JPH0193045A - X線用ガス比例計数管 - Google Patents

X線用ガス比例計数管

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JPH0193045A
JPH0193045A JP24974387A JP24974387A JPH0193045A JP H0193045 A JPH0193045 A JP H0193045A JP 24974387 A JP24974387 A JP 24974387A JP 24974387 A JP24974387 A JP 24974387A JP H0193045 A JPH0193045 A JP H0193045A
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Manabu Funabashi
船橋 学
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、X線検出用のガス比例計数管に関し、特に、
検出X線の波長が変化しても検出効率を最適化できるよ
うに構成したX線用ガス比例計数管に関する。
(従来の技術) X線用のガス比例計数管は、検出用ガスを封入した管内
に電子集電極を配置したもので、放射線の入射によりガ
スから電離した電子を正の高電圧により集電極にあつめ
、電気パルスあるいは電流としてX線を検出するもので
、電気パルスで検出する場合は、波高分析器と組み合わ
せてX線の波長選別能力を有するものである。
(発明が解決しようとする問題点) このような機構をもたない1つの計数管を広範囲の波長
のX線に対して使用すると、短波長のX線ではガスに対
するX線の透過力が大きいため、電離電子の生成効率が
悪く検出感度が落ちるし、また、長波長のX線では検出
器の窓付近でX線のほとんどの吸収が起こるため、電子
が集電極まで到達する量が少なくなり、感度が低下した
り検出器の波長選別能力が低下する。実際には、使用す
るX線の波長に応じて、検出用ガスの種類や封入圧力を
変えた複数の計数管を用意しておき、目的に応じて検出
器を使い分けている。
したがって、本発明の目的は、このような従来技術の欠
点をなくし、1つの計数管だけで広い波長範囲のX線を
最適の検出効率で、かつ、高い波長選別能力で検出する
ことができるX線用ガス比例計数管を提供することであ
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明のX線用ガス比例計数管は、検出しようとするX
線の波長に応じて、検出用ガスの有効体積またはガス圧
を連続的に変化させるように構成したものである。
(作用) このように構成すると、いずれの波長のX線についても
、計数管内の検出用ガスによる吸収を充分に起こさせ、
検出効率をあげることができる。
そして、X線入射方向の集電極の位置も変化させて、集
電極をX線による電離範囲中の最適な位置に移動させ、
波長選別能力も最高の性能を発揮させることができる。
(実施例) 第1図、第2図は本発明の1実施例のX線用ガス比例計
数管本体の断面図を示す。計数管は、アースされた金属
性の外筒1と、外筒1の内側に軸方向にスライド可能に
嵌め込まれている内筒2とからなる。外′WJ1と内筒
2のスライド面はOリング等のシール部材3によりシー
ルされていて、外筒1と内筒2の間に形成される背室5
内の検出ガス中へ不純物等が混入するのを防いでいる。
内筒2の端部4を貫通して、背室5内に集電極6が支持
されるとともに、検出ガス導入パイプ7、検出ガス排出
パイプ8が開口している。第1図はこの集電極6が背室
5内にU字状に張り渡されている例を示すものであり、
第2図は集電極6が外筒1の中心軸に沿って直線状に突
出している例を示すものである。外筒1の端面にはベリ
リウム、高分子膜、その他適当な物質の薄い膜からなる
窓9が設けられている。なを、図中符号10は集電極6
から電気パルスを取り出す端子を示している。
さて、この検出器の検出効率は、 (X線入射窓のX線透過率) ×(検出ガスのX線吸収率) ・・・(a)で表わされ
る。上記X線透過率は波長が長くなると減少し、逆に、
上記X線吸収率は波長が短くなると減少するので、検出
効率は第4図に点線で示したような波長依存性を示す。
したがって、検出しようとするX線の波長が異なると検
出効率が変化してしまう。この変化をX線吸収率を変え
ることによって補うことができる。
ところで、X線吸収率は、 1−I/Io=(1−exp(−tt/p ・p ・T
))・・・・・・・・・(b) ここで、I  :透過X線量 ■。  二人射X線量 μ/ρ:質量吸収係数 ρ  :ガスの密度 T  :X線経路長 と表わされる。したがって、波長に依存する検出ガスの
X線吸収率の変化を補うためには、X線経路長Tを変化
させるか、ガスの密度ρを変化させればよい。例えば、
検出ガスに1気圧のArを使用した場合、長波長の5i
Ka X線では、上記(b)式より、約1.7センチメ
ードルのガス厚で90%が吸収されるので、第1図の集
電極6の先端を検出器窓9から約0.8センチメートル
程度の所に位置するように内筒2をスライドさせると、
検出効率、波長選別性能とも良好となった。
これに対して、比較的短波長のCuKct X線では、
同じく(b)式より、約10.9センチメートルのガス
厚で90%が吸収されるため、集電極6の先端を窓9か
ら約5センチメートル程度の位置にすると、良好な結果
が得られた。
上記の(b)式中質量吸収係数は、 μ/ρ=k・λ・Z ここで、k:定数 λ:波長 Z:吸収体の原子番号 で近似的に表わされているので、T=に’ /λ(K′
 :定数)に従って内筒2の位置を目的のX線波長に合
わせて移動させればよい。また、妨害X線がある時には
、妨害X線の波長に応じて、上記T値を基準として内筒
2を多少前後させれば、妨害の影響を小さくできる。
なお、内筒2の端部4を貫通する集電tfi6の端部4
に対する軸方向の位置も調節可能に構成し、検出効率を
より最適に調節できるようにすることも可能である。
第3図に模式的に示した別の実施例のものは、(b)式
のρを変化させて上記第1図、第2図のものと同様の効
果を得るようにしたものである。
この場合には、ガスの導入、排出経路7.8にガス圧調
整弁11を設けて、短波長X線に対しては一ガス圧を高
め、長波長のX線に対してはガス圧を低くする。必要に
応じて、差動排気を用いて大気圧以下で使用することが
できる。また、一般に、検出ガスとしては、Ar、He
などの稀ガスが多く用いられるが、X線の吸収率はガス
の原子番号とともに増加するので、ガスの種類をその他
の稀ガスに切り換えるようにすることによっても同様の
効果を得ることができる。
第5〜7図は、本発明の計数管を固体表面研究用などの
超高真空装置に組み込むための薄膜の窓材のシール部を
示すものである。超高真空仕様では、リーク量、材料の
放出ガス量の低減、及び、排気中の装置のベーキングの
ために、金属シールを用いる。特に、25μmBeのよ
うな薄膜の窓材のシール部には特別の配慮を要する。以
下に実施例を示す。
第5図は、InやAu等の軟らかい金属のシート13を
シール部材として用いた例を示すものである。計数管本
体1と窓薄膜12の間でつぶされたIn等は、真空シー
ルの役目を果たすとともに薄膜12の破れを防ぐ。なお
図中、14は窓部え金具である。
第6図は、本体1側にAuシール線15のための溝16
を設け、シール材の使用量の低減を図った例を示すもの
である。溝16の断面積はシール線15の断面積の70
〜90%程度である。
第7図は、薄膜材12の周辺に補強板17による補強を
施したもので、薄膜12と補強板17とは電子ビーム溶
接などで接着18する。
第8図は、本発明の計数管を更に超軟X線波長領域で使
用するための構造を示す。超軟X線(C−KXなど)領
域では、X線の透過率のために、0.5〜5μm厚程度
の高分子膜12を使用する。
このような膜材12の場合、材料単独での機械的強度が
不足するので、第8図(a)に示したような中心にメツ
シュ部分20を有するサポート19を用いて窓材の損傷
を防ぐ。シール部材としては第8図(b)に示したよう
な平パツキン21、又は第8図(c)に示したようなO
リングシール22を用いる。
超高真空装置でこの膜材やシール部からのリークが問題
と成る場合には、第9図に示したように窓部を二重構造
9.9′とする。リーク量が大きい場合は、二重窓部9
.9′間をIPa以下に差動排気して、纏定装置側の真
空度への悪影響を防ぐ。また、窓材の強度に問題がある
場合には、二重窓部9.9′間を排気し、1/2〜1/
3気圧程度のHeガスで置換すれば、窓材にかかる圧力
を小さくでき、膜サポート用メツシュの目開きを大きく
することができるので、X線の透過量も十分となる。な
お、図中の符号7’ 、8’は二重窓9.9′間を低圧
に保持するためのガス導入パイプ、ガス排出パイプを示
す。
(発明の効果) 本発明のガス比例計数管は、扱うX線の波長領域が広い
蛍光X線分析や、超高真空仕様として固体表面軟X線吸
収端微細構造分析などに利用する場合に大きな効果があ
るものである。特に、超高真空装置でガス比例計数管を
用いる際、従来の検出器においては、目的とする波長に
応じて検出器の交換が必要であり、そのために−旦大気
圧□に戻し、再度真空排気を行っていたが1本発明の検
出器を用いれば、真空外から検出波長に適合するように
検出器をF!a整できるため、装置の真空再排気は不要
となり、実験の能率は大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のX線用ガス比例計数管の1実施例の本
体の断面図、第2図は集電極を変形した他の実施例の本
体断面図、第3図はガスの種類とその圧力の調整装置の
模式図、第4図は検出効率の波長依存性を示すグラフ、
第5図〜第7図は本発明の計数管の薄膜窓のシール部の
構造を示す断面図及び斜視図、第8図は本発明の計数管
を超軟X線波長領域で使用するための構造を説明するた
めの説明図、第9図は二重窓構造とした実施例の断面図
である。 1:外筒 2:内筒 3.13.15.21.22:シール部材4:内筒の端
部 5:背室 6:集電極7:検出ガス導入パイプ 8
:排出パイプ9:窓 10:端子 11:ガス圧調整弁
12:窓膜  19:膜サポート 特許出願人  新技術開発事業団 (他1名) 出願人代理人 弁理士 佐藤文男 第   1   図 第2図 第3図 Ar   He 第4図 第5図 第6図 (a) 第   8   図 (b)    (C)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ガス比例計数管において、検出しようとするX線
    の波長に応じて、検出用ガスの有効体積またはガス圧を
    連続的に変化させるように構成して、X線波長選別能力
    とX線検出効率を最適にできるようにしたことを特徴と
    するX線用ガス比例計数管。
  2. (2)有効体積の変化をX線入射方向に変化させ、かつ
    、この変化に伴って集電極のX線入射方向の位置も変化
    するように構成したことを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載のX線用ガス比例計数管。
  3. (3)端面にX線入射窓を設けた外筒と、この外筒の内
    側に軸方向にスライド可能にかつ気密に嵌め込まれてい
    る内筒とからなり、この内筒の端部を貫通して集電極、
    検出用ガス導入パイプ、及び、検出用ガス排出パイプが
    取り付けられていて、集電極は外筒の端面と内筒の端部
    の間に形成された管室内に延びるように支持されている
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項記
    載のX線用ガス比例計数管。
  4. (4)検出用ガス導入パイプ、検出用ガス排出パイプそ
    れぞれにガス圧調整弁を設けたことを特徴とする特許請
    求の範囲第3項記載のX線用ガス比例計数管。
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