JPH02133448A - 親水性多孔質膜の製造方法 - Google Patents

親水性多孔質膜の製造方法

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JPH02133448A
JPH02133448A JP28666388A JP28666388A JPH02133448A JP H02133448 A JPH02133448 A JP H02133448A JP 28666388 A JP28666388 A JP 28666388A JP 28666388 A JP28666388 A JP 28666388A JP H02133448 A JPH02133448 A JP H02133448A
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JP
Japan
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hydrophilic
inorganic compound
porous membrane
copolymer
porous
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JP28666388A
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Yoshio Sugaya
良雄 菅家
Tetsuji Shimodaira
哲司 下平
Takashi Mieki
孝志 三枝木
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、濾過膜、電池セパレーター、電解隔膜等の分
離膜に使用する親水性多孔質膜及びその製造方法に関し
、更に詳しくは、親水性基を有する被膜をその表面に形
成してなる新規な耐薬品性の優れた親水性多孔質膜の製
造方法に関する。
[従来の技術] ポリオレフィンやフッ素樹脂などの疎水性多孔質膜は、
セルロース、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール
、エチレン・ビニルアルコール共重合体などの親水性多
孔質膜に比べ、湿潤時の機械的強度や耐薬品性に優れ、
水系溶液や水系懸濁液の濾過に広く利用されている。
しかし、ポリオレフィンやフッ素樹脂などの疎水性多孔
質膜の欠点は、水系溶液は表面を濡らさないため多孔質
膜の細孔内への浸透が困難であり、そのままでは水系液
体の濾過はできないことである。そのため水系液体を濾
過させるには親水化処理が必要である。
疎水性多孔膜の親水化方法としては、水との相溶性の良
い低表面張力有機溶剤を多孔質膜の細孔内に湿潤処理し
た後、水と置換する方法、水溶性高分子や界面活性剤等
の親水性物質を多孔質膜の表面に吸着させて親水性を付
与する方法等(特開昭61−71803 、同61−4
2303 、同60−11536 、同62−2379
04 、同62−176508等)がある。しかしなが
ら前者の方法では一度膜を乾燥させてしまうと親水性は
失われ再び同様の操作が必要となる。また後者の方法で
は親水性物質が濾過時に処理液中に溶出し、親水化の効
力が経時的に減少してしまい充分な親水化方法であると
は言えない。この欠点を改良するために親水性単量体を
多孔質膜に保持させた状態で放射線を照射し基材にグラ
フトする方法、水溶性高分子や界面活性剤を多孔質膜に
含浸させた状態でプラズマ処理する方法(特開昭61−
125405 。
同62−7401 、同62−253638 )等で水
に不溶化した親水化物質により親水性を付与する試みが
なされてきた。しかし、放射線照射を用いた方法では多
孔質膜の膜素材高分子に主鎖の切断が生じ、充分な機械
的強度を有する親水性多孔質膜が得られない、プラズマ
処理する方法では膜厚方向の均質な親水化が難しく、膜
が厚い場合や中空糸状である場合に膜厚方向の全体に亘
ってほぼ均一に親水化処理しようとすると多孔質膜基質
の機械的強度低下が避けられない等が問題であった。
また、多孔質膜がフッ素樹脂多孔質膜である場合には、
親水化剤である水溶性高分子や界面活性剤が炭化水素系
物質であるため、その性能は炭化水素系親水化剤の特性
で決まり、耐腐蝕性等のフッ素樹脂の優れた特性を生が
したものとは言い難いものであった。このため、パーフ
ロロ系のイオン交換体あるいはその前駆体の溶液もしく
はディスバージョンでフッ素樹脂性多孔質体を浸漬処理
し、表面及び細孔内面にパーフロロ系イオン交換体をコ
ーティングしてなる親水性フッ素樹脂多孔質体を提供し
ようとした試み(米国特許筒4.470.859号)も
ある。この方法で調整された多孔質体は、母材、表面と
もにフッ素樹脂でできており、耐腐蝕性等に関する限り
はほとんど懸念のないものであると言うことができる。
しかしながらこの方法も、肝心の親水性に関しては全く
不十分であったと言わざるをえない。と言うのは、フッ
素樹脂の強い疎水性のため、たとえ親水性のイオン交換
基が導入されていたとしても、これを直接水に濡らすこ
とはなかなか面倒であり、低い表面張力の極性有機溶媒
で濡らすといった操作をへて初めて、水となじむといっ
た程度(特公昭42−8505)を抜は出していないか
らである。
一方、フッ素樹脂製多孔質体に、無機親水化剤を細孔が
つまらない程度に充填し、親水性を付与しようとした方
法(米国特許3.702.267号、特公昭53−19
909)も検討されてきた。充填剤や充填方法に関する
改良(特開昭5l−1373)も試みられているが、こ
のような方法で十分な親水性を得るには相当多量の充填
剤を配合する必要があり、結果的に加工性の低下と製品
の脆化を引き起こしている。さらには、初期に高い親水
性が得られたとしても、使用中に充填剤が流出するのを
ふせぐことかできず、長期に安定した良好な親水性を有
するものはいまだ得られていない。
[発明の解決しようとする問題点] 本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、耐腐
蝕性に優れる信頼性の高い新規な親水性多孔質膜の製造
方法を提供しようとするものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、次の如き興味深い
知見を得るに至った。すなわち、疎水性多孔質膜の細孔
表面に親水性被膜を形成する手段について、種々の検討
を重ねた結果、親水性を有する含フッ素重合体及び無機
化合物からなる混合液を多孔質膜に含浸せしめた後、界
面活性剤で凝集固化することにより、親水性基を有する
含フッ素重合体と無機親水化剤との混合被膜を形成せし
めることで、単に混合液を多孔質膜の細孔表面に塗布す
ることで被膜形成させるよりも、飛躍的に高められた親
水性を付与することができ、且つ被膜の耐久性も向上す
るという驚くべき事実を見い出したものである。
本発明において、親水性を付与しようとするところの多
孔質膜の素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン
、ポリ−4−メチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフル
オロエチレン、エチレン/テトラフルオロエチレン共重
合体、ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオロエチ
レン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフロロア
ルキルビニルエーテル共重合体、フルオロオレフィン系
モノマー/オレフィン系モノマー共重合体等のポリフロ
ロオレフィンを挙げることができる。また、多孔質膜の
形態としては湿式相転換法、溶液相分離法、延伸量礼法
など公知の方法により製造される多孔質体や不織布から
なる平膜、中空糸膜、管状膜等の任意の形態のものを用
いることができる。
本発明において、親水性基を有する含フッ素重合体、す
なわち無機化合物とともに混合被膜を形成するために用
いる親水性基を有する含フッ素重合体は、フッ素を含有
し親水性基を有する全ての重合体を含むが、好ましくは
親水性基がイオン交換基である重合体が、高度の親水性
を付与できるという点で望ましい。かかる親水性基を有
する含フッ素重合体としては、トリフロロスチレンスル
ホン酸、トリフロロビニルスルホン酸、トリフロロアク
リル酸および一般スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸
基、亜すン酸基、硝酸基、ピリジニウム基、ピコリニウ
ム基、イミダゾリニウム基、ペンヅアルコニウム基、四
級アンモニウム塩基等であり、Rは炭素数2から10個
の2価のフッ化アルキレン基であって途中1個以上のエ
ーテル結合を含むことができる。)で示される化合物等
の単独重合体か共重合体、およびかかる化合物の1種以
上と一般式 素、塩素またはトリフロロアルキル基であり、X2はx
’又は−0−(CF、 )ll−CFI  (bはOま
たは1〜5の整数)である、)で示される化合物の1種
以上とからなる共重合体等があげられる。中でも好まし
くは、イオン交換基を持つコモノマーとイオン交換基を
持たないモノマーから成る共重合体であって、コモノマ
ー成分が1モル%以上で60モル%以下、特に好ましく
は5モル%以上で30モル%以下含まれる共重合体が望
ましい。被膜の親水性を高めるうえからは、コそツマ−
成分の多い方が良いのであるが、被膜の耐久性という点
からは逆に少ない方が好ましいからである。
本発明に用いられる無機化合物としては、好ましくは0
.005〜0.1μm 、特には0.01〜0.05μ
mの微細粒体にできるものは全てが採用可能である。し
かし高度な親水性と高い耐久性を達成するためには、親
水性無機化合物であることが好ましく、さらには、溶媒
不溶で耐薬品性の高い親水性無機化合物であることが望
ましい。
かかる化合物として、バナジウム、スズ、マンガン、タ
ンタル、シリコン、ニオブ、チタン。
ジルコニウム、アルミニウム、モリブデン等の酸化物、
水酸化物、硫化物、窒化物、炭化物あるいはグラファイ
ト、カーボンブラック、チタン酸バリウム、硫酸バリウ
ム、アメ5スト等が挙げられるが、これら以外からも自
由に選択できることはもちろんである。また、親水性無
機化合物に変換可能な無機化合物前駆体としてはチタン
酸テトラブチル、四塩化チタン、オキシ塩化ジルコニウ
ム、硝酸ジルコニウム等が例示できるが、これら以外か
らの使用も可能である。
前記親水性を有する含フッ素重合体と該無機化合物から
なる混合液は、少なくとも1種以上の親水性基を有する
含フッ素重合体と、少なくとも1種以上の無機化合物か
ら形成されなければならない。該混合液中には、親水性
基を有する含フッ素重合体及び無機化合物が固形分含量
としてそれぞれ都合0.5wt%以上含有されること、
好ましくは親水性基を有する含フッ素重合体が1.0 
wt%以上、無機化合物が2.Owt%以上含有される
こと、さらに好ましくは、親水性基を有する含フッ素重
合体が2.0wt%以上、無機化合物が4.0wt%以
上含有されることが望ましい。
親水性基を有する含フッ素重合体と無機化合物を溶解あ
るいは分散させる溶媒は、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ローへブタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類
、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、テトラリ
ン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、イ
ソプロパツール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノ
ール等のアルコール類 エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン等の多価アルコール頚、アセ
トン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン
類、酢酸エチル、安息香酸メチル等のエステル類、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソルブ等のエ
ーテル類、N、N−ジメチルホルムアミド。
N、N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチル
アミン、トリエタノールアミン等のアミン類、クロロホ
ルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、トリクロロトリフ
ロロエタン、ジクロロテトラフロロエタン、ペンシトリ
フルオライド等のハロゲン化合物類、酸類、アルカリ類
、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン。
ニトロベンゼン、水等から選ばれる少なくとも1種以上
の溶媒、あるいはこれらの混合溶媒を使用することがで
きる。
本発明者らは、多孔質膜の親水化にあたり、かかる親水
性基を有する含フッ素重合体及び無機化合物からなる混
合液を多孔質膜に好ましくは浸漬などにより含浸せしめ
た後、界面活性剤で凝集固定することにより、単に混合
液を多孔質膜の細孔表面に塗布するよりも、耐久性の高
い高度な親水性が付与できることを見い出した。それは
以下の理由によるものと思われる。
界面活性剤で凝集固定された被膜は、その凝集過程で非
常に微多孔質の構造を形成し、細孔表面を被覆している
ものと考えられる。微多孔質の構造を持つ被膜は、単に
親水性基を有する含フッ素重合体及び無機化合物からな
る混合液を多孔質膜の細孔表面に塗布することで形成さ
せた被膜に比べ非常に大きな表面積を有し、そのため細
孔内部に水が浸透する際の吸着サイト数も多い。また微
多孔質構造の被膜の孔を通じて毛細管現象により水が被
膜内に浸透し、被膜の親水性を著しく高めていると考え
られる。しかし、かかる説明は、本発明の理解の助けと
なるものであり、本発明をなんら限定するものではない
このための界面活性剤としては、親水性基を有する含フ
ッ素重合体及び無機化合物からなる混合液から親水性基
を有する含フッ素重合体及び無機化合物を凝集せしめる
ことのできる全ての界面活性剤が採用可能である。しか
し高度な親水性と耐久性を達成するためには、アニオン
系及びノニオン系界面活性剤が好ましい。アニオン系と
しては、飽和及び不飽和脂肪酸塩類、高級アルコール硫
酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル類脂肪酸アミ
ンおよび脂肪酸アマイドの硫酸塩類、脂肪酸アルコール
リン酸エステル塩類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホ
ン塩類、脂肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキルアリル
スルホン酸塩類、ホルマリン縮合のナフタリンスルホン
酸塩類等が挙げられる。ノニオン系としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンア
ルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアル
キルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリ
オキシエチレンソルビタンアルキルエステル類等が挙げ
られるが、これら以外からも選択できることはもちろん
のことである。かかる界面活性剤を凝集剤として用いる
際には2種類以上を併用できる。
また、多孔質膜に含浸された親水性基を有する含フッ素
重合体及び無機化合物からなる混合液を凝集固定する界
面活性剤は溶液状で使用できる。溶液の溶媒は界面活性
剤が可溶であるものであれば、親水性基を有する含フッ
素重合体及び無機化合物からなる混合液に用いた溶媒と
同種のものが適用可能であり、0.01−10重量%、
好ましくは0.1〜3重量%の界面活性剤濃度で用いら
れる。界面活性剤濃度が0.01重量%より低い濃度で
は、凝集力が弱く充分な親水性が得られない、また10
%を越える濃度では、実質的な凝集効果には変化が無(
経済性の点から好ましくない。
かかる界面活性剤を用いて多孔質膜に含浸された親水性
基を有する含フッ素重合体及び無機化合物からなる混合
液を凝集固定せしめるには、常圧下または必要があれば
減圧下で混合液を多孔質膜の細孔内部に含浸せしめた後
、その多孔質膜を界面活性剤溶液中に浸漬することでな
される。細孔内部に残存する溶媒は、加熱あるいは減圧
下で除去することができ、特に温度条件、減圧度等に制
限は無い。無機化合物が親水性無機化合物の前駆体であ
る場合には、前駆体から親水性無機化合物への変換が必
要であるが、変換処理は加熱や加水分解等の簡単な化学
反応で行なわれるのが好ましい。かかる変換処理は、混
合液の凝集工程後、細孔内部に残存する溶媒の除去前ま
たは除去後いずれの点で行なわれても良い。
最終的に形成された被膜の厚さは好ましくは0、001
μm以上、特に0.01μm以上であれば、親水性、耐
久性共に満足できる性能を示す。厚みの上限は多孔質膜
の平均細孔径の173以下、好ましくは115以下、更
に好ましくはl/10以下であることが、細孔の閉塞を
防ぐ上で望ましい。
本発明により得られた親水性多孔質膜は次のような用途
に使用できる。耐薬品性の触媒担体、イオン交換膜、電
極材料としても有用であり、水系溶液や水系懸濁液の濾
過、水−有償混合物の分離膜としても使用できる。また
、耐食性の高い薬品用の濾過膜、バッテリーセパレータ
、電池、電気化学反応セルの隔膜としても使用できる。
[実施例] 次に本発明の実施例について、さらに具体的に説明する
が、かかる説明によって本発明が制限されるものでない
ことは勿論である。
実施例1 過硫酸アンモニウムを開始剤としてCF、=CF。
とCFz−CF−0−(CFa)*−COOCHiを共
重合し、イオン交換容量が1.65 meq /gの共
重合体を得、これを加水分解して酸型に変換した。この
酸型共重合体3部と硝酸ジルコニウム6部をアセトン5
0部、水30部からなる混合溶媒に溶解し混合液を得た
。この混合液に平均孔径0.04 X O,4μ、気孔
率45%、膜厚25μのポリプロピレン製多孔質膜を浸
漬した後直ちに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム1部とアセトン50部、水30部からなる界面活性剤
溶液に混合液を含浸した多孔質膜を浸漬、共重合体と無
機化合物とを凝集固定した。処理後、溶媒を除去して膜
を秤量したら、初めの重量に対し18%の重量増加があ
った。かかる多孔質膜を25%NaOH水溶液で処理す
ると、共重合体はNa型へ、硝酸ジルコニウムは不溶性
の酸化ジルコニウムへ変換される。これを水洗して乾燥
し、再び25%NaOH水溶液に浸漬して交流比抵抗を
測定したら、25℃で58ΩcI11であった。さらに
、乾燥・25%NaOH水溶液浸漬を5回繰り返したが
、交流比抵抗に変化は認められなかった。
比較例1 実施例1と同様の多孔質膜に、単に実施例1と同様の親
水性基を有する含フッ素重合体及び無機化合物の混合液
を塗布・乾燥した多孔質膜を25%NaOH水溶液に浸
漬して交流比抵抗を測定したところ、25℃で60Ωc
mであった。しかしこの膜を乾燥・25%NaOH水、
−8液浸漬を5回繰り返したところ、交流比抵抗は3X
 10’Ωcm以上に上昇した。
実施例2 実施例1で用いたのと同じ酸型共重合体3部とチタン酸
テトラブチル6部をイソプロパツール50部と水30部
からなる混合溶媒に溶解し混合液を得た。この混合液に
内径360μ、平均孔径0.35μ、膜厚50μのポリ
エチレン製中空糸膜を浸漬した後直ちに、レオドール4
60(花王■社製)1部とイソプロパツール50部、水
30部からなる界面活性剤溶液に混合液を含浸した中空
糸膜を浸漬、共重合体と無機化合物とを凝集固定した。
処理後、溶媒を除去して膜を秤量したら、初めの重量に
対し18%の重量増加があった。かかる多孔質膜を25
%NaOH水溶液で処理すると、共重合体はNa型へ、
チタン酸テトラブチル不溶性の酸化チタンへ変換される
。これを水洗して乾燥し、10kg/ cm”の圧力を
かけ水の透過量を測定したところ、5.11/ hr−
m”mmHgの透水性を示した。さらに、乾燥・水の透
過の実験を10回繰り返したが、4.89/ hr”m
2・mmHgの透水性を示した。
比較例2 実施例2と同様の中空糸膜に、単に実施例2と同様の親
水性基を有する含フッ素重合体及び無機化合物の混合液
を塗布・乾燥した中空糸膜を25%NaOH水溶液で処
理し、10kg/cm2の圧力をかけ水の透過量を測定
したところ、4.85/hr”m2・mmHgの透水性
を示した。しかし、この中空糸膜を乾燥・水の透過の実
験を10回繰り返したところ、透水性は0.31/ h
r−m2miHgまで低下した。
実施例3 実施例1で用いたのと同じ酸型共重合体3部をイソプロ
パツール50部と水30部からなる混合溶媒に溶解し溶
液とした。この溶液80部に平均粒径0.04μのTi
O□lO部を分散し混合液を得た。この混合液にポリテ
トラフルオロエチレン製の不織布(ポリフロンペーパー
 FP−1:東洋濾紙■社製)を浸漬した後直ちに、カ
プロン酸ナトリウム2部とインプロパツール50部、水
30部からなる界面活性剤溶液に混合液を含浸した不織
布を浸漬、共重合体と無機化合物とを凝集固定した。処
理後、溶媒を除去して秤量したら、初めの重量に対し2
4%の重量増加があった。これを水洗して乾燥し、再び
25%NaOH水溶液に浸漬して交流比抵抗を測定した
ら、25°Cで52Ωcmであった。さらに、乾燥・2
5%NaOH水溶液浸漬を5回繰り返したが、交流比抵
抗に変化は認められなかった。
実施例4 過硫酸アンモニウムを開始剤としてC2F4とCF、=
CFO(CF、)、C00GH,を共重合し、イオン交
換容量が1.25 meq/ gの共重合体Aとイオン
交換容fi 1.44 meq/ gの共重合体Bを合
成した。かかる共重合体をそれぞれ溶融成型して、厚さ
20μと40μのフィルムを得た。これを特公昭54−
19909に順じた方法で調製した平均孔径1μ、気孔
率80%、膜厚110μのPTFE製多孔質膜、共重合
体B、共重合体Aの順で重ねてホットプレス積層し、一
体止した。
次に、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤合し、イオ
ン交換容量1.1 meq/ gの共重合体Cを得た。
この共重合体4部と塩化ジルコニル8部をエタノール5
7部と水31部からなる混合溶媒に溶解し混合液を得た
。かかる混合液を前記積層膜の多孔質体に含浸した後直
ちに、オレイン酸ナトリウム1部と、エタノール65部
、水35部からなる界面活性剤溶液に混合液を含浸した
積層膜を浸漬、共重合体と無機化合物とを凝集固定した
。この積層膜から溶媒を除去した後、50℃の25%N
aOH水溶液に16時間浸漬して、共重合体A、Bの加
水分解と、塩化ジルコニルの酸化ジルコニウムへの変換
を行なった。
次に、共重合体Cの2%エタノール溶液に、平均粒径5
μのZrO□を13%分散させた分散液を調合した。こ
の分散液をかかる積層膜の両面へ噴霧し、1 cm”当
り0.9 mgのZrOzと共重合体Cからなる被膜を
付着させた。これを食塩電解用隔膜とし、共重合体A側
を陰極室に、多孔質体側を陽極室に向け、電解槽に装着
した。電極には酸化ルテニウム、酸化トリジラム、酸化
チタンからなる陰極と低水素過電圧を有する陽極を用い
、5NのNaC1を陽極室に供給しながら、90℃、3
0A/dm”の条件で電解を行なった。その結果、35
%のNaOHが電流効率96.3%で得られた。また、
そのときの電極間電圧は2.78 Vであった。
次に、電解を停止し、電解槽から電解液を抜き3日間保
持した後再スタートしたところ、極間電圧は2.78V
を示し、停止前と同等の電圧であった。
比較例3 実施例4と同様の積層膜に、単に実施例2と同様の親水
性基を有する含フッ素重合体及び無機化合物の混合液を
塗布・乾燥した積層膜を、実施例4と同様の電解条件で
電解したところ、電流効率は96.2%、電極間電圧は
2.78 Vであった。しかし電解を停止し、電解槽か
ら電解液を抜き3日間保持した後、再スタートしたとこ
ろ、電流効率は95.2%、電極間電圧は2.99 V
を示し、大きな性能低下が認められた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)多孔質膜の細孔表面に、親水性基を有する含フッ
    素重合体及び無機化合物からなる混合液を多孔質膜に含
    浸せしめた後、界面活性剤で凝集固定することにより親
    水性基を有する含フッ素重合体及び無機化合物からなる
    混合被膜を形成させることを特徴とする親水性多孔質膜
    の製造方法。
  2. (2)親水性基を有する含フッ素重合体がイオン交換基
    を有する含フッ素重合体である特許請求の範囲第1項記
    載の親水性多孔質膜の製造方法。
  3. (3)無機化合物が溶媒不溶の親水性無機化合物もしく
    は溶媒不溶の親水性無機化合物に変換可能な前駆体であ
    る特許請求の範囲第1項記載の多孔質膜の製造方法。
  4. (4)界面活性剤としてアニオン系界面活性剤及びノニ
    オン系界面活性剤の少なくとも1種類を用いる特許請求
    の範囲第1項記載の親水性多孔質膜の製造方法。
  5. (5)親水性基を有する含フッ素重合体及び無機化合物
    からなる混合液中で親水性基を有する含フッ素重合体及
    び無機化合物の少なくとも一方が溶液又は、分散液の形
    態である特許請求の範囲第1項記載の親水性多孔質膜の
    製造方法。
  6. (6)多孔質膜がポリオレフィン及びポリフロロオレフ
    ィンの多孔質体及び不織布である特許請求の範囲第1項
    記載の多孔質膜の製造方法。
  7. (7)ポリフロロオレフィンがポリテトラフルオロエチ
    レンである特許請求の範囲第1項記載の多孔質膜の製造
    方法。
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