JPH018586Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、軟弱地盤中に撹拌器を回転して粉
体等の地盤改良剤を圧力空気と共に噴射撹拌して
効率よく平均に土壊を改良せしめる地盤改良用撹
拌器に関するものである。

近年、地盤改良として圧力空気を用いて、各種
の粉体の改良剤を地盤中に撹拌器を以つて噴射注
入して回転混合するものも散見されている現状で
ある。然し、これ等のものは、粉体の改良剤が噴
出口より撹拌翼の先端に吹き飛ばされ、撹拌翼の
先端外周のみが改良され、内部が平均に改良され
ない欠点がある。また、地盤中の水圧及び土圧が
直接噴出口に当たり、各種粉体等の改良材料が噴
射しない等の欠点がある。

この考案は、この様な従来の欠点を改良せしめ
たものであつて、その主たる構成とする所は、撹
拌器本体は中央の撹拌軸と、その撹拌軸の外周に
設けた傾斜撹拌翼とから構成し、その撹拌軸の内
部には、空気排出通路と粉体噴出通路とを並設せ
しめる。前記空気排出通路と粉体噴出通路との各
噴出口に位置する。傾斜撹拌翼には、内面に少な
くとも一個以上の遮断壁を垂下せしめると共に、
上方に貫通した空気抜き穴を穿設したものであ
る。従つて、この考案によると、圧力空気で噴出
された粉体等の改良剤が各遮断壁に当つて落下す
るため、外周及び内周の全体に散布され、回転面
積に対して平均に地盤改良ができる効果と、各遮
断壁によつて水圧、土圧を完全に防ぎ、改良剤の
噴射を防害されることがない効果がある。

次に、この考案の実施例を図面について説明す
ると、伝動機構１３により回転を伝えられる回転
軸１２の下端に着脱自在に装設される撹拌器本体
１は、その中央の撹拌軸２と、その撹拌軸２の外
周に設けた傾斜撹拌翼３とによつて構成され、且
つ、該撹拌軸２には、上方に突起を設けた上部補
助撹拌翼１０と、下方の下部補助撹拌翼１１とを
各々装設してある。次に、前記撹拌軸２には、そ
の内部に空気排出通路４と粉体噴出通路５とを
各々並設して形成してある。該空気排出通路４の
先端には、空気噴出口６を設け、その空気噴出口
６の前方に粉体噴出口７を形成せしめてある。そ
して、空気排出通路４と粉体噴出通路５との各噴
出口６，７に連通する。該傾斜撹拌翼３には、そ
の内面に少なくても一個以上数個の遮断壁８，８
を垂下状態に固定せしめてある。この遮断壁８，
８の適宜の間に上方に貫通した一個又は数個は空
気抜き穴９，９……を穿設せしめてある。符号１
４は、基台１８上に起立してタワーを示し、１５
は、分配供給機１６からの粉体等の改良剤等を送
出する給送管を示し、１７はホツパーを示すもの
である。

この考案は上述の如き構成からなり、今この用
法を説明すると、所要位置で回転軸１２に回転を
与えて、下降又は上昇する時に、ホツパー１７の
セメント、生石灰等の粉状体の改良剤と圧力空気
とを給送管１５等を得て回転軸１２に送り、回転
軸１２より撹拌器本体１の空気排出通路４と粉体
噴出通路５とを得て各々空気噴出口６と粉体噴出
口７によつて傾斜撹拌翼３の下側に送られ、この
時、圧力空気で送られた粉体の改良剤は、遮断壁
８に一部が当り落下すると共に、落下しない改良
剤は次の遮断壁８にまで送られ順次手前からヘド
ロ等の軟質土の中に落下し、平均に散布した状態
となつて全体を平均に固結する。この時、圧力空
気は遮断壁８，８の間に穿設されている空気抜き
孔９，９より放出し、例えば、海上等に放するも
のである。

以上の如く、この考案によれば、地中に排出さ
れる改良剤が平均に散布され、全体が平均化して
固結される効果と、非常に簡単な構造を以つて粉
状体の改良剤を能力的に散布できるので安定供給
が確実で均質な柱状を得られると共に、容易に故
障等が生ずる憂れいがない効果がある。そして、
撹拌器本体の撹拌軸に空気排出通路と粉体噴出通
路とを並設とを並設すると共に、その先端に各々
空気噴出口と粉体噴出口とを形成した簡単な構造
としたので、改良剤と圧力空気との調整が非常に
容易であるため、地質に応じて充分対応できると
云う効果がある。また、傾斜撹拌翼の内面に遮断
壁を垂下せしめたので、改良剤の散布が先端のみ
に片よらず、遮断壁によつて下方に確実に落下
し、従来の如く、撹拌翼の外周先端のみに混合す
ることなく内側にも混合改良して平均に硬化せし
める効果と、該遮断壁によつて粉体噴出口に係る
水圧及び土圧を保護し、改良剤の噴出を良好とす
る効果がある。更に、傾斜撹拌翼には上方に貫通
した空気抜き穴を穿設せしめたので、圧力空気は
改良剤を圧送後に確実に上部の空気抜き穴より飛
散すると共に、空気抜き穴の数及び大きさによつ
て、適宜空気が調整されて放出できると云う優れ
た効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す全体の正面
図、第２図は撹拌器本体の１部欠除した縦断側面
図、第３図は要部の１部欠除した斜面図、第４図
は傾斜撹拌翼の切除した平面図である。 符号１は撹拌器本体、２は撹拌軸、３は傾斜撹
拌翼、４は空気排出通路、５は粉体噴出通路、６
は空気噴出口、７は粉体噴出口、８は遮断壁、９
は空気抜き穴、１２は回転軸である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 伝動機構１３により回転を伝えられる回転軸１
   ２の下端に着脱自在に嵌着する地盤改良用撹拌器
   において、前記撹拌器本体１は、その中央の撹拌
   軸２と外周に下方に傾斜した傾斜撹拌翼３……と
   によつて構成し、該撹拌軸２の該傾斜撹拌翼３の
   上方には、突起を設けた上部補助撹拌翼１０，１
   ０を形成すると共に、下方には突起を設けた下部
   補助撹拌翼１１，１１を各々突設し、且つ該撹拌
   軸２には、内部に空気排出通路４と粉体噴出通路
   ５とを各々並設し、該空気排出通路４の先端に
   は、空気噴出口６を設けると共に、その前方に粉
   体噴出口７を形成し、且つ該傾斜撹拌翼３には、
   遮断壁８，８を垂下固定すると共に、該遮断壁
   ８，８の間に上向きに貫通した空気抜き穴９，９
   を穿設した事を特徴とする地盤改良用撹拌器。