JPH02121797A - 耐摩耗性に優れた刃物用自動溶接材料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、各種鋸刃の刃先に硬化肉盛溶接した場合に優
れた耐摩耗性、耐火は性を有する刃物用自動溶接材料に
関するものである。

（従来の技術及びその課題） 鋸刃の刃先の硬化肉盛材としては、ステライト系材料が
一般的に使用されており、その場合の溶接後の硬さはＨ
シフ００以下が普通である。

そして、この刃先への硬化肉盛溶接方法の一つとしてガ
ス溶接がある。このガス溶接は、太いガス溶接棒（φ４
　ｍｍ以上）を溶融して引伸しながら刃先に溶接する方
法であり、特殊な技術と、良くない作業環境を余儀なく
され、また、品質的にも不安定である。なお、このガス
溶接棒は難加工性材料で製造されている為、細いワイヤ
には出来ない。

今一つの方法としてコワードワイヤによるＴＩＧ自動溶
接がある。しかし、コワードワイヤの特性上成分的に高
硬度にすることが困難であり、また炭素の飛散が多く成
分の制御が難しい。加えて、スパッタの集積により寸法
精度が悪くなり、溶接後の硬さとしてもＨｖ５００以下
と低い。更にグラインダーによる研削性も悪い。

本発明は上記したような問題点を解決できる刃物用自動
溶接材料を提供することを目的としている。

（課題を解決するための手段） 本発明者らは上記した従来の問題点を解決すべく種々検
討を重ねた結果、溶接材料の化学組成を厳密に制御する
ことによって従来技術では到底達成できなかった高硬度
（Ｈｖ　１０００程度）で耐摩耗性に優れた溶接材料を
見出したのである。

すなわち本発明は、重量％で、Ｃ：０．８〜３．０％、
Ｓｉ　：　１．０％以下、Ｍｎ　：　０．１−１．５％
、Ｃｒ：２．５〜５．５％、Ｍｏ　：　１０％以下、Ｗ
　：　５．０−１５．０％、Ｖ　：　１．０〜７．０％
、Ｃｏ　：　１２％以下、を含み、残部Ｆｅ及び不可避
的不純物からなることを要旨とする耐摩耗性に優れた刃
物用自動溶接材料である。

（作　　用） 以下に本発明の成分組成に対する限定理由を説明する。

Ｃ：　ＣはＷ、　Ｃｒ、　Ｖ、門０等と結びついて炭化
物を形成し、硬さを向上させて耐摩耗性を著しく向上さ
せる作用がある。しかし、０．８％未満では所望の硬さ
が得られず、一方３％を越えると衝撃強度が著しく低下
するため、０．８〜３．０％とする。

Ｓｉ：Ｓｉは脱酸作用に必要な元素であるが、溶着部の
強度を守るために１％以下とする。

Ｍｎ：　　ＭｎもＳｉ同様脱酸、脱硫作用があるが、肉
盛溶接性の確保と正常な溶接ビードを形成するためにそ
の含有量を０．１〜１．５％とする。

Ｃｒ：　　Ｃｒは基地に固溶して強さを向上させるが、
その一部は炭化物を形成して耐摩耗性を向上させる。従
って、溶接後の靭性を有し、耐摩耗性とのバランスを得
るために２．５〜５．５％とする。

Ｍｏ：　　ＭｏはＣと結合して炭化物を形成し、高温硬
さを向上させるが、１０％を越えると溶接性の悪化を招
く。また、コイル状にするための曲げ性を失うために最
高を１０％とする。

Ｗ：　Ｗは基地の固溶及び複合炭化物を形成して、基地
の硬さを向上させ、耐摩耗性の向上及び熱間変形抵抗、
耐熱性を増大させる。溶接性及び溶接ビードの形状及び
コイルの曲げ性の限界より、その含有量を５〜１５％と
する。

■：　■は非常に硬い炭化物を作り耐摩耗性を向上させ
るが、同時に溶接ビードに割れを生じ易くする。従って
、所望の硬度を得るために最低１％とする。一方、溶接
性、コイル状の曲げ性を許容できる７％を最大とする。

Ｃｏ：　　Ｃｏは基地に固溶して焼戻し硬さや高温硬さ
を増長し、切削耐久性を増加する。従って、溶接性、曲
げ加工性をバランスするために最高１２％とする。

（実　施　例） 下記第１表に本発明で規制する材料の化学成分及び比較
材料の化学成分を示す。

供試材は前記成分のルアロイ粉末を使用して、少量のバ
インダーと混合、押出し成形したものを適当な長さに切
断、焼結炉において焼結を行い、長尺コイル化したもの
である。ワイヤ径はφ１．２胴より可能であるが、使用
に最も適した１、６鵬径のワイヤーと成し、これを用い
て自動ＴＩＧ溶接にてＳＫＳ材質の刃物基地に肉盛溶接
した。

このようにして肉盛溶接した刃物１の肉盛部２における
３点（第１図におけるＡ、Ｂ、Ｃ点）でビッカース硬さ
及び鋸刃として材木加工に使用した場合の寿命を調査し
た。

また、溶接作業性及び刃部の研削性の調査も併せて行っ
た。

これらの調査結果を併せて第１表に示す。

第１表より明らかなように、本発明材料（Ｎα１〜１０
）の場合には肉盛部の硬さがＨｖ　１０００前後と比較
材料（Ｎｏ、　１１〜２３）及び従来のステライト系材
料（Ｎｏ、２４．２５）の硬さよりも大きく、またブロ
ーポールが非常に少ない為、鋸刃に使用した場合には約
２倍の寿命が得られる。

また溶接作業性も火花の飛散がなく溶接機器の）貝柱や
よごれがないため能率的であり、溶接後の品質もスパッ
クがないため、炭素等の飛散がなく成分が非常に安定す
る。

更に刃物を作る研削仕上げで必要な研削性にも優れてい
る。

（発明の効果） 以上説明したように本発明に係る溶接材料は、従来の溶
接材料と比較して高硬度で、耐摩耗性に優れている為、
刃物の刃先硬化肉盛に使用した場合に好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図（イ）（ロ）は刃物の肉盛部における測定位置の
説明図である。 第１図 Ｃイ） ＣＱ）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）重量％で、Ｃ：０．８〜３．０％、Ｓｉ：１．０
   ％以下、Ｍｎ：０．１〜１．５％、Ｃｒ：２．５〜５．
   ５％、Ｍｏ：１０％以下、Ｗ：５．０〜１５．０％、Ｖ
   ：１．０〜７．０％、Ｃｏ：１２％以下、を含み、残部
   Ｆｅ及び不可避的不純物からなることを特徴とする耐摩
   耗性に優れた刃物用自動溶接材料。