JPH0212728Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車のピラー部に挿通して設けら
れる自動車用アンテナ装置に関するものである。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来、自動車のピラー部に挿通して設けられる
自動車用アンテナは、例えば第３図に示すように
フロントピラーに取付られるものがある。すなわ
ち、単一ロツド形或いは多段伸縮形のアンテナ素
子１′は、少なくともその頂端１が取付ベース３
から突き出した状態で、ガイドチユーブ２の中に
摺動自在に挿入され、給電成形部４の外周に接続
し、かつ自由端にラジオセツト本体と接続するプ
ラグ５を有する給電ケーブル６及び上記ガイドチ
ユーブ２は、上端をルーフ７に開口したピラー部
の空胴筒８に嵌挿されて取付ベース３によりルー
フ７に設置される。そして上記ガイドチユーブ２
及び給電ケーブル６を、空胴筒８に矢印９の方向
から挿入するには、上記２つを同時に挿入せねば
ならず、樹脂からなるガイドチユーブ２は可撓性
であるため、長尺太径にかかわらず空胴筒８の湾
曲形状に適合できるが、同時に挿入される給電ケ
ーブル６は、ガイドチユーブ２よりさらに長尺
（通常2000mm以上）で、且つ軟弱構造で更に変
形しやすく、空胴筒８内の車体鉄板合せ部等にプ
ラグの先端部５′が挾まれやすく、給電ケーブル
６は空胴筒８に円滑に挿入できにくい状況下にあ
つた。

したがつて、空胴筒８にガイドチユーブ２と同
時にプラグ５を有する給電ケーブル６を挿入する
には、例えば針金１０をプラグ５に結びつけて、
針金１０を空胴筒８にガイドチユーブ２と同時に
挿入してゆき、空胴筒８の下方外部に露出した上
記針金１０を矢印９′の方向に引き出すことによ
り、給電ケーブル６をガイドチユーブ２と共に空
胴筒８に嵌挿設置する方法がとられていた。しか
しながら、上述した方法によると、補助的な針金
等を用いるために、単独でアンテナを空胴筒８に
嵌挿設置するのは困難であり、また給電ケーブル
６挿入後に針金１０を取り除く作業工程が必要
で、アンテナ取付作業が終了するまでに長時間を
要するなど、作業能率を著しく低下させるという
問題点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上述した問題点を解消すべくなされ
たもので、アンテナ素子が収納されるガイドチユ
ーブとプラグを有する給電ケーブルとを同時に、
ピラーの空胴筒に、単独で作業出来、かつ作業性
よく短時間で円滑に装着できる自動車用アンテナ
装置を提供することを目的とする。

〔考案の概要〕

本考案は、アンテナ素子が収納されるガイドチ
ユーブ及びラジオカセツト本体と接続するプラグ
を有する給電ケーブルとを、ピラーの空胴筒内に
作業性よく短時間で円滑に挿入するために、上記
プラグを、ガイドチユーブの下端開口部に弾圧保
持されるように挿入したことを要旨とする。

〔考案の実施例〕

以下、本考案を図に示す一実施例に基づいて説
明する。

第１図において、符号２は、アンテナ素子１′
が収納されるガイドチユーブで、合成樹脂などか
らなる絶縁性の長尺可撓性パイプで構成され、第
３図のピラー部１５の空胴筒８に嵌挿設置された
後、下端開口部２ａは車体のフエンダ（図示せ
ず）等の中に導かれ、水抜きパイプとして作用し
ている。符号４の給電成形部には、給電ケーブル
６が接続され、この給電ケーブル６の自由端に
は、ラジオセツト本体と接続するプラグ５が設け
られており、上記プラグ５の先端部５′は、ガイ
ドチユーブ２の下端開口部２ａに挿入されてい
る。この下端開口部２ａは、挿入されるプラグの
先端部５′のほぼ全体が挿入される程度の長さ及
び内径を有した絞り小径部となつており、この第
１図に示すように、プラグ５の先端部５′が挿入
された状態では、ガイドチユーブ２の下端開口部
２ａは、上記先端部５′を弾圧保持している。

符号４の給電成形部の外周には、アースプレー
ト１１が設置されており、下端面にゴム座１２を
有する取付ベース３が、２本のビス１３によつて
車体のルーフ７等に螺着された後、上記アースプ
レート１１は、ビス１３と接触して車体アースを
とる。またガイドチユーブ２には、ウレタン発泡
材製のクツシヨン１４が軸方向の要所に設けらて
いる。このクツシヨン１４は、第３図における空
胴筒８の内周面に密着され、それによつてガイド
チユーブ２が空胴筒８の中でガタつくことを防止
している。

次に、アンテナの取付順序について説明する
と、上述した第１図の自動車用アンテナ装置を、
第３図に示すフロントピラー１５の空胴筒８に、
矢印９の方向から嵌挿されるが、この場合、フロ
ントピラー１５の湾曲形状には、ガイドチユーブ
２が合成樹脂などからなる可撓性パイプ構造であ
るために、長尺（1500mm程度）にもかわらず座
屈することなく適合され、プラグ５もその先端部
５′が、上記ガイドチユーブ２の下端開口部２ａ
内で弾圧保持されているために、空胴筒８で上記
先端部５′が、車体鉄板合せ部等に挾まれたりす
ることなく、ガイドチユーブ２と同時に空胴筒８
に嵌挿設置されるものである。なお、ガイドチユ
ーブ２の下端開口部２ａは、フロントピラー１５
の下端より突き出し、ガイドチユーブ２の中に侵
入した雨水を、速やかに下方に排出するように、
たとえばフエンダ（図示せず）の中に導かれてい
る。また、ガイドチユーブ２と同時に空胴筒８に
嵌挿設置された、給電ケーブル６の自由端である
プラグ５は、設置後、ガイドチユーブ２の下端開
口部２ａより引き抜かれ、ラジオセツト本体と接
続されるものである。最後に、取付ベース３を、
２本のビス１３によつて車体のルーフ７等にねじ
止めすることによつて、アンテナの取付作業は終
了する。

以上説明した第１図に示す一実施例の他に、第
２図のａ，ｂ，ｃの実施例に基づいて本考案を説
明する。図ａは、ガイドチユーブ２の下端開口部
２ａを、星形断面形状にして、挿入されるプラグ
５の先端部５′に対する弾性力の向上を図つたも
のであり、この星形断面形状の場合は、加工が容
易で弾性が出やすくなり、プラグ５の挿入が容易
になるという利点も生ずるものである。図ｂは、
ガイドチユーブ２の下端開口部２ａを、直接絞り
小径部、あるいは星形断面形状とせずに、下端開
口部２ａ内に、プラグ５の先端部５′が適合する
嵌合孔２ｃを有する樹脂等からなる別の弾性部材
２ｂを固着したもので、上記先端部５′を弾圧保
持するものである。図ｃは、例えば下端開口部２
ａに挿入されたプラグ５の先端部５′が、ゆるめ
の場合には、挿入部にテーピング２ｃを施し、空
胴筒８内における、上記プラグ５の抜け防止を図
るものである。このアンテナ装置によると、テー
ピング２ｃにより、給電ケーブル６を直線に張設
保持でき、空胴筒８に挿入するのが一層円滑にな
るという効果がある。

〔考案の効果〕

以上説明したとおり、本考案によれば、ラジオ
セツト本体と接続するプラグを、アンテナ素子が
収納されるガイドチユーブの下端開口部に弾圧保
持されるよう挿入することにより、プラグをアン
テナ軸上に保持して嵌挿時の径小化が図れ、プラ
グを保護した状態で、自動車のピラー部の空胴筒
に、上記ガイドチユーブと自由端にプラグを有す
る給電ケーブルとを同時に、作業性よく円滑に、
しかも単独で挿入でき、短時間の作業でアンテナ
を車体のルーフ等に取付ることができる。また、
上記下端開口部を、絞り小径部等にした場合に
は、アンテナの嵌挿設置後、雨天時の使用時にお
いて、車体のタイヤ等からのはねかえり水等のガ
イドチユーブへの侵入を最小限に阻止することが
可能な水抜き効果も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案装置を示す要部を断面にした
全体正面図、第２図のａ，ｂ，ｃは本考案の他の
実施例を示す要部拡大断面図、第３図は、従来の
アンテナ装置の取付を示す概要図。 １……頂端、１′……アンテナ素子、２……ガ
イドチユーブ、２ａ……下端開口部、２ｂ……弾
性部材、２ｃ……嵌合孔、２ｄ……テーピング、
３……取付ベース、４……給電成形部、５……プ
ラグ、５′……先端部、６……給電ケーブル、７
……ルーフ、８……空胴筒、９……矢印、９′…
…矢印、１０……針金、１１……アースプレー
ト、１２……ゴム座、１３……ビス、１４……ク
ツシヨン、１５……ピラー部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 自動車のピラー部の空胴筒内に嵌装設置され
   るアンテナにおいて、該アンテナの給電部に接
   続された給電ケーブルの自由端に設けられるプ
   ラグの先端部を、アンテナ素子の収納されるガ
   イドチユーブの下端開口部に弾圧保持可能に挿
   入することを特徴とする自動車用アンテナ装
   置。 (2) ガイドチユーブの下端開口部を絞り小径部と
   したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の自動車用アンテナ装置。 (3) ガイドチユーブの下端開口部の絞り小径部を
   星形断面にしたことを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項及び第２項記載の自動車用ア
   ンテナ装置。 (4) プラグの挿入部を、給電ケーブルを含めて軸
   方向に保持するようテーピングしたことを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の自
   動車用アンテナ装置。