JP6478992B2 - 仮撚機の紡錘及び仮撚機 - Google Patents

Description

本出願は、２０１３年７月１９日に中国特許局に提出した、出願番号が２０１３１０３０６７００．９であり、発明の名称が「仮撚機の紡錘及び仮撚機」である中国特許出願の優先権を請求し、その全ての内容が引用により本出願に結合される。

本発明は、紡績機械の分野に係り、特に仮撚機の紡錘及び仮撚機に係る。

仮撚機の紡錘は仮撚機の主な部品の１つであり、摩擦盤を支える効果を果たすとともに、摩擦盤を回転させて化学繊維の摩擦と撚りの目的を実現している。

図１は従来の仮撚機の紡錘の断面図である。仮撚機の紡錘は、心軸１と、心軸１を囲む軸受２と、を含む。軸受２は、軸受外輪３と、軸受外輪３と心軸１の間にある第１組の転動体５と第２組の転動体８と、を含む。第１組の転動体５と第２組の転動体８は心軸１の軸方向に沿って分離している。心軸１の末端に軸受２と分離している伝動部品４が設置され、心軸１が伝動部品４を介してその他の紡錘を駆動する。

図１に示すように、第１組の転動体５が軸受２の伝動部品４に近い一端に位置し、心軸１と軸受外輪３が第１組の転動体５にレースを提供する。

軸受外輪３には、該伝動部品４から離れた一端の内円周面に環状溝が設置され、環状溝の中に、心軸１の軸方向に沿って分離している２つのゴムリング６と、２つのゴムリング６の内円周面に接続される内輪７が設置されている。内輪７と心軸１が第２組の転動体８にレースを提供する。内輪７が心軸１に対して回転するとき、ゴムリング６は仮撚機の紡錘の心軸１の径方向に沿った制振機能を実現し、径方向の比較的幅の大きい振動の発生を回避する。

軸受外輪３は前記心軸１の先端近傍の内円周面に、心軸１を囲みかつ内輪７を押さえ付けるプラスチックリング９、プラスチックリング９を押さえ付けるばね１２、プラスチックリング１０を押さえ付けるスチールリング１１が設置されている。プラスチックリング９は、仮撚機の紡錘の心軸１の軸方向に沿った制振機能を実現し、軸方向の比較的幅の大きい振動の発生を回避する。スチールリング１１は、軸受外輪３の内円周面と締まり嵌めになり、かつ心軸１と径方向に沿って分離している。ばね１２は、軸受２に予圧をかける効果を果たす。

しかし、従来の仮撚機の紡錘の場合、制振機能を実現するゴムリング、プラスチックリングが相対的に独立した部品であるため、設計が複雑であるほか、組み立てるのに時間と労働力がかかる。特に、２つのゴムリングを外輪の環状溝に設置するために、特殊な設備を使用しなければ実現できない。

本発明が解決しようとする技術的課題は、従来の仮撚機の紡錘の構造が複雑であるほか、組み立てるのに時間と労働力がかかることである。

上記の課題を解決するために、本発明は、心軸と、前記心軸を囲む軸受と、前記心軸上にあり、かつ軸受から心軸の軸方向に沿って分離している伝動部品と、を含み、
前記軸受は、軸受外輪と、軸受外輪と心軸の間にあり、かつ心軸の軸方向に沿って分離している第１組の転動体と第２組の転動体を含み、前記第１組の転動体が伝動部品の近傍に位置し、前記第２組の転動体が伝動部品から離れており、前記軸受外輪と第２組の転動体との間の内円周面に心軸を囲む制振リングが設置され、前記制振リングは、開口が心軸に向かっている環状溝を有し、前記第２組の転動体は環状溝と心軸の間に位置する、
仮撚機の紡錘を提供する。

選択可能に、前記環状溝に心軸を囲む第１の内輪が設置され、前記第１の内輪と心軸が前記第２組の転動体にレースを提供する。

選択可能に、前記軸受外輪は心軸の軸方向に沿って中間部と、中間部の両側にある両端部に分けられ、前記端部の内径が中間部の内径より大きく、第１組の転動体と第２組の転動体が両端部と心軸の間に位置する。

選択可能に、前記制振リングの１つの側壁が中間部の側壁に当接し、前記制振リングの他方の側壁に心軸を囲む封止リングが設置され、前記封止リングが軸受外輪の内円周面に接続され、かつ前記制振リングに接触している。

選択可能に、前記軸受外輪と第１組の転動体との間に心軸を囲む第２の内輪が設置され、前記第２の内輪と心軸が前記第１組の転動体にレースを提供する。

選択可能に、心軸の軸方向に沿って、前記中間部と第２の内輪の間にばねが設置され、前記ばねの一端が第２の内輪を押さえ付け、他端が中間部の側壁を押さえ付ける。

選択可能に、前記制振リングと軸受外輪の内円周面との係合が締まり嵌めである。

選択可能に、前記第２の内輪と軸受外輪の内円周面との係合が隙間嵌めである。

また、本発明はさらに上記の仮撚機の紡錘を含む仮撚機を提供する。

従来技術に比べて、本発明の技術的解決手段は下記の長所を持っている。すなわち、制振リングの設計が簡単であるほか、心軸の軸方向と径方向の制振機能をともに実現できる。

従来技術の仮撚機の紡錘の断面図である。 本発明の具体的な実施例の仮撚機の紡錘の断面図である。

本発明の上述した目的、特徴及び長所をよりわかりやすくするために、以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施例を詳しく説明する。

図２に示したように、仮撚機の紡錘は、心軸１０と、心軸１０を囲む軸受２０と、心軸１０上にあり、かつ軸受２０から心軸１０の軸方向に沿って分離している伝動部品３０と、を含む。

前記軸受２０は、軸受外輪２１と、軸受外輪２１と心軸１０の間にあり、かつ心軸１０の軸方向に沿って分離している第１組の転動体２２と第２組の転動体２３を含む。第１組の転動体２２が伝動部品３０の近傍に位置し、第２組の転動体２３が伝動部品３０から離れている。第１組の転動体２２と第２組の転動体２３が軸受外輪２１と心軸１０との相対的回転の実現に用いられる。

前記軸受外輪２１と第２組の転動体２３との間の内円周面に心軸１０を囲む制振リング２４が設置されている。制振リング２４は、開口が心軸１０に向かっている環状溝（番号付けなし）を有する。第２組の転動体２３は環状溝と心軸１０の間に位置する。環状溝の底部により仮撚機の紡錘の心軸１０の径方向に沿った制振機能が実現され、環状溝の心軸１０の軸方向に沿った両側の側壁により仮撚機の紡錘の軸方向に沿った制振機能が実現される。即ち、制振リング２４は心軸１０の軸方向と径方向の制振機能をともに実現できる。しかも、制振リング２４の設計は簡単であり、従来技術に比べて、組み立てがしやすく、時間の削減ができる。

制振機能を実現するために、制振リング２４の材料は弾性プラスチックである。

本実施例において、図２に示したように、環状溝に心軸１０を囲む第１の内輪２５が設置され、第１の内輪２５と心軸１０が第２組の転動体２３にレースを提供する。制振リング２４と軸受外輪２１の内円周面との係合が締まり嵌めであり、第１の内輪２５と制振リング２４の環状溝との係合も締まり嵌めであるため、制振リング２４と軸受外輪２１、第１の内輪２５と制振リング４の心軸１０の径方向における締まり嵌めが実現され、緩みと脱落が回避される。このように、第１の内輪２５、制振リング２４及び軸受外輪２１の同期的回転が実現できる。

また、図２に示したように、前記軸受外輪２１は、心軸１０の軸方向に沿って中間部２１１、中間部２１１の両側にある両端部２１２に分けられ、前記端部２１２の内径が中間部２１１の内径より大きく、第１組の転動体２２と第２組の転動体２３が両端部と心軸１０の間に位置する。本実施例において、軸受外輪２１は、旋削技術により形成することができ、形成工程が簡単である。

制振リング２４の１つの側壁が中間部２１１の側壁に当接し、制振リング２４の他方の側壁に心軸１０を囲む封止リング２６が設置されている。封止リング２６が軸受外輪の内円周面に接続され、かつ制振リング２４に接触している。封止リング２６と心軸１０の間に隙間がある。本実施例において、封止リング２６と軸受外輪の内円周面との係合が締まり嵌めであり、封止リング２６が制振リング２４に対して軸方向に沿って位置決めの作用を果たす。具体的な実施例において、組み立てるとき、封止リング２６が制振リング２４を押え付けることで、制振リング２４の軸方向に沿った制振の振動幅をより小さくすることができる。

図２に示したように、前記軸受外輪２１と第１組の転動体２２との間の内円周面に心軸１０を囲む第２の内輪２７が設置され、第１組の転動体２２が第２の内輪２７と心軸１０の間に位置し、第２の内輪２７と心軸１０が第１組の転動体２２にレースを提供する。図１に示したように、従来技術の仮撚機の紡錘の場合、伝動部品４の近傍にある第１組の転動体５が軸受外輪３に直接接触している。従来技術に比べて、図２に示したように、本実施例の第１組の転動体２２は軸受外輪２１に接触しないので、軸受外輪２１が直接振動を受けることを回避し、軸受外輪２１に破断が発生することを有効に防止することができる。

また、図２に示したように、心軸１０の軸方向に沿って、中間部２１１と第２の内輪２７との間にばね２８が設置され、ばね２８の一端が第２の内輪２７を押さえ付け、他端が中間部２１１の側壁を押さえ付ける。ばね２８は、軸受２０に軸方向の予圧をかける効果を果たす。第２の内輪２７と軸受外輪２１の内円周面との係合が隙間嵌めである、すなわち、第２の内輪２７と軸受外輪２１の内円周面との間が隙間のある係合により接続されている。本実施例においては、第２の内輪２７と軸受外輪２１の内円周面との間の空隙が０である。ばね２８の弾力の作用を受けて、隙間嵌めにより第１組の転動体２２が軸方向に沿って一定の行程で転動するのを許容することができる。

図２に示したように、本実施例においては、軸受２０のレースがＯ型に配置される。その理由は以下の通りである。組み立てた後、ばね２８の弾力が第１組の転動体２２のレースに作用するので、第１組の転動体とそのレースの間にロードがかけられる。ロードがかけられた後、第１組の転動体２２において、いずれか一つの転動体と２つのレースとの２つの接触点の接続線の延長線と心軸１０の中軸線との交差点が第１組の転動体２２の第２組の転動体２３に背を向けた外側にある。一方、第１組の転動体２２の心軸上にあるレースにロードがかけられた後、該ロードが第２組の転動体２３の心軸１０上にあるレースに作用することで、第２組の転動体２３とそのレースの間にロードがかけられる。ロードがかけられた後、第２組の転動体２３において、いずれか一つの転動体と２つのレースとの２つの接触点の接続線の延長線と心軸１０の中軸線との交差点も第２組の転動体２３の第１組の転動体２２に背を向けた外側にある。そのため、軸受２０のレースがＯ型に配置される。図１に示したように、従来技術の軸受２の２組の転動体において、いずれか一つの転動体とその２つのレースとの２つの接触点の接続線の延長線と心軸１の中軸線との交差点が２組の転動体の間にあるので、軸受２の軌道がＸ型に配置される。Ｘ型配置に比べて、本実施例のＯ型レース配置は仮撚機の紡錘の支持の剛性を増強することができる。

本発明は上記の内容を開示したが、本発明はそれによって限定されることはない。いかなる当業者もすべて本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、様々な変更と修正を行うことができる。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲により限定される範囲を基準とすべきである。

Claims (8)

1. 心軸と、前記心軸を囲む軸受と、前記心軸上にあり、かつ軸受から心軸の軸方向に沿って分離している伝動部品と、を含み、
   前記軸受は、軸受外輪と、軸受外輪と心軸の間にあり、かつ心軸の軸方向に沿って分離している第１組の転動体と第２組の転動体と、を含み、前記第１組の転動体が伝動部品の近傍に位置し、前記第２組の転動体が伝動部品から離れており、
   前記軸受外輪と第２組の転動体との間の内円周面に心軸を囲む制振リングが設置され、前記制振リングは弾性プラスチックからなり、開口が心軸に向かっている環状溝を有し、前記第２組の転動体は環状溝と心軸の間に位置しており、
   前記環状溝に心軸を囲む第１の内輪が嵌合され、該第１の内輪と心軸が前記第２組の転動体にレースを提供し、
   前記環状溝の、心軸の軸方向に沿った、前記第１の内輪の両側にある側壁により、仮撚機の紡錘の軸方向に沿った制振が提供されることを特徴とする仮撚機の紡錘。
2. 前記軸受外輪は、心軸の軸方向に沿って、中間部と、中間部の両側にある両端部とに分けられ、前記端部の内径が中間部の内径より大きく、第１組の転動体と第２組の転動体が両端部と心軸の間に位置することを特徴とする請求項１に記載の仮撚機の紡錘。
3. 前記制振リングの１つの側壁が中間部の側壁に当接し、前記制振リングの他方の側壁に心軸を囲む封止リングが設置され、前記封止リングが軸受外輪の内円周面に接続され、かつ前記制振リングに接触していることを特徴とする請求項２に記載の仮撚機の紡錘。
4. 前記軸受外輪と第１組の転動体との間に心軸を囲む第２の内輪が設置され、前記第２の内輪と心軸が前記第１組の転動体にレースを提供することを特徴とする請求項２に記載の仮撚機の紡錘。
5. 心軸の軸方向に沿って、前記中間部と第２の内輪との間にばねが設置され、前記ばねの一端が第２の内輪を押さえ付け、他端が中間部の側壁を押さえ付けることを特徴とする請求項４に記載の仮撚機の紡錘。
6. 前記制振リングと軸受外輪の内円周面との係合が締まり嵌めであることを特徴とする請求項１に記載の仮撚機の紡錘。
7. 前記第２の内輪と軸受外輪の内円周面との係合が隙間嵌めであることを特徴とする請求項４に記載の仮撚機の紡錘。
8. 請求項１から７のいずれかに記載の仮撚機の紡錘を含むことを特徴とする仮撚機。

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