JPH0160142B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真複写機等に用いられるトナ
ー等粉体を収納する容器の粉体取り出し開口部
を、フイルム状シール材で密閉した粉体収納容器
に関する。

〔従来の技術〕

上述のような粉体収納容器は、蓋によつて開口
部を密閉する容器に比較すると、開口部の構造を
簡単にできて、しかも密閉が完全に行われること
から広く用いられている。例えば電子写真複写機
の補給用のトナー収納容器にあつては、容器を複
写機にセツトしてからシール材を剥がしてトナー
供給を行い、それによつてトナー飛散による汚れ
の発生を防止することが容易になし得ることか
ら、多く用いられている。

トナー収納容器の一例として、実開昭54−
28447号公報がある。該公報においては、トナー
を収容した容器開口部がフイルム状シール材によ
りシールされ、かつその未端が折り返されてお
り、容器を複写機ホツパーに装着した後、折り返
しの延長部を引き出すことにより、前記シール材
を剥離してトナー補給するものが開示されてい
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記の従来技術においてはトナ
ー容器の開口部を完全に開口させるためには、シ
ール材一端を開口部の２倍以上の長さ引き出さね
ばならなかつた。従つて、複写機内部に容器蓋開
閉機構のための大きなスペースが必要であり、又
剥がす途中でシール材の引きだし方向が傾いたり
して、容器壁と摩擦して切れ易いという問題点が
あつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記問題点を解決するもので、粉体を
排出する開口部を有する容器本体、前記開口部に
シールされたシール部と折り返された延長部とか
らなるループを形成したシール材、及び前記シー
ル材のループ内に配置され、前記開口部に沿つて
スライド可能に前記容器本体に設けられ、前記シ
ール材と転がり若しくは滑り接触して前記シール
材を牽引し、シールを剥離する牽引部材とからな
ることを特徴とするものである。

〔作 用〕

この粉体収納容器を用いて粉体を供給するに
は、その開口部を下にして粉体供給用のホツパー
に装着し、前記牽引部材にてループ状シール材の
折り返し部を内側から押しながら牽引部材をスラ
イドさせ、これにより前記シール部材のシール部
を逐次剥離して開口部を露出させて粉体を落下供
給させる。

〔実施例〕

以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第１図、第３図はそれぞれトナー収納容器の例
を示す縦断面図、第２図は開口部平面図である。

第１図において、１はトナーを封入する容器本
体で、少なくとも一端が開放された筒状に形成さ
れている。２は容器本体１の開口部１ａをシール
するフイルム状シール材である。シール材２は開
口部１ａに剥離可能に接着されている。接着方法
としては、接着材による接着、ヒートシールによ
る接着又は加圧による接着等がある。３はシール
材２を牽引してシールを剥離するスライド蓋であ
り、両側部が開口部１ａの外側に設けられたガイ
ド１ｂに取り付けられ、開口部に平行にスライド
するようになつている。４及び４′は牽引部材で
あり、スライド蓋３に取り付けられている。又、
スライド蓋３における牽引部材４及び４′の周辺
部には、シール材２が牽引部材４及び４′に沿つ
て通過できる充分な間隙３ａ，３ｂが開いてい
る。シール材２はシールされた開口部１ａの左右
の延長部において、スライド蓋３の間隙３ａ及び
３ｂを通過してそれぞれ折り返され、牽引部材４
及び４′を巻くようにループ状に形成されている。

このように構成されたトナー収納容器を用いて
複写機にトナーを補給する場合には、開口部１ａ
を下にして複写機のホツパーに装着する。そして
複写機内の適宜な手段により、スライド蓋３を例
えば図中右方向にスライドさせると、牽引部材４
はシール材２と転がり若しくは滑り接触し、シー
ル材２を反時計方向に回動させる。この結果、シ
ール材２のシール部は左側から逐次剥がされて、
開口部１ａからトナーが落下し、補給される。

スライド蓋３は開口部１ａとほぼ同じ長さでス
ライドさせれば、開口部１ａは全面開口される。

この結果、容器を複写機に装着してトナー補給
を行う場合における複写機内の容器蓋開閉機構の
ためのスペースが少なくてすむ。

又、シール材２はスライド蓋３によつて、常に
同じ状態で真つ直ぐにシール部を剥離することに
なるので、従来技術におけるような途中でシール
材が破けるといつた恐れがなくなる。

トナー補給が終了すると、スライド蓋３を元の
位置に戻す。先に剥離したシール材２も元の位置
に戻り、ついで複写機ホツパーからトナー容器が
取り外される。なおこの際、シール材２における
トナー容器内の底面図に相当する部分は、トナー
で汚染されているが、再度トナー容器内に収納さ
れるので、トナー容器周辺を汚染することがな
く、作業性に優れている。

なお、スライド蓋３でシールを剥がす際に抵抗
ができるだけ一様になるように、開口部１ａの一
方の形状さらにはシール部の形状を第２図に示し
たような山形の形状にすることは好ましい。図の
点斜線で陰を付した部分がシール部であり、シー
ルは山形形状の方から剥がされるようになる。
又、最初に剥がし始められるシール部のシールの
接着力を、他のシール部の接着力よりも弱くする
ようにしても剥がす際の抵抗を一様することがで
きる。

第３図の容器１は、折り返されたシール材２の
ループがスライド蓋３の内側面側を通るようにし
たものであり、この容器１においても第１図の容
器１と同様にシール材２のシール剥離が行われ、
しかもシール材２がほとんどスライド蓋３の内側
面側にあるから、シール材２にトナーが付着した
ような場合にもそれがこぼれる恐れが減少する。
勿論、シール材２が全くスライド蓋３の外側面側
に出ないようにすることも簡単にできる。

なお、第１図、第３図において、スライド蓋３
と牽引部材４及び４′は共にプラスチツク成形物
として一体に成形されてもよい。

更に単純化すれば、例えば直接牽引部材４を図
中右方向に牽引すれば、牽引部材４のみにてスラ
イド蓋３および牽引部材４′を省略してもシール
材２は開口部１ａの左から剥離される。

以上述べたように、本発明はトナー容器に用い
て特に優れた効果が得られるが、トナー容器に限
定されるものでなく、各種の粉体容器にも適用で
きる。

〔発明の効果〕

以上詳細に説明したように、本発明はフイルム
状シール部材をループ状にしたので、シールを剥
離するための牽引部材の移動ストロークは容器開
口部のシール部分とほぼ同じですみ、従来技術の
約半分のストロークですむという効果が得られ
る。

この結果、粉体収納容器を機械に装着して粉体
を供給する場合、その機械内部における粉体収納
容器のシール剥離機構が小さなスペースにて簡単
な機構で実施することができ、又シール材を破い
たりせず確実に剥離することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第３図はそれぞれ本発明の縦断面図、
第２図は開口部平面図である。 １……容器、２……シール材、３……スライド
蓋、４，４′……牽引部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (イ) 粉体を排出する開口部を有する容器本
   体、 (ロ) 前記開口部にシールされたシール部と折り返
   された延長部とからなるループを形成したシー
   ル材、及び (ハ) 前記シール材のループ内に配置され、前記開
   口部に沿つてスライド可能に前記容器本体に設
   けられ、前記シール材と転がり若しくは滑り接
   触して前記シール材を牽引し、シールを剥離す
   る牽引部材、 とからなることを特徴とする粉体収納容器。 ２ 前記開口部の一方のシール端部輪郭が山形形
   状を有するように形成されている特許請求の範囲
   第１項記載の粉体収納容器。 ３ 一方のシール端近傍のシール材と開口部との
   接着力が他の部分におけるよりも弱くされている
   特許請求の範囲第１項又は第２項記載の粉体収納
   容器。 ４ 前記粉体がトナーである特許請求の範囲第１
   項乃至第３項記載の粉体収納容器。