JP2938134B2 - X線検出装置 - Google Patents
X線検出装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は超高真空雰囲気でX線の計数を行なうための
ガス入りX線計数器に係り、とくにシンクロトロン放射
光の軟X線の計数に好適な超高真空用X線計数器に関す
る。
ガス入りX線計数器に係り、とくにシンクロトロン放射
光の軟X線の計数に好適な超高真空用X線計数器に関す
る。
[従来の技術] 従来のガス入りX線計数器は例えばG.F.Knoll著(木
村、阪井訳)"X線計測ハンドブック”、日刊工業新聞社
(1982)123頁〜190頁にその動作原理が記述されている
ように、X線を試料に当て、原理的に電離箱として動作
する放射線検出器によりX線の透過率を検出したり、試
料からの全反射X線を検出したり、試料によるX線の回
折、散乱等を検出、あるいは単にX線源の強度を測定し
たりするようになっていた。
村、阪井訳)"X線計測ハンドブック”、日刊工業新聞社
(1982)123頁〜190頁にその動作原理が記述されている
ように、X線を試料に当て、原理的に電離箱として動作
する放射線検出器によりX線の透過率を検出したり、試
料からの全反射X線を検出したり、試料によるX線の回
折、散乱等を検出、あるいは単にX線源の強度を測定し
たりするようになっていた。
しかし、上記放射線検出器は電離箱、比例計数管、ガ
イガーミューラー計数管等に分類されるX線による電離
を測定してX線計数を行う装置であり、動作ガスを封止
した容器内に低X線吸収の膜よりなるX線透過窓を介し
てX線を導入し、上記X線による動作ガスの電離を測定
するようになっているため、X線透過窓からの動作ガス
のリークにより上記シンクロトロン放射光の軟X線の計
数に必要なな超高真空が得られないという問題があっ
た。
イガーミューラー計数管等に分類されるX線による電離
を測定してX線計数を行う装置であり、動作ガスを封止
した容器内に低X線吸収の膜よりなるX線透過窓を介し
てX線を導入し、上記X線による動作ガスの電離を測定
するようになっているため、X線透過窓からの動作ガス
のリークにより上記シンクロトロン放射光の軟X線の計
数に必要なな超高真空が得られないという問題があっ
た。
上記動作ガスのリークを低減するため、特開昭61−08
4584号公報においては、上記X線透過窓(高分子有機フ
ィルムの)を備えた放射線検出器をベリリウム薄板のX
線透過窓を有する真空容器内に収納してその真空度を外
部の超高真空度と上記の放射線検出器内の動作ガス圧と
の中間値にし、上記に高分子有機フィルムとベリリウム
薄板のそれぞれに作用する圧力差を低減するようにし、
さらに高分子有機フィルムを介してリークする上記動作
ガス成分の排気を独自に制御するようにして、上記超高
真空雰囲気への動作ガスのリークを防止するようにして
いた。
4584号公報においては、上記X線透過窓(高分子有機フ
ィルムの)を備えた放射線検出器をベリリウム薄板のX
線透過窓を有する真空容器内に収納してその真空度を外
部の超高真空度と上記の放射線検出器内の動作ガス圧と
の中間値にし、上記に高分子有機フィルムとベリリウム
薄板のそれぞれに作用する圧力差を低減するようにし、
さらに高分子有機フィルムを介してリークする上記動作
ガス成分の排気を独自に制御するようにして、上記超高
真空雰囲気への動作ガスのリークを防止するようにして
いた。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来技術では高精度X線計数において、測定する
X線の光子エネルギーに応じて上記動作ガスの圧力を最
適値に調整することが出来なかっため、X線計数効率を
高め、測定を高精度化することができないという問題が
あった。
X線の光子エネルギーに応じて上記動作ガスの圧力を最
適値に調整することが出来なかっため、X線計数効率を
高め、測定を高精度化することができないという問題が
あった。
さらに、上記従来技術では動作ガスの圧力を1気圧と
していたため、X線透過窓材には約1気圧の圧力差に耐
えられる膜材を用いる必要があり、例えば7.6μm厚の
カプトン膜等が用いられていた。しかし、本発明が目的
とする5keV以下の低エネルギー領域のX線光子エネルギ
ーの測定においては、上記膜厚によるX線吸収が過大な
ため放射線検出器出力のS/N(信号対雑音比)が低下し
て良好な計数精度が得られないという問題があった。
していたため、X線透過窓材には約1気圧の圧力差に耐
えられる膜材を用いる必要があり、例えば7.6μm厚の
カプトン膜等が用いられていた。しかし、本発明が目的
とする5keV以下の低エネルギー領域のX線光子エネルギ
ーの測定においては、上記膜厚によるX線吸収が過大な
ため放射線検出器出力のS/N(信号対雑音比)が低下し
て良好な計数精度が得られないという問題があった。
本発明の目的は上記動作ガスの圧力を、被測定X線エ
ネルギーに応じて調整できるようにして、X線透過窓材
の膜厚を薄めてその透過損失を低減するようにすること
にある。
ネルギーに応じて調整できるようにして、X線透過窓材
の膜厚を薄めてその透過損失を低減するようにすること
にある。
さらに本発明の目的は、上記動作ガス圧力の調整によ
り、入射X線用検出器に対しては所要のX線検出効率を
確保しながら透過損失を低減することの出来るように
し、試料からの出射X線用検出器に対しては検出効率を
高めるようにすることにある。
り、入射X線用検出器に対しては所要のX線検出効率を
確保しながら透過損失を低減することの出来るように
し、試料からの出射X線用検出器に対しては検出効率を
高めるようにすることにある。
さらに、本発明の目的は、測定終了時において、各部
の圧力を均衡させることにより、X線用検出器、真空容
器部、あるいは超高真空室等に大気圧をリークする際、
圧力ショックによるX線透過窓の破損を防止することに
ある。
の圧力を均衡させることにより、X線用検出器、真空容
器部、あるいは超高真空室等に大気圧をリークする際、
圧力ショックによるX線透過窓の破損を防止することに
ある。
以上を総合して本発明は、5keV以下の低エネルギー領
域のX線光子エネルギーを測定することの出来るX線検
出装置を提供することを目的とする。
域のX線光子エネルギーを測定することの出来るX線検
出装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明においては、電離箱
型X線検出器により超高真空雰囲気より入射されるX線
の測定を行なうX線検出装置において、上記X線検出器
内に導入する動作ガスの圧力を制御する圧力調整器と、
上記X線検出器を収容する真空度の制御可能な真空容器
部と、上記真空容器部を収容する超高真空雰囲気の超高
真空室を備え、上記X線検出器と上記真空容器部と上記
超高真空室を相互に連結可能とする弁を備えたことを特
徴とするものである。
型X線検出器により超高真空雰囲気より入射されるX線
の測定を行なうX線検出装置において、上記X線検出器
内に導入する動作ガスの圧力を制御する圧力調整器と、
上記X線検出器を収容する真空度の制御可能な真空容器
部と、上記真空容器部を収容する超高真空雰囲気の超高
真空室を備え、上記X線検出器と上記真空容器部と上記
超高真空室を相互に連結可能とする弁を備えたことを特
徴とするものである。
[作用] 上記X線計数器において動作ガス組成及び圧力調整機
構を用いることにより、X線計数器の計数効率及びX線
透過率を、測定するX線のエネルギーに応じて最適の値
に調節することが出来る。
構を用いることにより、X線計数器の計数効率及びX線
透過率を、測定するX線のエネルギーに応じて最適の値
に調節することが出来る。
また、5keV以下の低エネルギー領域を測定する場合に
は、動作ガスの圧力を大気圧より小さくし、計数器部の
X線透過窓内外の圧力差を減少させる。これにより、機
械的強度は小さいが低エネルギーのX線の吸収が小さい
薄膜をX線透過窓として使用可能となる。
は、動作ガスの圧力を大気圧より小さくし、計数器部の
X線透過窓内外の圧力差を減少させる。これにより、機
械的強度は小さいが低エネルギーのX線の吸収が小さい
薄膜をX線透過窓として使用可能となる。
またX線検出器および真空容器部並びに超高真空室を
連結する弁を設けたことにより、X線検出器、真空容器
部および超高真空雰囲気を大気圧にリークする際のX線
透過窓の破損を防止することができる。
連結する弁を設けたことにより、X線検出器、真空容器
部および超高真空雰囲気を大気圧にリークする際のX線
透過窓の破損を防止することができる。
[実施例] まず、本発明の効果を裏づける理論的根拠に付き説明
し、次いでその具体的実施例に付き説明する。
し、次いでその具体的実施例に付き説明する。
第2図(a)、(b)はX線計測の方法を原理的に説
明する図である。
明する図である。
第2図(a)は試料100のX線吸収を測定する場合
で、検出記21により入射X線強度を測定し、検出器21に
より試料100を透過するX線強度を測定するようにす
る。
で、検出記21により入射X線強度を測定し、検出器21に
より試料100を透過するX線強度を測定するようにす
る。
第2図(b)では試料100のX線反射率あるいは回
折、散乱強度等を測定する場合で、検出記21により入射
X線強度を測定し、検出記21により試料100から反射あ
るいは回折、散乱するX線強度を測定する。
折、散乱強度等を測定する場合で、検出記21により入射
X線強度を測定し、検出記21により試料100から反射あ
るいは回折、散乱するX線強度を測定する。
上記第2図(a)、(b)において測定精度を高める
には、第1に検出器21のX線透過率を高めて試料100に
照射されるX線量の減衰を防止し、第2に検出記22のX
線検出率を高めるようにする必要がある。
には、第1に検出器21のX線透過率を高めて試料100に
照射されるX線量の減衰を防止し、第2に検出記22のX
線検出率を高めるようにする必要がある。
また、第2図(c)においても同様に、検出記21によ
るX線の減衰を出来るだけ防止する必要がある。
るX線の減衰を出来るだけ防止する必要がある。
検出器の上記X線透過率やX線透過率等は以下に説明
するように検出器内の動作ガスの圧力に応じて変化する
ので、上記要件を満たすには上記動作ガス圧力を最適値
に認定する必要がある。
するように検出器内の動作ガスの圧力に応じて変化する
ので、上記要件を満たすには上記動作ガス圧力を最適値
に認定する必要がある。
しかしながら、従来のX線検出器では上記動作ガス圧
力は略一定値に固定されていたので、測定精度にも自ず
と限界があったのである。
力は略一定値に固定されていたので、測定精度にも自ず
と限界があったのである。
上記X線検出器は計測目的に応じて種々の形式のもの
が使用される。
が使用される。
第3図、第4図は上記X線検出器の一例の断面図であ
る。
る。
第3図において、X線はX線透過窓61より入射され同
62より外部に出射する。各X線透過窓61、62は2.5μm
厚程度の有機高分子フィルムが用いられ、エポキシ樹脂
によりX線検出器2に接着しオーリング26を介して検出
器部2に取付けられている。ハウジング25内はパイプ3
1、32により動作ガスが給排気され外部への動作ガスの
漏れが無いように機密性が保たれる。電極7,8間には高
電圧が印加され、X線の通路に沿って電離されたイオン
対を捕集する。なお、24は電極端部の電場の乱れを補償
する保護電極あり、これにより計数精度が向上される。
62より外部に出射する。各X線透過窓61、62は2.5μm
厚程度の有機高分子フィルムが用いられ、エポキシ樹脂
によりX線検出器2に接着しオーリング26を介して検出
器部2に取付けられている。ハウジング25内はパイプ3
1、32により動作ガスが給排気され外部への動作ガスの
漏れが無いように機密性が保たれる。電極7,8間には高
電圧が印加され、X線の通路に沿って電離されたイオン
対を捕集する。なお、24は電極端部の電場の乱れを補償
する保護電極あり、これにより計数精度が向上される。
第4図は比較計数管、GM管等の高電界が必要なガス入
りX線計数器用の円筒電極型計数器部の断面図である。
円筒型電極27の動作ガス容器を兼ね、アルミニウムを蒸
着した2.5μm厚のマイラー膜がX線透過窓61と62が第
2図と同様にして取付けられる。高電圧は円筒型電極27
と中心部に張られた直径8μm程度のワイヤー陽極29間
に印加される。
りX線計数器用の円筒電極型計数器部の断面図である。
円筒型電極27の動作ガス容器を兼ね、アルミニウムを蒸
着した2.5μm厚のマイラー膜がX線透過窓61と62が第
2図と同様にして取付けられる。高電圧は円筒型電極27
と中心部に張られた直径8μm程度のワイヤー陽極29間
に印加される。
上記X線検出器のX線透過率は、I0を入射X線強度、
IをX線検出器を透過した出射X線強度とすると、X線
透過率I/I0は理論的に、 I/I0=exp(−μA−μWW) (1) と表される。ただし、Aは動作ガス中のX線光路の長さ
(cm)、μWはX線透過窓の線吸収係数(cm-1)、Wは
X線透過窓の厚さ(cm)である。
IをX線検出器を透過した出射X線強度とすると、X線
透過率I/I0は理論的に、 I/I0=exp(−μA−μWW) (1) と表される。ただし、Aは動作ガス中のX線光路の長さ
(cm)、μWはX線透過窓の線吸収係数(cm-1)、Wは
X線透過窓の厚さ(cm)である。
一方、上記X線検出器の検出効率は、μを動作ガスの
線吸収系数(cm-1)、Lを動作ガス中の電極の長さ(c
m)とすると理論的に 1−exp(−μL) (2) に比例する。
線吸収系数(cm-1)、Lを動作ガス中の電極の長さ(c
m)とすると理論的に 1−exp(−μL) (2) に比例する。
式(1)よりX線透過率は動作ガスの線吸収係数μに
逆比し、式(2)より、検出効率は上記μに比例するこ
とがわかる。
逆比し、式(2)より、検出効率は上記μに比例するこ
とがわかる。
したがって、例えば第2図(a)〜(c)において
は、検出器21の動作ガス圧力は出来るだけ低め、検出器
22の動作ガス圧力は出来るだけ高めるようにしたい。し
かし検出器21では、動作ガス圧力を低めると透過率は向
上するものの入射X線の検出感度が低下するので、その
動作ガス圧力は両者の兼ね合いから決定する必要があ
る。
は、検出器21の動作ガス圧力は出来るだけ低め、検出器
22の動作ガス圧力は出来るだけ高めるようにしたい。し
かし検出器21では、動作ガス圧力を低めると透過率は向
上するものの入射X線の検出感度が低下するので、その
動作ガス圧力は両者の兼ね合いから決定する必要があ
る。
通常、上記検出器21の透過率は約90%が最適である。
また、検出器22の場合は動作ガス圧力を高める程良い
ように思われるが、実際には例えば第2図(a)に示す
ように、電極7、8の端部と各X線透過窓61、62間の透
過損失が存在し、これは上記動作ガス圧力に比例して増
加する。
ように思われるが、実際には例えば第2図(a)に示す
ように、電極7、8の端部と各X線透過窓61、62間の透
過損失が存在し、これは上記動作ガス圧力に比例して増
加する。
したがって、実際には式(2)は (電極端部と各透過窓間の透過率)×式(2) のように修正する必要がある。
第5図は検出器22における上記動作ガスと検出効率と
の関係の測定データの一例である。なお、動作ガスには
Ne、電極7は70.5mm,電極8は80.5mm、透過窓61、61に
は2.5μmのマイラー膜を用い、各電極端部と対応する
透過窓間の距離は15mmである。
の関係の測定データの一例である。なお、動作ガスには
Ne、電極7は70.5mm,電極8は80.5mm、透過窓61、61に
は2.5μmのマイラー膜を用い、各電極端部と対応する
透過窓間の距離は15mmである。
第5図のCは入射X線のエネルギが2keVの場合であ
り、明らかに動作ガス圧が10kPaにて検出効率が最大に
なりことがわかる。この最大点では、動作ガス圧の増加
による検出効率の増加と、上記透過率の低下とが丁度拮
抗しているのである。同図のDは入射X線のエネルギが
3kVの場合であり、検出効率の最大点は動作ガス圧力の
高い方に移動している。
り、明らかに動作ガス圧が10kPaにて検出効率が最大に
なりことがわかる。この最大点では、動作ガス圧の増加
による検出効率の増加と、上記透過率の低下とが丁度拮
抗しているのである。同図のDは入射X線のエネルギが
3kVの場合であり、検出効率の最大点は動作ガス圧力の
高い方に移動している。
これにより測定するX線エネルギーに応じて動作ガス
圧を最適に設定する必要があることがわかる。さらに、
上記ガス圧は動作ガスの組成に応じても調整する必要が
ある。
圧を最適に設定する必要があることがわかる。さらに、
上記ガス圧は動作ガスの組成に応じても調整する必要が
ある。
第1図は上記した考え方に従って、X線検出器の動作
ガス圧力んを任意に設定できるようにした本発明の超高
真空用X線計数器実施例の構成図であり、第2図(a)
〜(c)に示した検出器21、22等の一方のみを収容した
状態を示している。
ガス圧力んを任意に設定できるようにした本発明の超高
真空用X線計数器実施例の構成図であり、第2図(a)
〜(c)に示した検出器21、22等の一方のみを収容した
状態を示している。
入射X線1は同図中央左側より矢印の向きにX線検出
器2内に入りその通路に沿って動作ガスを電離する。こ
の電離により発生したイオン対は平行平板型の電極7と
8間の電場に従って移動し上記電極に捕集される。
器2内に入りその通路に沿って動作ガスを電離する。こ
の電離により発生したイオン対は平行平板型の電極7と
8間の電場に従って移動し上記電極に捕集される。
X線検出器2は真空容器部3内に収容され、また、真
空容器部3は10-7Pa程度の超高真空室4内に置かれる。
空容器部3は10-7Pa程度の超高真空室4内に置かれる。
12、13はそれぞれ超高真空室4の超高真空生成用のタ
ーボ分子ポンプ、およびロータリポンプである。
ーボ分子ポンプ、およびロータリポンプである。
真空容器部3はX線検出器2内の動作ガス圧力と超高
真空室4間の過大な圧力差を緩衝するために設けられた
特開昭61−084584号公報記載の装置である。真空容器部
3はロータリポンプ15およびターボ分子ポンプ14により
所定の圧力に排気され、X線透過窓5を備えている。
真空室4間の過大な圧力差を緩衝するために設けられた
特開昭61−084584号公報記載の装置である。真空容器部
3はロータリポンプ15およびターボ分子ポンプ14により
所定の圧力に排気され、X線透過窓5を備えている。
X線検出器2のX線透過窓61、62には2.5μm厚のマ
イラー膜が用いられハウジング25にエポキシ樹脂により
接着されている。
イラー膜が用いられハウジング25にエポキシ樹脂により
接着されている。
X線検出器2にはガス混合装置21により複数の減圧弁
付きガスボンベ22の各ガス成分を所定の組成に混合した
動作ガスがパイプ31を介して導入され、パイプ32により
排気される。20は排気用のロータリーポンプである。
付きガスボンベ22の各ガス成分を所定の組成に混合した
動作ガスがパイプ31を介して導入され、パイプ32により
排気される。20は排気用のロータリーポンプである。
上記動作ガスの圧力は真空計、可変リークバルブ、制
御装置等を含む圧力調整器18により制御される。圧力調
整器18は設定圧力値と計測圧力の差に応じて上記圧力調
整器18の可変リークバルブの開閉をPID(比例積分微
分)制御して動作ガスに対するコンダクタンスを調整
し、動作ガスを所定のガス圧に保ってX線検出器2内に
供給する。
御装置等を含む圧力調整器18により制御される。圧力調
整器18は設定圧力値と計測圧力の差に応じて上記圧力調
整器18の可変リークバルブの開閉をPID(比例積分微
分)制御して動作ガスに対するコンダクタンスを調整
し、動作ガスを所定のガス圧に保ってX線検出器2内に
供給する。
上記動作ガス圧力の設定によりX線検出器の測定精度
を向上することができるのである。
を向上することができるのである。
X線検出器2のX線透過窓61、62等が破損すると真空
容器部3内に動作ガスが漏れ圧力が高まる結果、真空容
器部3のX線透過部3のX線透過窓5を破損し、超高真
空室4の圧力を一挙に高めるような事故となる可能性あ
る。したがって真空容器部3内の真空度を真空計16によ
り常に監視し、これが所定値を越えた場合には締切バル
ブ17を自動的に閉じて動作ガスの供給を停止するように
する。
容器部3内に動作ガスが漏れ圧力が高まる結果、真空容
器部3のX線透過部3のX線透過窓5を破損し、超高真
空室4の圧力を一挙に高めるような事故となる可能性あ
る。したがって真空容器部3内の真空度を真空計16によ
り常に監視し、これが所定値を越えた場合には締切バル
ブ17を自動的に閉じて動作ガスの供給を停止するように
する。
測定終了時等においてX線検出器2、真空容器部3、
あるいは超高真空室4等に大気圧をリークさせる際に
は、圧力ショックによりX線透過窓が破損する場合があ
る。これを防ぐためには各部の圧力を均衡させながら上
記リークを進める必要がある。このため、まず締切バル
ブ17を閉じてX線検出器2内を増圧する。次いで、バル
ブ9、10を開いてX線検出器2、真空容器部3、超高真
空室4等の圧力を等しくする。この際、X線透過窓にか
かる差圧をできるだけ小さくするため、リークバルブか
ら各X線透過窓両面までの各流体抵抗値(コンダクタン
ス)を等しくしてバルブ9、10を開くようにする。その
後、リークバルブ11を開いて乾燥空気を導入する。
あるいは超高真空室4等に大気圧をリークさせる際に
は、圧力ショックによりX線透過窓が破損する場合があ
る。これを防ぐためには各部の圧力を均衡させながら上
記リークを進める必要がある。このため、まず締切バル
ブ17を閉じてX線検出器2内を増圧する。次いで、バル
ブ9、10を開いてX線検出器2、真空容器部3、超高真
空室4等の圧力を等しくする。この際、X線透過窓にか
かる差圧をできるだけ小さくするため、リークバルブか
ら各X線透過窓両面までの各流体抵抗値(コンダクタン
ス)を等しくしてバルブ9、10を開くようにする。その
後、リークバルブ11を開いて乾燥空気を導入する。
第6図は第1図に示した本発明装置によるX線計測結
果の一例である。多結晶シリコンの試料100へエネルギ
Eを連続的に変化させながらX線を入射させ、入射X線
強度と透過X線強度を本発明装置により測定してX線吸
収スペクトルを得る。横軸は上記EとシリコンのX線吸
収端のエネルギEOの差分より演算される波数k、縦軸は
試料のX線吸収スペクトルより抽出して規格化した振動
χである。周知のように、同図の測定波形の山谷が明瞭
であるほどS/N(信号対雑音比)がよく、分析の精度が
向上する。従来の装置(X線検出器2内の動作ガス圧力
が一定のタイプ)では同図のAに相当するの部分の波形
がBの部分の程度であった。これより本発明の効果をS/
Nに換算すると10倍以上の向上が達成されていることに
なる。
果の一例である。多結晶シリコンの試料100へエネルギ
Eを連続的に変化させながらX線を入射させ、入射X線
強度と透過X線強度を本発明装置により測定してX線吸
収スペクトルを得る。横軸は上記EとシリコンのX線吸
収端のエネルギEOの差分より演算される波数k、縦軸は
試料のX線吸収スペクトルより抽出して規格化した振動
χである。周知のように、同図の測定波形の山谷が明瞭
であるほどS/N(信号対雑音比)がよく、分析の精度が
向上する。従来の装置(X線検出器2内の動作ガス圧力
が一定のタイプ)では同図のAに相当するの部分の波形
がBの部分の程度であった。これより本発明の効果をS/
Nに換算すると10倍以上の向上が達成されていることに
なる。
[発明の効果] 本発明によれば、X線検出器の動作ガスの圧力を調整
機構により任意に設定することができるので、入射X線
エネルギーに応じてX線検出器のX線透過率とX線検出
効率の兼ね合いを最適にとって上記X線検出効率を最大
に高めることができる。
機構により任意に設定することができるので、入射X線
エネルギーに応じてX線検出器のX線透過率とX線検出
効率の兼ね合いを最適にとって上記X線検出効率を最大
に高めることができる。
さらに、動作ガス圧力を従来の大気圧より小さく設定
することができるので、X線透過窓に作用する圧力差を
減少させることができ、これによりX線透過窓として膜
厚の薄いマイラー膜使用することが出来るのでX線透過
窓の透過率を高めることができる。
することができるので、X線透過窓に作用する圧力差を
減少させることができ、これによりX線透過窓として膜
厚の薄いマイラー膜使用することが出来るのでX線透過
窓の透過率を高めることができる。
上記各X線検出器の透過効率、検出効率等の改善によ
り、X線計測のS/Nを10倍以上向上することができるの
で、各種試料の構造、特性等の微細解析の限界を大きく
前進させることができる。
り、X線計測のS/Nを10倍以上向上することができるの
で、各種試料の構造、特性等の微細解析の限界を大きく
前進させることができる。
これにより、従来困難であった5keV以下の低エネルギ
ー領域での測定の精度を向上することができる。
ー領域での測定の精度を向上することができる。
さらに、X線検出器2、真空容器部3および超高真空
室4等を連結する弁9、10等の設置により、これらの大
気圧にリークする際に各X線透過窓5、61、62等に作用
する圧力ショックを緩和しその破損を防止することがで
きる。
室4等を連結する弁9、10等の設置により、これらの大
気圧にリークする際に各X線透過窓5、61、62等に作用
する圧力ショックを緩和しその破損を防止することがで
きる。
第1図は本発明による透過型超高真空用X線検出器の実
施例断面図、第2図(a)、(b)は各所X線計測の説
明図、第3図、第4図はそれぞれ透過型超高真空用X線
検出器の断面図、第5図は本発明装置によるX線検出効
率の特性図、第6図は本発明装置による多結晶シリコン
のEXAFS(拡張X線吸収端微細構造)測定結果の一例で
ある。 1……入射X線、2……X線検出器、3……真空容器
部、4……超高真空雰囲気の超高真空室、5……X線透
過窓、6……X線透過窓、7……集電電極、8……高圧
電極、9、10……締切バルブ、11……可変リークバル
ブ、12……ロータリーポンプ、13……ターボ分子ポン
プ、14……ロータリーポンプ、15……ターボ分子ポン
プ、16……真空計、17……締切バルブ、18……圧力調整
器、19……可変リークバルブ、20……ロータリーポン
プ、21……ガス混合装置、22……ガスボンベ、23……空
気乾燥器、24……保護電極、25……ハウジング、26……
O−リング、100……試料。
施例断面図、第2図(a)、(b)は各所X線計測の説
明図、第3図、第4図はそれぞれ透過型超高真空用X線
検出器の断面図、第5図は本発明装置によるX線検出効
率の特性図、第6図は本発明装置による多結晶シリコン
のEXAFS(拡張X線吸収端微細構造)測定結果の一例で
ある。 1……入射X線、2……X線検出器、3……真空容器
部、4……超高真空雰囲気の超高真空室、5……X線透
過窓、6……X線透過窓、7……集電電極、8……高圧
電極、9、10……締切バルブ、11……可変リークバル
ブ、12……ロータリーポンプ、13……ターボ分子ポン
プ、14……ロータリーポンプ、15……ターボ分子ポン
プ、16……真空計、17……締切バルブ、18……圧力調整
器、19……可変リークバルブ、20……ロータリーポン
プ、21……ガス混合装置、22……ガスボンベ、23……空
気乾燥器、24……保護電極、25……ハウジング、26……
O−リング、100……試料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01T 1/00 - 7/12 H01J 47/00 - 47/26
Claims (1)
- 【請求項1】電離箱型X線検出器により超高真空雰囲気
より入射されるX線の測定を行なうX線検出装置におい
て、上記X線検出器内に導入する動作ガスの圧力を制御
する圧力調整器と、上記X線検出器を収容する真空度の
制御可能な真空容器部と、上記真空容器部を収容した超
高真空雰囲気の超高真空室とを備え、上記X線検出器と
上記真空容器部と上記超高真空室とを相互に連結可能と
する弁を備えたことを特徴とするX線検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10882890A JP2938134B2 (ja) | 1990-04-26 | 1990-04-26 | X線検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10882890A JP2938134B2 (ja) | 1990-04-26 | 1990-04-26 | X線検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0410349A JPH0410349A (ja) | 1992-01-14 |
JP2938134B2 true JP2938134B2 (ja) | 1999-08-23 |
Family
ID=14494576
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10882890A Expired - Lifetime JP2938134B2 (ja) | 1990-04-26 | 1990-04-26 | X線検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2938134B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5012128B2 (ja) * | 2007-03-26 | 2012-08-29 | 富士通株式会社 | X線吸収分析用検出器 |
JP4788676B2 (ja) | 2007-07-12 | 2011-10-05 | トヨタ自動車株式会社 | 分析装置用のガス導入装置および方法 |
JP4784569B2 (ja) | 2007-07-13 | 2011-10-05 | トヨタ自動車株式会社 | 分析装置用のガス導入装置のモニター装置 |
CN109343101B (zh) * | 2018-09-11 | 2023-03-14 | 东莞中子科学中心 | 用于白光中子源带电粒子探测谱仪的压差平衡控制方法 |
CN109343103B (zh) * | 2018-09-11 | 2023-04-11 | 东莞中子科学中心 | 一种用于带电粒子探测谱仪真空靶室的真空气路系统 |
WO2020054511A1 (ja) * | 2018-09-13 | 2020-03-19 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 電離箱とその製造方法 |
-
1990
- 1990-04-26 JP JP10882890A patent/JP2938134B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0410349A (ja) | 1992-01-14 |
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