JPH0158268B2 - - Google Patents
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- JPH0158268B2 JPH0158268B2 JP57122312A JP12231282A JPH0158268B2 JP H0158268 B2 JPH0158268 B2 JP H0158268B2 JP 57122312 A JP57122312 A JP 57122312A JP 12231282 A JP12231282 A JP 12231282A JP H0158268 B2 JPH0158268 B2 JP H0158268B2
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- boron
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- film
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- diaphragm
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04R—LOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
- H04R7/00—Diaphragms for electromechanical transducers; Cones
- H04R7/02—Diaphragms for electromechanical transducers; Cones characterised by the construction
- H04R7/04—Plane diaphragms
- H04R7/06—Plane diaphragms comprising a plurality of sections or layers
- H04R7/10—Plane diaphragms comprising a plurality of sections or layers comprising superposed layers in contact
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
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- Physics & Mathematics (AREA)
- Acoustics & Sound (AREA)
- Signal Processing (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は、心材の表面にスキン材を接合してな
るサンドイツチ構造体よりなるスピーカ用振動板
の製造方法に関するものであり、その目的とする
ところはスキン材としてのボロン又はベリリウム
の膜を心材に対して接合することができるスピー
カ用振動板の製造方法を提供することにある。
るサンドイツチ構造体よりなるスピーカ用振動板
の製造方法に関するものであり、その目的とする
ところはスキン材としてのボロン又はベリリウム
の膜を心材に対して接合することができるスピー
カ用振動板の製造方法を提供することにある。
従来例の構成とその問題点
一般に、スピーカ用振動板は、その使用周波数
帯域内において電磁変換系によつて与えられる駆
動力に対して十分な直線性を有して追従すると共
に、全面が同位相で振動(ピストン振動)するこ
とが理想とされている。また、音波放射特性の面
からは、放射面を平担にしたいわゆる平面振動板
が理想とされている。この平面振動板では、分割
共振を防いでピストン振動帯域を広げるため振動
板の厚みを増して剛性を高めており、この関係で
振動板重量が増加し、スピーカの能率が低下する
という欠点を有している。この欠点を改良する方
法として、中空コアよりなる心材の表面にスキン
材を接着したサンドイツチ構造体を用いた振動板
が実用化されているが、このようなサンドイツチ
構造体を用いても十分な軽量化はむずかしいもの
であつた。また、サンドイツチ構造体を構成する
材料を薄くして軽量化をはかると、振動板の強度
が低下し、部分共振(面鳴き現象)を生じて音響
特性が劣化するという問題があつた。これを改良
するため、低密度で弾性率の高い材料が望まれて
いた。この要求を満たす材料としてボロンやベリ
リウムがあるが、これらの材料はいずれも加工性
が悪く、アルミニウムやチタンのように10〜20μ
mの圧延による製箔が不可能であつた。そこで、
PVD法やCVD法などの気相成長技術によつてボ
ロンやベリリウムの材料を製箔して用いる試みが
なされているが、従来のベリリウムやボロン及び
その複合材料を用いたスピーカ用振動板はいずれ
もドーム状やコーン状のものに限られていた。こ
れは、PVD法により生成した膜には、格子欠陥、
表面張力、相転移などの種々の要因によつて生成
膜に内部応力が残留し、この残留応力によつて生
成膜の反りや歪が発生することに起因し、ドーム
状やコーン状の振動板では形状による剛性が気相
成長膜の内部応力に比べて十分に大きいため、形
状の歪はあまり大きな問題にならなかつたためで
あろう。しかしながら、平面形状においては内部
応力による形状歪が重要な欠点となつていた。特
にボロンやベリリウムは脆性が高いため、反りや
歪を生じた生成膜を機械的に平担に伸ばすことは
不可能であり、生成後の熱処理によつて生成膜の
残留応力を低下させる改良方法を用いても十分な
効果は得られなかつた。
帯域内において電磁変換系によつて与えられる駆
動力に対して十分な直線性を有して追従すると共
に、全面が同位相で振動(ピストン振動)するこ
とが理想とされている。また、音波放射特性の面
からは、放射面を平担にしたいわゆる平面振動板
が理想とされている。この平面振動板では、分割
共振を防いでピストン振動帯域を広げるため振動
板の厚みを増して剛性を高めており、この関係で
振動板重量が増加し、スピーカの能率が低下する
という欠点を有している。この欠点を改良する方
法として、中空コアよりなる心材の表面にスキン
材を接着したサンドイツチ構造体を用いた振動板
が実用化されているが、このようなサンドイツチ
構造体を用いても十分な軽量化はむずかしいもの
であつた。また、サンドイツチ構造体を構成する
材料を薄くして軽量化をはかると、振動板の強度
が低下し、部分共振(面鳴き現象)を生じて音響
特性が劣化するという問題があつた。これを改良
するため、低密度で弾性率の高い材料が望まれて
いた。この要求を満たす材料としてボロンやベリ
リウムがあるが、これらの材料はいずれも加工性
が悪く、アルミニウムやチタンのように10〜20μ
mの圧延による製箔が不可能であつた。そこで、
PVD法やCVD法などの気相成長技術によつてボ
ロンやベリリウムの材料を製箔して用いる試みが
なされているが、従来のベリリウムやボロン及び
その複合材料を用いたスピーカ用振動板はいずれ
もドーム状やコーン状のものに限られていた。こ
れは、PVD法により生成した膜には、格子欠陥、
表面張力、相転移などの種々の要因によつて生成
膜に内部応力が残留し、この残留応力によつて生
成膜の反りや歪が発生することに起因し、ドーム
状やコーン状の振動板では形状による剛性が気相
成長膜の内部応力に比べて十分に大きいため、形
状の歪はあまり大きな問題にならなかつたためで
あろう。しかしながら、平面形状においては内部
応力による形状歪が重要な欠点となつていた。特
にボロンやベリリウムは脆性が高いため、反りや
歪を生じた生成膜を機械的に平担に伸ばすことは
不可能であり、生成後の熱処理によつて生成膜の
残留応力を低下させる改良方法を用いても十分な
効果は得られなかつた。
発明の目的
本発明はこのような従来法の欠点を解消するも
のであり、低密度、高弾性率を有する材料の平担
なスキン材を提供し、高性能な平面振動板の製造
方法の実現をはかるものである。
のであり、低密度、高弾性率を有する材料の平担
なスキン材を提供し、高性能な平面振動板の製造
方法の実現をはかるものである。
発明の構成
本発明の骨子となるスキン材の製造方法につい
て説明する。従来のPVD法ではイオン化粒子の
有無に関係なく、先述したように生成した膜には
内部応力が残留し、生成膜に反りや歪を発生させ
る。特にイオン粒子を伴つた気相成長法ではイオ
ンの衝撃的な埋め込みによつて応力の発生が著し
いものであつた。このような内部応力を低減する
ために基板を加熱しながら気相成長を行う方法が
用いられているが、反りや歪のない平担な生成膜
を得るには多くの制限が加えられる。例えばボロ
ン膜の生成の場合、発明者らの経験では基板を
500℃以上に加熱しながら生成した場合にはかな
り平担性の良い膜が得られるが、真空中で基板を
500℃以上に加熱すると、基板が熱歪を生じて変
形する他、加熱部や基板、及び装置壁面から温度
上昇によつて脱ガスが激しく、生成中のガス圧、
雰囲気条件が限定され、その結果、生成膜の膜質
の低下を生じる。又、プラネタリーなどの基板駆
動機構を用いる場合には、回転機構の耐熱性や加
熱装置(赤外線加熱など)の容量等、装置の設計
上問題が生じ、安定な稼動が困難であつた。
て説明する。従来のPVD法ではイオン化粒子の
有無に関係なく、先述したように生成した膜には
内部応力が残留し、生成膜に反りや歪を発生させ
る。特にイオン粒子を伴つた気相成長法ではイオ
ンの衝撃的な埋め込みによつて応力の発生が著し
いものであつた。このような内部応力を低減する
ために基板を加熱しながら気相成長を行う方法が
用いられているが、反りや歪のない平担な生成膜
を得るには多くの制限が加えられる。例えばボロ
ン膜の生成の場合、発明者らの経験では基板を
500℃以上に加熱しながら生成した場合にはかな
り平担性の良い膜が得られるが、真空中で基板を
500℃以上に加熱すると、基板が熱歪を生じて変
形する他、加熱部や基板、及び装置壁面から温度
上昇によつて脱ガスが激しく、生成中のガス圧、
雰囲気条件が限定され、その結果、生成膜の膜質
の低下を生じる。又、プラネタリーなどの基板駆
動機構を用いる場合には、回転機構の耐熱性や加
熱装置(赤外線加熱など)の容量等、装置の設計
上問題が生じ、安定な稼動が困難であつた。
これに対し、本発明による生成法は前述したよ
うな基板加熱装置が不要であるため、生成装置が
単純化され、安定した稼動状態を得ることができ
るものであり、低価格ですぐれた量産性を実現で
きる利点を有するものである。
うな基板加熱装置が不要であるため、生成装置が
単純化され、安定した稼動状態を得ることができ
るものであり、低価格ですぐれた量産性を実現で
きる利点を有するものである。
また、本発明によつて生産膜の残留応力が制御
されるメカニズムは次のような効果によるものと
考えられる。その一つは生成膜中に入射するイオ
ンの運動エネルギーの変化によつてイオンが生成
膜中に埋め込まれる深さ、生成膜に与えるダメー
ジが膜厚と共に変化し、その分布が生成膜全体と
して方向性を示す。また、イオン衝撃のエネルギ
ーは大半が熱となつて消滅するので、ミクロ的に
生成膜の表面を考えると、イオン衝撃を受けた部
分は非常に高いエネルギー密度で熱衝撃を受ける
ことになり、薄膜の生成中に同時にアニーリング
を施すことと等価になる。そして、イオン粒子の
イオン価を限定することによつてイオンの衝撃エ
ネルギーは基板に印加する電界強度で一義的に定
まり基板に入射するイオンはその大半が等しい運
動エネルギーで入射するようになる。その結果ア
ニーリング条件が一定になるので応力の残留量が
一定になるものと考えられる。
されるメカニズムは次のような効果によるものと
考えられる。その一つは生成膜中に入射するイオ
ンの運動エネルギーの変化によつてイオンが生成
膜中に埋め込まれる深さ、生成膜に与えるダメー
ジが膜厚と共に変化し、その分布が生成膜全体と
して方向性を示す。また、イオン衝撃のエネルギ
ーは大半が熱となつて消滅するので、ミクロ的に
生成膜の表面を考えると、イオン衝撃を受けた部
分は非常に高いエネルギー密度で熱衝撃を受ける
ことになり、薄膜の生成中に同時にアニーリング
を施すことと等価になる。そして、イオン粒子の
イオン価を限定することによつてイオンの衝撃エ
ネルギーは基板に印加する電界強度で一義的に定
まり基板に入射するイオンはその大半が等しい運
動エネルギーで入射するようになる。その結果ア
ニーリング条件が一定になるので応力の残留量が
一定になるものと考えられる。
なお、本発明により生成膜の反りを制御する場
合にはイオンのエネルギー量が問題となるため、
一般的にはイオンの質量、基板への入射時のエネ
ルギー、イオン量などによつて制御効果が変化
し、イオン化の方式、生成条件、生成物質、基板
材料、形状などによつて有効条件範囲が限定され
る。
合にはイオンのエネルギー量が問題となるため、
一般的にはイオンの質量、基板への入射時のエネ
ルギー、イオン量などによつて制御効果が変化
し、イオン化の方式、生成条件、生成物質、基板
材料、形状などによつて有効条件範囲が限定され
る。
次に、蒸発粒子のイオン価の制御について用い
たイオンプレーテイング法の原理と共に説明す
る。元素をイオン化するには、その分子の質量に
応じたエネルギーを付与する必要があり、その最
低エネルギー(イオン価ポテンシヤル)はすでに
知られている(例えば、「理化学辞典」玉虫文一
編1971、岩波書店)。
たイオンプレーテイング法の原理と共に説明す
る。元素をイオン化するには、その分子の質量に
応じたエネルギーを付与する必要があり、その最
低エネルギー(イオン価ポテンシヤル)はすでに
知られている(例えば、「理化学辞典」玉虫文一
編1971、岩波書店)。
本発明では一価にイオン価したボロン粒子を用
いるので、その最低エネルギーは約8.3(eV)、二
価にイオン化するのに必要なエネルギーは25.2
(eV)である。本発明に於けるイオン価の制御は
この必要エネルギーの差を利用している。本発明
に用いたイオンプレーテイング装置に於ける蒸発
粒子のイオン化は第2図のようなメカニズムで成
される。第2図は、イオンプレーテイング装置を
示すもので、この第2図に示したイオンプレーテ
イング装置に於て、蒸発源8を加熱溶融すると蒸
発源から熱電子が発生する。熱電子加速電極3に
直流電圧(−)を印加してこの熱電子を加速収集
すると、熱電子の移動行程の中で蒸発粒子と衝突
し、蒸発粒子を電離するが、前記熱電子加速電極
に印可する電圧によつて蒸発粒子の電離エネルギ
ーが変化する。熱電子加速電圧を徐々に高めてゆ
くと、ある電圧で蒸発粒子のイオン化による発光
が蒸発源近傍に見られ、熱電子加速電極に電流が
流れる。この時の電圧が蒸発粒子をイオン化(電
離)するのに必要なエネルギーを熱電子に持たせ
る事が出来る電圧であり、第2図の構成では約25
(V)である。
いるので、その最低エネルギーは約8.3(eV)、二
価にイオン化するのに必要なエネルギーは25.2
(eV)である。本発明に於けるイオン価の制御は
この必要エネルギーの差を利用している。本発明
に用いたイオンプレーテイング装置に於ける蒸発
粒子のイオン化は第2図のようなメカニズムで成
される。第2図は、イオンプレーテイング装置を
示すもので、この第2図に示したイオンプレーテ
イング装置に於て、蒸発源8を加熱溶融すると蒸
発源から熱電子が発生する。熱電子加速電極3に
直流電圧(−)を印加してこの熱電子を加速収集
すると、熱電子の移動行程の中で蒸発粒子と衝突
し、蒸発粒子を電離するが、前記熱電子加速電極
に印可する電圧によつて蒸発粒子の電離エネルギ
ーが変化する。熱電子加速電圧を徐々に高めてゆ
くと、ある電圧で蒸発粒子のイオン化による発光
が蒸発源近傍に見られ、熱電子加速電極に電流が
流れる。この時の電圧が蒸発粒子をイオン化(電
離)するのに必要なエネルギーを熱電子に持たせ
る事が出来る電圧であり、第2図の構成では約25
(V)である。
本発明では上述したように熱電子の加速エネル
ギーを変えることによつて加速された熱電子が蒸
発粒子と衝突する際に蒸発粒子に付与するエネル
ギーを調節しイオン価を一定に制御するものであ
る。第2図において、装置内のガス圧は
10-5Torr台に保たれているが蒸発源4のごとく
表面ではほぼ蒸発材料の飽和蒸気圧程度迄ガス圧
が上昇する。また、蒸発材の蒸発中には蒸発粒子
と共に、熱電子や2次電子などが蒸発源4から放
出される。このような状態で熱電子加速電極3に
正の直流電界を印加すると蒸発源4から放出され
る電子は、加速されて熱電子加速電圧に入射す
る。このようにして加速された電子は10-1〜
10-3Torrというオーダーのガス圧中を移動する
ため高い確立で蒸発粒子と衝突して粒子を電離し
イオン化するが蒸発粒子のイオン価は加速電子の
運動エネルギーによつて決定するので熱電子加速
電極3に印加する直流電界の制御によつてイオン
粒子のイオン価が変化できる。蒸発材がボロンの
場合第一イオン化ポテンシヤルは8.3eV、第二イ
オン化ポテンシヤルは25.1eVである。しかし、
実際では、上記イオン化ポテンシヤルの2〜3倍
程度のエネルギーを加えなければイオン化は十分
に成されないとされている。
ギーを変えることによつて加速された熱電子が蒸
発粒子と衝突する際に蒸発粒子に付与するエネル
ギーを調節しイオン価を一定に制御するものであ
る。第2図において、装置内のガス圧は
10-5Torr台に保たれているが蒸発源4のごとく
表面ではほぼ蒸発材料の飽和蒸気圧程度迄ガス圧
が上昇する。また、蒸発材の蒸発中には蒸発粒子
と共に、熱電子や2次電子などが蒸発源4から放
出される。このような状態で熱電子加速電極3に
正の直流電界を印加すると蒸発源4から放出され
る電子は、加速されて熱電子加速電圧に入射す
る。このようにして加速された電子は10-1〜
10-3Torrというオーダーのガス圧中を移動する
ため高い確立で蒸発粒子と衝突して粒子を電離し
イオン化するが蒸発粒子のイオン価は加速電子の
運動エネルギーによつて決定するので熱電子加速
電極3に印加する直流電界の制御によつてイオン
粒子のイオン価が変化できる。蒸発材がボロンの
場合第一イオン化ポテンシヤルは8.3eV、第二イ
オン化ポテンシヤルは25.1eVである。しかし、
実際では、上記イオン化ポテンシヤルの2〜3倍
程度のエネルギーを加えなければイオン化は十分
に成されないとされている。
尚、第2図中、1はベルジヤー、2は基板、3
は熱電子加速電極、4はルツボ、5は電子ビーム
ガン、6は熱電子加速電源、、7はイオン加速電
源(基板電圧源)である。
は熱電子加速電極、4はルツボ、5は電子ビーム
ガン、6は熱電子加速電源、、7はイオン加速電
源(基板電圧源)である。
実施例の説明
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例
まず、第1図に示すようにアルミリボン11を
編んで菊形の中空コアよりなる心材12を作成
し、この心材12の両面に厚さ20μmの純ボロン
スキン材13を温度200〜230℃、圧力1〜2Kg/
cm2の条件で接着剤により熱圧着し、直径28mm、厚
さ約1mmの平板振動板を作製した。ここで、ボロ
ンスキン材13はイオンプレーテイング装置を用
い、電子ビーム蒸着法により1〜3×10-5Torr
の雰囲気中でボロンを蒸発させて作製した。イオ
ンプレーテイング装置は第2図に示すように排気
系を有するベルジヤー1内に基板2とルツボ4を
対向して配置し、上記ルツボ4に近接して熱電子
加速電極3と電子ビームガン5を配置したもので
あり、上記電子加速電極3への熱電子加速電極6
と上記基板2の電源としてのイオン加速電源7を
備えている。そして、ルツボ4には蒸発源8とし
てボロンを入れた。この時、熱電子加速電極3に
+25Vを印加してボロンルツボ4から放出される
熱電子を加速し、ボロンの蒸発粒子と衝突させ、
ボロンをイオン化した。また、ボロン膜の生成中
に基板2には−1.2kVを印加して20分間プレーテ
イングし、基板2上に厚さ20μmのボロン膜を生
成させた。上記基板2には厚さ30〜50μmのチタ
ン箔を用い、その表面を直径28mmの穴(振動板の
径に相当)を開けたマスク材で覆い、チタン基板
2上には直径28mm、厚さ20μmのボロン膜を生成
させた。ボロン膜の生成後、チタン基板2を0.5
〜1%の濃度のフツ酸溶液で溶解除去して、直径
28mm、厚さ20μmの平担なボロンスキン材13を
作製した。このように構成したスピーカ用振動板
では、平担で反りのないボロンスキン材13を得
ることができるので、心材13への接着剤による
熱圧着が可能である。このようにして作製したス
ピーカの音圧周波数特性を第3図−aに示す、
(1W/1m、JIS標準Box使用) 比較例 1 アルミリボンを菊形状に編んだ中空コアよりな
る心材の両面に厚さ20μmのアルミニウムスキン
材を温度200〜230℃、圧力1〜2Kg/cm2の条件で
熱圧着し、直径28mm、厚さ約1mmの平板振動板を
作製した。この振動板の音圧周波数特性を第3図
の曲線bに示した。
編んで菊形の中空コアよりなる心材12を作成
し、この心材12の両面に厚さ20μmの純ボロン
スキン材13を温度200〜230℃、圧力1〜2Kg/
cm2の条件で接着剤により熱圧着し、直径28mm、厚
さ約1mmの平板振動板を作製した。ここで、ボロ
ンスキン材13はイオンプレーテイング装置を用
い、電子ビーム蒸着法により1〜3×10-5Torr
の雰囲気中でボロンを蒸発させて作製した。イオ
ンプレーテイング装置は第2図に示すように排気
系を有するベルジヤー1内に基板2とルツボ4を
対向して配置し、上記ルツボ4に近接して熱電子
加速電極3と電子ビームガン5を配置したもので
あり、上記電子加速電極3への熱電子加速電極6
と上記基板2の電源としてのイオン加速電源7を
備えている。そして、ルツボ4には蒸発源8とし
てボロンを入れた。この時、熱電子加速電極3に
+25Vを印加してボロンルツボ4から放出される
熱電子を加速し、ボロンの蒸発粒子と衝突させ、
ボロンをイオン化した。また、ボロン膜の生成中
に基板2には−1.2kVを印加して20分間プレーテ
イングし、基板2上に厚さ20μmのボロン膜を生
成させた。上記基板2には厚さ30〜50μmのチタ
ン箔を用い、その表面を直径28mmの穴(振動板の
径に相当)を開けたマスク材で覆い、チタン基板
2上には直径28mm、厚さ20μmのボロン膜を生成
させた。ボロン膜の生成後、チタン基板2を0.5
〜1%の濃度のフツ酸溶液で溶解除去して、直径
28mm、厚さ20μmの平担なボロンスキン材13を
作製した。このように構成したスピーカ用振動板
では、平担で反りのないボロンスキン材13を得
ることができるので、心材13への接着剤による
熱圧着が可能である。このようにして作製したス
ピーカの音圧周波数特性を第3図−aに示す、
(1W/1m、JIS標準Box使用) 比較例 1 アルミリボンを菊形状に編んだ中空コアよりな
る心材の両面に厚さ20μmのアルミニウムスキン
材を温度200〜230℃、圧力1〜2Kg/cm2の条件で
熱圧着し、直径28mm、厚さ約1mmの平板振動板を
作製した。この振動板の音圧周波数特性を第3図
の曲線bに示した。
比較例 2
第2図に示したイオンプレーテイング装置を用
い、電子ビーム(EB)蒸着法により1〜3×
10-5Torrの雰囲気中でボロンを蒸発させてて作
成した。この時、熱電子加速電極3に+25Vを印
加してボロンルツボ4から放出される熱電子を加
速し、ボロンの蒸発粒子と衝突させ、ボロンをイ
オン化した。また、ボロン膜の生成中に基板2に
は−1.0kVの電圧を印加して20分間プレーテイン
グし、基板2上に厚さ20μmのボロン膜を生成さ
せた。上記基板2には厚さ30〜50μmのチタン箔
を用い、その表面を直径28mmの穴(振動板の径に
相当)を開けたマスク材で覆い、チタン基板2上
には直径28mm、厚さ20μmのボロン膜を生成させ
た。ボロン膜の生成後、チタン基板2を0.5〜1
%の濃度のフツ酸溶液で溶解除去して直径28mm、
厚さ20μmのボロンスキン材を作製した。このよ
うな条件下で生成したボロン膜は内部応力の残留
により反りを有しており、接着剤による心材への
熱圧着法に破壊されてしまつた。
い、電子ビーム(EB)蒸着法により1〜3×
10-5Torrの雰囲気中でボロンを蒸発させてて作
成した。この時、熱電子加速電極3に+25Vを印
加してボロンルツボ4から放出される熱電子を加
速し、ボロンの蒸発粒子と衝突させ、ボロンをイ
オン化した。また、ボロン膜の生成中に基板2に
は−1.0kVの電圧を印加して20分間プレーテイン
グし、基板2上に厚さ20μmのボロン膜を生成さ
せた。上記基板2には厚さ30〜50μmのチタン箔
を用い、その表面を直径28mmの穴(振動板の径に
相当)を開けたマスク材で覆い、チタン基板2上
には直径28mm、厚さ20μmのボロン膜を生成させ
た。ボロン膜の生成後、チタン基板2を0.5〜1
%の濃度のフツ酸溶液で溶解除去して直径28mm、
厚さ20μmのボロンスキン材を作製した。このよ
うな条件下で生成したボロン膜は内部応力の残留
により反りを有しており、接着剤による心材への
熱圧着法に破壊されてしまつた。
比較例 3
第2図に示したイオンプレーテイグ装置を用
い、電子ビーム(EB)蒸着法により1〜3×
10-5Torrの雰囲気中でボロンを蒸発させて作成
した。この時、熱電子加速電極3に+25Vを印加
してボロンルツボ4から放出される熱電子を加速
し、ボロンの蒸発粒子と衝突させ、ボロンをイオ
ン化した。また、ボロン膜の生成中に基板2には
−1.5kVの電圧を印加して20分間プレーテイング
し、基板2上に厚さ20μmのボロン膜を生成させ
た。上記基板2には厚さ30〜50μmのチタン箔を
用い、その表面を直径28mmの穴(振動板の径に相
当)を開けたマスク材で覆い、チタン基板2上に
は直径28mm、厚さ20μmのボロン膜を生成させ
た。ボロン膜の生成後、チタン基板2を0.5〜1
%の濃度のフツ酸溶液で溶解除去して直径28mm、
厚さ20μmのボロンスキン材を作製した。このよ
うな条件下で生成したボロン膜は内部応力の残留
により反りを有しており、接着剤による心材への
熱圧着時に破壊されてしまつた。
い、電子ビーム(EB)蒸着法により1〜3×
10-5Torrの雰囲気中でボロンを蒸発させて作成
した。この時、熱電子加速電極3に+25Vを印加
してボロンルツボ4から放出される熱電子を加速
し、ボロンの蒸発粒子と衝突させ、ボロンをイオ
ン化した。また、ボロン膜の生成中に基板2には
−1.5kVの電圧を印加して20分間プレーテイング
し、基板2上に厚さ20μmのボロン膜を生成させ
た。上記基板2には厚さ30〜50μmのチタン箔を
用い、その表面を直径28mmの穴(振動板の径に相
当)を開けたマスク材で覆い、チタン基板2上に
は直径28mm、厚さ20μmのボロン膜を生成させ
た。ボロン膜の生成後、チタン基板2を0.5〜1
%の濃度のフツ酸溶液で溶解除去して直径28mm、
厚さ20μmのボロンスキン材を作製した。このよ
うな条件下で生成したボロン膜は内部応力の残留
により反りを有しており、接着剤による心材への
熱圧着時に破壊されてしまつた。
以上実施例、比較例に示したように本実施例よ
り成る製造方法によつて、反りのない平担なボロ
ンやベリリウム薄板の作製が可能となり、この薄
膜をスキン材に用いたスピーカは、アルミニウム
箔をスキン材に用いていた従来のスピーカに比べ
て、スキン材を同じ厚さの純ボロンに置きかえる
だけで、第一次共振周波数が12.1kHzから19.3kHz
迄上昇し、能率は1.5〜2dB程度改善された。ま
た、本実施例に用いたイオン化粒子のイオン価を
制御し、低イオン価の粒子を利用することによつ
て生成膜の残留応力(反り量と方向)が基板に印
加する直流電界に対し単純な比例関係になるので
平担なプレーテイング膜を容易に作製することが
可能となる。
り成る製造方法によつて、反りのない平担なボロ
ンやベリリウム薄板の作製が可能となり、この薄
膜をスキン材に用いたスピーカは、アルミニウム
箔をスキン材に用いていた従来のスピーカに比べ
て、スキン材を同じ厚さの純ボロンに置きかえる
だけで、第一次共振周波数が12.1kHzから19.3kHz
迄上昇し、能率は1.5〜2dB程度改善された。ま
た、本実施例に用いたイオン化粒子のイオン価を
制御し、低イオン価の粒子を利用することによつ
て生成膜の残留応力(反り量と方向)が基板に印
加する直流電界に対し単純な比例関係になるので
平担なプレーテイング膜を容易に作製することが
可能となる。
尚、上記の説明ではボロンについて述べたが、
ベリリウムであつても同等の作用効果を奏するも
のであり、また基板を分離することなく積層体の
ままスキン材として使用することができることは
いうまでもない但しこの場合にはスキン材の等価
弾性率に応じて第一次共振周波数は変化する。
ベリリウムであつても同等の作用効果を奏するも
のであり、また基板を分離することなく積層体の
ままスキン材として使用することができることは
いうまでもない但しこの場合にはスキン材の等価
弾性率に応じて第一次共振周波数は変化する。
発明の効果
以上、詳述したように本発明よりなる製造方法
によれば、平担なボロン又はベリリウムよりなる
スキン材の製造が可能となり、その結果、高能
率、高帯域特性を有する高性能なスピーカ用振動
板を実現することができる。また、基板加熱や生
成後の熱処理が不要となり、設備費及び製造コス
トの低減が可能になり、他にボロンやベリリウム
のプレーテイング条件の自由度が大きく取れるの
で、スキン材の表面光沢などを任意に選択出来る
利点を有するものである。
によれば、平担なボロン又はベリリウムよりなる
スキン材の製造が可能となり、その結果、高能
率、高帯域特性を有する高性能なスピーカ用振動
板を実現することができる。また、基板加熱や生
成後の熱処理が不要となり、設備費及び製造コス
トの低減が可能になり、他にボロンやベリリウム
のプレーテイング条件の自由度が大きく取れるの
で、スキン材の表面光沢などを任意に選択出来る
利点を有するものである。
第1図は本発明のスピーカ用振動板の製造方法
の工程説明図、第2図は同振動板のスキン材を得
るためのDCイオンプレーテイング装置を示す概
略構成図、第3図は同振動板と従来の振動板の音
圧周波数特性の比較図、第4図はプレーテイング
条件による生成膜の反りの変化を示す特性図であ
る。 1……ベルジヤー、2……基板、3……熱電子
加速電極、4……ボロンルツボ、5…電子ビーム
ガン、6………熱電子加速電源、7……イオン加
速電源(基板電圧電源)、12……心材、13…
…スキン材。
の工程説明図、第2図は同振動板のスキン材を得
るためのDCイオンプレーテイング装置を示す概
略構成図、第3図は同振動板と従来の振動板の音
圧周波数特性の比較図、第4図はプレーテイング
条件による生成膜の反りの変化を示す特性図であ
る。 1……ベルジヤー、2……基板、3……熱電子
加速電極、4……ボロンルツボ、5…電子ビーム
ガン、6………熱電子加速電源、7……イオン加
速電源(基板電圧電源)、12……心材、13…
…スキン材。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 イオン化粒子を用いて物理的気相成長法によ
つて基板上に薄膜を生成すると共に上記イオン化
粒子のイオン価を一定に制御して上記薄膜に残留
する応力を少なくして反りのないスキン材を得こ
のスキン材を3次元的な任意形状を有する心材の
表面に接着することを特徴とするスピーカ用振動
板の製造方法。 2 スキン材が基板から分離された薄膜単層であ
ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
スピーカ用振動板の製造方法。 3 スキン材がボロン、又はベリリウムより成る
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2
項記載のスピーカ用振動板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12231282A JPS5912689A (ja) | 1982-07-13 | 1982-07-13 | スピ−カ用振動板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12231282A JPS5912689A (ja) | 1982-07-13 | 1982-07-13 | スピ−カ用振動板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5912689A JPS5912689A (ja) | 1984-01-23 |
JPH0158268B2 true JPH0158268B2 (ja) | 1989-12-11 |
Family
ID=14832833
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12231282A Granted JPS5912689A (ja) | 1982-07-13 | 1982-07-13 | スピ−カ用振動板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5912689A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0428776U (ja) * | 1990-06-06 | 1992-03-06 | ||
JPH04248346A (ja) * | 1991-01-22 | 1992-09-03 | Fuji Elelctrochem Co Ltd | 小型モータのスラスト軸受バネ |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0530482Y2 (ja) * | 1988-01-12 | 1993-08-04 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS574769A (en) * | 1980-06-11 | 1982-01-11 | Hitachi Ltd | Elastic body and its manufacture |
-
1982
- 1982-07-13 JP JP12231282A patent/JPS5912689A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS574769A (en) * | 1980-06-11 | 1982-01-11 | Hitachi Ltd | Elastic body and its manufacture |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0428776U (ja) * | 1990-06-06 | 1992-03-06 | ||
JPH04248346A (ja) * | 1991-01-22 | 1992-09-03 | Fuji Elelctrochem Co Ltd | 小型モータのスラスト軸受バネ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5912689A (ja) | 1984-01-23 |
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