JPH018696Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は永久磁石を界磁装置とした磁石式ス
タータ等の電動始動装置に関するものである。

従来のこの種の電動始動装置としては第１図に
示すものがあつた。即ち第１図において、１は直
流電動機２と、この直流電動機２に装着される電
磁スイツチ３とで構成された電磁押込式の磁石式
スタータ、２１は永久磁石で構成され、電機子２
２を励磁付勢する直流電動機２の磁極、２３は電
機子２２に摺接される正極電刷子、２４は同じく
負極電刷子、３１は一対の固定接点３１１，３１
２とこの固定接点に対し、可動鉄心３２によつて
開閉制御される可動接点３１３とで構成された電
磁スイツチの主接点、３３は可動鉄心３２を吸引
付勢する電流コイル、３４は可動鉄心３２の吸着
状態を保持する電圧コイル、４はバツテリ、５は
キースイツチである。

ここで可動鉄心３２は図示しないシフトレバー
を介して電機子２２の図示しない出力回転軸にス
プライン係合される図示しないピニオンにカム係
合される。また電流コイル３３は電流流出端部３
３１が固定接点３１２に接続され、通電電流が電
機子２２に流入される。

この従来のものでは、キースイツチ５が閉成さ
れ、電流コイル３３および電圧コイル３４が通電
付勢され、可動鉄心３２が実線矢印方向に移動さ
れると共に、電流コイル３３を流れる制限電流即
ち補助回転電流によつて電機子２２が通電付勢さ
れて小電力回転即ち補助回転される。さらに図示
しないピニオンが可動鉄心３２によつて図示しな
い内燃機関に噛込まれると共に可動接点３１３が
固定接点３１１，３１２に当接され主接点３１が
閉成され、バツテリ４の電源電圧が印加され、電
刷子２３，２４を介して電機子２２が通電付勢さ
れて定格出力を発生し、図示しない内燃機関が始
動される。機関始動後、キースイツチ５が開放さ
れ、電圧コイル３４の可動鉄心３２の吸着状態が
解除され、主接点３１の閉成が解放されて磁石式
スタータ１が図示状態に復帰される。また図示し
ないピニオンと内燃機関との係合も同時に解除さ
れ、電機子２２が数秒乃至10数秒間の惰性回転後
静止する。

従つて機関始動後、スタータの通電付勢解除後
も電機子２２が惰性回転している時に、例えば機
関がエンストした場合スタータを通電付勢して機
関を再始動しようとすると、ピニオンが惰性回転
状態で係合され、装置が著しく高負荷を受け、折
損する等の欠点があつた。

この考案はこのような従来のものゝ欠点を解消
するためになされたもので、惰性回転時電機子に
発生する惰性回転力を接地吸収することによつて
急速に停止させるようにしたものである。

以下この考案の一実施例を第２図にもとづいて
説明する。即ち第２図において、３１４，３１５
は電磁スイツチ３の主接点３１に可動接点３１３
に対向して設けられた常閉の対をなす固定接点で
ある。こゝで常閉の固定接点３１４は接地されて
おり、消勢時は電磁コイル３３および正極側電刷
子２３は接地されている。また常閉の固定接点３
１５は電流コイル３３の電流流出端３３１に電気
接続されると共に常開の固定接点３１２と接続さ
れている。なおその他の構成は第１図に示す従来
のものと同様であるので説明を省略する。

このように構成されたものでは、キースイツチ
５が閉成され、バツテリ４の電源電圧が電流コイ
ル３３および電圧コイル３４に印加され、可動鉄
心３２がコイル３３，３４の両付勢力によつて実
線矢印方向に移動され、第１図に示す従来のもの
と同様にして図示しないピニオンが内燃機関に噛
合係合される。固定接点３１４，３１５の閉成状
態では電機子２２は制限電流即ち補助回転電流で
付勢されない。また電流コイル３３が直接接地さ
れており、可動鉄心３２が実線矢印方向に移動を
開始し、固定接点３１４，３１５と可動接点３１
３との閉成が解除されるまでの間は大電流で電流
コイル３３が付勢され、可動鉄心３２が極めて高
励磁力で初期吸引される。この強力な通電付勢に
よつて可動接点３１３と、固定接点３１１，３１
２が閉成され、直流電動機２がバツテリ４に直接
接続され、定格出力回転して、図示しない内燃機
関が始動される。内燃機関始動後、キースイツチ
５が解放され可動鉄心３２の励磁力が消勢され、
図示状態に復帰する。この時直流電動機２の惰性
回転時発生する惰性回転電力は常閉接点回路によ
つて接地され、急速に電機子２２の惰性回転が停
止される。

このように電機子２２のブレーキング機能が確
実に行われるので、機関の再始動時に従来のも
のゝような問題はなくなる。またピニオンが内燃
機関に噛合係合される時点においては従来のもの
と同様直流電動機２が補助回転電流付勢され、噛
合衝撃力が極めて抑制される。さらに可動鉄心３
２の初期吸引力の極めて大きい電磁スイツチが得
られ、ピニオン移送機能が確実となる。

なおこゝでは直流電動機として界磁装置が永久
磁石を有したものについて説明したが、直流直巻
電動機と組合わせてもかなりの効果が得られる。

上記のようにこの考案による電動始動装置は付
勢時に機関始動用電動機の付勢回路を形成する常
閉接点と、コイルの消勢時に閉成して電動機の接
地回路を形成する常閉接点とを電磁スイツチに設
けたもので、電動機の電機子の惰性回転時間が短
縮され動作が確実となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のこの種電動始動装置の接続図、
第２図はこの考案の一実施例を示す接続図であ
る。 図中、２は直流電動機、２２は電機子、３は電
磁スイツチ、３１は主接点、３１１，３１２，３
１４，３１５は固定接点、３１３は可動接点、３
２は可動鉄心、３３は電流コイル、３４は電圧コ
イル、４はバツテリ、５はキースイツチである。
なお図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 付勢時に機関を始動する電動機、コイルの付
   勢時に閉成して上記電動機の付勢回路を形成す
   る常開接点と、上記コイルの消勢時に閉成して
   上記電動機の接地回路を形成する常閉接点とを
   有する電磁スイツチを備えた電動始動装置。 (2) 電磁スイツチのコイルは電流コイルである実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の電動始動装
   置。 (3) 電流コイルの消勢時にこの電流コイルの電流
   流出端が接地される実用新案登録請求の範囲第
   ２項記載の電動始動装置。