JPH0210133Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はリング精紡機やリング撚糸機等の紡機
のフレームに設けられ、リングレールを支持する
と共に該レールを昇降移動させるリフチングピラ
ー用の支持体の構成に関するものである。

〔従来技術及びその問題点〕

従来、紡機のリフチングピラーは第１図の如く
上部軸受部１及び下部軸受部２を有する長い円筒
体をビスで以て固着して支持するか、あるいは摺
動面にブツシユ環を嵌挿し、ビスで以て固着して
支持されていた。

しかるに、紡績工場特有の風綿がリフチングピ
ラーの表面に付着し、摺動面にわずかでも摩損隙
が形成されるとこれにくい込んでしまいリフチン
グピラーの昇降移動が困難になり保全管理に手数
を要していた。このため、リフチングピラーに付
着した風綿やゴミ等が摺動面内に侵入しない様な
防塵装置も提案されているが、従来の防塵装置に
おおいては多少の風綿等の侵入は避けがたいもの
であり、リフチングピラーの昇降運動が阻害され
る。

従つて、防塵装置付リフチングピラー支持装置
を分割掃除する必要がある等その保全管理により
多くの手数を要するという欠点を有していた。

また、従来の円筒体、ブツシユ環等の支持体は
ビスで以て固着しているため、その取付に手数を
要するばかりか、ビス締付により支持体に歪を生
じ、リフチングピラーの円滑な昇降運動を阻害す
る一因となつていた等の欠点があつた。

本考案は、上記従来の欠点を解消し、リフチン
グピラーの昇降運動を阻害することなく簡単に取
付けることができ、またリフチングピラーに付着
した風綿、ゴミ等が支持体内に侵入してもリフチ
ングピラーの昇降運動を損わず、取扱い容易なリ
フチングピラー用支持体を提供することを目的と
するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するための本考案の構成を、
実施例に対応する第２〜５図を用いて説明する
と、本考案は、一端につば６を有する円筒状の本
体４内面円周方向に、長手方向に接触面７を有す
る凸部を等間隔に複数個設け、かつ上記凸部間に
溝９を形成すると共に、本体外周下部に止め輪嵌
着用の環状の取付溝８を形成し、更に、上記凸部
の接触面巾Ａと溝の非接触面巾Ｂの比は１：１〜
４にし、かつ上記本体の接触面間の内径Ｄと接触
面の長さＬの比は１：１〜３にしたことを特徴と
する。また、上記支持体はポリアミド樹脂、ポリ
アセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、弗素樹脂、
ポリカーボネート樹脂等のエンジニヤリングプラ
スチツクより形成したものである。

〔作用〕

そして本考案は前記の手段により、本体４を紡
機のフレームの孔に挿通して取付溝８に止め輪１
１等を取付けることにより簡単に固定することが
でき、精紡機、撚糸機等の運転中に、風綿、ゴミ
等が発生しリフチングピラーに付着し支持体内に
侵入しても、リフチングピラーのの昇降運動につ
れ溝９に押し出される。溝に押し出され集積した
風綿、ゴミ等はその自重や、リフチングピラーの
昇降運動につれて徐々に溝を伝わつて下方へ自然
に脱落し、リフチングピラーの昇降運動を損なう
ことがない。

〔実施例〕

以下本考案に係る紡機のリフチングピラー用支
持体の１実施例を図面に基づいて説明する。

本考案のリフチングピラー用支持体３は、第２
図に示すごとく円筒状の本体４の一端に、切欠部
５を有するつば６を設け、上記本体４の内面円周
方向に、本体長手方向に接触面７を有する凸部を
等間隔に複数個（３〜６個）設けて、上記接触面
で以てリフチングピラーを支持するようになし、
また、本体外周下部に１乃至複数の環状の取付溝
８を設けて止め輪等を取付けうるようになす。更
に、上記本体内面の接触面７を有する凸部間には
所要の深さ（例えば0.5mm以上）を有する溝９を
穿設し、上記凸部の接触面７の巾Ａと溝の非接触
面巾Ｂとの比はＡ：Ｂ＝１：１〜４〜１が望まし
い（最適範囲１：２〜３）。上記比が小さいと風
綿、ゴミ等の脱落の効果が少なく、又上記比が大
きいと支持体の軸受としての機能が低下し、摩耗
が大きくなる。なお、各接触面巾は同一とするこ
とが望ましいが、対向する接触面巾は同一とし力
の作用する方向に応じて接触面巾を変えることも
ある。

また、上記本体の接触面間の内径Ｄに対する上
記本体の長さ即ち接触面長さＬはＤ：Ｌ＝１：１
〜３が望ましい（最適範囲１：1.5〜2.5）。上記
比が小さいと支持体の軸受としての機能が低下し
又上記比が大きいと風綿、ゴミ等の脱落の効果が
小さくなる。

なお、上記リフチングピラー用支持体の材質は
摩耗特性の良いポリアミド樹脂、ポリアセタール
樹脂、ポリエチレン樹脂、弗素樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂等のエンジニヤリングプラスチツクが
よく、又吸湿性が小さく、加工、取付後の変形が
小さく、潤滑特性のよいもの（例えば含油樹脂）
が好ましい。

第３図、第４図は本考案のリフチングピラー用
支持体の紡機フレーム１０への取付状態を示し、
支持体３はつば６を上方として本体４をフレーム
１０の孔に挿通し、切欠部５がスピンドル取付部
品に当らないようにフレーム長手方向の直角方向
に位置決めした後、本体４の取付溝８に止め輪１
１等を取付けることにより固定する。

次に、第５図はリフチングピラー支持装置の上
部フレーム及び下部フレームへの取付状態の他の
実施例を示し、支持体３のフレーム１０への固定
はワツシヤ１３、スナツプリング１４やブラケツ
ト１５により取付けたものである。ところで、前
記リフチングピラー用支持体の接触面７の位置は
第３図に示す如くフレームの長手方向及びその直
角方向の４ケ所に設けるのがリフチングピラーの
昇降運動によるフレが少なくなり、最適である。

〔考案の効果〕

よつて、本考案のリフチングピラー用支持体は
上記の様に構成したので、支持体をビスを用いる
ことなく、フレームの孔に挿通し、支持体のつば
の切欠部を基準に位置決めをし、止め輪により簡
単に取付け固定することができ、取付による歪の
発生が解消でき、従来のごときリフチングピラー
に昇降運動の阻害もなく、侵入した風綿、ゴミ等
も自然に脱落し、スムースなリングレールの昇降
運動をし、糸切れが減少し、糸巻形成が安定する
と共に、電力使用量も減少する。

又、完全無給油での使用が可能でり、従来の如
きリフチングピラー支持装置の分解掃除等の定期
保全が不要となり、管理工数を著るしく減少す
る。更に、その取付けも極めて簡単であり、運転
効率が著しく向上する等の効果を有する考案であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のリフチングピラー支持装置の断
面図、第２図は本考案のリフチングピラー用支持
体の１実施例を示す斜視図、第３図及び第４図は
同支持体の取付状態を示し、第３図は平面図、第
４図は一部切欠正面図、第５図は他の取付状態を
示す斜視図である。 １……上部軸受部、２……下部軸受部、３……
支持体、４……本体、５……切欠部、６……つ
ば、７……接触面、８……取付溝、９……溝、１
０……フレーム、１１……止め輪、１２……リフ
チングピラー、１３……ワツシヤ、１４……スナ
ツプリング、１５……ブラケツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 両側部を直線状に切欠いた切欠部を有するつ
   ばを円筒状本体の一端に設け、上記円筒状本体
   の内面に長手方向に接触面を有する凸部を円周
   方向に等間隔に複数個設け、かつ上記凸部間に
   溝を形成すると共に、本体外周下部に止め輪嵌
   着用の環状の取付溝を形成し、更に、上記凸部
   の接触面巾と溝の非接触面巾の比は１：１〜４
   にし、かつ上記本体の接触面間の内径と接触面
   の長さの比は１：１〜３にしたことを特徴とす
   る紡機のリフチングピラー用支持体。 (2) 上記支持体がポリアミド樹脂、ポリアセター
   ル樹脂、ポリエチレン樹脂、弗素樹脂、ポリカ
   ーボネート樹脂等のエンジニヤリングプラスチ
   ツクより形成したことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の紡機のリフチングピ
   ラー用支持体。