JPH02120675A - 電気信号測定方法 - Google Patents

電気信号測定方法

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JPH02120675A
JPH02120675A JP27510288A JP27510288A JPH02120675A JP H02120675 A JPH02120675 A JP H02120675A JP 27510288 A JP27510288 A JP 27510288A JP 27510288 A JP27510288 A JP 27510288A JP H02120675 A JPH02120675 A JP H02120675A
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light
measured
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ultra
measurement
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JP27510288A
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Hajime Yamada
肇 山田
Kazunori Naganuma
和則 長沼
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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  • Testing Electric Properties And Detecting Electric Faults (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、十分の数ナノ秒やピコ秒単位で動作する超高
速電子素子、超高速電子回路や超高速電子集積回路の素
子または回路内の電気信号の時々刻々の遷移状況を、光
を用いて非接触で検出し測定する電気信号測定方法に関
するものである。
(従来の技術) 近年、光を用いた非接触型の電気信号測定方法が種々、
提案されてきている。この測定方法の典型的な例として
は、光サンプリング方法が知られており、この方法には
、光伝導スイッチ素子を用いる方法と、電気光学結晶を
用いる方法の二つがある。
光伝導スイッチ素子を用いる光サンプリング方法は、ま
ず、超高速電子回路内の被測定電気信号が伝搬する第1
の配線と数ミクロン程度の適当な間隔をあけて第2の配
線を配置し、これら第1及び第2の配線間のギャップを
光伝導性のスイッチ素子で接続する。なお、この光伝導
スイッチ素子は、その接続時間が十分の数ピコ秒やフェ
ムト秒であるような極短光パルスを照射すると、その直
後のピコ秒や十分の数ピコ秒の間だけ、電気伝導性を有
するようになっている超高速スイッチ素子である。
そして、極短光パルスの照射タイミングを制御すること
により、この光伝導スイッチ素子を所定の時間間隔で導
通させ、この時、第2の配線に現われる電圧を、極短光
パルスの照射タイミングをパラメータとして記録する。
この電圧は、第1の配線の光伝導スイッチ素子を接続し
た位置に極短光パルスを照射した瞬間にあった、被測定
電気信号の電圧に比例するものである。
そこで、最終的に照射タイミングを独立変数、第2の配
線に現われた電圧を従属変数として、第1の配線を伝搬
している被測定電気信号の時間波形を再現するようにし
たものである。
次に、電気光学結晶を用いたサンプリング方法について
説明する。第2図は、この方法を採用したJ、A、Va
ldmanlsの提案する、被測定対象の超高速電子回
路と電気光学結晶及び極短光パルス光束の配置関係を示
すものである。第2図に示す例では、被測定対象の超高
速電子集積回路をウェハ1に形成し、このウェハ1には
超高速の被測定電気信号の伝搬する一対の配線2を設け
ている。さらに、配線2上の電気信号に基づく電界が電
気光学結晶3内に交差するように、これら配線2上に極
く近傍に電気光学結晶3を接近して配置し、この電気光
学結晶3内を極短光パルス光束りが往復するように光学
系(図示せず)が配置される。
周知のように、電気光学結晶3内に光を入射すると、当
該電気光学結晶3内を交差している電界の積分量に応じ
て、入射光の偏光面が回転するという現象を生じる(電
気光学効果)。そこで、電気光学結晶3に極短光パルス
光束りを照射して、極短光パルスの偏光面の回転を図示
しない偏光面回転検出器で検出し、これにより、電気光
学結晶3に交差していた電界の大きさを求めようという
のが、上記構成に基づく測定原理である。
次に、この方法で重要な測定のタイミングについて説明
する。まず、被測定対象の超高速電子集積回路を適当な
周波数fで繰り返し動作させ、これによって、配線2に
同じ周波数fで被測定電気信号を繰り返し伝搬させる。
ここで、繰り返しの周期をT −11fで示すと、時刻
tに起きている現象は、時刻[t+nT]  (ここで
nは任意の整数)に起きている現象と等しくなるので、
ある時刻t1に極短光パルス光束りを照射してこの時の
電界の大きさを測定し、続いて時刻[t 1+ n T
 +ΔT]に極短光パルス光束りを照射して電界の大き
さを測定するというような設定を行なう。こうして相対
的なタイミングをΔtずつずらしながら、極短光パルス
光源を繰り返し動作させて、測定を繰り返していくと、
結局、長時間の間には繰り返し現象の全てのタイミング
で電界を測定したことになる。このように、タイミング
をずらしながら測定する方法では、1回の繰り返しの間
には高々1回しか測定を行なわないことになるので、偏
光面回転検出器の応答速度は、1回の繰り返しの間に測
定を終らそうとする場合に比べて、かなり低速にするこ
とが可能となる。
また、以上説明した、電気光学結晶を用いた光サンプリ
ング方法の一つの変形例として、ガリウムヒ素基板に超
高速電子集積回路を形成し、この基板の有する電気光学
効果をそのまま光サンプリング方法に利用するものも提
案されている。
さらに、光を用いて非接触で電気信号をilP+定する
他の例としては、H,に、He1nrichらが文献r
EIectron、 Lett、 vol 22. p
、655 (198B)Jにおいて提案している、プラ
ズマ・プローブ法が知られている。
プラズマ・プローブ法は、超高速電子集積回路基板内に
電子や正孔のキャリアが存在すると、そのキャリア密度
に応じて屈折率が変化し、また屈折率に応じて光の伝搬
速度が変化する現象を利用するものである。
第3図(a)は、このプラズマ・プローブ法が採用され
た測定系の概略構成図、第3図(b)は同図(a)のA
部の拡大図である。第3図において、10は波長1.3
ミクロンのレーザ装置、11はコリメータ、12a、1
2bは偏光ビームスプリッタ、13はファラデー回転素
子、14はノマルスキー・プリズム、15は対物レンズ
、16は被測定対象物である超高速電子集積回路、16
aは超高速電子集積回路16内で能動素子の存在するア
クティブ領域、16bは能動素子の存在しないパッシブ
領域、17a、17bは集光レンズ、18a、18bは
受光素子、19は差動増幅器、PBは測定光、RBは参
照光である。
以上の構成においては、レーザ装置10から出射した光
は、コリメータ11にて平行光束とされ、偏光ビームス
プリッタ12a、ファラデー回転素子13、偏光ビーム
スプリッタ12bを介した円偏光は、ノマルスキー・プ
リズム14によって、直交する二つの偏光面を有する直
線偏光の測定光PBと参照光RBに分割される。さらに
、対物レンズ15を介して測定光PBを超高速電子集積
回路16のアクティブ領域16aに、参照光RBをパッ
シブ領域16bに、それぞれ超高速電子集積回路16(
実際には基板)の裏面から入射する。
次いで、これら測定光PB及び参照光RBは、アクティ
ブ領域16a及びパッシブ領域16bを通過後、超高速
電子集積回路16の表面に存在する金属膜SMで反射し
、以後ここに至るまでの光路を逆向きに戻る。
即ち、再びアクティブ領域16aとパッシブ領域16b
をそれぞれ通過し、さらに、対物レンズ15を通過した
後、ノマルスキー・プリズム14により一つの光束に合
波される。この時、アクティブ領域16aから戻ってき
た直線偏光とこの直線偏光と直角の方向に偏光したパッ
シブ領域16bから戻ってきた直線偏光間に位相差が存
在すると、楕円偏光として合波される。この楕円偏光は
、偏光ビームスプリッタ12b1集光レンズ17bを介
して受光素子18bで受光されて電気信号に変換され差
動増幅器19の(+)入力に入力する。一方、差動増幅
器19の(−)入力には偏光ビームスプリッタ12a、
集光レンズ17a並びに受光素子18aを介した電気信
号が入力されており、これにより、戻り光束の円偏光か
らの変化量を図示しない偏光面回転検出器で検出するよ
うになっている。
(発明が解決しようとする課題) 以上のように、従来、光を用いた非接触型の電気信号測
定方法が種々提案されているが、これらは、以下に説明
するような課題を有している。
即ち、光伝導スイッチ素子を用いた光サンプリング方法
では、第二の配線に電圧が出力されるのは、光伝導スイ
ッチ素子が導通した瞬間だけであるから、被測定対象の
超高速電子回路の動作に対する影響は小さなものに抑え
られると考えられていた。しかし、被測定対象の超高速
電子回路の一部にわざわざ信号取りだし用の第二の配線
と光伝導スイッチ素子を配置する必要があり、実際には
このような配線及び光伝導スイッチ素子を配置できるの
は、配線及び光伝導スイッチ素子を配置できる余裕があ
って、かつ光伝導スイッチ素子製作行程が超高速電子回
路の製作行程や歩留りに悪影響を与えないというような
、特別な回路に限定されており、結局本方法は汎用的な
測定方法とはなり得ない。
また、電気光学結晶を用いた光サンプリング方法では、
電気光学結晶3をウェハ1に形成した被1111定対象
物である超高速電子集積回路内の任意の配線2の近傍に
配置できるので、超高速電子集積回路内の任意の位置の
電気信号の時々刻々の遷移状況を1lllJ定すること
ができ、この点で光伝導スイッチ素子を用いた方法より
も優れている。
ところが、電気光学結晶3と配線2の距離が変化すると
電気光学結晶3に交差する電界の積分量もこの距離の変
化に敏感に対応して変化する。特に、第4図のように、
対をなした配線によって超高速電気信号を伝搬させる等
という場合は、配線2対間の電気力線がウェハ1の近傍
で極めて密で、ウェハ1から離れるに従って急激にその
密度が減少するので、電気光学結晶3を交差する電界の
積分量を較正したり、また複数点の測定結果を相互に比
較しようとする場合には、電気光学結晶3と配線2の距
離を常に一定に保持する必要があった。
しかし、実際には、被測定電子回路内の配線2から、例
えば精度良く5ミクロンだけ離した位置に電気光学結晶
3を、かつウェハ1や配線2に接触したり破壊したりす
ることのないように注意しつつ、保持するという要求は
技術的解決が極めて困難であった。また、電界が交差す
るように電気光学結晶3を配置するということは、配線
2の特性インピーダンスを、そこに電気光学結晶3のな
かった時から変化させるということと等価であるので、
この特性インピーダンスの変化によって配線2を伝搬す
る電気信号に反射波が発生し、反射波が大きな場合には
被iDJ定電子回路側に誤動作の生じる恐れがあった。
さらに、電気信号は配線2中をある有限の速度で伝搬し
、一方、電気光学結晶3中には極短光パルスがある有限
の速度で伝搬していることを考えると、測定時刻が厳密
に定められないという問題点が生じる恐れがあった。
次に、この問題点について詳述する。なお、説明を簡単
にするために、電気信号がパルスの形をしており、かつ
第4図(以下、図面という。)の手前から奥側に向かっ
て伝搬するものとし、一方、極短光パルス光束りは図面
が含まれる面内を、図面の上方から照射され、電気信号
パルスのピークが図面の位置、すなわち電気光学結晶3
の真下に到達した時に、極短光パルス光束りも電気光学
結晶3の下端に達するものとする。
さてこのように配置すると、極短光パルス光束りが電気
光学結晶3に入射しはじめた時には、電気信号パルスは
図面の手前のある有限の距離にあるので、離れた位置に
ある電気信号パルスの電界をこの極短光パルス光束りが
感受することになる。
次に、電気信号パルスが紙面の真下に達した時には、極
短光パルス光束りも電気光学結晶3の下端に達するので
、この極短光パルス光束りは電気信号パルスのピークの
電界を感受する。そして最後に極短光パルス光束りが電
気光学結晶3の上端まで戻った時には、紙面の奥のある
有限の位置にある、離れた電気信号パルスの電界をこの
極短光パルス光束りが感受することになる。即ち、極短
光パルス光束りは、電気光学結晶3を往復するに要する
時間の間、紙面の手前から奥に向かって進行する電気信
号パルスを感受し続けることになる。
その結果、感受した電界の積分量は、例えば電気信号パ
ルスが電気光学結晶3の真下で停止していたと仮想した
場合に、極短光パルス光束りが感受するであろう電界の
積分量とは異なるものになる。即ち、何時の時刻の測定
かを定めることができなくなってしまうという欠点を有
し、このように時間分解能の悪い測定では、電気信号パ
ルスがその強度を急激に変化させている場合等には、測
定が追随できないことになってしまうという問題点があ
った。
そこで、極短光パルス光束りも図面の手前上方から照射
し、図面奥の上側に戻っていくように、即ち、極短光パ
ルス光束りと電気信号パルスの図面に直交する方向の速
度を見かけ上整合して、時間決定に関する誤差をできる
限り小さくしようというように光学系を配置する技術が
必要となる。
しかし、ウェハ1に形成された配線2を伝搬する電気信
号パルスと電気光学結晶3内の極短光パルス光束りとで
は、伝搬する物質も電磁波としての周波数も異なるので
、簡単に速度整合を取るといっても、実際には技術的に
困難な問題であった。
また、電気光学効果を有するガリウムヒ素基板を用いた
光サンプリング方法では、改めて電気光学結晶を精度良
く近接させる必要がなく、また電気光学結晶を近接させ
ることによる配線の特性インピーダンスの変化も生じな
いという利点を有するものの、ガリウムヒ素基板におい
ても電気信号と極短光パルスの伝搬速度は異なるので、
上記の速度整合の問題は依然として重要な課題である。
さらに、この構成が可能なのはガリウムヒ素糸の超高速
電子集積回路のように、電気光学効果を持つ基板上に超
高速電子集積回路を形成した場合に限定され、超高速電
子集積回路としてガリウムヒ素糸と同様に、あるいは汎
用的という意味ではそれ以上に重要なシリコン系の集積
回路では、シリコン基板に電気光学効果が存在しないの
で同様の技術が実現できず、技術適用範囲が著しく限定
されるという問題点があった。
さらにまた、第5図を用いて説明したプラズマ・プロー
ブ法では、超高速電子集積回路内に存在し、回路内の電
気信号の状態に応じて時々刻々変化するキャリア密度を
、そのまま偏光面の回転として検出しているので、シリ
コン系の超高速電子集積回路でも、ガリウムヒ素糸の超
高速電子集積回路でも、電気信号の時々刻々の遷移をキ
ャリア密度の変化から計算して検出することができ、こ
の点において、上記した各光サンプリング方法より優れ
ている。
しかしながら、この方法では、二分割した測定光PB及
び参照光RBを常時、あるいは丁度都合良く、その表面
に金属膜SMの存在するアクティブ領域16aとパッシ
ブ領域16bとに照射できるように調整することは、二
元束間の距離がこのノマルスキー・プリズム14の材質
と寸法によって決まってしまうことや、このノマルスキ
ー・プリズム14と対物レンズ15及び超高速電子集積
回路16との相互の位置関係を、三光束のビーム径を保
ったまま移動させなくてはならず、これは、容易な作業
ではなく困難な課題であった。この課題を回避するため
には、被測定対象の超高速電子集積回路16のアクティ
ブ領域16aの近傍には、いつも都合良くパッシブ領域
16bを存在させるように、超高速電子集積回路16を
予め設計しておく必要があるという問題点があった。さ
らに、この構成では超高速電子集積回路16の裏面から
三光束を照射するので、照射箇所が適当となるように調
整することについても技術的な問題があった。
さらに、従来提案されてきた光サンプリング方法及びプ
ラズマ・プローブ法に共通する重要な欠点は、これらの
方法では光を超高速電子集積回路基板内または電気光学
結晶内で収束されたビームの形(例えばその径は1〜5
ミクロン程度である)で使用しているので、元来、光に
は二次元的な情報を一気に伝達できる能力があるにもか
かわらず、−時には超高速電子回路内の一点の情報しか
ΔPI定できないという問題点があった。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、被測定対象物上の
超高速電子回路の電気信号の遷移状況を、簡易な構成で
しかも非接触で、的確に測定でき、しかも二次元的な情
報をもJPI定できる汎用性の高い電気信号測定方法を
提供することにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、請求項(1)では、超高速で
動作する電子回路内の電気信号の遷移状況を、光を用い
て測定する電気信号測定方法において、光合分波手段に
光束を入射して二分割し、分割した光束のうち第1の光
束を超高速電子回路を備えた被測定対象物を含む周回光
路に左回りに周回させるとともに、第2の光束をこの周
回光路に右回りに周回させて、前記光合分波手段で干渉
させ、この干渉光を検出して、前記第1の光束の前記被
測定対象物への到達位置の光学的状態と、前記第2の光
束の前記被測定対象物への到達位置の光学的状態を比較
するようにした。
また、請求項(2)では、前記第1の光束と前記第2の
光束の被測定対象物への到達位置を異なるようにした。
また、請求項(3)では、前記第1の光束と前記第2の
光束の披測定対象物への到達位置を一致させ、かつ、第
1の光束と第2の光束の被fllll定対象物への到達
時間を異なるようにした。
(作 用) 以下、本発明方法の作用について、第4図の原理説明図
を参照しながら、詳細に説明する。
第4図において、20は光合分波手段、例えば半透鏡、
21は適当な反射率を有する被測定対象物(具体的には
、超高速電子回路の形成された基板)、22は適当な反
射率を有する参照物、例えば反射鏡、23は光検出器で
ある。第4図の構成においては、光りが半透鏡20に入
射すると三光束に分割され、一方の光(以下、測定光と
いう。)は被測定対象物21に向い、他の光(以下、参
照光という)は参照物22に向かう。被測定対象物21
及び参照物22で反射された測定光と参照先はそれぞれ
半透鏡20に戻り、合波されて光検出器23で検出され
るようになっている。この光の合波で、被測定対象物2
1から反射した測定光と参照物22から反射した参照光
が全く同一の振幅と位相を持っていれば光検出器23は
最大の強度の光を検出し、二つの光が同一の振幅で、か
つ全く逆の位相を持っていれば二つの光は波動として相
互に打ち消し合うので、光検出器23では光は全く検出
されないようになる。
さて、すでに従来技術としてプラズマ・プローブ法を説
明した時、超高速電子集積回路基板内に電子や正孔のキ
ャリアが存在すると、そのキャリア密度に応じて屈折率
が変化し、また屈折率に応じて光の伝搬速度が変化する
という現象を述べた。
このキャリアが基板表面に極く近接して存在すると、反
射率と屈折率の間には物理的に一定の関係が存在するの
で、超高速電子集積回路の基板表面の反射率がキャリア
密度の変化に応じて変化するという現象も発生すること
が判る。さらに、キャリア密度変化に基づく屈折率変化
に異方性があれば、反射時や通過時に光の偏光面が回転
する現象も発生する。
ここで、例えば、被測定対象物21の超高速電子集積回
路の基板表面近傍のキャリア密度がある値の状態を初期
値として、被測定対象物21と参照物22からの反射光
同士が相互に打ち消し合うように光学系を調整しておく
。次に、被測定対象物21の超高速電子集積回路を動作
させ表面近傍のキャリア密度を他の値に変化すると、被
測定対象物21から戻ってきた測定光の振幅が反射率の
変化に応じて変化するので、結局、測定光と参照光に振
幅差が生まれて光検出器23に光が検出されることにな
る。このようにして、被測定対象物21の電気信号の遷
移状況を測定することができる。より具体的には、例え
ば、超高速電子集積回路のアクティブ領域の電気信号の
時々刻々の遷移状況が非接触で測定できたことになるわ
けである。
また、特にここで述べた反射率変化を求める測定方法は
、すでに説明したように被測定対象物21と参照物22
の表面反射率だけを比較するように機能し、光がこれら
の物体の表面に照射された瞬間の光学的状態だけを比較
しているので、電気光学結晶を用いた光サンプリング方
法においては重要であった速度整合の問題は一切生じる
ことがない。
次に、上記被測定対象物21のβj定光が照射される面
と反対側、即ち、裏面に超高速電子集積回路が形成され
、測定光が一度被ΔII定対象物21の、例えば超高速
電子集積回路のアクティブ領域の内部を通過した後に、
表面に存在する金属膜によって反射されて戻っていく構
成を仮定する。この場合にも、ある状態で光検出器23
に光が全く検出されないように光学系を調整し、これを
初期値としておくと、その後の超高速電子集積回路内の
キャリア密度の変化に応じて光の伝搬速度が変化するの
で、被測定対象物21の厚さ方向に光が往復するのに必
要な時間が変化し、結局、反射して戻ってきた測定光の
位相が変化するようになる。これに基づいて、測定光と
参照光の、完全に打ち消し合う条件からのずれを光検出
器23で検出すれば、同様に電気信号の時々刻々の遷移
状況をalll定できることになる。
また、同様な測定法で光の偏光の状態の変化を測定する
構成について仮定する。このような構成の光学系に入射
する光がある偏光状態であったとし、■1定光と参照光
を干渉させた時に二つの光が同一の偏光状態であれば相
互に打ち消し合うように光学系を設定しておく。この時
、前述した同様の原理によってキャリア密度の変化に応
じて測定光の偏光の状態が変化すれば、打ち消し合い条
件から外れることになるので、光検出器23にはこの変
化分が検出されることになる。この測定方法では光検出
器23に偏光子を組み込んで偏光面回転検出器としてお
けば、さらに測定感度が向上することができる。
以上三種類の測定方法、即ち、測定光と参照光の間の振
幅差を検出する方法、位相差を検出する方法、偏光状態
の差を検出する方法のいずれも、信号の検出に当たって
は光の干渉現象を利用しており、この干渉を利用すると
いう意味では原理的に共通のnJ定方法である。
なお、第4図の構成においては、被測定対象物21及び
参照物22は空気の流れやその他様々な振幅によって相
互の位置関係を常に変化させているので、この振動が測
定の誤差となる恐れがある。
すなわち光りの波長の1/4だけ被測定対象物21また
は参照物22が振動すると、半透鏡20と被測定対象物
21の間を光が往復する距離、または半透鏡20と参照
物22の間を光が往復する距離が丁度光りの半波長方だ
けずれて、干渉光の振幅を最大から最小(ゼロ)にまで
変化させてしまうので、折角の測定が振動に基づく明暗
変化に隠蔽されてしまう恐れがある。また被測定対象物
21と参照物22が別の物体であると、両者の光学的特
性を一致させるように調整することは実際上困難で、特
に被測定対象物21の特性に合わせて測定の都度適当な
参照物22を準備するのでは極めて汎用性に劣ることに
なる。
そこで、請求項(1)のように、半透鏡20、波路を構
成することにより、これらの光学的構成要素が空気の流
れやその他様々な振動によって相互の位置関係を変化さ
せても、その変化に要する時間が光がリング状の光路を
周回するのに要する時間よりも長ければ、実質的に振動
の影響を受けることがなく、振動による測定誤差を排除
できる。
さらに、上記のように周回光路を構成し、請求項(2)
のように第1の光束と第2の光束の被測定対象物への到
達位置を異なるように、あるいは、請求項(3)のよう
に、第1及び第2の光束の到達位置を一致させ、かつ到
達時間を異なるようにすることにより、異なる到達位置
の一方の位置、あるいは到達時間の速い位置または遅い
位置の状態を参照物22の代わりとすることができ、測
定の都度、参照物を準備するという手間並びに困難な光
学的調整作業を省くことができる。
(実施例) 第1図は、本発明による電気信号測定方法を採用した測
定系の第1の実施例を示す概略構成図であって、原理説
明図である第4図と同一構成部分は同一符号をもって表
わす。即ち、2oは半透鏡(光合分波手段)、21は被
測定対象物、具体的には、シリコン系またはガリウムヒ
素糸等の超高速電子集積回路、23は光検出器、24.
25は反射鏡であり、これら半透鏡20、被測定対象物
21、反射鏡24.25により周回光路RDが構成され
ている。
即ち、図示しない光源からの光りが半透鏡2゜に入射し
て二分割され、分割された光束のうち、第1の光束LF
が図中、破線で示すような周回光路RDを左回りに周回
し、第2の光束RGが図中、細い実線で示す周回光路R
Dを右回りに周回し、これらの第1及び第2の光束LF
SRGが反射鏡24.25を介して被測定対象物21の
異なる位置A5位置Bに到達して反射され、この反射光
がそれぞれ反射鏡25.24を介して半透鏡2oに帰還
するように構成される。
この被測定対象物21への第1及び第2の光束LF、R
Gの到達位置A、Bの設定は、まず左回りの第1の光束
LFと右回りの第2の光束RGが被測定対象物21の同
一の位置Cに到達されるように光学系全体を調整する。
この調整が完了した時点での光りの通過する光路を第1
図中、太い実線で表現している。次に、光りの出射位置
を、この最初の調整位置から平行に移動する方法、ある
いは被測定対象物21をその厚さ方向に移動する方法に
より、光路を移動した後、第1の光束LFと第2の光束
RGが、半透鏡2oの同一位置に帰還して合波され、三
光束相互の干渉現象が発現するようになっており、この
干渉光が光検出器23にて検出される。
このように、本節1の実施例では、被測定対象物21の
位置Aにおける光学的な特性と位置Bにおける光学的な
特性との相違が左回り光と右回り光の干渉現象を用いて
検出器23で検出し、それによって位置Aにおける電気
信号の時々刻々の遷移状況と、位置Bにおける電気信号
の時々刻々の遷移状況の相違を測定するように動作する
。またこの測定に際しては、左回り光と右回り光の振幅
の相違、または位相の相違、あるいは偏光状態の相違を
検出するように機能させることに関しては、前述した第
4図に基づく原理的な作用説明と全く同一であり、その
詳細はここでは省略する。
また、本7fp+定方法では光りが例えば直径が50ミ
クロン程度以上であるようなビーム状をしていても、ビ
ーム内のそれぞれの位置でそれぞれに干渉現象が発生す
るので、光検出器23としてこのビーム状の干渉光を検
出できるように、例えばテレビカメラ等を用いていれば
、結局、被測定対象物21のキャリア密度の変化の二次
元的な情報を一気に測定できるようになる。そして仮に
被測定対象物21に超高速電子集積回路が形成され、そ
の回路では一つの電子素子がそれぞれ10ミクロン角の
面積で実現されているとすると、50ミクロンのビーム
径を持つ光で一気に情報を検出することによって、10
個以上の電子素子の動作状況を一時に測定でき、回路の
診断に有効な情報が得られるようになる。
ここで、位置Aは能動素子の存在するアクティブ領域で
あり、位置Bは能動素子の存在しないパッシブ領域であ
るというように光の到達位置を調整すれば、位置Bには
電気信号がないのでこの位置では光学的な特性が不変に
保たれ、位置Aの電気信号の時々刻々の遷移状況が測定
されるようになる。さらに具体的には、シリコン系やガ
リウムヒ素糸の超高速電子集積回路を被測定対象物21
とした場合、集積回路の中央部にはトランジスタやダイ
オード等の能動素子が数〜数十ミクロンおきに配置され
ているのでこの領域を位置Aとし、集積回路の外周部、
例えば集積回路基板を一つ一つのチップに分離・切断す
る時に切り代となるスクライブラインの付近を位置Bと
すれば良い。面的な情報検出に関しても、実際に集積回
路を製造する場合にはスクライブラインの幅は100ミ
クロン程度とすることが通常なので、このスクライブラ
インの付近に50ミクロン径程度に亘り能動素子の存在
しない領域を見出すことは極めて容易である。
このように、位置Aと位置Bを同一の集積回路の中央部
と外周部としても、位置Bが第4図に示した参照物22
の役割を果たし、位置Aが被測定対象物21そのものの
役割を果たすようにできるので、測定の都度適当な参照
物を準備するという煩しい手間が省ける。
さらに、左回りの第1の光束LFと右回りの第2の光束
RGとは共に半透鏡20、被1fllJ定対象物21、
および反射鏡24.25からなる同一のリング状の光路
を周回するので、これらの光学的構成要素が空気の流れ
やその他様々な振動によって相互の位置関係を変化させ
ても、その変化に要する時間が、光がリング状の光路を
周回するのに要する時間よりも長ければ、実質的に振動
の影響を受けることがなく、振動による測定誤差を排除
できるという著しい効果がある。実際、リング状の光路
の長さを30センチメートルとすれば、光はこの光路を
1ナノ秒で周回でき、一方、外部から加わる振動は一般
的に数百ヘルツ以下の、即ち、1ミリ秒以上の振動周期
を要するので、振動の影響を全く受ける恐れがない。
また、光りの光路を最初の調整からどの位平行移動させ
たか、または被lp1定対象物21を厚さ方向にどの位
移動させたかによって、被測定対象物21の位置Aと位
置Bの間隔が容易に調整できるので、三光束をアクティ
ブ領域とパッシブ領域とに到達できる様に調整すること
が、極めて容易となるという利点がある。
第5図は、本発明による電気信号測定方法を採用した測
定系の第2の実施例を示す概略構成図である。第2の実
施例と前記第1の実施例の異なる点は、被測定対象物2
1と反射鏡24との間に、さらに反射鏡26を配置して
周回光路RD’ を構成し、かつ、半透鏡20と被測定
対象物21間の光路において、反射鏡24.26を含む
光路と反射鏡25を含む光路とで光路長差を設けて、左
回りの第1の光束LFが半透鏡20を出発して反射鏡2
4及び26を通過し、被測定対象物21に到達するまで
に要する時間と、右回りの第2の光束RGが半透鏡20
を出発して反射鏡25を通過し、被測定対象物21に到
達するまでに要する時間に差をつけ、かつ、両周回光束
LF、RGが同一位置に到達するように構成されている
このような構成によれば、左回りの第1の光束LFが観
察した被測定対象物21の光学的な特性と右回りの第2
の光束RGが観察した被測定対象物21の光学的の特性
とは、光の到達位置が具体的に、例えば超高速電子集積
回路のアクティブ領域であって、かつ、この超高速電子
集積回路が実際に動作中であり上記時間差の間に何等か
の電気的状態の変化があるとすれば、異なるものになる
これら、被測定対象物21に到達後の各周回光束のうち
、左回りの第1の光束LFは右回りの第2の光束RGが
被7ipI定対象物21に到達される前に辿っていた光
路を、右回りの第2の光束RGは左回りの第1の光束L
Fが被測定対象物21に到達される前に辿っていた光路
を、それぞれ通過することになり、結局、半透鏡20に
は同時刻にこれら三光束LF、RGが帰還することにな
る。さらに、この位置で三光束LF、RGは干渉し、先
に述べた時間差の間の電気的状態の変化だけが、丁度、
時間微分をとったかのように測定されることになる。
即ち、前述したように、第4図に基づく原理的説明では
被測定対象物21と参照物という全く異なる物体を比較
し、第1の実施例では一つの物体の異なる位置の状態同
士を比較したが、本第2の実施例では、ある時刻の被測
定対象物21のある位置の状態と、別の時刻の被測定対
象物21の先と同じ位置の状態とを相互に比較する測定
を行なうことになっている。
ここで、具体的に被測定対象物21をシリコン系または
ガリウムヒ素糸等の超高速電子集積回路であるとし、右
回りと左回りの各光束LF、RGが照射される位置をト
ランジスタやダイオード等の能動素子のあるアクティブ
領域とすれば、このアクティブ領域での時々刻々の電気
信号の遷移状況が時間微分の形で検出されることになる
。そこで、次に時間微分を取った時に丁度微分の分母に
相当する(つまりd/d tのdtに相当する)、上記
時間差と光路長の差の関係について具体的に数値を求め
てみる。
実際には、被測定対象物である超高速電子集積回路の能
動素子の内、最も高速な素子は、およそ数ピコ秒で動作
するので、これよりもdtは小さい必要がある。そこで
、仮に時間差を1ピコ秒としてみると、光路長差は0.
3ミリメートルとなることがわかる。そして、この0.
3ミリメートルの光路長差は通常の光学系では容易に実
現できる距離差である。このように、本第2の実施例で
は被測定対象物21の、より具体的に超高速電子集積回
路の特定のアクティブ領域の、電気的状態の変化を、わ
ずか1ピコ秒の時間間隔で精緻に比較できるという優れ
た性能と現実性が明らかになった。
なお、この測定に際しては、左回りの第1の光束LFと
右回りの第2の光束RGの振幅の相違、または位相の相
違、あるいは偏光状態の相違を検出するように機能させ
ることに関しては、第4図に基づいた原理的説明と全く
同一である。また光りを適当な系を持つビーム状の光と
して、光検出器23がビーム状の干渉光を検出できるよ
うにしておけば、被測定対象物21の電気信号の遷移に
関する面的な情報を一時に検出できるということも全く
同一である。また、以上の説明からも明らかなように、
本第2の実施例では、被測定対象物21の同一の位置を
、ある時刻にはあたかも被測定対象物21として、別の
時刻にはあたがも参照物として用いるので、測定の都度
適当な参照物を準備するといった煩しい手間が省ける。
さらに左回り光と右回り光とは共に半透m20、被測定
対象物21、及び反射鏡24.25及び26からなる同
一のリング状の光路を周回するので、これらの光学的構
成要素が空気の流れやその能様々な振動によって相互の
位置関係を変化させても、その変化に要する時間が光が
リング状の光路を周回するのに要する時間よりも長けれ
ば、実質的に振動の影響を受けることがなく、振動によ
る測定誤差を排除できるという、第1の実施例と同様の
効果を得ることができる。
以上説明したように、第1の実施例では被測定対象物2
1の異なる位置の情報を比較し、第2の実施例では被測
定対象物21の異なる時刻の情報を比較するように、測
定系が構成されている。そして、第2の実施例において
さらに一枚反射鏡を追加すると、第1の実施例と全く同
一の機能を示すようにできる。その上にさらに反射鏡を
一枚追加すると、第2の実施例と全く同一の機能を示す
ようにできる。このように、反射鏡が偶数枚使用された
時には第1の実施例と、奇数枚使用された時には第2の
実施例と同一の機能を果たすので、本発明の精神を脱し
ない範囲で、類似の測定系を構成できることはいうまで
もない。
次に、前記第1及び第2の実施例で、光り及び光検出器
23には、どのような条件と性能が必要かについて説明
する。
第1に本発明方法は、光相互の干渉現象を利用している
ので、干渉性の良い光が必要であり、このためにレーザ
光の利用が推奨される。また、光の照射によって被測定
対象物21の内部にキャリアが励起されると、このキャ
リアによって被測定対象物21にある超高速電子回路が
誤動作する恐れがある。これを避けるためには、例えば
被測定対象物21が半導体である場合には、この半導体
のエネルギ・ギャップよりも小さなエネルギを持つ長波
長の光を利用することが好ましい。勿論、エネルギの大
きな短波長の光であっても、そのパワーが小さければ励
起されるキャリアの量が少なくて済むので、実質的に被
測定対象物21に悪影響を与えないように測定系を構成
することは十分に可能である。なお、この先りの波長に
関しては、特に、被測定対象物21の内部を光が通過す
るように構成した場合には、光が被測定対象物21で吸
収されてしまっては測定が不可能なので、被測定対象物
21に吸収されないような長波長光を利用する必要があ
る。
具体的には、シリコン系超高速電子集積回路の場合を例
にとると、シリコンのエネルギ・ギャップはおよそ1.
21電子ボルトであり、この値は波長に換算するとおよ
そ1ミクロンとなる。また、ガリウムヒ素糸の超高速電
子集積回路の場合には、ガリウムヒ素のエネルギ・ギャ
ップはおよそ1.45電子ボルトであり、この値は波長
に換算するとおよそ0.85ミクロンとなる。そこで両
生導体超高速電子集積回路の場合には、例えば1.a 
ミクロンや1.5ミクロン帯の半導体レーザの光を利用
すればキャリア励起が避けられ、この 1.3ミクロン
や1.5 ミクロンの半導体レーザは光通信技術で一般
に利用されている光源であるので、簡単に入手可能で、
この光波長によっても本発明方法が現実的であることが
明らかである。
次に、光りを常に一定の光量の連続光とした場合につい
て、光検出器23の条件について説明する。このように
すると、光検出器23には、被測定対象物21の超高速
電子回路の電気的状態の時々刻々の変化に基づき変動す
る干渉光が、時々刻々、連続的に入射するようになる。
そこで、被測定対象物21のある一点の情報を連続的に
検出しようとした場合には、例えば周波数帯域が20ギ
ガヘルツで、即ち応答速度が20ピコ秒程度の、かつ波
長が1.3 ミクロンや1.5ミクロンの光を検出でき
る、光通信用の超高速光検出器を使用することができる
一方、光りを適当な径を持つビーム状の光として、被測
定対象物21の面的な情報を一度に検出しようとした場
合には、新たな困難が発生する。
即ち、二次元的な情報検出の可能な光検出器では、具体
的には、赤外線テレビカメラでは、面的な情報を画面と
して次々と更新して表示するには、画面当たり数マイク
ロ秒、あるいは数十マイクロ秒以上と、超高速電子回路
の動作速度に比較して極めて長時間を要するということ
に基づく問題である。
そこで、ここに指摘した光検出器の応答速度限界に起因
する問題を解決するために光りを光パルス列とした光サ
ンプリング方法が採用でき、これについて以下に説明す
る。
まず、光サンプリング方法の概要を簡単に説明する。こ
の方法は被測定対象物21に光パルス列をストロボ状に
照射して、ストロボが光った時の情報だけを検出しよう
というものである。写真を撮ろうとしてストロボを点灯
すると、人間の網膜の応答速度が極めて遅いために人間
の目にはある程度の時間だけ残像が残る。同様に光パル
スを用いた光サンプリング方法でも、光検出器23の応
答速度を相対的に遅くして、丁度残像のように光パルス
が消えた後も情報が残存するようにしておけば、後でそ
れをゆっくり検出することが出来る。
即ち、この光サンプリング方法では、超高速電子回路よ
りもずっと遅い応答速度の光検出器であっても、超高速
電子回路の電気信号の遷移状況が測定できる。特に、面
的に情報検出を考えた場合には、図面の更新速度が超高
速電子回路よりも極めて遅い二次元情報光検出器によっ
てでも、超高速電子回路の電気的状態の遷移の二次元的
な+111定が実現できることになる。
実際、二つの周波数の異なる信号を足しあわせると、ビ
ート信号が発生することは良く知られているが、光サン
プリング方法も、このビート信号の周波数でゆっくり情
報を測定しようとするものである。厳密な表現をすると
、被測定対象物21上の超高速電子回路が周波数f1て
繰返し動作していた時には、光パルスを周波数f2で発
生し、また光検出器23の利得周波数帯域及び画面更新
の繰返し周波数を、Nを適当な整数として、△f” f
  −N ’ f 2程度であるようにしておけば(こ
の△fがビート信号の周波数に相当する)、この光検出
器23によって、超高速電子回路の動作状況が、1IP
j定されるようになる。
具体的には超高速電子回路を、1000メガヘルツ(1
ギガヘルツ)で動作させておき、一方、光パルスを99
メガヘルツで発生すれば、N−10として、帯域10メ
ガヘルツの光検出器23で測定が実行できることになっ
て、これであれば、高速仕様の赤外線テレビカメラで十
分に対応できる速度である。なおこの説明で、通常は△
f−f  −f、、で表すビート信号の周波数に整数の
係数Nを導入しているのは、被測定対象物21上の超高
速電子回路の繰返し動作をN回に一回だけ測定し、残り
のN−1回は測定を行なわないということを意味するも
のである。
ところで、光サンプリング方法では超高速電子回路が繰
返し動作している時に、繰返し現象の開始時刻を適当に
定めて時刻ゼロとした場合に、ある光パルスが照射され
た時には時刻tの電気的状態を検出し、次に光パルスが
照射された時には時刻[t+N−T  +Δt] (た
だしT、  −1/f1)の電気的状態を検出するとい
うようにして、長時間をかけて繰返しの全時間範囲の情
報を検出している。ところが超高速電子回路を駆動して
いる電気的な信号の繰返し周波数が定められたflから
揺らいだり、または光パルスの発生周波数が定められた
f2から揺らいだり、または周波数は保たれても電気信
号や光パルスの発生タイミングが発生の都度揺らいだり
すれば、時刻[t+N−71+△t]の測定結果である
はずの情報が、実は時刻[t+N−T1+ △ t +
tERROR]の情報であるというような現象が発生し
、測定時刻のタイミングに誤差が生じてしまう。
そこでこの問題点の解決法について次に説明する。
上記問題点の第1の解決法は、周波数f1と周波数f2
の揺らぎ同志相互に関係を持たせることである。即ち、
例えば周波数シンセサイザaを準備してそれを周波数f
1で動作させ、これを電気的信号として超高速電子回路
に供給すると共に、この周波数シンセサイザaの内部基
準周波数を別の周波数シンセサイザbに外部基準周波数
として入力して周波数f2で発振させ、この周波数f2
の信号を光パルス発生源にトリガとして入力すれば、周
波数シンセサイザの能力の範囲内で二つの周波数の間に
相互関係が生まれるように構成できるという方法である
。なお、二つの周波数シンセサイザを片方をマスク、他
方をスレーブとして機能させる技術はすでに一般的に確
立された技術であり、本解決法は極めて現実的である。
上記問題点の第二の解決法は、共通の周波数で超高速電
子回路と光パルス発生源を駆動するという方法である。
この時には、電気的状態の測定タイミングを光検出器2
3が応答でき、画面が更新できる速度でゆっくり、時間
間隔△tずつ徐々に変化させていく必要がある。この要
求に応えるには、まず、光パルス発生源からの光パルス
を光学的可変遅延線で徐々にずらしていく方法が採用で
きる。また等価な方法として超高速電子回路の起動を適
当なトリガ信号で制御するようにして、このトリガ信号
の印加タイミングを電気的可変遅延線によってずらして
いく方法も採用できる。ここに述べた光学的可変遅延線
の現実性について吟味すると、時間間隔を最大100ピ
コ秒までずらそうとすると、この100ピコ秒の間に光
はわずかに30ミリメートル進むだけであるから、通常
の光学部品を組合せれば、この光学的可変遅延線が容易
に構成できるものであることは明らかである。
さらに、ここに提案した第二の解決法である光学的また
は電気的可変遅延線利用の三方法の折衷的な方法として
、被測定対象物21上の超高速電子回路内に光伝導スイ
ッチ素子を組み込む方法が提案できる。すなわち光パル
スが第1または第2の実施例で説明してきた測定系に入
射する前に、この光パルスを新たに装備した半透鏡で二
分割し、第1の光パルスは上記光伝導スイッチ素子に照
射して光伝導状態に遷移させ、この遷移によって超高速
電子回路を起動させるようにする。同時に、第2の光パ
ルスを適当な光学的可変遅延線を通過させた後、前記第
1の実施例または第2の実施例における光りとして供給
する。このように系を構成すれば、光伝導スイッチ素子
への光パルスの照射タイミングと、第1または第2の実
施例で示した?#1定系への光パルスの供給タイミング
とは、光学的可変遅延線のジッタの範囲内で制御できる
ので、この方法が最も揺らぎの小さい方法である。
以上説明したように前記第1及び第2の実施例において
、光りを光パルスとして供給する光サンプリング方法と
して本発明の構成を利用すれば、現実的な利得周波数帯
域と画面更新周波数を持つ二次元的な光検出器を用いて
、超高速電子回路の動作状況を面的に検出できるという
大きな効果が生まれることが明らかである。そしてこの
光サンプリング方法が、−点の情報だけを検出する場合
にも全く同様に適用できることは、明らかである。
(発明の効果) 以上説明したように、請求項(1)によれば、超高速で
動作する電子回路内の電気信号の遷移状況を、光を用い
て?#j定する電気信号測定方法において、光合分波手
段に光束を入射して二分割し、分割した光束のうち第1
の光束を超高速電子回路を備えた被測定対象物を含む周
回光路に左回りに周回させるとともに、第2の光束をこ
の周回光路に右回りに周回させて、前記光合分波手段で
干渉させ、この干渉光を検出して、前記第1の光束の前
記披I91定対象物への到達位置の光学的状態と、前記
第2の光束の前記被測定対象物への到達位置の光学的状
態を比較するようにしたので、簡易な構成で被測定対象
物上の超高速電子回路の電気信号の時々刻々の遷移状況
を非接触で、しかも面的な情報として一時にnl定する
ことができ、かつ、汎用性に優れている。
また、左回りの第1の光束と右回りの第2の光束は同一
のリング状の光路を周回するので、光学的構成要素が空
気の流れやその能様々な振動によって相互の位置関係を
変化させても、実質的に振動の影響を受けることがなく
、振動による測定誤差を排除できる。
また、請求項(2)または請求項(3)によれば、請求
項(1)の効果に加えて、測定の都度、参照物を準備す
るという煩しい手間を省くことができ、さらに汎用性に
優れている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による電気信号allJll法定採用し
た測定系の第1の実施例を示す概略構成図、第2図は電
気光学結晶を用いる光サンプリング方法の説明図、第3
図はプラズマ・プローブ法の説明図、第4図は本発明に
係る原理説明図、第5図は本発明による電気信号測定方
法を採用した計j定系の第2の実施例を示す概略構成図
、である。 図中、20・・・半透鏡(光合分波手段)、21・・・
被測定対象物、23・・・光検出器、24,25.26
・・・反射鏡。 特許出願人  日本電信電話株式会社

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)超高速で動作する電子回路内の電気信号の遷移状
    況を、光を用いて測定する電気信号測定方法において、 光合分波手段に光束を入射して二分割し、分割した光束
    のうち第1の光束を超高速電子回路を備えた被測定対象
    物を含む周回光路に左回りに周回させるとともに、第2
    の光束をこの周回光路に右回りに周回させて、前記光合
    分波手段で干渉させ、この干渉光を検出して、前記第1
    の光束の前記被測定対象物への到達位置の光学的状態と
    、前記第2の光束の前記被測定対象物への到達位置の光
    学的状態を比較するようにした ことを特徴とする電気信号測定方法。
  2. (2)前記第1の光束と前記第2の光束の被測定対象物
    への到達位置を異なるようにした請求項(1)記載の電
    気信号測定方法。
  3. (3)前記第1の光束と前記第2の光束の被測定対象物
    への到達位置を一致させ、かつ、第1の光束と第2の光
    束の被測定対象物への到達時間を異なるようにした請求
    項(1)記載の電気信号測定方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010064068A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Semes Co Ltd 気液分離装置及びこれを含む基板処理装置
US8187370B2 (en) 2006-07-13 2012-05-29 Shi-Apd Cryogenics, Inc. Horizontal bulk oil separator

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