JPH0212349Y2

JPH0212349Y2 -

Info

Publication number: JPH0212349Y2
Application number: JP1985120788U
Authority: JP
Priority date: 1985-08-06
Filing date: 1985-08-06
Publication date: 1990-04-06
Also published as: JPS6228938U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、エンジンのバランスシヤフト駆動装
置の改良に関し、特にその剛性向上対策に関す
る。

（従来の技術）一般に、多気筒エンジンにおいては、エンジン
の振動を低減するために、アンバランス部分を有
する一対のバランスシヤフトを設け、該バランス
シヤフトをクランクシヤフトの回転数と同一ある
いは２以上の整数倍の回転数でクランクシヤフト
の回転と同期させながら互いに逆方向に回転させ
ることにより、各ピストンの往復動によつて発生
する１次あるいは２次以上の偶力や慣性力の不釣
合を、上記アンバランス部分に作用する遠心力で
抑制するとともに、その遠心力のピストン往復方
向と直交する成分をバランスシヤフト同士で相殺
してエンジンの加振力を抑制することが行われて
いる。

ところで、このような一対のバランスシヤフト
の駆動装置において、一対のバランスシヤフトを
互いに逆回転させるには、例えば特公昭57−
34444号公報に開示されるように、一方のバラン
スシヤフトにアイドラを噛合させ、該アイドラと
他方のバランスシヤフトとエンジン駆動軸との間
でベルトあるいはチエーンを巻掛けることによ
り、エンジン駆動軸でもつて上記ベルトあるいは
チエーンを介して両バランスシヤフトを互いに逆
方向に回転させるようにする技術が知られてい
る。また、特開昭51−27625号公報にも同様の技
術が開示されている。

（考案が解決しようとする課題）ところが、上記従来のバランスシヤフト駆動装
置では、エンジン駆動軸やバランスシヤフトはシ
リンダ列方向に延び且つ数箇所で拘束支持されて
その剛性は高いものの、アイドラは片持ち状態で
取付けられるものであるので、その支持剛性は低
い。さりとて、このアイドラの取付部分に対して
大がかりな補強をすると、エンジンの重量増加が
大となる。

本考案はかかる点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、アイドラをエンジ
ン本体のうちアイドラ近傍の剛性の高い部分に連
結することにより、最小の重量増加でもつてアイ
ドラの支持剛性を高くすることにある。

（課題を解決するための手段）上記目的を達成するため、本考案の解決手段
は、一対のバランスシヤフトのうち、一方のバラ
ンスシヤフトをアイドラを介して駆動するように
したエンジンのバランスシヤフト駆動装置を前提
とする。そして、これに対し、上記アイドラを、
上記一方のバランスシヤフトと、シリンダブロツ
ク中段のロアデツキの側端部においてシリンダ列
方向に貫設されたオイルギヤラリとの間に配置す
る。また、上記アイドラの支持用ボスを、シリン
ダブロツクの端部壁に設ける。さらに、該支持用
ボスを、上記オイルギヤラリの構成壁と、シリン
ダブロツク端部壁に設けられた一方のバランスシ
ヤフトの支持ボスとに対して、これらの間のシリ
ンダブロツク端部壁に設けたリブで接続する構成
としたものである。

（作用）上記の構成により、本考案では、アイドラの支
持用ボスを、シリンダ列方向に延びた剛性の高い
オイルギヤラリの構成壁と、バランスシヤフトの
支持ボスとに対して、リブを介して一体的に接続
したことにより、アイドラの支持剛性が高くな
る。しかも、既存のオイルギヤラリおよびバラン
スシヤフトの支持ボスを利用して、リブの追設の
みで済むので、エンジンの重量増加を最小に抑え
ることができる。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図〜第３図は、本考案に係るバランスシヤ
フト駆動装置を備えたインライン形のエンジンを
示す。第１図〜第３図において、１はシリンダブ
ロツクであつて、該シリンダブロツク１の下部に
は、シリンダ列方向にクランクシヤフト２が複数
箇所の軸受部（図示せず）で高剛性に支承されて
いる。また、シリンダブロツク１において上記ク
ランクシヤフト２の左右両側には、シリンダ列方
向にフロントカバー１ａに連接された支持ボス
３，４を含む軸受部が設けられており、該支持ボ
ス３，４には、アンバランス部分を有する一対の
バランスシヤフト５，６の一端がそれぞれ支承さ
れている。

一方、上記シリンダブロツク１の中段に設けら
れたロアデツキ７の左端部には、潤滑部分にオイ
ルを供給するための円筒状のオイルギヤラリ８が
シリンダ列方向に貫設されている。

そして、上記左側のバランスシヤフト５とオイ
ルギヤラリ８との間には所定歯数のギヤを有する
アイドラ９が配置されていて、該アイドラ９は、
第２図に示すように、シリンダブロツク１の端部
壁としてのフロントカバー１ａに形成されたアイ
ドラ９の支持用ボス１１にネジ止めされていて、
その剛性はさほど高くないものとなつている。

さらに、上記クランクシヤフト２にはスプロケ
ツト１４が固定されているとともに、上記右側バ
ランスシヤフト６およびアイドラ９には、上記ク
ランクシヤフト２のスプロケツト１４の歯数の半
分の歯数をもつスプロケツト１５，１６が固定さ
れている。また、上記左側バランスシヤフト５に
は、上記アイドラ９のギヤ１０と歯数が等しく該
ギヤ１０と噛合するギヤ１７が固定されている。
そして、上記各スプロケツト１４，１５，１６間
にはチエーン１８が巻掛けられていて、クランク
シヤフト２の駆動力をチエーン１８により右側バ
ランスシヤフト６に伝達するとともに、アイドラ
９を介して左側バランスシヤフト５に伝達して、
両バランスシヤフト５，６をクランクシヤフトの
２倍の回転数でもつて互いに逆方向に駆動するよ
うにしている。

そして、該支持用ボス１１は、上記オイルギヤ
ラリ８の構成壁と、シリンダブロツクのフロント
カバー１ａに設けられた左側のバランスシヤフト
５の支持ボス３とに対して、これらの間のフロン
トカバー１ａに設けたリブ１２，１３で接続され
て支持剛性の補強が図られている。

したがつて、上記実施例においては、高剛性の
ロアデツキ７に貫設されたオイルギヤラリ８の構
成壁と、シリンダ列方向に延びた剛性の高い左側
バランスシヤフト５の支持ボス３とに対して、さ
ほど剛性の高くないアイドラ９の支持用ボス１１
が、リブ１２，１３を介して一体的に接続されて
補強されているので、アイドラ９の支持剛性をク
ランクシヤフト２や左右のバランスシヤフト５，
６と略同等にまで高くでき、エンジンの信頼性を
向上させることができる。

しかも、既存のオイルギヤラリ８およびバラン
スシヤフト５の支持ボス３を利用して、これにリ
ブ１２，１３を追設するのみで支持剛性アツプが
図られているので、エンジンの重量増加を最小に
抑えることができる。

（考案の効果）以上説明したように、本考案のエンジンのバラ
ンスシヤフト駆動装置によれば、一方のバランス
シヤフトを他方と逆回転に駆動するためのアイド
ラを、その一方のバランスシヤフトとオイルギヤ
ラリとの間に配置するとともに、上記アイドラの
支持用ボスを、上記オイルギヤラリ構成壁および
一方のバランスシヤフトの支持ボスに対して、こ
れらの間に設けたリブで接続したので、既存の剛
性の高い部位を利用して、エンジンの重量増加を
最小に抑えつつアイドラの支持剛性を顕著に向上
させることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は正面
図、第２図は第１図における−線断面図、第
３図は第２図における−線断面図である。１……シリンダブロツク、１ａ……フロントカ
バー（端部壁）、３，４……支持ボス、５，６…
…バランスシヤフト、７……ロアデツキ、８……
オイルギヤラリ、９……アイドラ、１１……アイ
ドラ支持用ボス、１２，１３……リブ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】一対のバランスシヤフトのうち、一方のバラン
スシヤフトをアイドラを介して駆動するようにし
たエンジンのバランスシヤフト駆動装置におい
て、上記アイドラは、上記一方のバランスシヤフト
と、シリンダブロツク中段のロアデツキの側端部
においてシリンダ列方向に貫設されたオイルギヤ
ラリとの間に配置されており、上記アイドラの支持用ボスは、シリンダブロツ
クの端部壁に設けられており、該支持用ボスは、上記オイルギヤラリの構成壁
と、シリンダブロツク端部壁に設けられた一方の
バランスシヤフトの支持ボスとに対して、これら
の間のシリンダブロツク端部壁に設けたリブで接
続されていることを特徴とするエンジンのバラン
スシヤフト駆動装置。