JPH0212602B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、一対の平行なガイドレールの上に
並列された多数の濾板間を、一枚宛あるいは数枚
宛順次開いて、順次開かれた濾板間で、濾布に付
着しているケーキを除去することができるように
構成された、順次開板式のフイルタプレスに関す
るものである。

上記のような構成のフイルタプレスは、各濾板
間が一連に連結されていて開板時には各濾板間を
一斉に等間隔に開くことができる同時開板式のフ
イルタプレスに比較すると、設置面積が小さくて
よいので、同一設置面積により多くの濾板を配列
して、より大きい濾過面積を得ることができると
いつた長所をもつている。

しかしながら、公知の順次開板式のフイルタプ
レスの濾布装置は、その殆んどが、少くとも、濾
布の一部を濾板に固定したもので、順次開板式の
フイルタプレスであつて、順次開かれた濾板間
で、同時開板式のフイルタプレスのように、濾布
を走行させてケーキの排出を行わせるようにした
公知例としては、僅かに実公昭55−55765号があ
るだけである。

ところが、この公知例は、開かれた濾板間で濾
布を走行駆動するための装置が、濾布を止着した
バーに連結されているチエーンの駆動装置でもつ
て構成されていて、この駆動装置は、多くの歯車
装置を必要とし、また順次開板の都度、歯車を移
動させてそれを他の歯車に係脱させた上、更にそ
れを回転駆動しなければならないものであつたの
で、構造が複雑であり、且つ高い精度を要求され
るところから、未だ実用化していない。

そこで、この発明は、上記のような欠点のない
濾布走行装置を開発して、順次開かれた前後の濾
板間で濾布を走行させてケーキの排出操作を行え
るものであるが故に、濾布に附着したケーキを、
濾布非走行型のフイルタプレスに比較するとより
円滑且つ確実に除去することができる、順次開板
式のフイルタプレスを提供しようとするものであ
つて、その要旨とするところは各、濾板間に、前
後の濾板の各濾過床を覆うことができるようにな
して夫々配設されている各一対宛の濾布が、その
上端縁を、濾布吊持バーに止着されていること、
上記一対宛の濾布のうち、前側の濾板の濾過床を
覆うことができる濾布は、その下部を前側の濾板
の下位に配設されたローラーに巻き懸けられてお
り、後側の濾板の濾過床を覆うことができる濾布
は、その下部を後側の濾板の下位に配設されたロ
ーラーに巻き懸けられていて、各濾布は、少くと
も上記濾布吊持バーに止着された部位と上記ロー
ラーに巻き懸けられた部位との間の部分を上下に
走行可能に支持されていること、少くとも、上記
濾布の部分を上向きに走行させるための駆動装置
が、前記濾布吊持バーに係脱自在な濾布吊持バー
の駆動装置でもつて構成されていること、を特徴
としてなるフイルタプレスにある。

一実施例を第１〜６図について説明すると、前
後の機枠１，２によつて、一対の平行なガイドレ
ール３，３が水平に支持されており、この一対の
ガイドレール３，３間には、機枠１に固定された
固定ヘツド４と、多数の濾板５，５…の列と、締
付ヘツド６が位置されていて、各濾板５，５…と
締付ヘツド６は、図示してない腕及び又は車輪等
によつて、公知のフイルタプレスにおけると同様
に、前記ガイドレール３，３に沿つて前後方向に
移動しうるよう、ガイドレール３，３の上に支承
されており、締付ヘツド６と機枠２との間には、
油圧シリンダ７を配設してある。またこの実施例
のフイルタプレス１０は、油圧シリンダ７のピス
トンロツド８を伸長して締付ヘツド６を前進（第
１図上左方に移動）させると、各濾板５，５…間
を閉じた状態に締めつけて、濾過操作用を行うこ
とができ、油圧シリンダ７を縮小して締付ヘツド
６を第１図に示してある位置まで後退させると、
各濾板５，５間を、公知の順次開板装置（図示せ
ず）によつて、締付ヘツド６に一番近いものから
順に、一枚宛αの間隔に開くことができるように
なつている。

次に、上記のようにして一枚宛順次開板される
各濾板５，５…間に夫々配設されている濾布装置
を説明すると、各濾板５，５間において、前後の
濾板５，５の各濾過床５ａ，５ｂを覆うことがで
きるようになして各濾板５，５間に配設されてい
る各一対宛の濾布１１ａ，１１ｂは、その上端縁
を濾布吊持バー１２に止着されていて、上記一対
宛の濾布１１ａ，１１ｂのうち、前側の濾板５の
後面の濾過床５ａを覆うことができるように配さ
れた濾布１１_aは、その下部を前側の濾板５の下
位に、ブラケツト１３を介してそこに軸支せる２
つのローラー１４，１５のうちの、一方のローラ
ー１４を巻き懸けられており、後側の濾板５の前
面の濾過床５_bを覆うことができる濾布１１_bは、
その下部を後側の濾板５の下位にブラケツト１３
を介してそこに軸支せる２つのローラー１４，１
５のうちの、他方のローラー１５に巻き懸けられ
ていて、この実施例の各濾布１１_a，１１_bは、上
記濾布吊持バー１２に止着された部位と、上記各
ローラー１４，１５に夫々巻き懸けられた部位と
の間の部分を、常時緊張状態に保つて該部分を前
後の濾過床５_a，５_b間で上下に走行しうるように
なすために、それらが前記ローラー１４，１５に
夫々走行自在に巻き懸けられた上で、その下端縁
の部分を、夫々ローラー１４，１５よりも上方位
で濾布取付バー１６，１７に取付けられており、
一方の濾布取付バー１６と前記濾布吊持バー１２
との間は、ブラケツト１８を介して前側の濾板５
の上位に軸支せるチエーンホイール２０に懸け回
わされたチエーン２２によつて、連結されてお
り、他方の濾布取付バー１７と前記濾布吊持バー
２０との間は、ブラケツト１８を介して前側の濾
板５の上位に軸支せるチエーンホイール２１に懸
け回わされたチエーン２３によつて、連結されて
いる。

この実施例の濾布１１_a，１１_bは、上記のよう
な構成によつて、濾布吊持バー１２が昇降する
と、一対の濾布取付バー１６，１７が反対に降昇
するようになつていて、濾布吊持バー１２が降下
して一対の濾布取付バー１６，１７が上昇する
と、各濾布１１_a，１１_bは、各ローラー１４，１
５に巻き懸けられた部位よりも上の部分が、つま
り濾過操作時には前後の濾板５，５の各濾過床５
_ａ，５_bを夫々カバーしていた部分が、夫々ローラ
ー１４，１５位置まで降下せしめられ、それらが
各ローラー１４，１５に巻き懸けられている部位
まで降下すると、両濾布１１_a，１１_bは、互に対
向している面が、互に遠ざかる方向へと方向転換
せしめられるようになつており、この実施例のも
のでは、濾布１１_a，１１_bの全部が、濾布吊持バ
ー１２と濾布取付バー１６，１７間を夫々連結し
ているチエーン２２，２３によつて、夫々緊張状
態に保たれて夫々ローラー１４，１５位置を下至
点としてシーソー状に走行せしめられるようにな
つている。

なお、この実施例の一対の濾布１１_a，１１_b間
には、その上位に配して、一対の濾布１１_a，１
１_bに夫々止着された給液板２４_a，２４_bを配設
してあつて、各濾布１１_a，１１_b間には、前後の
濾布５，５間を閉じた状態において、この給液板
２４_a，２４_bに形成されている給液路２５を通じ
て、被濾過原液を供給できるようになつている。
また前記ブラケツト１３に軸支された一対のロー
ラー１４，１５は、各濾板５，５間を閉じたとき
においては、各濾板５毎に配設されたローラー１
４，１４，１５，１５、及び１４，１５同志が互
に干渉せず、また各濾板５，５間を開いたときに
おいては、濾布１１_a，１１_b及び濾布取付バー１
６，１７が濾板５に当ることなく走行しうる位置
を選択して配設されており、また前記ブラケツト
１８は、前後の濾板５，５間を開くと、前側の濾
板５上のブラケツト１８によつて軸支された前記
スプロケツトホイール２０，２１が、濾板５の列
に沿つた方向においては、開かれた濾板５，５間
のほゞ中央位に位置されるよう、その上端側を後
方に張り出されており、濾布１１_a，１１_bの上端
縁が止着された濾布吊持バー１２は、前後の濾板
５，５間を開くと、その間のほゞ中間位で昇降せ
しめられるようになつている。

次に、上記のように構成された実施例の濾布装
置の前記濾布吊持バー１２に係脱自在に作用し
て、それを駆動する、この発明にしたがつた濾布
吊持バーの駆動装置３０の一実施例を説明する
と、第１〜６図に示した実施例の吊持バーの駆動
装置３０は、濾板５の列の上方位に配して、前後
の機枠１，２間に、前記ガイドレール３，３と平
行に架け渡したレール３１，３１と、このレール
３１，３１上に走行自在に設けられた台車３２
と、この台車３２の上に搭載された油圧シリンダ
３３と、この油圧シリンダ３３のピストンロツド
３４の先端に取付けられた、濾布吊持バーの係脱
自在な保持装置３５と、でもつて構成されてい
る。そして、この実施例の濾布支持バーの係脱自
在な保持装置３５は、ピストンロツド３４の先端
に取付けられた本体３６と、この本体３６の下端
部にその基部を枢支３７，３７された一対のアー
ム３８，３８と、この一対のアーム３８，３８の
自由端側を同時に開閉作動させるための油圧シリ
ンダ３９等、でもつて構成されていて、この実施
例の濾布吊持バーの係脱自在な保持装置３５は、
油圧シリンダ３９のピストンロツド３９_aを伸長
させると、一対のアーム３８，３８が開き、この
状態でピストンロツド３４を伸長させて、一対の
アーム３８，３８をして、その爪３８_a，３８_aが
濾布吊持バー１２を挾みうる位置にもたらした
上、ピストンロツド３９_aを縮小して、一対のア
ーム３８，３８の自由端側を閉じると、この一対
のアーム３８，３８の対向面に取付けてある爪３
８_a，３８_aによつて、濾布吊持バー１２の適所が
捕捉されるようになつている。すなわち、台車３
２の上には、このような濾布吊持バーの係脱自在
な保持装置３５を一対設けてあつて、この一対の
保持装置３５，３５は、一個の濾布吊持バー１２
に対して、同時に係脱せしめうるようになつてい
る。

なお、上記実施例においては、一対のアーム３
８，３８の対向面に取付けてある爪３８_a，３８_a
によつて濾布吊持バー１２を挾持することによ
り、それを捕捉せしめるように構成してある例を
示したが、上記したような一対のアーム３８，３
８を有する保持装置３５の場合には、それを開い
た状態で降下させると、開かれた一対のアーム３
８，３８間の本体が、濾布吊持バー１２に衝突す
ることになるから、他の実施例においては、一対
のアーム３８，３８間を閉じたときにおいて、一
対のアーム３８，３８の一方又は双方の対向面に
取付けてある爪を、濾布吊持バー１２の下面に、
単に係合させることによつて、濾布吊持バー１２
を挾持することなく捕捉せしめるように構成して
もよい。

なお、第３，４図において、４０は、上記保持
装置３５の上部に固設したガイドバーで、このガ
イドバー４０は、ピストンロツド３４の撓みを防
ぎ、その先端部を垂直に案内して昇降せしめるた
め、台車３２の上に、直立状態に保たれて摺動自
在に支承されている。４１は台車３２をレール３
１，３１上に走行自在に支承している車輪、４２
はその走行駆動モータ、４３は油圧シリンダ３９
のピストン３９_bをピストンロツド３９_aの伸長方
向に附勢しているばねである。

第１〜６図に示した実施例のフイルタプレス
は、上記のような構成であるから、このフイルタ
プレスは、これを次のように作動させることがで
きる。

すなわち、濾過操作を行う際には、各濾板５，
５…間に夫々位置する濾布１１_a，１１_bを、それ
らが夫々各濾過床５_a，５_bを覆う上昇位置に保つ
て、油圧シリンダ７のピストンロツド８を伸長し
て、各濾板５，５…間を閉じると、各給液板２４
_ａ，２４_bを通して各濾布１１_a，１１_b間に原液を
供給し、濾過操作を行うことができる。

このようにして濾過操作を行つた結果、各濾布
１１_a，１１_b間に生じたケーキを除去する際に
は、先づピストンロツドド８を縮小した後、各濾
板５，５…を、締付ヘツド６に近いものから順
に、一枚宛締付ヘツド６方向に移動させて、各濾
板５，５間を順次一定間隔αに開くと共に、各濾
板５，５間が一定間隔に開かれた都度、開かれた
濾板５，５間の上方位へと、前記濾布吊持バーの
駆動装置３０を移動させて、すなわち前記モータ
ー（例えばパルスモータ）を所定量宛回転させ
て、台車３２上の、一対の濾布吊持バーの係脱自
在な保持装置３５，３５をして、開かれた濾板
５，５間の濾布装置の濾布吊持バー１２の直上位
へともたらし、それが取付けられている各油圧シ
リンダ３３，３３の各ピストンロツド３４，３４
を所定量伸長して、各対のアーム３８，３８を開
いた状態で濾布吊持バー１２の高さまで降下さ
せ、各対のアーム３８，３８間を閉じると、該ア
ーム３８，３８間に、濾布吊持バー１２が捕捉保
持された状態となる。このような状態となした
上、更に各ピストンロツド３４，３４を伸長する
と、開かれた濾板５，５間の一対の濾布１１_a，
１１_bは、各ローラー１４，１５に巻き懸けられ
た部位よりも上の部分、つまりケーキ附着部分
が、夫々ローラー１４，１５位置まで降下せしめ
られた上、それらが各ローラー１４，１５に巻き
懸けられている部位では、濾布１１_a，１１_bが、
互に対向している面を互に遠ざかる方向へと方向
転換せしめられるので、濾布１１_a，１１_bに附着
しているケーキは、濾布から剥離して下方に落下
する。

この実施例のものでは、濾布１１_a，１１_bの上
端部と下端との間が、濾布吊持バー１２と濾布取
付バー１６，１７との間を夫々連結しているチエ
ーン２２，２３によつて、常時緊張状態に保たれ
ていて、濾布１１_a，１１_bは、夫々ローラー１
４，１５の回りをＵターンして走行せしめられる
ようになつているので、ケーキを剥離された各濾
布１１_a，１１_bの部分は、各ローラー１４，１５
位置を下至点として、濾布取付バー１６，１７に
取付けられた側が上昇するが、濾布１１_a，１１_b
の、ケーキが附着していた部分の最上部が夫々ロ
ーラー１４，１５位置まで降下し、ケーキが剥離
され終つた時点で、油圧シリンダ３３のピストン
ロツド３４を所定量縮小するときは、濾布吊持バ
ー１２が濾板５の上方位まで上昇せしめられて、
一対の濾布１１_a，１１_bは、それが前後の濾板
５，５の濾過床５_a，５_bを夫々覆うことができる
高さに再び復帰される。この状態において油圧シ
リンダ３９のピストンロツド３９_aを縮小すれば、
各対のアーム３８，３８による濾布吊持バー１２
の保持状態が解除され、続いて油圧シリンダ３３
のピストンロツド３４を更に縮小すると、濾布支
持バーの係脱自在な保持装置３５が上昇するか
ら、この状態においては、ケーキの除去を終つた
一つの濾板５，５間の前方位の濾板５を、後退さ
せて、次の濾板５，５間を開くと、新に開かれた
濾板５，５間へと、濾板１枚分の厚さに相当する
量だけ、台車３２を前進させることができ、新に
開かれた濾板５，５間で上記同様の操作により、
ケーキの排出操作を行いうるものである。

なお、実施例の図面には、スクレーパー及び洗
滌装置等を図示してないが、各濾布１１_a，１１_b
が濾板５の下方へと案内されている部分に、スク
レーパー及び又は洗滌装置等を配設しておくと、
スクレーパーによつては、濾布１１_a，１１_bの降
下時に、濾布に附着しているケーキを補助的に完
全剥離せしめうることができ、洗滌装置によつて
は、濾布１１_a，１１_bの上昇時に、ケーキが剥離
された後の濾過作用面を洗滌しうること、は言う
までもない。

以上、この発明に係るフイルタプレスの一実施
例を第１〜６図について説明したが、各濾板間に
夫々配設されている濾布装置、すなわちその上端
縁が濾布吊持バーに止着されている濾布装置及び
該濾布装置の濾布吊持バーに係脱自在な濾布吊持
バーの駆動装置等は、上記実施例に限定されるも
のではないのであつて、他の実施例においては、
これらを、夫々次のように構成してもよい。

濾布装置の他の実施例として、その一例を、第
７，８図を参照して説明すると、第７，８図に示
した例では、前後の濾板５，５間において、前後
の濾過床５_a，５_bを夫々覆うことができるように
配された一対の濾布１１１_a，１１１_bの各上端縁
は、この発明にしたがつて、濾布吊持バー１１２
に止着されているが、この一対の濾布１１１_a，
１１１_bのうち、濾布１１１_aは、その下部を前側
の濾板５の下位にブラケツト１３を介してそこに
軸支せる２つのローラー１１４，１１５のうち
の、一方のローラー１１４に巻き懸けられた上
で、その下端縁を該ローラー１１４の表面に止着
されており、濾布１１１_bは、その下部を後側の
濾板５の下位にブラケツト１３を介してそこに軸
支せる２つのローラー１１４，１１５のうちの、
他方のローラー１１５に巻き懸けられた上で、そ
の下端縁を該ローラー１１５の表面に止着されて
いて、両ローラー１１４，１１５には、夫々、ロ
ーラーを自転せしめて上記濾布１１１_a，１１１_b
を巻き取らせるばね（図示せず）を配設してあ
る。

また、前記濾布吊持バー１１２には、ロープ１
２２の一端を連結してあり、このロープ１２２
は、前側の濾板５の上位に軸支された滑車１２０
に巻き懸けた上、固定滑車４５を経て、動滑車４
６、上記固定滑車４５と同心の他の固定滑車４７
の順に、順次懸け回わし、その他端を動滑車４６
を軸支している重錘４８に連結してある。

このようにして、濾布１１１_a，１１１_bを共に
常時緊張状態に保つた上、開板時の常態（前記ば
ねの附勢及びケーキの重さ等と前記重錘４８が釣
に合つて、濾布が静止状態に保たれた状態）にお
いては、濾布吊持バー１１２が、第７図に示して
あるような上昇位置に保たれるように構成してあ
る。

各濾板間に配設される濾布装置を、この発明に
したがつて、上記第７図のように構成して、上下
に走行可能となした場合においても、前記第１〜
６図について説明したような濾布吊持バーの係脱
自在な駆動装置３０を、すなわち、濾布吊持バー
の係脱自在な保持装置３５を、順次開かれた濾板
５，５間で濾布吊持バー１１２に作用させると、
一対の濾布１１１_a，１１１_bの、それらが濾布吊
持バー１１２に止着されている部位と、各ローラ
ー１１４，１１５に夫々巻き懸けられている（よ
り詳しくは巻取られている）部位との間の部分
を、降下させて（第８図）、濾過操作の結果一対
の濾布１１１_a，１１１_b間に生成したケーキをし
て、濾布１１１_a，１１１_bの表面から、前記実施
例の場合同様に剥離せしめうることは、容易に理
解されよう。なおこの場合には、濾布１１１_a，
１１１_bは、夫々ローラー１１４，１１５に巻き
取られ、重錘４８が上昇する。

次に、濾布吊持バーに係脱自在な濾布吊持バー
の駆動装置の他の実施例として、その一例を、第
９図を参照して説明すると、上記実施例において
は、濾布吊持バーの係脱自在な保持装置が、それ
を昇降動作させるための油圧シリンダ３３のピス
トンロツド３４の先端に直結されている例を示し
たが、他の実施例においては、濾布吊持バーの係
脱自在な保持装置３５は、例えば、第９図に示し
てあるようなパンタグラフ５３，５３を介して、
その下端に取付けられていてもよく、第９図に示
した例では、前記実施例と同様な構造の、一対の
濾布吊持バーの係脱自在な保持装置３５が、パン
タグラフ６０を介して、台車３２に支持されてお
り、パンタグラフ６０に、油圧シリンダ２３３の
ピストンロツド２３４を連結してある。この実施
例では、短いピストンロツド２３４を伸縮する
と、パンタグラフ６０が下向きに伸縮して、保持
装置３５，３５が昇降せしめられるようになつて
いるのである。

なお上記各実施例においては、各濾板間を一枚
宛順次開いて、一枚宛開かれた濾板間で、各一対
宛の濾布を上下に走行せしめうるようにしてある
場合を説明したが、この発明は、他の実施例にお
いては、各濾板間を複数枚宛（例えば２枚宛又は
３枚宛等）順次開いて、順次開かれた複数の濾板
間で、複数対の濾布に附着しているケーキを、一
斉に除去せしめるように構成してもよく、その場
合には、前記濾布吊持バーに係脱自在な濾布吊持
バーの駆動装置を、ガイドレールの長手方向に沿
つた所定の間隔に配して、複数対、前記台車３２
上に設けておけばよい。

以上、この発明に係るフイルタプレスを、いく
つかの実施例について説明したが、この発明のフ
イルタプレスにあつては、その濾布装置が、各濾
板間に、夫々前後の濾板の各濾過床を覆うことが
できるようになして夫々配設されている、各一対
宛の濾布がその上端縁を濾布吊持バーに止着され
ていることと、上記一対宛の濾布のうち、前側の
濾板の濾過床を覆うことができる濾布はその下部
を前側の濾板の下位に配設されたローラーに巻き
懸けられており、後側の濾板の濾過床を覆うこと
ができる濾布はその下部を後側の濾板の下位に配
設されたローラーに巻き懸けられていることと、
各濾布が、少くとも上記濾布吊持バーに止着され
た部位と上記ローラーに巻き懸けられた部位との
間の部分を走行可能に支持されていることとによ
つて構成されており、特に、この発明にしたがつ
たフイルタプレスにあつては、上記濾布装置の濾
布の、それが上記濾布吊持バーに止着されている
部位とそれが上記ローラーに巻き懸けられている
部位との間の部分を、少くとも上向きに走行させ
るための駆動装置が、前記濾布吊持バーに係脱自
在な濾布吊持バーの駆動装置でもつて構成されて
いるので、この発明のフイルタプレスにあつて
は、上記濾布の部分が常態において下向きに附勢
されている場合には、濾布吊持バーの駆動装置を
濾布吊持バーに係合させてそれを引き上げるだけ
の簡単な操作でもつて、濾布をしてケーキ排出の
ために上下に走行せしめうるものであり、上記濾
布の部分が常態において下向きに附勢されていな
い場合には、濾布吊持バーの駆動装置を濾布吊持
バーに係合させて、それを昇降させることによ
り、濾布をしてケーキ排出のために上下に走行せ
しめうるものである。したがつて、この発明にし
たがえば、高い精度を要求されることのない機構
によつて、順次開板される濾板間で、上記濾布の
部分を上下に走行駆動し、円滑にケーキを排出で
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係るフイルタプレスの一実
施例を示した側面図、第２，３図は夫々開かれた
前後の濾板間における濾布の状態を示した側面
図、第４図は開かれた濾板間の濾布装置を示した
正面図、第５図は濾布装置の一つを取出して示し
た斜視図、第６図は濾布吊持バーの係脱自在な保
持装置の縦断側面図、第７〜８図は他の実施例に
おける濾布の状態を示した側面図、第９図は他の
実施例における濾布吊持バーの駆動装置を示した
正面図である。 ３……ガイドレール、５……濾板、５_a，５_b…
…濾過床、１０……フイルタプレス、１１_a，１
１_b，１１１_a，１１１_b……濾布、１２，１１２
……濾布吊持バー、１４，１５，１１４，１１５
……ローラー、３０……濾布吊持バーの駆動装
置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一対の平行なガイドレールの上に並列された
   多数の濾板間を、一枚宛あるいは数枚宛順次開く
   ことができるように構成されたフイルタプレスで
   あつて、各濾板間に、前後の濾板の各濾過床を覆
   うことができるようになして夫々配設されている
   各一対宛の濾布が、その上端縁を、濾布吊持バー
   に止着されていること、上記一対宛の濾布のう
   ち、前側の濾板の濾過床を覆うことができる濾布
   は、その下部を前側の濾板の下位に配設されたロ
   ーラーに巻き懸けられており、後側の濾板の濾過
   床を覆うことができる濾布は、その下部を後側の
   濾板の下位に配設されたローラーに巻き懸けられ
   ていて、各濾布は、少くとも上記濾布吊持バーに
   止着された部位と上記ローラーに巻き懸けられた
   部位との間の部分を上下に走行可能に支持されて
   いること、少くとも、上記濾布の部分を上向きに
   走行させるための駆動装置が、前記濾布吊持バー
   に係脱自在な濾布吊持バーの駆動装置でもつて構
   成されていること、を特徴としてなるフイルタプ
   レス。 ２ 前記濾布が濾布吊持バーに止着された部位と
   濾板の下位のローラーに巻き懸けられた部位との
   間の部分を上下に走行可能に支持するために、濾
   布が、上記ローラーに巻き懸けられて走行自在に
   案内されており、濾布の下端縁が濾布取付バーに
   取りつけられていて、この濾布取付バーと前記濾
   布吊持バーとの間が、濾板の上位に配設せるホイ
   ールに懸け回わされた紐状駆動媒体によつて連結
   されている、特許請求の範囲第１項に記載のフイ
   ルタプレス。 ３ 前記濾布が濾布吊持バーに止着された部位と
   濾板の下位のローラに巻き懸けられた部位との間
   の部分を上下に走行可能に支持するために、濾布
   の下端縁が上記ローラーに止着されており、該ロ
   ーラーに濾布を巻取る方向に附勢するばねが配設
   されている、特許請求の範囲第１項に記載のフイ
   ルタプレス。 ４ 前記濾布吊持バーに係脱自在な濾布吊持バー
   の駆動装置が、濾板の列の上方位に配して前記ガ
   イドレールに平行に設けられたレールと、このレ
   ール上に走行自在に設けられた台車と、この台車
   上に搭載された油圧シリンダと、この油圧シリン
   ダのピストンロツドに連結された濾布吊持バーの
   係脱自在な保持装置とでもつて構成されている、
   特許請求の範囲第１〜３項のいづれか一つの項に
   記載のフイルタプレス。 ５ 前記濾布吊持バーの係脱自在な保持装置が、
   前記ピストンロツドの先端部に直接取付けられて
   いる、特許請求の範囲第４項に記載のフイルタプ
   レス。 ６ 前記濾布吊持バーの係脱自在な保持装置が、
   前記ピストンロツドに連結された連動機構に取付
   けられている、特許請求の範囲第４項に記載のフ
   イルタプレス。