JPH0212018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、板材位置決め装置に関わり、更に詳
細には、シヤリングマシン，ベンデイングマシン
などの板材加工機の加工線に対して、板材の供給
方向の１辺を正確に方向づけする板材位置決め装
置に関するものである。

従来の上記目的の装置は、加工線に直角な角度
を保つ直角定規に対して、板材を押しつける押圧
装置が使われていたが、単に直角定規に平行な面
で板材を押すものであつたために、板材の加工線
に対する供給両側が平行でない場合には、押圧装
置の辺と一致させられるが、直角定規に密接させ
られない場合があり、板材が薄い時は、板材が押
圧によつて撓むなどの問題があつたのである。

本考案は上記不都合を克服すべくなされたもの
で、以下に図面にもとづいて好適実施例を詳細に
説明する。

第１図は、シヤリングマシンの正面図を例示し
たもので、第２図は平方図、第３図は側面図であ
る。例示したシヤリングマシン１は、機枠前方に
下刃３を固定しかつ板材の案内路をなすテーブル
５を備え、機枠の上方には下刃３に対応した位置
に、電動機１１に駆動される偏芯盤１３を経てリ
ンク１５により上下に駆動されるラム１７が図示
を省略したガイド溝とギブとによつて規制案内さ
れていて、該ラムの下端に上刃１９が固定され、
前記した下刃３との間で板材を切断する板材切断
機である。

上記のシアリングマシン１に対し、板材はテー
ブル５に乗せられ、直流可逆転電動機２１によつ
て第２図に見られるように、一旦軸２３によつて
左側に回転が伝えられ、更にテーブル５のある前
方に伝えられて回転する送材ローラ２５に送られ
て上下刃の間を通り、第３図に見られるマグネツ
トレール２７に吸着浮上された状態でベルトコン
ベヤ２８によつて移送され、バツクゲージ２９に
当接し、マイクロスイツチ３１の信号で切断が行
はれる。切断された板材はマグネツトレール２７
の解磁によりシユート３３上に落下し、シユート
上を滑つてシヤリングマシン１の後方に排出され
るものである。

上記のように板材を切断するにあたり、供給さ
れる板材を加工線に対して直角の角度を維持する
直角定規３５に押しつける押圧装置をなすのは板
材位置決め装置３７である。

前記テーブル５の前側立上り前板３９のＴ溝４１
に板材位置決め装置３７全体を支承した移動位置
調節自在及び固定自在なブラケツト４３を設け
る。該ブラケツト４３はハンドル４５を操作して
Ｔ溝４１にそつて左右に移動位置決め自在であ
る。

第４図において板材位置決め装置は左端に流体
圧シリンダ４７を備え、そのピストンロツド４９
は、ブラケツト４３の上面に案内されて左右に摺
動移動自在である。ピストンロツド４９の先端に
は、直角定規３５に平行な位置決め基体５１がと
りつけてあり、該基体の下に底板５３が設けてあ
る。

底板５３には数個所に、第５図に示すローラ５
５が底板を貫いて下方に突出して設けられてい
て、片持ち状態の位置決め基体５１が水平姿勢を
保つようにテーブル面上を自由に回転して案内す
る。

底板５３の直角定規側には押圧部材をなす押圧
ローラ５７を保持しかつ遊動部をなすところのロ
ーラ基体５９が、複数のボルト６１によつて位置
決め基体５１と結合されて設けられている。第７
図に明らかなように、位置決め基体５１と、ロー
ラ基体５９とは、共に相対する面にばね受座６３
を備えていて、圧縮スプリング６５の両端を保持
している。

従つて流体圧シリンダ４７を作動して、ローラ
基体５９を直角定規３５に向つて接近させると、
両者の間に板材の両側辺を挟み、ローラ基体５９
は位置決め基体５１との間に圧縮スプリング６５
を介在させているから、板材の左右両辺が平行で
なくてもその傾斜に順応してローラ基体５９は角
度を変える自律作用を備えている。又ローラ基体
５９はその長さ方向の全長にわたつて板材の端辺
と接するから仮りに板材が薄い場合でも、板材に
撓みを与えるおそれはないのである。

なお板材位置決め装置３７をハンドル４５を操
作して、テーブル５の立上り前板３９に設けられ
たＴ溝４１の中で直角定規３５に対して移動し固
定する時に、前記したローラ基体５９の第２図で
の右端辺と直角定規３５の左端辺との間が一応予
定された供給板巾寸法になるので、この寸法によ
つて図示を省略してあるリミツトスイツチが作動
して、第１図に示す機枠上方正面の電光表示器の
下段の複数の表示器６７が使用するバツクゲージ
２９のセンサーとしてのリミツトスイツチを電光
表示し、同時に上記電光表示器の上段の複数の表
示器６９は、使用するマグネツトレールを電光表
示するように構成されている。

例えばローラ基体５９を第２図の位置に設定し
た場合は、マグネツトレール２７もバツクゲージ
のリミツトスイツチ３１も、全部で何れも８セツ
ト設けられているが右端から６セツト分だけは電
光表示がなされており、左端の２セツト分は消燈
されているのである。

以上のごとき実施例の説明より理解されるよう
に、要するに本考案の要旨は、板材加工機のテー
ブルの一側部に、加工機の加工線に対して直交す
る方向に延伸した直角定規を装着して設け、テー
ブルの他側部に装着したブラケツトを前記直角定
規に対し接近離反する方向へ位置調節自在に設
け、このブラケツトに支承された位置決め基体を
直角定規に対して接近離反する方向へ移動自在に
設けると共に位置決め基体を往復動するための作
動装置を設け、前記テーブル上に板材を前記直角
定規へ押圧するための押圧部材を直角定規と平行
状に延伸して設けると共に位置決め基体に支承し
て設け、上記押圧部材を直角定規に対して接近離
反する方向へ移動自在かつ傾斜自在に設けると共
に直角定規方向へ付勢して設けてなるものである
から、テーブル上の板材の一側辺を直角定規に押
圧して、加工機の加工線に対して直角に設定でき
るものである。この際、板材の他側辺が直角定規
に対して傾斜した態様であつて平行でない場合で
あつても、押圧部材は板材の他側辺の傾斜に対応
して傾斜し、板材の一側辺を直角定規へ正確に当
接できるものである。また、板材が薄板の場合に
は、板材の一側辺が直角定規に当接した後に位置
決め基体がさらに押進されても、押圧部材は停止
して、位置決め基体に対して相対的に移動する態
様となつて板材を無理に撓ませて変形せしめるよ
うなことがない。さらに、板材の幅が種々に変る
場合であつても極めて容易に対応することができ
るものである。

なお、本考案は前述の実施例のみに限るもので
はなく、適宜の変更を行なうことにより、その他
の態様でも実施可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、シヤリングマシンの正面図、第２図
は、同平面図、第３図は、同側面図であり、第４
図は、板材位置決め装置の正面図、第５図は、第
２図の−断面矢視図、第６図は、第２図の
−断面矢視図、第７図は、第２図の−断面
矢視図である。 図面の主要部分を表わす符号の説明、１……シ
ヤリングマシン、３５……直角定規、３７……板
材位置決め装置、４７……流体圧シリンダ、５１
……位置決め基体、５３……底板、５７……押圧
ローラ、５９……ローラ基体、６５……圧縮スプ
リング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板材加工機のテーブル５の一側部に、加工機の
   加工線に対して直交する方向に延伸した直角定規
   ３５を装着して設け、テーブル５の他側部に装着
   したブラケツト４３を前記直角定規３５に対し接
   近離反する方向へ位置調節自在に設け、このブラ
   ケツト４３に支承された位置決め基体５１を直角
   定規３５に対し接近離反する方向へ移動自在に設
   けると共に位置決め基体５１を往復動するための
   作動装置を設け、前記テーブル５上に板材を前記
   直角定規３５へ押圧するための押圧部材を直角定
   規３５と平行状に延伸して設けると共に位置決め
   基体５１に支承して設け、上記押圧部材を直角定
   規３５に対して接近離反する方向へ移動自在かつ
   傾斜自在に設けると共に直角定規３５方向へ付勢
   して設けたことを特徴とする板材位置決め装置。