JPH0210428B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は磁気トナーを使用する磁気複写機用現
像装置に関する。

従来技術 磁気複写機は、磁化しうる磁気記録体に磁気潜
像を形成し、それを磁性トナー（例えば高分子樹
脂中に磁性体微粒子を含有させた、磁界によつて
力を受ける検磁性着色粒子）などによつて現像し
紙等へ静電的或は磁気的に転写し、熱，圧力等に
より定着させて永久画像を作成するものである。

さらに磁気複写機では、磁気潜像担体である磁
気記録体は、転写後、残留磁性トナーが除去され
てそのまま次の現像サイクルへ移行するか、ある
いは磁気潜像が消磁されて、次の新たな磁気潜像
が形成されて再び同一のプロセスが繰り返され
る。

このような磁気複写機の現像方式としては種々
の方法が考えられる。特に磁性トナーを使用する
粉体マーキング方式の場合には、電子写真法にお
ける一成分磁性トナー現像方式の如く、磁気ブラ
シを使用して磁性トナーを搬送させて磁気潜像と
接触させる方法が、簡易な現像装置を提供でき
る。

しかしながら、静電潜像を形成する電子写真法
では、磁性トナーの搬送や磁気ブラシからのトナ
ーの離脱を防止するために比較的大きな磁束密度
を発生する磁気ブラシが使用できるのに対し、磁
気複写機の場合には、磁気潜像を減磁しないよう
に、少なくとも磁気潜像と最も近接する部分では
磁気潜像を保持する磁性体の抗磁力を越えない程
度に磁束を弱める必要がある。

ところが、従来の磁気複写機の磁気ブラシ現像
装置では、電子写真複写機の磁気ブラシ現像装置
と同様に、現像ハウジングからトナーが漏れない
ように磁気潜像が現像ハウジングから出ていく側
すなわち現像ハウジングの出口側を除き、磁気潜
像担体に隣接する部分にスポンジやブレードなど
の機械的に接触するシール部材が用いられてい
る。しかしながらこのシール部材だけでは磁性ト
ナーの現像ハウジングからの漏洩を防止できず、
トナークラウドを生じて複写機内の他の装置、た
とえば磁気潜像形式のための磁気ヘツドあるいは
加熱ヘツドなどを汚してしまう欠点があつた。特
にこのようなトナークラウドの発生は、現像像を
みださないため機械的接触シール部材を設けるこ
とができない現像ハウジングの出口側において著
しくまた高速複写時において著しかつた。

機械的接触シール部材を用いない方法として
は、特開昭52−18332号公報、特開昭54−74756号
公報および実開昭55−47008号公報に記載された
ように、空気流を利用する方法がある。これらの
方法によれば、現像ハウジングを、外部ハウジン
グと内部ハウジングとからなる二重構造とし、内
部ハウジングと感光体ドラムとの間の間隙を通し
て内部ハウジングから外部ハウジングへ空気を流
入させることにより、現像ハウジングから漏洩す
るトナーを外部ハウジング内に捕獲している。し
かしながら、この方法では、現像ハウジングの出
口側において感光体ドラムの回転にともなつて空
気流が加速され、さらにハウジング内の浮遊トナ
ーを出口側に集めることになるため、トナーが外
部ハウジングと感光体ドラムとの間の間隙を通つ
て現像ハウジングから漏洩するおそれがあるばか
りでなく、却つて漏洩を助長するおそれもある。

これを改良するため、特開昭57−92354号公報
に記載される現像装置では、現像ハウジングの出
口側において、感光体ドラムの回転にともなう空
気流を弱める方向に空気を流入させる集塵ダクト
を設けている。しかしながら、この現像装置もハ
ウジング内の浮遊トナーを出口側に導く結果とな
る点では、前記したものと同じであり、特に浮遊
トナーの多い磁気複写機の現像装置としては十分
なトナー漏洩防止にはならない。また現像ハウジ
ングに集塵ダクトを隣接させる構造のため、現像
装置が大型化し、感光体ドラム上での占有面積が
大きくなり、装置の構成上制約ができてしまう欠
点がある。

発明の目的 本発明は、簡単な構造で現像ハウジングからの
トナーの漏洩を防止して、複写機内の他の装置の
汚れ等の従来技術における欠点を排除した磁気複
写機用現像装置を提供することである。

発明の構成 本発明は、現像領域において磁気潜像担持体と
隣接するよう配置されて磁性トナーをその現像領
域へ搬送する現像シリンダと、該現像シリンダを
内部に収容する現像ハウジングとを有する現像装
置において、現像ハウジングが前記現像領域を含
む内部ハウジングとそれを囲む外部ハウジングと
で構成され、外部ハウジングに空気流入口が設け
られ、内部ハウジングに空気流出口が設けられ、
外部ハウジングと内部ハウジングとの間に、前記
磁気潜像担持体の表面に沿つて外部ハウジングか
ら内部ハウジングへと空気を流入させる通路が形
成され、外部ハウジングと磁気潜像担持体との間
の間隙は内部ハウジングと磁気潜像担持体との間
の間隙に比べて幅が小さくかつ長さが長いことを
特徴とする。

実施例 以下図面を参照しながら本発明の実施例につい
て説明する。

第１図は、本発明の第１実施例を示すもので、
１は円筒形の磁気潜像担持体、２は磁気ヘツド、
３は消磁ヘツド、４は現像ハウジングである。現
像ハウジング４は、内部ハウジング４ａと外部ハ
ウジング４ｂとから成り、内部ハウジング４ａ内
には、磁石ロール５が内蔵されたシリンダ６が設
けられている。シリダ６及び磁気潜像担持体１は
それぞれ矢印ａ，ｂの方向に駆動されている。第
１図ではシリンダ６は磁気潜像担持体１の回転方
向と逆方向に回転されているが同一の方向に回転
されてもよい。磁性トナー７は内部ハウジング４
ａ内に存在し、磁石ロール５の磁力によりシリン
ダ表面に引き付けられてシリンダの回転につれて
現像領域Ｄへ搬送される。このとき、磁性トナー
７は内部ハウジング４ａの内壁に設けられた層厚
規制部材８によつて所定のトナー層厚に規制され
る。外部ハウジング４ｂには空気流入口９が設け
られこの空気流入口９には、コンプレツサー等の
空気圧縮装置や送風フアン（図示せず）に連結さ
れた空気供給管１０が取付けられている。内部ハ
ウジング４ａと外部ハウジング４ｂとの間には空
気流路１１が設けられ、空気はこの空気流路１１
を通り、内部ハウジング４ａと磁気潜像担持体１
の表面との間に形成された第１入口側開口１２及
び第１出口側開口１３から内部ハウジング４ａに
流入する。内部ハウジング４ａには空気流出路１
４が設けられ、この空気流出路１４は磁性トナー
と空気を分離するフイルターや分離装置等（図示
せず）に連結されている。

外部ハウジング４ｂと磁気潜像担持体１の表面
との間には、第２入口側開口１５及び第２出口側
開口１６が設けられている。この第２入口側開口
１５及び第２出口側開口１６は、第１入口側開口
１２及び第１出口側開口１３に比べギヤツプの幅
が小さく、長さが長い。そのため前者は後者に比
べて空気流に対する抵抗が大きくなつている。し
たがつて空気流路１１を通つた空気は、図中太線
矢印で示すように確実に内部ハウジング４ａ内に
流入し、これによつて磁性トナーの第１入口側開
口１２及び第２出口側開口１３からの漏洩を防止
できる。さらに、図示していないが第２入口側開
口１５にはスポンジやブレードなど機械的に接触
するシール部材を使うことができる。しかしなが
ら第２出口側開口１６では現像像を乱す可能性が
あり、したがつて上述のような空気流を利用した
シール手段を設けることが好ましい。シール効果
を高める方法としては、上述した第１開口１２，
１３のギヤツプの幅及び長さを、第２開口１５，
１６に比べて適当に選択することにより前者にお
ける空気流抵抗を後者における空気流抵抗よりも
小さくすることが考えられる。また磁気潜像が現
像ハウジング４に入る入口側では磁気潜像担持体
１の移動にともなつて外部からの空気が第２入口
側開口１５を通つてハウジング４内に流入するた
め、磁性トナーの漏洩は確実に防止されるが、磁
気潜像が現像ハウジング４から出る出口側では磁
気潜像担持体１の移動にともなつて内部の空気が
第２出口側開口１６を通つてハウジング４外に流
出する可能性がある。そこで出口側では、磁気潜
像担持体１の移動にともなう空気流よりも大きな
空気流を加えなければならない。

前述した実施例は本発明を磁気ブラシ現像装置
に適用した例を示したものであるが、カスケード
等の他の現像装置に適用することもできる。

発明の効果 本発明によれば、現像ハウジングが前記現像領
域を含む内部ハウジングとそれを囲む外部ハウジ
ングとで構成され、外部ハウジングに空気流入口
が設けられ、内部ハウジングに空気流出口が設け
られ、外部ハウジングと内部ハウジングとの間
に、前記磁気潜像担持体の表面に沿つて外部ハウ
ジングから内部ハウジングへと空気を流入させる
通路が形成され、外部ハウジングと磁気潜像担持
体との間の間隙は内部ハウジングと磁気潜像担持
体との間の間隙に比べて幅が小さくかつ長さが長
いことを特徴とする現像装置が提供されるので、
現像ハウジングに集塵ダクトを隣接させる必要も
なく、したがつて感光体上の占有面積が大きくな
つて装置の構成上の制約となるほど装置を大型化
することはない。特に、外部ハウジングと磁気潜
像担持体との間の間隙は内部ハウジングと磁気潜
像担持体との間の間隙に比べて幅が小さくかつ長
さが長いことを特徴とするので、前者の間隙の空
気流に対する抵抗が後者の間隙のそれに比べて大
きく、空気は後者の間隙を通つて外部ハウジング
から内部ハウジングへと確実に流入し、前者の間
隙を通つてハウジング外へ漏洩することはない。

このように本発明によれば、従来の技術よりも
確実に現像ハウジングからのトナーの漏洩を防止
することができ、したがつてトナークラウドの発
生を阻止することができる。

さらに現像後の磁性トナー像が、特に出口側で
のトナークラウドにさらされることにより生じて
いた非画像部のカブリ等の従来における欠点を改
善することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の磁気ブラシ現像装置の第１実
施例を示す概略断面図である。 １……磁気潜像担持体、２……磁気ヘツド、３
……消磁ヘツド、４，１７……現像ハウジング、
４ａ……内部ハウジング、４ｂ……外部ハウジン
グ、５，１８，２５……磁石ロール、６，１９，
２６……シリンダ、８，２２……トナー層厚規制
部材、９……空気流入口、１２……第１入口側開
口、１３……第１出口側開口、１４……空気流出
口、１５……第２入口側開口、１６……第２出口
側開口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 現像領域において磁気潜像担持体と隣接する
   よう配置されて磁性トナーをその現像領域へ搬送
   する現像シリンダと、該現像シリンダを内部に収
   容する現像ハウジングとを有する現像装置におい
   て、現像ハウジングが前記現像領域を含む内部ハ
   ウジングとそれを囲む外部ハウジングとで構成さ
   れ、外部ハウジングに空気流入口が設けられ、内
   部ハウジングに空気流出口が設けられ、外部ハウ
   ジングと内部ハウジングとの間に、前記磁気潜像
   担持体の表面に沿つて外部ハウジングから内部ハ
   ウジングへと空気を流入させる通路が形成され、
   外部ハウジングと磁気潜像担持体との間の間隙は
   内部ハウジングと磁気潜像担持体との間の間隙に
   比べて幅が小さくかつ長さが長いことを特徴とす
   る現像装置。