JPH0212516B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、複数の搬送ケースを用いて圧縮成形
炭を能率良く圧縮成形機からコークス炉に搬送す
る搬送方法およびその装置に関する。

圧縮成形炭の搬送に関しては、新しい技術分野
であり従来の技術例は少ないが、第１図に示すよ
うな概念がある。略述すると、圧縮成形機１で製
造されたブロツク状の圧縮成形炭２を、例えば底
板３と共に圧縮成形機１の取出口に移動してきた
装入機台車４にコンベア５などで乗載し、装入機
台車４をレール６に沿つて紙面に垂直方向にコー
クス炉７まで移動し、そこで再びコンベア５を作
動させ圧縮成形炭２をコークス炉７に装入する。
この圧縮成形炭２の装入を終えた装入機台車４
は、次の圧縮成形炭２を受取るために空の状態で
圧縮成形機１に戻り、上述の作業が繰返されて順
次多数のブロツク状の圧縮成形炭２がコークス炉
７に装入される。そして、コークス炉７内では圧
縮成形炭２が乾留されてコークスが生産され、高
炉などにおける副原料として使用される。

このような圧縮成形炭の圧縮成形機とコークス
炉との間における搬送は、上述したようにコーク
ス炉脇に確保された僅かスペースに敷設されたレ
ール上を往復する装入機台車によつて行なわれ
る。

この場合、圧縮成形炭の装入機台車への積込み
時間および積込み場所からコークス炉までの装入
機台車の往復時間さらに装入に要する時間の合計
が、一連の搬送装入システムの所要時間となる。
第１図に示す搬送方法の場合、圧縮成形機１より
装入機台車４への積込みの際の圧縮成形炭の移動
距離が比較的長く、搬送中の圧縮成形炭の部分的
な分離や脱落を防ぐため搬送速度が制限されるこ
とにより、搬送に多くの時間を要するため十分な
搬送保護対策が必要となる。

さらに、圧縮成形炭は搬送および装入に対し十
分な堅牢性を有しているものの、もし搬送中に亀
裂の発生やその成長が起こり部分的な分離や脱落
が生じた場合には、その処理に多大の手段と手間
を要し圧縮成形炭のコークス炉内への装入タイム
サイクルを著しく阻害する結果となる。

本発明は上述の問題点の解決を含め、圧縮成形
炭の部分的な分離脱落を防止すると共に、もし、
装入に不適当な圧縮成形炭が発生した場合にはそ
の処理を迅速に行ないえる圧縮成形炭の搬送方法
およびその装置を新規に提供することを目的とす
る。

その特徴とするところは、複数の圧縮成形炭搬
送ケースを自立状態で圧縮成形機の成形炭取出口
近傍で横縦行させて平面的に入替え自在とし、ブ
ロツク状の圧縮成形炭を収納した搬送ケースをコ
ークス炉に沿うよう設けられたレール上で走行す
る装入機台車により搬送すると共に、コークス炉
に圧縮成形炭を装入して空状態となつた搬送ケー
スをこの装入機台車により再び前記圧縮成形機近
傍へ搬送する圧縮成形炭の搬送方法としたことで
あり、加えて、圧縮成形機の成形炭取出口近傍
に、圧縮成形炭搬送ケースの横行および縦行用の
移動手段を上面に有する中継台を設けると共に、
この中継台とコークス炉との間を走行しかつ中継
台およびコークス炉とにおいて圧縮成形炭を受渡
しするため搬送ケースの横行および縦行用の移動
手段を有する装入機台車を設けた圧縮成形炭の搬
送装置としたことである。

以下、本発明をその実施例に基づいて詳細に説
明する。

第２図は、圧縮成形されたブロツク状の圧縮成
形炭２をコークス炉７に搬送する圧縮成形炭の搬
送装置１０の平面図である。

圧縮成形機１の圧縮成形炭２の取出口１１の近
傍に、成形炭搬送ケース１２の横行および縦行用
の移動手段１３を上面に有する中継台１４が設け
られ、この中継台１４とコークス炉７との間を走
行しかつ中継台１４およびコークス炉７とにおい
て圧縮成形炭２を受渡しするための搬送ケース移
動手段１５を有する装入機台車１６が設けられて
いる。そして、前記の移動手段１３，１５は、成
形炭搬送ケース１２の例えば横行用ローラ１７お
よび縦行用ローラ１８であつて、搬送ケース１２
を平面的に移動させるものである。なお、この搬
送ケース１２はその下面に車輪などが付設されて
いる場合には、前記ローラ１７，１８に代えてレ
ール（案内軌道）などを設けておいてもよい。

前記中継台１４は、複数の搬送ケース１２を自
立状態で圧縮成形機１の成形炭取出口１１近傍で
横縦行させて入替え自在とするものであるが、そ
の平面形は第２図に示すようなＬ字状であつても
後述する実施例のように矩形状またはＺ字状でも
よく、要は、搬送ケース１２が圧縮成形機１より
圧縮成形炭２を受取ることができかつ空の搬送ケ
ース１２と干渉することなく平面的に入替えるこ
とのできるスペースとそのための移動手段１３が
設けられておればよい。なお、必要に応じて搬送
ケース１２を移動させるプツシヤ１９が装着され
ている。

前記装入機台車１６は、搬送ケース１２を乗載
するスペースが確保されていると共に、コークス
炉７に沿つて設けられたレール６上の移動を指令
するための運転室２１、圧縮成形炭２をコークス
炉７に装入するための装入機２２やコークス炉７
の各装入門の扉を開閉する開閉機２３などの駆動
手段ならびにその制御手段などが塔載されてい
る。なお、装入機台車１６が走行するレール６
は、圧縮成形炭２が乾留されたコークスをコーク
ス炉７より押出す押出機２４のために従来から敷
設されているものであるが、これを利用して装入
機台車１６をコークス炉７の各装入門まで移動さ
せるようにすれば、新たにレール６を敷設する必
要がなく、本発明の搬送装置１０を従来のコーク
ス炉プラントに導入する場合も極めて容易に行な
いえる。

前記搬送ケース１２は、圧縮成形炭２を収納し
てその部分的な分離や脱落を防止すると共に、随
時装入機台車１６に乗載され圧縮成形炭２を搬送
するためのものである。これは、原則として動力
駆動源を一切有しない単なるコンテナであつて動
力設備を有する前記装入機台車１６とは独立に取
扱われ、その結果、コークス炉７や圧縮成形機１
の稼働状況に応じて任意の数を採用することがで
きる利点がある。したがつて、装入機台車１６は
１つのレール上を走行する１台だけでよく、前記
した中継台１４において搬送ケース１２を手際良
く入替えれば、圧縮成形炭２を次々と搬送するこ
とができる。

なお、この搬送ケース１２は図示しないが圧縮
成形炭２の部分的な分離や脱落を防止すると共
に、たとえ、それらが発生しても原料炭が漏出し
ないように収納する内枠体と、この内枠体を格納
して自立状態を維持するための外枠体より構成し
ておくと、搬送中の圧縮成形炭２にコークス炉７
への装入が不適当と思われるトラブルが生じて
も、その搬送ケース１２のみを別途退去させるこ
ととにより後続の圧縮成形炭２の搬送が阻害され
るのを回避することができる。その結果、装入機
台車１６の運転ならびにコークス炉７の稼働の中
断を避けることができる利点がある。

以上の実施例の構成によれば、次に述べるよう
にして複数の搬送ケース１２でもつて、頻繁に圧
縮成形炭２を圧縮成形機１よりコークス炉７に搬
送することができる。

先ず、自立状態にある複数の搬送ケース１２の
うちの１つのケース１２ａを第３図ａに示すよう
に圧縮成形機１の取出口１１の前の中継台１４上
に配置し、他の空のケース１２ｂを中継台１４に
隣接した装入機台車１６上で待機させる。

この状態で第４図に示すように圧縮成形機１で
製造された圧縮成形炭２を、シリンダ２５により
搬送ケース１２ａ内に挿入する。そして、必要に
応じて中継台１４または圧縮成形機１に設けられ
た切断機２０によつて切断し、圧縮成形炭２を搬
送ケース１２ａに収納する。この作業が行なわれ
ている間に装入機台車１６上の前記ケース１２ｂ
は、図示しないプツシヤなどにより前記移動手段
１５を介して矢符２６方向に移動される。

そして、第３図ｂに示すようにケース１２ｂが
中継台１４に完全に乗移ると、装入機台車１６上
が空くので圧縮成形炭２が挿入されたケース１２
ａをプツシヤ１９で矢符２７方向に移動する。こ
のとき、ケース１２ａは第５図に示すように中継
台１４上および装入機台車１６上の移動手段１
３，１５の横行用ローラ１７、縦行用ローラ１８
を介して装入機台車１６に乗載される。そして、
この間に中継台１４上のケース１２ｂが矢符２８
のように移送され（第３図ｃ参照）、圧縮成形機
１の取出口１１の前に至る。このケース１２ｂに
次の圧縮成形炭２が挿入されている間に、第３図
ｄに示すように装入機台車１６がレール６上を走
行する。コークス炉７の所定の装入門に到達する
と、装入機台車１６に塔載された開閉機２３がコ
ークス炉７の装入門を開くと共に第６図に示すよ
うにケース１２ａの背後の装入機２２がケース１
２ａ内の圧縮成形炭２のみをコークス炉７内に装
入する。このようにして空になつたケース１２ａ
は、装入機台車１６により中継台１４に向けて搬
送される。そして、第３図ａに示す状態に戻ると
上述した作業が繰返され、順次多数の圧縮成形炭
２がコークス炉７に装入される。

このような作業中に搬送ケース１２内の圧縮成
形炭２が、亀裂の発生やその進行などにより、コ
ークス炉内への装入が不適当となつた場合には、
直ちにその搬送ケース１２の移動を停止し別途設
けられたクレーンやプツシヤなどで搬送装置１０
より退去させることができる。したがつて、後続
の搬送ケースの移動や搬送が阻害されることなく
プラントの稼働が中断することはないし、装入不
適当の圧縮成形炭を再度成形に供することができ
る。

なお、使用される搬送ケース１２は上述したよ
うに２つである場合のみならず、中継台１４のス
ペースを大きくとることができる場合には第７図
に示すように３個以上使用することもできる。こ
の場合の中継台１４と装入機台車１６における搬
送ケース１２の稼動は同図ａ，ｂより容易に理解
できよう。

また、中継台１４は第８図に示すように平面形
がほゞＺ字状であつてもよい。この場合、各搬送
ケース１２ａ，１２ｂをそれぞれ矢符２９，３
０，３１のように移動させることにより、入替え
を行なうことができる。

上述した搬送ケース１２は、コークス炉の１つ
の装入門の長さの圧縮成形炭を収納搬送するもの
であるが、第９図に示すように分割された圧縮成
形炭を収納搬送する小さい搬送ケース３２を複数
個用いてもよい。この場合、圧縮成形炭２を収納
した搬送ケース３２ａは矢符３３の順路で、空の
搬送ケース３２ｂは矢符３４の順路により相互に
干渉することなく移動される。そして、圧縮成形
機１の稼働状況に応じて搬送ケース３２を３個数
またはそれ以上使用することもできる。

このような搬送によれば、中継台１４は前述の
実施例に比べて占有スペースの小さいものとする
ことができる。

以上の作動において、搬送ケースを装入機台車
とは独立にしかつ自立構造としたので、搬送ケー
スを適宜必要個数採用することができる。そし
て、圧縮成形炭の成形作業とコークス炉への装入
作業とをそれぞれ独立に行なうことができるの
で、各作業が他の作業に拘束されることなく能率
よく行なうことができる。また、コークス炉プラ
ントの敷地を勘案して適宜上述した形状の中継台
や搬送ケースなどを採択することができるので、
既設のプラントへの導入も容易に行ないえる。

本発明は以上詳細に説明したように、原料炭圧
縮成形機で成形されたブロツク状の圧縮成形炭を
コークス炉に搬送する圧縮成形炭の搬送におい
て、複数の圧縮成形炭搬送ケースを自立状態で圧
縮成形機の成形炭取出口近傍で横縦行させて平面
的に入替え自在とし、圧縮成形炭を収納した搬送
ケースをコークス炉に沿うよう設けられたレール
上で走行する装入機台車により搬送すると共に、
コークス炉に圧縮成形炭を装入して空状態となつ
た搬送ケースをこの装入機台車により再び前記圧
縮成形機近傍へ搬送する圧縮成形炭の搬送方法、
および、原料炭圧縮成形機で成形されたブロツク
状の圧縮成形炭をコークス炉に搬送する圧縮成形
炭の搬送装置において、圧縮成形機の成形炭取出
口近傍に、圧縮成形炭搬送ケースの横行および縦
行用の移動手段を上面に有する中継台を設けると
共に、この中継台とコークス炉との間を走行しか
つ中継台およびコークス炉とにおいて圧縮成形炭
を受渡しするため搬送ケースの横行および縦行用
の移動手段を有する装入機台車を設けた圧縮成形
炭の搬送装置としたので、圧縮成形炭の製造から
コークス炉への装入までの時間の短縮を可能にし
て製造能率を高めると共に、搬送される圧縮成形
炭の部分的な分離や脱落を防止すると共に、装入
に不適当な圧縮成形炭が発生した場合にも、その
処理を迅速に行ないえる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の圧縮成形炭の搬送を示す正面
図、第２図は本発明の搬送装置の平面図、第３図
ａ〜ｄは搬送ケースの移動説明図、第４図は圧縮
成形炭の搬送ケースへの収納状態図、第５図は中
継台から装入機台車への搬送ケース移動図、第６
図はコークス炉の１つの装入門への圧縮成形炭の
装入図、第７図ａ，ｂは３つの搬送ケースを用い
た移動図、第８図は異なる形状の中継台を有する
搬送装置の平面図、第９図は分割された圧縮成形
炭を搬送する装置の平面図である。 １……圧縮成形機、２……圧縮成形炭、６……
レール、７……コークス炉、１０……搬送装置、
１１……取出口、１２，１２ａ，１２ｂ，３２…
…搬送ケース、１３，１５……移動手段、１４…
…中継台、１６……装入機台車、１７……横行用
ローラ、１８……縦行用ローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 原料炭圧縮成形機で成形されたブロツク状の
   圧縮成形炭をコークス炉に搬送する圧縮成形炭の
   搬送において、 複数の圧縮成形炭搬送ケースを自立状態で圧縮
   成形機の成形炭取出口近傍で横縦行させて平面的
   に入替え自在とし、圧縮成形炭を収納した搬送ケ
   ースをコークス炉に沿うよう設けられたレール上
   で走行する装入機台車により搬送すると共に、コ
   ークス炉に圧縮成形炭を装入して空状態となつた
   搬送ケースをこの装入機台車により再び前記圧縮
   成形機近傍へ搬送することを特徴とする圧縮成形
   炭の搬送方法。 ２ 前記圧縮成形炭の搬送ケースは、コークス炉
   の１門分の圧縮成形炭を収納搬送することを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の圧縮成形炭の
   搬送方法。 ３ 前記圧縮成形炭の搬送ケースは、分割された
   圧縮成形炭を収納搬送することを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の圧縮成形炭の搬送方法。 ４ 原料炭圧縮成形機で成形されたブロツク状の
   圧縮成形炭をコークス炉に搬送する圧縮成形炭の
   搬送装置において、 圧縮成形機の成形炭取出口近傍に、圧縮成形炭
   搬送ケースの横行および縦行用の移動手段を上面
   に有する中継台を設けると共に、この中継台とコ
   ークス炉との間を走行しかつ中継台およびコーク
   ス炉とにおいて圧縮成形炭を受渡しするため搬送
   ケースの横行および縦行用の移動手段を有する装
   入機台車を設けたことを特徴とする圧縮成形炭の
   搬送装置。 ５ 前記移動手段は、圧縮成形炭の搬送ケースの
   横行用ローラおよび縦行用ローラであることを特
   徴とする特許請求の範囲第４項記載の圧縮成形炭
   の搬送装置。