JPH018532Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、例えば魚介類や野菜等の食料品、
機械の部品等を収納して運搬するためのバンド締
め用のプラスチツク製包装用箱に関する。

〔従来技術〕

この種の包装用箱は、身と蓋とからなり、蓋が
開かないようにバンドで締結するもので、バンド
は、補強繊維が入つたポリプロピレン等の成形品
が一般的に使用され、過大な荷重にも耐えるの
で、途中で切れるおそれは全くないが、運搬中に
例えばトラツクに積み卸しするときには、バンド
を握つて持ち上げられる関係で、バンドが横へず
れたり、あるいはその長手方向に循回するため
に、持ち上げの繰り返しによつて、いずれはバン
ドが緩んで箱から外れてしまうという欠点があつ
た。

また、バンドが緩むと、バンドを持つて持ち上
げた際に、バンドに対して包装用箱が滑るため、
持ち上げが不安定となるばかりでなく、蓋が開く
という不都合が生じるという問題があつた。

〔考案の目的〕

この考案は、上記のような従来のプラスチツク
製の包装用箱の欠点を解決したもので、バンドが
横にずれたり長手方向に循回しないようにそれを
安定して締結でき、しかも、バンドの持ち上げに
より蓋が開かない包装用箱を提供することを目的
としたものである。

〔考案の構成〕

上記の目的を達成するためのこの考案の構成
は、身と蓋とからなるプラスチツク製の包装用箱
であつて、身は、各側壁の外面に蓋掛止片を突設
してあり、蓋は、身の側壁上端に掛かる屈折周縁
片を有し、屈折周縁片の各側先端に蓋掛止片に掛
け止める揺動片を一体成形により突設し、屈折周
縁片の外面には各揺動片に対応する位置にバンド
通しの切欠部を設け、揺動片の外面にはバンドが
圧接する粗面を凹凸により形成したことをその要
旨とする。

〔実施例〕

図面は一実施例を示したもので、包装用箱は、
例えば塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレ
ン等のプラスチツクで成形された身１と蓋２との
組合せからなつている（第１図）。

身１は、矩形の底壁３に前後側壁４，４および
左右側壁５，５を外側へ少し傾斜させて設け、側
壁４，５の延長に糸底状の高台６を設け、高台６
には各側中央部にバンド通しの切欠部７を設け、
高台６の各隅角部内側には高台６にだけ荷重が掛
かるのを避けるために、補助台６ａを設け（第２
図）、補助台６ａが蓋２の後記段部１５に掛かる
ように形成してある。

側壁４，５の上端には全周に亘つて蓋２の周縁
部が掛かる段部８および鍔片９を連設し、各側壁
４，５外面の中央部には鍔片９に連結して蓋掛止
片１０，１０…を突設してある（第１図、第５
図）。

鍔片９は、反転屈曲した逆樋状に形成され、中
空部内部にはその形態を保持するためのリブ９ａ
を適間隔に設けてある（第２図）。また、逆樋状
屈折の内角縁９ｃと外角縁９ｄのうち、外角縁９
ｄの外面には各側中央部に陥没した凹欠部９ｂを
設けてある（第１図）。

掛止片１０は、下面開放型であつて、外面壁１
１が鍔片９の外面と面一に形成され、下端には外
面壁１１の延長に蓋掛止用の突縁部１２を突設し
てある。また中空内部には補強用として中仕切の
ようなリブ１３が形成されている（第２図）。

蓋２は、周縁部に身１の鍔片９に掛かる反転屈
曲した逆樋状の屈折周縁片１４を形成し、周縁近
くには全周に亘つて環状に内側が高くなる段部１
５を形成し、さらに、各側中央部には屈折周縁片
１４の先端に身１の掛止片１０に掛け止める揺動
片１８を突設してある。屈折周縁片１４は、逆樋
の形状として屈折内角縁１４ｂと屈折外角縁１４
ｃとを有し、屈折外角縁１４ｃの外面には各揺動
片１８，１８…に対応してバンド通しの切欠部１
４ｄを設け、その切欠部１４ｄは、身１の凹欠部
９ｂに陥没するように形成してある。揺動片１８
は、突出基端に薄肉により揺動のためのヒンジ部
１８ａを形成し、ヒンジ部１８ａから先端近くに
かけて順次幅狭く形成し、先端部裏面には身１の
掛止片１０の突縁部１２に引つ掛かる爪１８ｂを
突設し、爪１８ｂには突縁部１２の先端が係合す
る溝条１８ｃを形成してある。また、掛止片１０
の表面には凹凸による粗面１８ｄを形成し、粗面
１８ｄの形成については、多数の横長の突条１８
ｅ，１８ｅ…を基端部から先端部にかけて列設
し、各突条１８ｅを半円弧形断面に形成してあ
る。

上記の包装用箱に物を収納して運搬するときに
は、身１に蓋２を被せて揺動片１８を下げ、揺動
片１８の下端部を身１の掛止片１０の突縁部１２
に押圧することにより爪１８ｂをその突縁部１２
に掛ける。これで身１と蓋２が一体化するので、
蓋２を特に押えることなくバンドＢ，Ｂを掛ける
ことができる。バンド掛けについては、バンド掛
け装置によつて、身１のバンド通しの切欠部７，
７と、蓋２のバンド通しの切欠部１４ｄ，１４ｄ
に通しながら、経と緯に十文字に掛け、両バンド
Ｂ，Ｂの各両端をフアスナ２０，２０で加締めて
緊結する。そうすると、両バンドＢ，Ｂによつ
て、全部の揺動片１８，１８…が押え止められる
ため、揺動片１８が身１の掛止片１０から決して
外れなくなる。両バンドＢ，Ｂは、バンド通しの
切欠部７，１４ｄに掛かつているため、横にずれ
ることはなく、また揺動片１８の粗面１８ｄに接
合しているので、粗面１８ｄとの摩擦で長手方向
への循回も防止される。

また、バンドＢ，Ｂは、身１の切欠部７に通さ
れるので、身１の下をくぐる部分では、高台６の
下端よりも上に入り込むことになるため、多段積
みの状態で、下の箱の蓋２に支えることがない。
つまり、切欠部７によつてバンドＢ，Ｂの存在
が、箱の多段積みの妨げにならないようになつて
いる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案のバンド締め用
の包装用箱によれば、バンドが蓋の切欠部に通し
て掛けられることにより、バンドの横ずれがな
く、また、バンドが揺動片の粗面に圧接すること
により、循回方向への摺動もなく固定されるた
め、、バンドがずれて持ち上げが不安定となるこ
とはなく、バンドの持ち上げの繰り返しがあつて
も、バンドの外れや緩みが防止される。また、揺
動片が蓋と一体に成形されているにもかかわら
ず、身の掛止片から外れないようにバンドで押え
止められ、しかも、バンドの横ずれがないことに
より揺動片の押え止めが確実に保持されるため、
バンドで持ち上げ中に蓋が外れることがない等の
優れた効果がある。

また、揺動片を蓋と共に一体成形し且つ切欠部
に対応して設け、更にその外面に縦ずれ防止のた
めの凹凸粗面を形成しているので、蓋の身への掛
止と、バンドの掛止とが最も効率良く凝縮させた
構成となつている。そのため生産性、作業性、コ
スト面で従来のこの種箱よりは、非常に有利なも
のとなつている。

【図面の簡単な説明】

図面は一実施例を示し、第１図は斜視図、第２
図は身の一部斜視図、第３図は蓋の一部斜視図、
第４図はバンドを締結した状態を示す一部切欠き
した正面図、第５図は第４図Ａ部の拡大断面図で
ある。 １……身、２……蓋、４，５……側壁、６……
高台、７……切欠部、１０……蓋掛止片、１４…
…屈折周縁片、１４ｄ……切欠部、１８……揺動
片、１８ｄ……粗面、Ｂ……バンド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 各側壁の外面に蓋掛止片を突設した身と；身
   の側壁上端に掛かる屈折周縁片の各側先端に蓋
   掛止片に掛け止める揺動片を一体成形により突
   設し、屈折周縁片の外面には各揺動片に対応す
   る位置にバンド通しの切欠部を設け、揺動片の
   外面にはバンドが圧接する粗面を凹凸により形
   成した蓋とからなるプラスチツク製のバンド締
   め用の包装用箱。 ２ 身の底に糸底状高台を形成し、高台の各側に
   は蓋の揺動片に対応する位置にバンド通しの切
   欠部を設けてあることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のバンド締め用の包装
   用箱。