラン
   プ具であつて、 一側を開閉自在とするように他側に支点部を設
   けた電線管又はケーブルを把持する把持部と、 支持棒へ掛止するために、支点部両側の把持部
   外壁から突出され、把持部の閉状態時において、
   把持部の一側と他側を結ぶ直線に対し漸次離間す
   るように傾斜する掛止部とから成り、 把持部の閉状態時に、支持棒を両掛止部と支点
   部とで挟持して掛止することを特徴とする支持棒
   へ掛止する電線管等のクランプ具。