JPH018783Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、逆止弁、仕切弁、バタフライ弁等の
弁箱にバイパス弁を備えた弁に関するものであ
る。

〔従来技術〕

例えば逆止弁において、弁座近傍の弁箱外壁に
弁箱の一次側と二次側とを連通するバイパス通路
を備えて、閉弁操作に伴なう弁体の小開度域での
急激な圧力上昇に伴なつて生ずるウオーターハン
マを防止したバイパス弁がある。

これを第１図により説明すると、主弁箱１の弁
座２を挟んでその一次側にバイパス通路１ａを形
成し、かつその近傍にスタツドボルト３，３を植
設し、このスタツドボルト３，３に蓋体４とバイ
パス弁箱５をガスケツト６，７を挟んで挿通し、
ナツト８，８にて主弁箱１に固定する。これによ
り一次側のバイパス通路１ａは蓋体４及びバイパ
ス弁箱５の一次側バイパス通路４ａ，５ａに連通
し、バイパス弁箱５に設けた操作ハンドル９ａに
て開閉する弁９を介してバイパス弁箱５及び蓋体
４の二次側バイパス通路５ｂ，４ｂに連通し、主
弁箱１の二次側に通じており、流体が一次側から
二次側へ流通することにより逆止弁（図示せず）
の閉弁に伴なう急激な圧力上昇の発生を防止して
いる。

しかし、このように構成すると、製品誤差や取
付誤差により主弁箱１に蓋体４及びバイパス弁箱
５を取付けるに際してズレが生じ、これらに形成
したバイパス通路の接続部に段差が生じて流体抵
抗が発生するため、流体の流通上好ましくなく、
また蓋体４、バイパス弁箱５のように部品点数が
多くなるため生産性の点でも問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記の点に鑑みなされたもので、取付
誤差等を吸収可能としたバイパス通路を備えると
共に弁機構をコンパクト化し部品点数を減らした
バイパス弁を有する弁を提供するにある。

〔考案の構成〕

本考案においては上記の目的を達成するため、
主弁の一次側と二次側とを連通するバイパス通路
にバイパス弁を備えた弁において、バイパス弁箱
のバイパス通路を主弁箱のバイパス通路より大径
に形成し、該バイパス弁箱を主弁箱に直接取付け
たことを特徴とする。

〔実施例〕

以下、本考案に係るバイパス弁を有する弁をス
イング式の逆止弁とした一実施例を第２図乃至第
４図に基づいて説明する。

主弁となるスイング式の逆止弁は、主弁箱１０
の上部をフランジ状に突出させて主弁体１１を着
脱する開口１０ａが形成され、このフランジ状の
壁面上端に植設したスタツドボルト１２，１２に
ガスケツト１３を間挿して蓋体１４がナツト１
５，１５により固定され、前記開口１０ａを液密
的に閉塞している。また、主弁体１１には弁体弁
座１１ａが周設され、その上部両側に形成された
吊持部１１ｂ，１１ｂにヒンジピン１６を挿通し
て主弁箱１０内に回動可能に配設されると共に弁
体弁座１１ａに対応して弁箱弁座１０ｂが主弁箱
１０内に設けられ、該弁座１０ｂに弁体弁座１１
ａが当接することにより弁の開閉が行われるよう
に構成されており、主弁箱１０の両端に形成した
適数個の取付孔１０ｃを有する接続用のフランジ
１０ｄ，１０ｄにより配管（図示せず）に接続さ
れる。

そして、弁箱弁座１０ｂと弁体弁座１１ａとの
着座面Ａを挟んで、弁箱弁座１０ｂ近傍の主弁箱
１０壁面の一次側任意位置にバイパス通路１０ｅ
を、同じく二次側にバイパス通路１０ｆを夫々穿
設し、主弁箱１０の外周にバイパス弁１７が取付
けられる。尚、１０ｇ及び１１ｃはそれぞれ主弁
箱１０内及び主弁体１１下端に設けた突起で、主
弁体１１の全開時にその開きを規制するストツ
パ、１１ｄ，１１ｄは吊持部１１ｂ，１１ｂから
鉛直下方に延出し、主弁体１１の二次側の側面に
形成した補強用のリブである。

前記バイパス弁１７は、バイパス弁箱１７ａ内
に前記バイパス通路１０ｅ，１０ｆに対応し、該
通路１０ｅ，１０ｆより大径としたバイパス通路
１７ｂ，１０ｃが夫々形成されると共にバイパス
通路１７ｃを開閉する先端をテーパ状としたバイ
パス弁体１７ｄが備えられ、該バイパス弁体１７
ｄを操作するハンドル１７ｅがバイパス弁箱１７
ａに液密的に配設したシヤフト１７ｆに固設され
ている。また、取付時に主弁箱１０の外壁に当接
する取付面には前記バイパス通路１７ｂ，１７ｃ
の開口を囲んでシール溝１７ｇ，１７ｈが固設さ
れている。そして、前記シール溝１７ｇ，１７ｈ
にＯリング等のシール材１８，１８を装着し、主
弁箱１０に植設したスタツドボルト１０ｈ，１０
ｈに該バイパス弁箱１７ａのフランジ部に穿設し
た挿通孔１７ｉ，１７ｉを挿通して取付け、バイ
パス弁１７をナツト１９，１９にて主弁箱１０の
外壁に第４図に示す如く液密的に固定している。

バイパス弁１７は以上のような構造としたの
で、予めバイパス弁体１７ｄの絞り量を適宜調節
してバイパス通路１７ｃを開けておくと流体の逆
流等による主弁体１１の急激な閉弁により、一次
側の圧力が二次側に比べて急激に上昇しても、バ
イパス通路１０ｅからバイパス通路１７ｂ，１７
ｃ，１０ｆを通つて流体が二次側に流れ、しかも
バイパス通路１０ｆはバイパス通路１０ｅより大
径としたので一次側の圧力上昇が効果的に緩衝さ
れ、ウオーターハンマの発生防止の点でも有効で
ある。

また、逆止弁のほかに仕切弁やバタフライ弁に
使用して、急な開弁に伴なつて発生する圧力低下
を緩衝し、キヤビテーシヨンを防止するうえでも
有効である。

尚、バイパス弁体１７ｄの先端をニードル状と
すれば、バイパス通路１７ｃ内の流量の微調整を
することもできる。

さらに、バイパス弁箱１７ａが主弁箱１０の外
壁に当接する取付面にはシール材１８，１８を装
着すると共にバイパス通路１０ｅ，１０ｆとバイ
パス通路１７ｂ，１７ｃとに径差をつけたことに
より、取付位置が限定されず操作し易い場所にバ
イパス弁１７を取付可能である。

〔考案の効果〕

本考案は以上のようにバイパス弁のバイパス通
路を主弁のバイパス通路より大径とし、バイパス
弁と主弁箱に直接取付けたので、取付誤差や製品
誤差によりバイパス通路がズレても径差によつて
吸収して主弁の弁体小開度域で生ずる急激な圧力
変化を有効に緩衝することができ、かつバイパス
弁の取付位置が限定されず、操作し易い位置にバ
イパス弁を取付可能であり、バイパス弁の絞り量
を調整することによつて緩衝性能を調節すること
ができる。しかも、バイパス通路を備えた蓋体を
間挿しないのでバイパス弁をコンパクト化でき、
生産性が向上する等の効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は主弁箱の一次側と二次側とを連通する
バイパス通路を備えた従来のバイパス弁を示す断
面正面図、第２図乃至第４図は本考案の一実施例
を示すもので、第２図はバイパス弁を有する弁を
示す断面正面図、第３図は同じく左半が側面図、
右半が第２図の−断面図、第４図はバイパス
弁を示す断面平面図である。 １０は主弁箱、１０ａは開口、１０ｂは弁箱弁
座、１０ｅ，１０ｆはバイパス通路、１１は主弁
体、１１ａは弁体弁座、１１ｂは吊持部、１１ｄ
はリブ、１４は蓋体、１６はヒンジピン、１７は
バイパス弁、１７ａはバイパス弁箱、１７ｂ，１
７ｃはバイパス通路、１７ｄはバイパス弁体、１
７ｅはハンドル、１７ｆはシヤフト、１７ｇ，１
７ｈはシール溝、１７ｉは挿通孔、１８はシール
材、１９はナツトである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 主弁の一次側と二次側とを連通するバイパス
   通路にバイパス弁を備えた弁において、バイパ
   ス弁箱のバイパス通路を主弁箱のバイパス通路
   より大径に形成し、該バイパス弁箱を主弁箱に
   直接取付けたことを特徴とするバイパス弁を有
   する弁。 ２ 前記バイパス弁箱を主弁箱外壁の弁座近傍任
   意位置に取付けることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のバイパス弁を有する
   弁。