JPH02100829A - ワイヤ電極のテンション装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、工作物とワイヤ電極との間で放電を発生さ
せて放電エネルギーによって工作物を加工するワイヤ放
電加工機におけるワイヤ電極のテンション装置に関する
。

〔従来の技術〕

一般に、ワイヤ放電加工機については、ワイヤ電極が垂
直方向、言い換えれば、上下方向に走行している部分を
使用して工作物を加工しているのが現状である。ワイヤ
電極は、自動ワイヤ供給装置におけるテンションローラ
、ブレーキローラ等の各種ローラに案内され且つ適宜な
テンションをカロえられてワイヤガイドををするワイヤ
ヘッドに供給されている。一方、工作物を取付けている
ワークテーブルは、ＮＣ装置からの指令で工作物の加工
状況に従ってＸ方向及びＹ方向に移動し、両者の移動が
合成されて、ワイヤヘッドに供給されたワイヤ電極との
間で加工が進行し、加工中はワイヤ電極及びワークテー
ブルはサーボ移動を繰り返し、両者の相対的運動によっ
て工作物は所定の加工形状に放電加工されている。

ところで、従来のワイヤ放電加工機によるワイヤ放電加
工において、高速で且つ高精度加工のため大きい径のワ
イヤ電極を使用して該ワイヤ電極に高テンションを掛け
て工作物に対して放電加工を行う場合、或いは工作物に
対して細いスリット加工等を行う時に径の細いワイヤ電
極を使用して該ワイヤ電極に低テンションを掛けて工作
物に対して放電加工を行う場合がある。従来、ワイヤ放
電加工機における自動ワイヤ供給装置では、ワイヤ電極
にテンションを付与するのに、同一のテンション装置を
使用している。そのため、テンション装置におけるテン
ションを付与するブレーキの特性及びワイヤ走行系より
テンションの強度幅が限定され、通常、低テンシヨン領
域では安定したテンションをワイヤ電極に付与できない
ものである。この問題点を解決するため、低テンシヨン
の必要な細いワイヤ電極を使用することを可能にするた
め、自動ワイヤ供給装置に全く別のワイヤ走行系を組み
込んでおき、ワイヤ放電加工の加工種類に応じてワイヤ
走行系の使い分けをしているのが現状である。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、従来のワイヤ放電加工機の自動ワイヤ供
給装置において、上記のように、高テンションの必要な
径の大きいワイヤ電極を使用するワイヤ走行系と低テン
ションの必要な細いワイヤ電極を使用する全く別のワイ
ヤ走行系を組み込んだものでは、装置そのものの構造が
複雑になり、操作が面倒になり、ワイヤｉｉｔ極の交換
について自動化の障害になると共に、コスト高になる原
因となっている。

そこで、ワイヤ放電加工機の自動ワイヤ供給装置におい
て、同一のワイヤ電極の走行系を用いて径の大きいワイ
ヤ電極及び細いワイヤ電極に最適のテンションを付与し
、構造が簡単で且つ操作が簡単で、しかもコストを低減
すると共にワイヤ電極の交換をも自動化でき、無人化で
ワイヤ放電加工を連続して行うことができるテンション
装置を如何に構成するかの課題があった。

この発明の目的は、上記の課題を解決することであり、
ワイヤ放電加工機において工作物をワイヤ電極で放電加
工する場合に、高速で且つ高精度加工のため大きい径の
ワイヤ電極を使用して該ワイヤ電極に高テンションを掛
ける状態と、細いスリット形状等の加工形状の放電加工
を行う時に径の細いワイヤ電極を使用して該ワイヤ電極
に低テンションを掛ける状態とを、同一のワイヤ走行系
に組み込まれたブレーキローラのワイヤ電極に付与する
ブレーキ力を切り換えて調節し、構造そのものが簡単で
且つ操作が簡単で、しかも製作コストを低減し、場合に
よっては、ワイヤ電極の交換を自動化して無人化でワイ
ヤ放電加工を連続して行うことができるワイヤ電極のテ
ンション装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

この発明は、上記の目的を達成するために、次のように
構成されている。即ち、この発明は、工作物とワイヤ電
極との間で放電を発生させて放電エネルギーによって前
記工作物を放電加工するワイヤ放電加工機において、前
記ワイヤ電極をワイヤ走行系に組込んだブレーキローラ
と酸ブレーキローラにばね力で押付けられるテンション
ローラとで挟み付けて前記ワイヤ電極にテンションを付
与すると共に、前記ブレーキローラのブレーキローラ軸
に大きい制動力を有する大ブレーキと小さい制動力を有
する小ブレーキを切換手段を介して連結したことを特徴
とするワイヤ電極のテンション装置に関する。

また、このワイヤ電極のテンション装置において、前記
ブレーキローラ軸に前記小ブレーキをカップリングを介
して連結し、また前記ブレーキローラ軸に大ブレーキを
クラッチを介して連結したことを特徴とするものである
。

〔作用〕 この発明によるワイヤ電極のテンション装置は、上記の
ように構成されており、次のように作用する。即ち、こ
の発明は、ワイヤ走行系にワイヤ電極にテンションを付
与するブレーキローラを設け、該ブレーキローラのブレ
ーキローラ軸に大きい制動力を有する大ブレーキと小さ
い制動力を有する小ブレーキを切換手段を介して連結し
たので、ワイヤ電極のサイズ或いは加工形状の違いに応
じて前記ブレーキローラに掛かるブレーキ力を単に切り
換えるだけで、前記ワイヤ電極に掛かるテンションを高
テンション又は低テンションに切り換えることができ、
放電加工に最適のテンションを前記ワイヤ電極に付与す
ることができる。

また、前記ブレーキローラ軸に前記小ブレーキをカンプ
リングを介して連結し、また、前記ブレーキローラ軸に
大ブレーキをクラッチを介して連結したので、前記ワイ
ヤ電極に対して前記クラッチの作動で直ちに且つ簡単に
大ブレーキ或いは小ブレーキによるテンションの付与に
切り換えることができる。

〔実施例〕

以下、図面を参照して、この発明によるワイヤ電極のテ
ンション装置の実施例を詳述する。第１図はこの発明に
よるワイヤ電極のテンション装置の一実施例を示す正面
図、第２図は第１図のワイヤ電極のワイヤ走行系の要部
を示す拡大正面図、第３図は第１図のブレーキローラの
要部を示す拡大断面図、及び第４図は第１図のワイヤ電
極のワイヤ走行系の要部を示す拡大断面図である。

第１図において、この発明によるワイヤ電極のテンショ
ン装置が組込まれたワイヤ放電加工機が示されている。

このワイヤ放電加工機は、自動ワイヤ供給装置から成る
ワイヤ走行系においてワイヤＴＨ，極１にテンションを
掛けて走行させ、放電加工部位において工作物２とワイ
ヤ電極１との間で放電を発生させて放電エネルギーによ
って工作物２を放電加工するものである。このワイヤ放
電加工機では、放電加工される工作物２はワークテーブ
ル２３上に適宜なりランプ手段で固定状態に設置される
。該ワークテーブル２３は、例えば、加工液供給装置を
構成する加工液槽内に配置されており、該加工液槽内に
はワークテーブル２３に隣接して工作物２の切り離した
排材である中子を収容する中子収納容器が配置されてい
る。自動ワイヤ供給装置を構成するＺ軸となるヘッド２
４には、上ワイヤヘッド９及び下ワイヤヘッド１０が取
付けられ、これら上ワイヤへラド９及び下ワイヤヘッド
１０の内部には、給電子、ワイヤガイド、工作物２に加
工液を吹き付ける噴流ノズル等が組込まれている。この
ワイヤ放電加工機では、ワークテーブル２３に対して工
作物２が設置され、一般に、ワークテーブル２３は水平
方向即ちＸ方向とＸ方向に移動できるように構成されて
いる。即ち、工作物２を取付けているワークテーブル２
３は、ＮＣ装置（図示省略）からの指令で工作物２の加
工状況に従ってＸ方向及びＸ方向に移動し、上ワイヤヘ
ッド９に供給されたワイヤ電極１との間で加工が進行す
るように構成されている。更に、ワイヤ放電加工機にお
いて、工作物２に対して上ワイヤヘッド９及び下ワイヤ
ヘッド１０、並びにこれらワイヤヘッド９，１０に取付
けた加工液噴流ノズルである上ノズル及び下ノズルを存
している。

このワイヤ放電加工機には、ワイヤ電極１を放電加工部
位へ供給するため自動ワイヤ供給装置が設けられ、ワイ
ヤ電極ｌのワイヤ走行系を構成している。この自動ワイ
ヤ供給装置のワイヤ走行系には、主として、ワイヤ電極
１を収容して該ワイヤ電極ｌを繰り出すためのソースボ
ビン２１、ワイヤ電極ｌを放電加工部位ヘガイドし、ワ
イヤ電極１に所定のテンションを付与し、また、ワイヤ
電極１を引き出し排出するために配設された各種のロー
ラ、上ワイヤヘッド９、下ワイヤへラド１０及びワイヤ
電極断線検出センサー等が組込まれている。ソースボビ
ン２１には、一般に、種々のワイヤ電極ｌを巻き上げた
ものを逐次交換して設定できるものであり、８亥ソース
ボビン２１をワイヤ放電加工機に装填する場合には、工
作物２の加工形状に応じて最適のワイヤ電極１が巻き上
げられているソースボビン２１を選定して自動ワイヤ供
給装置に組込むものである。また、工作物２が別の工作
物２に変更された場合には、変更した工作物２に最適の
ワイヤ電極１を選定して、該ワイヤ電極１が巻き上げら
れているソースボビン２１に取り換えるものである９例
えば、ワイヤ電極１の種類として、高速で且つ高精度加
工のため該ワイヤ電極に高テンシッンを掛けて工作物に
対して放電加工を行うことができる大きい径のワイヤ電
極、或いは工作物に対して細いスリット加工等を行うた
め該ワイヤ電極に低テンションを掛けて工作物に対して
放電加工を行う径の細いワイヤ電極がある。

ソースボビン２１は、ワイヤ電極１自体の繰り出しのた
め回転支持されており、ワイヤ電極１に対して若干のブ
レーキ力を付与することができる。

このソースボビン２１から送り出されたワイヤ電極１は
、幅広ローラ２２によってワイヤ電極１の繰り出しをス
ムースにしている。この場合、ソースボビン２１と幅広
ローラ２２との距離が十分に長いならば、該幅広ローラ
２２は一般的なローラでもよく、ワイヤ電極ｌをスムー
スに繰り出し機能を果たすことができる。また、ワイヤ
走行系には、ワイヤ電極１の方向を変換するため、複数
個の方向変換ローラ３が配設されている。これらの方向
変換ローラ３の間には、テンションローラ４及びブレー
キローラ６が配設されている。更に、ワイヤ電極１のワ
イヤ走行系において、ブレーキローラ６に対してワイヤ
電極１が該ブレーキローラ６から外れないように、押さ
えローラ７が配設されている。また、ワイヤ電極１のワ
イヤ走行系において、ブレーキローラ６の下流側に配設
された１対の方向変換ローラ３間にワイヤ電極１の断線
を検出するために、断線検出センサー８が配設されてい
る。また、ワイヤ電極１のワイヤ走行系において、下ワ
イヤヘッド１０の下流には、ワイヤ電極１をワイヤ放電
加工部位から引き出すため、ワイヤ電極１を挟んで一定
速度で引き出すことができるピンチローラ１１及び押さ
えローラ１２が配設されている。

テンションローラ４については、第２図において実線で
示す位置がブレーキローラ６に接した状態を示し、また
鎖線で示す位置がブレーキローラ６から離れた状態を示
すものであり、即ち、ブレーキローラ６に対して接離可
能に構成されている。

ワイヤ電極１は、テンションローラ４とブレーキローラ
６との間で挟み付けられて走行し、ワイヤ電極自体にテ
ンションが付与される。テンションローラ４をブレーキ
ローラ６に押圧するには、スプリング２６（第４図参照
）のばね力によってブレーキローラ６に押し付けること
によって達成される。また、テンションローラ４をブレ
ーキローラ６に押圧するのを解除するには、第４図に示
すように、テンションローラ押付解除レバー５をスプリ
ング２６のばね力に抗して作動することによって達成で
きる。即ち、テンションローラ押付解除レバー５及び支
点と７２７がブリッジプレート３０に回転可能に支持さ
れ、テンションローラ解除レバー５の端部には偏心カム
２８を構成する回転自在なローラ２９が取付けられてい
る。また、テンションローラ押付解除レバー５と支点ビ
ン２７との間にテンションレバー２５が伸長している。

テンションレバー２５の一端は、軸受３２を介して支点
ビン２７に回転可能に取付けられ、また、テンションレ
バー２５の他端は、偏心カム２８を構成する回転自在な
ローラ２９に当接可能にスプリング２６によって押圧さ
れている。スプリング２６の一端はブリッジプレート３
０等の固定部３５に取付けられ、他端はテンションレバ
ー２５に形成した取付孔３６に取付けられている。また
、テンションレバー２５の中間部には、軸受３３を介し
てテンションローラ４のテンションローラ軸３１が回転
自在に支持されている。このテンションローラ軸３１は
、ブリッジプレート３０に形成した長孔３４を貫通して
配置されている。従って、テンションローラ押付解除レ
バー５を回転させることにより、該テンションローラ押
付解除レバー５に設けた偏心カム２８のローラ２９に当
接しているテンションレバー２５は、スプリング２６の
ばね力に抗して支点ビン２７を中心に揺動する。

テンションレバー２５の移動によって、テンションレバ
ー２５に取付けたテンションローラ軸３１が揺動し、テ
ンションローラ４はブレーキローラ６との接触状態から
引き離され、第２図に示す鎖線の位置へ移動され、テン
ションローラ４によるワイヤ電極１へのテンションの付
与作用が解除される。

この発明によるワイヤ電極のテンション装面は、上記の
構成において、特に、次に説明するブレーキ装置に特徴
を有している。第２図に示すように、ブレーキローラ６
は、テンションローラ４に隣接し、テンションローラ４
の押圧によって接触可能に配設されている。また、第３
図に示すように、ブレーキローラ６はブレーキローラ軸
１３の一端に固定され、該ブレーキローラ軸１３はブリ
ッジプレー１・３０に軸受３７を介して回転可能に取付
けられている。ブレーキローラ軸１３の他端は、ブリッ
ジプレート３０に固定したフレーム３８に軸受３９を介
して回転可能に支持されている。また、ブレーキローラ
６とは反対側のブレーキローラ軸１３の端部には１．カ
ップリング１５を介して小ブレーキ１６が取付けられて
いる。この小ブレーキ１６は、小さい制動力をブレーキ
ローラ６に与えるものであり、ワイヤ放電加工時に径の
細いワイヤ電極１を用いる場合に、該ワイヤ電極１に低
テンシジンを掛けて細いスリット加工等を行う時に作動
するように設けられている。この小ブレーキ１６は、例
えば、電磁粉ブレーキ、ヒステリシスブレーキ等で構成
することができる。

更に、ブレーキローラ軸１３には、電磁クラッチ１４を
介して大ブレーキ２０が連結されている。

この大ブレーキ２０は、大きい制動力をブレーキローラ
６に与えるものであり、ワイヤ放電加工時に径の太いワ
イヤ電極１を用いる場合に、該ワイヤ電極１に高テンシ
ョンを掛けて高速で且つ高精度加工の放電加工等を行う
時に作動するように設けられている。この大ブレーキ２
０は、例えば、電磁粉ブレーキ、ヒステリシスブレーキ
等で構成することができる。大ブレーキ２０は、ブリッ
ジプレート３０に取付けられ、咳大ブレーキ２０のブレ
ーキ軸４２にはギヤ１９が固定されている。

このギヤ１９は、軸受４１を介してブレーキローラ軸１
３に回転可能に支持されたギヤ１８に噛み合っている。

これらのギヤ１８．１９は、必ずしもギヤに構成するこ
とはなく、大ブレーキ２０のブレーキ力をブレーキロー
ラ軸１３に伝達できるものであればよいものであり、例
えば、プーリ及び両ブーりに掛けたベルトから構成して
もよいものである。ギヤ１８のボス部には、電磁クラッ
チ１４のアーマチュア１７がギヤ１８と一体的に回転で
きるように取付けられている。また、ブリッジプレート
３０には、電磁クラッチ１４のソレノイド４０が固定さ
れており、該ソレノイド４０は軸受４３を介してブレー
キローラ軸１３に支持されている。この電磁クラッチ１
４の詳細な構造は、図示していないが、噛み合い式或い
は摩擦板による摩擦式に構成してもよいものである。例
えば、電磁クラッチ１４を噛み合い式に構成した場合に
は、ソレノイド４０の付勢によってアーマチュア１７と
一体に回転する部材が、ブレーキローラ軸１３と一体に
回転する部材に噛み合い、ブレーキ力が伝達されるよう
に構成すればよい。また、電磁クラッチ１４を摩擦仮に
よる摩擦式に構成した場合には、ソレノイド４０の付勢
によってアーマチュア１７と一体に回転するアウタディ
スクが、ブレーキローラ軸１３と一体に回転するインナ
ディスクと摩擦接触し、ブレーキ力が伝達されるように
構成すればよい。上記実施例では、ブレーキローラ軸１
３に大ブレーキ２０を連結するクラッチとして、電磁ク
ラッチ１４を用いたが、電磁クラッチに限らず、流体ク
ラッチ、摩擦クラッチ等を用いてもよいことは勿論であ
る。

この発明によるワイヤ電極のテンシラン装置において、
ブレーキ装置は上記のように構成されて・いるので、電
磁クラッチ１４がソレノイド４０の付勢によってオン状
態になり、大ブレーキ２０が作動する時に、大ブレーキ
２０のブレーキ力がブレーキローラ軸１３を通じてブレ
ーキローラ６に掛かるようになる。また、電磁クラッチ
１４がオフ状態になり、小ブレーキ１Ｇが作動する時に
、小ブレーキ１６のブレーキ力がブレーキローラ軸１３
を通じてブレーキローラ６に掛かるようになる。従って
、ワイヤ放電加工機における同一のワイヤ走行系におい
て、細いワイヤ電極と太いワイヤ電極とを、簡単な切り
換え掻作で使用できるようになる。第５図において、４
この発明によるワイ中電極のテンション装置に組み込ま
れたブレーキ装置の特性が示されている。グラフにおい
て、横軸にブレーキにかける電流の強さＩをプロットし
、縦軸にワイヤ電極１に付与されるワイヤ張力Ｔをプロ
ットする０曲線人は小ブレーキ１６が作動する時のブレ
ーキ特性を示し、曲線Ｂは大ブレーキ２０が作動する時
のブレーキ特性を示す０例えば、ワイヤ放電加工の時、
ワイヤ電極１に付与するワイヤ張力Ｔがワイヤ張力Ｔ１
までの範囲にある場合には、小ブレーキ１６を使用する
ように設定し、また、ワイヤ電極１に付与するワイヤ張
力Ｔがワイヤ張力Ｔ、からワイヤ張力Ｔ２までの範囲に
ある場合には、大ブレーキ２０を使用するように設定し
ておくものとする。このような設定値に応じて、ブレー
キ力を制御するように、電磁クラッチ１４のオン・オフ
を切り換えるように設定する。

これにより、ブレーキローラ６に掛けるブレーキ力を電
磁クラッチ１４の単なる切り換えで簡単に変更して１１
節できるため、ワイヤ電極１に対して高テンション又は
低テンションの切り換えが簡単にできる。また、低テン
ションでは小ブレーキ１６によってブレーキ力が付与さ
れるため、特に、ワイヤ電極１への張力付与が安定して
達成でき、従来のテンション装置に比較して、テンショ
ンの変更幅が広くなり、ワイヤ放電加工の加工精度を向
上させることができる。

〔発明の効果〕

この発明によるワイヤ電極のテンション装置は、上記の
ように構成されており、次のような効果を奏する。即ち
、この発明は、工作物とワイヤ電極との間で放電を発生
させて放電エネルギーによって前記工作物を放電加工す
るワイヤ放電加工機において、前記ワイヤ電極をワイヤ
走行系に組込んだブレーキローラと該ブレーキローラに
ばね力で押付けられるテンションローラとで挟み付けて
前記ワイヤ電極にテンションを付与すると共に、前記ブ
レーキローラのブレーキローラ軸に大きい制動力を有す
る大ブレーキと小さい制動力を有する小ブレーキを切換
手段を介して連結したので、ワイヤ電極のサイズ、加工
形状等の違いによって前記ブレーキローラに掛かるブレ
ーキ力を単に切り換えるだけで、前記ワイヤ電極に掛か
るテンションを高テンション又は低テンションに切り換
えることができる。即ち、ワイヤ放電加工機において工
作物をワイヤ電極で放電加工する場合に、高速で且つ高
精度加工のため、大きい径のワイヤ電極を使用して該ワ
イヤ電極に高テンションを掛ける状態と、細いスリット
加工等を行う時に径の細いワイヤ電極を使用して該ワイ
ヤ電極に低テンションを掛ける状態とを、同一のワイヤ
走行系に組み込まれた前記大ブレーキと前記小ブレーキ
とのいずれかに切り換えて前記ワイヤ電極に最適のテン
ションを付与し、構造そのものを簡単に構成し且つ切換
制御が簡単にできるように構成し、しかもコストを低減
し、場合によっては、ワイヤ電極の交換を自動化して無
人化でワイヤ放電加工を連続して行うように構成できる
。

また、前記ブレーキローラ軸に前記小ブレーキをカップ
リングを介して連結し、また前記ブレーキローラ軸に大
ブレーキを電磁クラッチ等のクラッチを介して連結した
ので、前記ワイヤ電極に対して前記クラッチの作動で直
ちに且つ簡単に大ブレーキによるテンションの付与に切
り換え制御することができる。また、前記ワイヤ電極を
交換或いは加工形状が異なる毎に、同様の切り換え制御
を行うだけで、次々に連続して各種のワイヤ電極に対し
てテンションの大きさを変更することができ、ワイヤ放
電加工を自動化することができ手。

また、前記ワイヤ電極に最適のテンションを付与するこ
とができ、しかもテンションの大きさの変更範囲を大き
くすることができ、特に、低テンションでは小ブレーキ
によってブレーキ力が付与されるため、前記ワイヤ電極
への張力付与が安定して達成でき、精度上極めて良好な
放電加工を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明によるワイヤ電極のワイヤテンション
装置の一実施例を示す正面図、第２図は第１図の要部を
示す拡大正面図、第３図は第１図の要部を示す拡大断面
図、第４図は第１図の要部を示す拡大断面図、及び第５
図は大ブレーキと小ブレーキの特性を示す特性曲線であ
る。 １−・・・・ワイヤ電極、２−・−工作物、４−−−・
・テンションローラ、５・−・−テンションローラ押付
解除レバー、６・−・−・・−ブレーキローラ、１３・
・・−・・ブレーキローラ軸、１４−・・・・電磁クラ
ッチ、１５・−一一−−カップリング、１６−　・−小
ブレーキ、１７・−−−−−アーマチュア、２０−・・
−大ブレーキ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）工作物とワイヤ電極との間で放電を発生させて放
   電エネルギーによって前記工作物を放電加工するワイヤ
   放電加工機において、前記ワイヤ電極をワイヤ走行系に
   組込んだブレーキローラと該ブレーキローラにばね力で
   押付けられるテンションローラとで挟み付けて前記ワイ
   ヤ電極にテンションを付与すると共に、前記ブレーキロ
   ーラのブレーキローラ軸に大きい制動力を有する大ブレ
   ーキと小さい制動力を有する小ブレーキを切換手段を介
   して連結したことを特徴とするワイヤ電極のテンション
   装置。
2. （２）前記ブレーキローラ軸に前記小ブレーキをカップ
   リングを介して連結し、また、前記ブレーキローラ軸に
   大ブレーキをクラッチを介して連結したことを特徴とす
   る請求項１に記載のワイヤ電極のテンション装置。