JPH021091Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は座席、殊に自動車座席等に載置して使
用する通気性クツシヨンに関する。

従来、斯種自動車座席等に載置する通気性クツ
シヨンは、通常はメツシユ状上、下シート間にパ
ームと称するヤシ、シユロ植物の乾燥繊維束を介
装した構造のもの、或いはメツシユ状上、下シー
ト間に断面円形の木綿芯ロープを複数本、間隔を
存して並列状に介装縫着した構造のものがある。

ところが、いずれのクツシヨンも通気性の目的
はある程度達成し得る反面、前者では、クツシヨ
ンとして不可欠な弾力性に乏しく、また、後者で
は適度の弾性と芯材ボリユーム感を得るに極太径
の木綿芯ロープが使用されており、該ロープの縫
着作業が手間である許りでなく製品原価高騰の一
因となる不利があつた。

このため最近、当業界に於いて、通気性、弾力
性を兼備し且つ製作簡易なクツシヨンの出現が要
望されていたが、現在そのようなものは存在しな
い。

本考案は、上、下メツシユ状シート間に介装す
る芯材に簡単な構成を施こすことにより上記要望
を満足し使用上の便利さを図つた新規なクツシヨ
ンを提供することを目的とする。

以下、図面に示す実施例に基づき本考案を具体
的に説明する。

図面は本考案に係るクツシヨンを自動車座席に
載置した状態を示しており、クツシヨンは公知の
如く合成樹脂材等のメツシユ状上、下シート１，
２間に芯材３を介装して三層構造とし、必要に応
じて上部シート１表面にレース布地５を附設し芯
材３を含む上、下シート１，２の外周縁をテーブ
状縁体４にて一体に縫着して、腰掛部、背凭部を
構成している。

本考案の特徴は、前記芯材３にあり、芯材３は
比較的硬質性のメツシユ状基材３１に対し木綿芯
ロープ３２を波形状に挿通して基材３１上、下面
にロープ３２による多数の弾性突部３３を縦横、
任意間隔に具備したものである。図示例では、基
材３１面内に縦横所定間隔を存して複数の貫通孔
３４をロープ３２径に対応させて開設し、ロープ
３２は基材３１外周に即応して一条のロープ材を
上、下方向に交互に挿通して外周枠を構成する突
部３３、更に、外周突部３３枠内に複数本のロー
プ材を夫々、基材３１に対し波形状に挿通させて
上、下面に突出した複数の弾性突部３３を構成
し、上、下面に突き出た各突部３３は隣接突部３
３に対し波長を半ピツチずらせて全体として千鳥
状に位置させたもので、通気性はもとより芯材３
をロープ３２厚みの略２倍厚みとなしたものであ
る。

尚、実施例では基材３１面内、適所にロープ挿
通用貫通孔３４を別途、開設した状態を示した
が、基材３１のメツシユ即ち基材網の目３６自体
の大きさをロープ３２径に適合させるも可く、こ
の場合、貫通孔３４の開設位置決め及び開設作業
を省略し得、且つ網の目の選択により、いかなる
波長の波状形、即ち各突部３３長さの長短を自在
となし得る。また、図示例では各弾性突部３３の
長さを夫々、略等しい長さ（同一波長）に構成し
たが本案はこれに限らず、例えば背凭部或いは腰
掛部の中央部分等、使用時、最も荷重の加わる部
分と外周部等の負荷の少ない部分を区別して、負
荷の少ない部分は突部３３間隔を粗にし、負荷の
大きい部分はロープ突部３３の波長を短かくし突
部３３間隔を密に設定する等、荷重に対応した突
部間隔を設けることにより応力の大なる所謂、腰
の強靭な中央部を有するクツシヨンを得ることが
でき弾性と通気性を効率よく達成し得るのであ
る。

この考案では、以上のように、メツシユ状シー
ト間に、木綿芯ロープ径に対応した貫通孔を開設
した硬質基材に対し、木綿芯ロープを縦横方向へ
波形状に任意に挿通し、基材上下面に挿通木綿芯
ロープによる多数の弾性突部を突設し、この多数
の弾性突部はそれぞれ隣合う弾性突部に対しピツ
チを位置ずれされて成るクツシヨン芯材を配備す
ることとしたから、木綿芯ロープ径の略２倍厚み
のボリユームをもつたクツシヨン芯材を得ること
ができる。また、木綿芯ロープは基材に対し単に
挿通係止させるだけであるから、太径木綿芯ロー
プを縫着する等の困難な作業が不要であり、簡易
に製造し得る。更に、基材の貫通孔を選択して木
綿芯ロープの弾性突部長さの長短、及び粗密性を
選択することで、座乗荷重に対応するクツシヨン
効果を発揮し得る。また、貫通孔を有する基材と
木綿芯ロープのみによつて、クツシヨン芯材を構
成することとしたから、部品点数が少なく、クツ
シヨンとしてのボリーム性及び弾性力を持つ許か
りでなく、大きな通気性を発揮し得る等、考案目
的を達成した優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のクツシヨンを座席に載置した
状態を示す斜視図、第２図は断面図、第３図は芯
材の拡大斜視図である。 １……上部メツシユ状シート、２……下部メツ
シユ状シート、３……芯材、３１……メツシユ基
材、３２……弾性ロープ、３３……弾性突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上・下メツシユシート間に、通気性及び弾性を
   有するクツシヨン芯材を介装配備したものであつ
   て、クツシヨン芯材は硬質平板状の基材と、この
   基材に対し上下方向へ挿通配備した木綿芯ロープ
   とからなり、前記基材は硬質平板面内に木綿芯ロ
   ープ径に対応する多数の貫通孔を縦横方向へ開設
   し、この貫通孔に対し上記木綿芯ロープを縦横方
   向へ波形状に任意に挿通して、基材上下面に挿通
   木綿芯ロープによる多数の弾性突部を突設すると
   共に、多数の弾性突部はそれぞれ隣合う弾性突部
   に対しピツチを位置ずれさせたことを特徴とする
   クツシヨン。