JPH0160747B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はガス瞬間式給湯機に関する。

（従来の技術） 従来のガス瞬間式給湯機は給湯管路末端に設け
た給湯器具、例えば水栓の湯側を開くことにより
給水管路から供給される水は初めて熱交換器へ流
動し、ここで加熱されそのまま給湯管路を介して
給湯器具の湯側へ流れるようになつている。

従つて、上記従来の給湯機では、湯使用が前回
の使用から時間がたつている場合には管路中の水
が冷えており、給湯器具の湯側を開いても湯の立
上り時間や、熱交換器を出た湯が給湯管路を通つ
て水栓まで流動してくる時間等があり、すぐには
湯が出てこないという不便や、湯がでてくるまで
の間に給湯器具から吐出される水が捨てられる等
の不都合、不経済があつた。

また、湯の使用を停止した後、再使用するまで
の時間が短かい場合には、前回の使用停止後熱交
換器の温度が上がり、再使用開始時湯温が急激に
上昇し、最初熱い湯がでる後沸きの問題がある。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明が解決しようとする問題点は、給湯器具
の不使用時に配管内の水を設定温度に保温維持す
ることである。

（問題を解決するための手段） 上記問題を解決するために本発明が講ずる技術
手段は、給湯管路中途部と給水管路を戻り管路で
連絡して、給水管路、熱交換器、給湯管路、戻り
管路により環状の管路を構成し、この環状管路の
適所に流量センサーと温度センサーを、環状管路
中の戻り管路にポンプとヒーターを夫々設け、環
状管路を循環流動する循環水の流量と温度及び設
定温度により、循環水を設定温度に保温維持する
ために要する必要熱量を演算し、その値に応じて
ヒーターの電圧又はON、OFFの周期を制御する
ようにするものである。

（作用） 而して、環状管路の戻り管に設けたヒーター
は、給湯器具が使用されないとき、ポンプの作動
により環状管路を循環流動する循環水を設定温度
に保温維持するために要する演算された必要熱量
に応じて熱量を可変しながら連続的に循環水を加
熱するか又は一定熱量で間歇的に加熱し、加熱し
ている時間、即ちヒーターが発熱している時間と
加熱を停止している時間、即ちヒーターが発熱し
ない時間の比によつて１つの周期におけるトータ
ル熱量を演算された必要熱量に対応させて循環水
を加熱する。

（実施例） 図中Ａは給湯機で、ガス配管９を介して供給さ
れるガスバーナー１０で燃焼し、給水管路２を介
して供給される水が熱交換器４で加熱され、給湯
管路１を経て給湯器具１１へ流れるようになつて
いる。

そして上記ガス配管９には上流側より順次元電
磁弁１２、電磁弁１３、ガバナー１４が給水管路
２には上流側から順次水量センサー５及び入水温
センサー１５が、給水管路２には出湯温センサー
６が夫々設けられている。

また元電磁弁１２、電磁弁１３、水量センサー
５、入水温センサー１５、出湯温センサー６は
夫々コントローラー１６に電気的に連絡してい
る。

コントローラー１６は給湯機Ａの機台内又はコ
ントロールボツクス１７内に配備され、コントロ
ールボツクス１７の運転スイツチ１８の「ON」
作動により、元電磁弁１２を開弁すると共に水量
センサー５が検出した流量、入水温センサー１５
が検出した入水温度、コントロールボツクス１７
の温度設定部１９で設定した設定温度、出湯温セ
ンサー６が検出した出湯温度、熱交換器４の熱効
率、比例ゲイン等の所定の要素に基づいて必要熱
量を演算し、この演算された必要熱量に応じた間
隔及び時間で電磁弁１３を間歇的に開閉するよう
に構成されている。

尚、図示してはいないが、バーナー１０の近傍
には上記電磁弁１３の開弁に周期して放電するイ
グナイターまたは運転スイツチ１８の「ON」作
動により着火し、「OFF」作動により消火する種
火用のパイロツトバーナーが設けられている。

従つて、この給湯機Ａは運転スイツチ１８を
「ON」にすると、運転状態になり元電磁弁１２
が開弁し、この状態で給湯器具１１を使用する
と、配管中を水が流動し始め、コントローラーＡ
が設定温度の湯を出湯するための必要熱量を演算
してその値に応じた間隔、時間で電磁弁１３を開
弁し、バーナー１０がその間隔、時間で間歇的に
燃焼して熱交換器４を通過する水を加熱する。

而して本発明は斯る給湯機Ａの給湯器具１１の
できるだけ近くにおいて給湯管路１から戻り管路
３を分岐してこれを水量センサー５の手前で給水
管路２に接続すると共にこの戻り管路３に流量が
２／分程度の小能力のポンプ７を設けて、給湯
器具１１から出湯されていないときに配管内の水
を給水管路２、熱交換器４、給湯管路１、戻り管
路３により構成される環状の管路を介して循環さ
せるようになす。

また、上記戻り管路３にはヒーター８を設け
る。

ヒーター８は戻り管路３に開設した取付口より
該管路８内に挿入せしめて取付口に装着する。

上記ヒーター９は通常の設置状態において配管
の放熱により消去する熱量より大きな熱量を発生
し得るものを使用する。

例えば管路の長さが15ｍで保温材で被覆されて
おり、内部の水が２／分で流動する場合、外気
温が20℃とすると配管からの放熱は400Kcal／時
程度であるから、ヒーター８は400Kcal／時以上
の能力を有するものとする。

そして、上記ポンプ７とヒーター８は夫々コン
トローラー１６に連絡して、コントローラー１６
により制御するようにする。

コントローラー１６は運転スイツチ１８の
「ON」によりポンプ７を運転すると共に設定温
度と循環水温度（出湯温センサー６で検出）の差
と、流量（水量センサー５で検出）から循環水を
設定温度に沸かし上げるのに必要な熱量を演算
し、また一旦沸かし上げた後は設定温度に保温す
るのに必要な熱量を演算して、その演算の値に基
づいてヒーター８の電圧を可変するように構成す
る。

即ち、必要熱量が大きければその値に応じてヒ
ーター８に大きな電圧をかけ、必要熱量が小さけ
ればその値に応じてヒーター８にかける電圧を小
さくする。

従つて、ヒーター８は電圧の変化により発熱量
が変化し、コントローラー１６により与えられる
電圧に応じた熱量で循環水を連続的に加熱し、該
循環水を設定温度に沸かし上げ、かつ保温維持す
る。

尚、ポンプ７は、給湯器具１１から出湯してい
るときにはその運転を停止するように構成しても
良いが敢えて運転を停止しなくてもポンプ７の能
力が２／分程度と小さいため給湯器具１１から
出湯しているとき、給湯管路１を流動する湯を戻
り管路３に引き込み給湯器具１１からの出湯を妨
げることはない。

以上の実施例では、コントローラー１６は循環
水の沸かし上げ及び保温維持に際し、演算された
必要熱量に応じてヒーター８の電圧を可変するよ
うに構成したが、ヒーター８を間歇的にON、
OFFさせ、必要熱量に応じてそのON時間とOFF
時間の比を可変するように構成しても良い。

即ち、必要熱量が大きいときには１周期におけ
るヒーター８のON時間を長く、必要熱量が小さ
いときにはON時間を短かくするようにする。

尚、上記説明においてはバーナー１０を間歇燃
焼させ、バーナー１０が燃焼している時間と、消
火している時間の比によつて湯温を制御する方式
の給湯機について述べたが、本発明はガス量によ
り湯温を制御する方式の給湯機及び上記両方式を
組合わせた給湯機にも同様に実施可能であること
は云うまでもない。

（効果） 本発明は上記の構成であるから以下の利点を有
する。

(1) 配管中の水は常時設定温度にまで沸き上げて
あるので、給湯器具の湯側バルブを開けば、す
ぐに湯を使用することができる。

従つて、使用勝手が向上すると共に、従来の
ように湯がでる迄に吐出する水を捨てるような
ことがなく、経済的である。

(2) 給湯器具での湯の使用をやめても熱交換器に
はポンプにより絶えず湯が流れているので、後
沸きが起こらず、給湯器具の湯側バルブを開け
たときに設定温度より非常に高温の湯が吐出し
て火傷するなどの危険がない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すガス瞬間式給湯
機の模式図である。 １……給湯管路、２……給水管路、３……戻り
管路、４……熱交換器、５……流量センサー、６
……温度センサー（出湯温センサー）、７……ポ
ンプ、８……ヒーター。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 給湯管路中途部と給水管路を戻り管路で連絡
   して、給水管路、熱交換器、給湯管路、戻り管路
   により環状の管路を構成し、この環状管路の適所
   に流量センサーと温度センサーを、環状管路中の
   戻り管路にポンプとヒーターを夫々設け、環状管
   路を循環流動する循環水の流量と温度及び設定温
   度により、循環水を設定温度に保温維持するため
   に要する必要熱量を演算し、その値に応じてヒー
   ターの電圧又はON、OFFの周期を制御するよう
   にしたガス瞬間式給湯機。