JPH0212032Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、作業者により加工完了したワークを
加工装置から搬送コンベヤ線上まで搬出させると
ともに、新たなワークを加工装置へ搬入させる装
置に係わり、特に搬送コンベヤから離れた加工装
置へ作業者が容易に接近できるワーク搬出入装置
に関する。

従来技術 従来、ローラコンベヤ等により加工装置の搬出
入位置へ搬送されてきたワークを、加工装置とは
反対側の手前側より、作業者がローラコンベヤか
ら持ち上げて加工装置へ搬入し、加工後再び加工
装置からワークをコンベヤ上に戻し、次の加工段
階へ搬送させるという作業が行われていた。

しかしながら、コンベヤの幅が狭いものであれ
ば余り問題はないが、大型ワーク用の幅の広いコ
ンベヤの場合、コンベヤ上からワークを加工装置
に搬入する際、ワークの移動ストロークが長く、
作業者は非常に不安定で困難な作業姿勢をとらな
ければならなかつた。このために、加工装置の所
定位置にワークを正確に搬入できなかつたり、ま
た誤つてワークを加工装置手前に落としてしまう
などのおそれがあり、作業上解決しなければなら
ない問題点を有していた。

考案の目的およびその解決手段 したがつて、本考案の目的は、搬送コンベヤ上
から加工装置へのワークの搬出入作業を、作業者
が無理な姿勢をとることなく、容易にかつ安全に
行なえるワーク搬出入装置を提供することであ
る。

そこで本考案は、加工装置への搬出入位置に対
応する位置に複数本の搬送ローラを加工装置に向
つて進退移動可能な可動枠に支持させ、ワークの
搬出入時に搬送ローラごと加工装置に向つて進退
移動できるようにしたものである。

考案の構成 以下、本考案の構成を一実施例を示して具体的
に説明する。

第１図ないし第３図において、１は可動コンベ
アで、フリー回転する搬送ローラ２を搬送方向に
複数本等間隔に並設してなるコンベアの一部分を
形成している。この可動コンベヤ１の一側方には
加工装置３が設置され、この可動コンベヤ１上に
搬送されてたワークＷを加工装置３とは反対側の
手前側の作業者の手によつて加工装置３へ搬入す
るとともに、加工後再びワークをコンベヤ上へ戻
し次の加工段階へと搬送させる手動搬送に用いら
れる。

すなわち、上記可動コンベヤ１は加工装置３へ
のワークＷの搬出入位置に対応し、このコンベヤ
１を構成する複数本の搬送ローラ２は、コンベヤ
ライン方向の前後から切り離されたローラ支持枠
４，５にそれぞれ回転自在に支持されている。以
下、作業者側からみて手前側を前方とし、コンベ
ヤ１の反対側の加工装置３側を後方と称して説明
する。

第３図に示すように、上記ローラ支持枠４，５
は、前後一対のプレート９，１０によつてたがい
に一体的に結合された左右一対の可動枠６，７
に、それぞれ固着されている。可動枠６，７の一
側部前面には、ハンドル８が固定されている。プ
レート９と１０には軸孔９ａ，１０ａが形成され
ている。そして、この軸孔９ａ，１０ａにはスラ
イド軸１１，１２の両端が挿入されている。

右側のスライド軸１２は、第３図に示すよう
に、前端をプレート９の軸孔９ａに固着されてい
る。

また、左側のスライド軸１１は、第４図に示す
ように、各軸孔９ａ，１０ａのブツシユを介して
回動自在に嵌合され、かつ両プレート９，１０の
内側面とそれぞれ衝合する前後位置にロツク手段
を構成するロツク板１３，１４が固着され、可動
枠６に対し回動自在に支持されている。上記両ロ
ツク板１３，１４にはそれぞれ同一角度方向に突
出したロツク爪１３ａ，１４ａを形成している。
また、このスライド軸１１の前端部には上記ロツ
ク手段を構成する操作レバー１５が固定され、こ
のレバー装置によつてスライド軸１１の上記ロツ
ク板１３，１４が同時に回動されるようになつて
いる。そして、左側の可動枠６前面には第５図に
示すように表示盤１６が設けられており、ここに
上記ロツク操作レバー１５のロツクおよびアンロ
ツク方向が表示されている。

次に、１７は上記コンベヤ１の支持台で、後方
に位置する加工装置３の基台前面部にねじ１８に
よつて固定されている。この支持台１７の上部に
は、支承部１９が形成され、この支承部１９には
上記スライド軸１１，１２をそれぞれ水平に支持
しかつ前後方向に摺動案内する左右一対の軸受２
０，２１が形成されている。

また、左側の軸受２０の前後位置における支承
部１９には、上記ロツク板１３，１４のロツク爪
１３ａ，１４ａと係合可能な上記ロツク手段を構
成するロツク溝２２，２３が凹設されている。す
なわち、上記可動枠６，７に支持された搬送ロー
ラ２が搬送時の原位置に復帰されたとき、後方の
ロツク爪１４ａが後方のロツク溝２３に係合し、
一方上記搬送ローラ２が加工装置３に対し搬入位
置に接近されたとき、前方のロツク爪１３ａが前
方のロツク溝２２に係合するように位置決めさ
れ、各位置で操作レバー１５をロツク方向に回動
させることによりロツク板１３または１４が支承
部１９にロツクされるようになつている。

また、後方のプレート１０には軸２５が前方へ
突出され、この軸２５の先端部にドツク２６が螺
着結合されている。そして、上記コンベヤ１が後
方位置から原位置に復帰したとき、上記支持台１
７に取付けられたコンベヤ原位置検知用のリミツ
トスイツチ２７を上記ドツク２６が付勢する。

なお、２８は上記コンベヤ１の外枠で、２９，
３０は側部ガイドである。

さらに、第６図および第７図に示すように、コ
ンベヤ１の後部搬出口にワークＷを案内支持する
一対のローラ３１，３２が設けられ、またその中
間位置で、可動枠６，７に固定された軸３３に
は、ワーク落下防止用の突出部材としてのストツ
パ３４が揺動自在に取付けられている。このスト
ツパ３４は、上端部にローラ２から突出した係止
突部３４ａを有し、コンベヤ１が原位置にあると
きはワークＷの移動を阻止する。すなわち、搬送
ローラ２上のワークＷを後方へスライドさせた場
合にワークＷを受け止め、コンベヤ１からの落下
を防止するものである。このストツパ３４は常時
ウエイトバランスで直立静止され、加工装置３へ
のワークＷの搬入時には、加工装置３側から前方
へ突出した解除ピン３５がストツパ３４を第７図
二点鎖線で示すように揺動させるため、係止突部
３４ａがローラ上面から引込まれる。また、３６
は上記ストツパ３４の回動規制用のストツパーで
ある。

考案の作用 次に作用を説明する。

コンベヤに沿つてワークＷが加工装置３への搬
出入位置に対応する可動コンベヤ１上に搬送され
ると、この位置で作業者は操作レバー１５をアン
ロツク方向に解除する。これにより、左側のスラ
イド軸１１が回動され、後方のロツク板１４ａが
ロツク溝２３を離脱しロツクが解除される。そし
て、ハンドル８をもつて可動コンベヤ１全体を後
方へ押すと、両スライド軸１１，１２は支承部１
９の軸受２０，２１を摺動しコンベヤ１を加工装
置３に向つて進出させる。この勢いによつてワー
クＷがコンベヤ１上を滑つて後方へ移動しても、
ロツク片３４の係止突部３４ａによりコンベヤ１
上からの落下が阻止されている。そして、スライ
ド軸１１の前方のロツク板１３が支承部１９前端
面に当接すると、コンベヤ１は進出位置に位置決
めされ停止する。この位置で、操作レバー１５を
ロツク方向に操作することにより、ロツク板１３
のロツク爪１３ａがロツク溝２２に係合し施錠さ
れる。このとき、加工装置３側の解除ピン３５が
ストツパ３４を作動し、ワークＷの搬出口を解放
する。

第８図で示すように、この可動コンベヤ１の進
出移動によつてコンベヤラインが切り離されこの
位置で作業者が入り込める作業空間Ｓが形成さ
れ、作業者と加工装置３との距離が接近される。
この位置で、作業者はワークＷを搬送ローラ２上
から加工装置３の搬入口へ押し込むことで、ワー
クＷは容易に加工装置３に搬入される。すなわ
ち、コンベヤ１の進出ストローク分だけ作業者に
よるワークＷの加工装置への押出しストロークが
短縮されるため、作業者は不安定な姿勢をとるこ
となく容易に搬入作業が行なえる。

ワークＷの搬入を終了したら、再びアンロツク
し、ハンドル８にてコンベヤ１を手前に引き戻し
搬送時の原位置にロツクしておく。こうしておく
ことにより、作業者が誤つてコンベヤ１に寄りか
かつても、コンベヤ１が急にスライドするような
ことがなく事故の発生を防止でき、作業上の安全
が図られる。

また、このとき、ドツク２６がリミツトスイツ
チ２７を付勢しコンベヤ１の原位置を検知する。
そうして、加工装置３内でワークＷの加工が終了
すると、作業者は原位置でのコンベヤ１をアンロ
ツクしてスライドさせ、再び進出位置にロツクす
る。この状態で加工装置３からワークＷをコンベ
ヤ１上に引き込んで、搬送ローラ２上に載せ、ハ
ンドル８によりコンベヤ１を手前側に引き戻す。
このとき、ストツパ３４は解除ピン３５から解放
されて直立状態に復帰し、係止突部３４ａがコン
ベヤ１面より突出される。これにより、搬出口か
らのワークＷの落下が防止される。

そして、コンベヤ１を原位置に戻しロツクす
る。このときリミツトスイツチ２７によりコンベ
ヤ１へのワークＷの搬出完了が検知される。

こうして、コンベヤ１を左右の搬送線上に連結
し、ワークＷを次の加工装置３へ搬送させる。

考案の効果 以上のように、本願考案によれば、複数本の自
由回転可能な搬送ローラからなるコンベヤに沿つ
て、コンベヤ一側方に設置された加工装置に対す
るワーク搬出入位置に搬送されてきたワークを、
手動により加工装置側へ搬出し、加工後再びコン
ベヤ上に戻すためのワーク搬出入装置において、
コンベヤ上の上記ワーク搬出入位置でこのコンベ
ヤの一部を構成する複数本の自由回転可能な搬送
ローラを有する可動枠を、コンベヤによるワーク
搬送方向と直交する方向に進退自在に設けるとと
もに、この可動枠をコンベヤと連結する原位置か
ら加工装置側の進出位置に進出させたときコンベ
ヤが切り離されその位置で作業者が入り込める作
業空間を形成するようにし、また上記可動枠を原
位置と進出位置の２位置でそれぞれロツクするロ
ツク手段を設け、さらに上記可動枠には手動にて
可動枠を移動させるためのハンドルを設けるとと
もに、可動枠の加工装置側の端部にワーク落下防
止用の突出部材を出没自在に支持したので、以下
のような顕著な効果を奏するものである。

(a) コンベヤの一部を構成する複数の自由回転可
能な搬送ローラを有する可動枠を進退移動させ
ることでワークを加工装置に対し搬出入するよ
うにしているので、コンベヤとは別の全く新し
い搬送手段を設けるような必要もなく安価にで
きかつ構成が簡単でコンパクトにできる。

(b) 加工装置へのワーク搬入時、ワークを載せて
搬送ローラごと加工装置に向かつて進出移動さ
せることができ、その進出ストローク分作業者
が入り込める作業空間が確保されるため、作業
者が加工装置に接近することができ、加工装置
へのワークの搬入および搬送ローラ上へのワー
クの戻し作業或は加工位置での各種作業が無理
な姿勢をとることなく非常に容易にかつ安全に
行なえる。

(c) 可動枠の進出位置においても搬送時の原位置
においても可動枠をロツクできるので、作業者
が誤つて装置に寄りかかり或は衝突しても可動
枠はロツクされているので突然動くことがなく
安全である。

(d) ワークの搬送時或は可動枠の進退移動時にワ
ークが搬送ローラ上を滑つて装置より落下する
という事故が防止され、確実かつ安全にワーク
の移動および搬送が行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の搬出入装置の一実施例を示す
平面図、第２図は第１図Ａ−Ａ矢視の断面図、第
３図は一部を切欠いた側面図、第４図は第２図Ｂ
−Ｂ矢視要部の断面図、第５図は操作レバーの表
示板を示す正面図、第６図は第１図Ｃ−Ｃ矢視の
断面図、第７図は第６図Ｄ−Ｄ矢視の断面図、第
８図は可動コンベヤの進出により形成される作業
空間を示す図である。 ２……搬送ローラ、３……加工装置、６，７…
…可動枠、８……ハンドル、１３，１４……ロツ
ク手段を構成するロツク板、１５……ロツク手段
を構成する操作レバー、２２，２３……ロツク手
段を構成するロツク溝、３４……突出部材として
のロツク片、Ｓ……作業空間、Ｗ……ワーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数本の自由回転可能な搬送ローラからなるコ
   ンベヤに沿つて、コンベヤ一側方に設置された加
   工装置に対するワーク搬出入位置に搬送されてき
   たワークを、手動により加工装置側へ搬出し、加
   工後再びコンベヤ上に戻すためのワーク搬出入装
   置において、コンベヤ上の上記ワーク搬出入位置
   でこのコンベヤの一部を構成する複数本の自由回
   転可能な搬送ローラを有する可動枠を、コンベヤ
   によるワーク搬送方向と直交する方向に進退自在
   に設けるとともに、この可動枠をコンベヤと連結
   する原位置から加工装置側の進出位置に進出させ
   たときコンベヤが切り離されその位置で作業者が
   入り込める作業空間を形成するようにし、また上
   記可動枠を原位置と進出位置の２位置でそれぞれ
   ロツクするロツク手段を設け、さらに上記可動枠
   には手動にて可動枠を移動させるためのハンドル
   を設けるとともに、可動枠の加工装置側の端部に
   ワーク落下防止用の突出部材を出没自在に支持し
   たことを特徴とするワーク搬出入装置。