JPH0146265B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、数値制御による自動工具交換機構を
有する数値制御工作機械に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の数値制御工作機械としては、第
５図および第６図に示すような数値制御工作機械
Ａが提供されている。

この数値制御工作機械Ａは、切削工具を把持し
て、これを回転させる主軸部１と、複数の切削工
具を着脱自在に配置した工具マガジン２と、この
工具マガジン２と主軸部１との間で切削工具を交
換する自動工具交換装置３と、上記切削工具によ
つて切削されるワークを固定し、これを移動させ
る割り出し台４とを主な構成要素とするものであ
る。

主軸部１は、第５図中矢印Ｒ・Ｓ方向に移動す
ることができるように構成されており、主軸５が
割り出し台４側方向に突出するように配置された
ものである。この主軸５は、主軸部１によつて軸
線を中心として回転させられるとともに、上下方
向に移動させられるように構成されている。主軸
５の割り出し台４側の端面には、工具ヘツド６が
取り付けられている。工具ヘツド６は、図示しな
いクランプ機構によつて切削工具の後端部を把持
するものである。

前記工具マガジン２は、第６図に示すように、
全体として略Ｏ字状をなす移動部７と、移動部７
に所定の間隔を隔てて連設された固定具８，８…
とを主な構成要素とするものである。固定具８，
８…は、切削工具９，９…を着脱自在に装着でき
るように構成されている。また、固定具８，８…
は、移動部７によつて周方向に移動せしめられる
ように構成されている。

上記工具マガジン２と、主軸部１の中間部に
は、自動工具交換装置３が配置されている。自動
工具交換装置３は、図中矢印Ｐ・Ｑ方向に移動で
きるように構成された移動部１０と、軸部１１
と、アーム１２とからなるものである。軸部１１
は、移動部１０に第５図中矢印Ｒ・Ｓ方向に移動
できるように取り付けられている。アーム１２
は、軸部１１に回動自在に取り付けられており、
その長手方向両端部には、切削工具９の胴部９ａ
を把持する左右の把持部１２ａ，１２ｂが形成さ
れている。

また、前記割り出し台４は、移動台１３と、そ
の上面に固定されたチヤツクヘツド１４とからな
るものである。移動台１３は、図中矢印Ｐ・Ｑ方
向に移動できるように構成されている。一方、チ
ヤツクヘツド１４には、ワークを把持するワーク
チヤツク１５の後端部に形成されたテーパ部（図
示せず）と嵌合するテーパ穴部（図示せず）が形
成されており、ワークチヤツク１５を着脱自在に
装着できるように構成されている。また、このチ
ヤツクヘツド１４は、ワークチヤツク１５を、そ
の軸線を中心として回転させることができるよう
に構成されている。

以上説明した構成要素の動作は、制御装置１
６，１７によつて制御されるようになつている。
以下、この数値制御工作機械Ａの動作について説
明する。

まず、ワークチヤツク１５にワークを挿入し、
制御装置１７の起動ボタン（図示せず）をオンに
する。ワークチヤツク１５はワークを把持し、一
方、工具マガジン２の固定具８，８…が移動し、
必要な切削工具９が把持部１２ａの前に来たとき
に固定具８，８…が停止する。次に、移動部１０
が矢印Ｐ方向に移動し、把持部１２ａによつて切
削工具９の胴部９ａを把持する。次に、軸部１１
が矢印Ｓ方向に移動し、切削工具９を固定具８か
ら抜き取る。次に、アーム１２が回転して把持部
１２ａと把持部１２ｂとが反転すると同時に、移
動部１０が矢印Ｑ方向に移動する。次に、軸部１
１が矢印Ｒ方向に移動し、切削工具９を工具ヘツ
ド６に装着する。次に移動部１０が矢印Ｐ方向に
移動すると同時に、主軸５が回転を始め、ワーク
の加工が行なわれる。ワークの加工に際しては、
ワークを矢印Ｐ・Ｑ方向に移動させ、または回転
させ、あるいは主軸５をＲ・Ｓ方向または上下方
向に移動させてワークを切削する。また、ワーク
の加工中においても必要に応じて、工具マガジン
２に配置された切削工具９と、工具ヘツド６に装
着された切削工具９とを交換して切削を行なう。

このようにして、この数値制御工作機械Ａで
は、切削加工中にワークと主軸５とを移動させ、
あるいは必要な切削工具９を順次工具ヘツド６に
装着してワークの切削加工を行なうことができ、
また、ワークをワークチヤツク１５に挿入し、ま
たは、切削加工が行なわれたワークをワークチヤ
ツク１５から取り出すハンドリング装置を併設す
れば、多数のワークを連続的かつ自動的に切削加
工することができる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、一般に上記のような数値制御工作機
械においては、一種類のワークチヤツクでは、限
られた範囲の外径を有するワークしか把持できな
いのが普通である。したがつて、外径の大幅に異
なるワークを切削する場合には、多種類のワーク
チヤツクを保有しておき、それらの内からワーク
外径にあつたワークチヤツクを選択し、それを手
作業によつてチヤツクヘツドに装着しなければな
らず、外径の大幅に異なる多種類のワークを連続
的かつ自動的に切削加工することができなかつ
た。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、チヤツクヘツド
に対するワークチヤツクの着脱作業を自動化し、
それによつて、外径の大幅に異なる多種類のワー
クに対して長時間連続で、しかも無人運転が可能
な数値制御工作機械を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明では、工具マガジンに、工具ヘツドに
着脱自在とされ、かつワークチヤツクを着脱自在
に把持する一以上のチヤツクホルダーを着脱自在
に配設することにより上記目的を達成している。

〔作用〕

この発明の数値制御工作機械にあつては、自動
工具交換装置により工具マガジンに配設されてい
る所定のチヤツクホルダーを抜き取つてこれを工
具ヘツドに装着し、この工具ヘツドに装着された
チヤツクホルダーによりチヤツクヘツドに把持さ
れたワークチヤツクを取り外し、あるいはチヤツ
クヘツドに所定のワークチヤツクを装着すること
ができる。

〔実施例〕

第１図ないし第４図は、この発明の一実施例を
示す図である。これらの図に示す数値制御工作機
械Ｂの基本的構成は、従来例において設明した数
値制御工作機械Ａと同一であるので、同一構成要
素には同一の符号を付してある。

この数値制御工作機械Ｂは、その工具マガジン
に複数のワークチヤツクを着脱自在に配置する一
方、上記工具マガジンとチヤツクヘツドとの間で
ワークチヤツクを交換する交換機構を設けたこと
を特徴とするものである。まず、工具マガジンに
ワークチヤツクを着脱自在に配置する構成につい
て説明する。

一般に、数値制御による自動工具交換機構を有
する数値制御工作機械においては、切削工具と工
具ヘツドとをテーパ嵌合させるとともに、工具マ
ガジンの固定具と切削工具とをテーパ嵌合させ、
またワークチヤツクとチヤツクヘツドとをテーパ
嵌合させている。

ところで、上記ワークチヤツクのテーパ部は、
切削工具のテーパ部よりも大きく形成されている
のが普通であり、ワークチヤツクをそのまま上記
工具マガジンの固定具に装着することはできな
い。そこで、この実施例の数値制御工作機械Ｂで
は、下記構成によつてワークチヤツクを工具マガ
ジンの固定具に装着できるようにしている。

第１図ないし第４図において符号１８はワーク
チヤツクである。ワークチヤツク１８は、図示し
ないクランプ機構が内蔵されたチヤツク部１９
と、取り付け部２０とからなるものである。チヤ
ツク部１９は、切削工具によつて切削されるワー
クを把持するものである。チヤツク部１９には、
その取り付け部２０側端面の周面に溝部２１が形
成されている。取り付け部２０には、チヤツクヘ
ツド１４に形成されたテーパ穴部（図示せず）と
嵌合するテーパ部２０ａが形成されている。この
ように構成されたワークチヤツク１８は、上記溝
部２１をチヤツクホルダー２２によつて把持され
るようになつている。

チヤツクホルダー２２は、胴部２３の先端部に
把持部２４を固定し、胴部２３の後後端部に取り
付け部３２を固定して構成されている。把持部２
４には、第３図に示すように半円状の切欠２４ａ
が形成されている。この切欠２４ａの寸法は、上
記チヤツク部１９の外径よりも大きく形成されて
いる。また、把持部２４には、その切欠２４ａの
両側に把持部材２５，２５がビン２６，２６を介
して回動自在に取り付けられている。把持部材２
５，２５は、互いに対向する縁部２５ａ，２５ａ
が切欠２４ａの周縁部から突出するように形成さ
れ、それら縁部２５ａ，２５ａの互いに対向する
面は、溝部２１の周面とほぼ同一の円弧となるよ
うに形成されており、溝部２１の周面と密接でき
るようになつている。これら把持部材２５，２５
は把持部２４に取り付けられた図示しないバネに
よつて第３図中矢印Ｔ方向に付勢されている。こ
の構成のもとに、把持部材２５，２５は、溝部２
１の周面に圧接し、ワークチヤツク１８を把持で
きるようになつている。また、把持部２４には、
その切欠２４ａの周縁部中央に溝部２１の周面と
当接する当接片３３が取り付けられている。

取り付け部３２には、工具ヘツド６に形成され
たテーパ穴部（図示せず）と嵌合するテーパ部３
２ａが形成されている。また、取り付け部３２と
胴部２３との間には、後述する自動工具交換装置
３によつて把持される溝部２７が形成されてい
る。

以上の構成のもとに、チヤツクホルダー２２
は、ワークチヤツク１８を把持することができる
とともに、工具マガジン２に着脱自在に配置され
るようになつつている。

このチヤツクホルダー２２において、ワークチ
ヤツク１８を把持するには、把持部材２５，２５
の縁部２５ａ，２５ａが溝部２１の周面と当接す
るようにワークチヤツク１８を切欠２４ａ内方に
向けて移動させる。このとき把持部材２５，２５
は、第３図中矢印Ｕ方向に回動し、チヤツク部１
９が当接片３３側に移動するに従つて把持部材２
５，２５は、バネによつて与えられた付勢力によ
つて矢印Ｔ方向に回動し、溝部２１の周面が当接
片３３と当接したときに縁部２５ａ，２５ａが縁
部２１の周面と密接し、ワークチヤツク１８を把
持する。ワークチヤツク１８をチヤツクホルダー
から取り外すには、上記の手順とは逆に、ワーク
チヤツク１８を切欠２４ａの外方に向けて移動さ
せればよい。

次に、工具マガジンとチヤツクヘツド１４との
間でワークチヤツク１８を交換する交換機構につ
いて説明する。

この交換機構は、自動工具交換装置３と、主軸
部１と割り出し台４とからなるものであり、それ
らの動作は、制御装置１６によつて次のように制
御されている。

自動工具交換装置３は、移動部１０が図中矢印
Ｐ方向に移動して把持部１２ａがチヤツクホルダ
ー２２の溝部２７を把持し、次に、軸部１１が矢
印Ｓ方向に移動してチヤツクホルダー２２を工具
マガジン２の固定具８から抜き取り、次に、アー
ム１２が回転して把持部１２ａと把持部１２ｂと
が反転すると同時に、移動部１０が矢印Ｑ方向に
移動し、軸部１１が矢印Ｒ方向に移動してチヤツ
クホルダー２２の取り付け部３２を工具ヘツド６
に挿入できるとともに、上記と逆の手順によつ
て、工具ヘツド６からチヤツクホルダー２２を抜
き取り、これを工具マガジン２の固定具８に挿入
できるようになつている。

主軸部１と割り出し台４とは、互いに連動して
チヤツクヘツド１４に把持されたワークチヤツク
１８を取り外し、あるいはチヤツクヘツド１４に
ワークチヤツク１８を装着することができるよう
になつている。すなわち、主軸部１は、自動工具
交換装置３によつて工具ヘツド６に挿入されたチ
ヤツクホルダー２２を把持するとともに、これを
下方および矢印Ｓ方向に移動させ、チヤツクヘツ
ド１４に把持されたワークチヤツク１８をチヤツ
クホルダー２２によつて把持し、一方チヤツクへ
ツド１４のクランプ機構が解除されるとともに移
動台１３が矢印Ｐ方向に移動し、ワークチヤツク
１８をチヤツクホルダー２２に把持された状態で
チヤツクヘツド１４から取り外すことができるよ
うになつている。また、主軸部１は、自動工具交
換装置３によつて工具ヘツド６に挿入された、ワ
ークチヤツク１８を把持したチヤツクホルダー２
２を把持するとともに、これを下方および矢印Ｓ
方向に移動させ、ワークチヤツク１８を、その取
り付部２０の軸線とチヤツクヘツド１４のテーパ
穴部（図示せず）の軸線とが一致する位置で保持
し、一方、移動台１３が矢印Ｑ方向に移動して、
取り付け部２０をテーパ穴部に挿入させてこれを
把持し、次に主軸部１が矢印Ｒ方向に移動してワ
ークチヤツク１８からチヤツクホルダー２２を取
り外し、このようにしてワークチヤツク１８をチ
ヤツクヘツド１４に装着できるようになつてい
る。

次に、工具マガジン２とチヤツクヘツド１４と
の間でワークチヤツク１８を交換する動作につい
て説明すると、まず、工具マガジン２において、
ワークチヤツク１８を把持していないチヤツクホ
ルダー２２を自動工具交換装置３によつて工具マ
ガジン２から取り外し、これを工具ヘツド６に装
着する。次に、主軸部１と割り出し台４とが連動
してチヤツクヘツド１４からワークチヤツク１８
を取り外す一方、自動工具交換装置３が工具マガ
ジン２からワークチヤツク１８ａを把持したチヤ
ツクホルダー２２ａを取り外し、これを把持す
る。次に、自動工具交換装置３によつて工具ヘツ
ド６からチヤツクホルダー１８を取り外し、この
チヤツクホルダー１８とチヤツクホルダー１８ａ
を反転させ、チヤツクホルダー１８ａを工具ヘツ
ド６に装着する。次に、主軸部１と割り出し台４
とが連動してワークチヤツク１８ａをチヤツクヘ
ツド１４に装着すると同時に、自動工具交換装置
３が、ワークチヤツク１８を把持したチヤツクホ
ルダー２２を工具マガジン２の固定具８に装着
し、次に、工具ヘツド６からチヤツクホルダー２
２ａを取り外し、これを固定具８に装着する。

このようにして、数値制御工作機械Ｂにおいて
は、工具マガジン２とチヤツクヘツド１４との間
でワークチヤツク１８，１８ａを交換することが
できる。

この数値制御工作機械Ｂでは、上記のように複
数のワークチヤツク１８，１８…を工具マガジン
２に着脱自在に配置する一方、ワークチヤツク１
８，１８…の交換機構を設けているので、第１図
に示すようにワークのハンドリング装置２８と、
ワークの供給装置２９とを併設することによつ
て、外径の異なる多種類のワーク３０ａ，３０
ｂ，３０ｃ…を連続的かつ自動的に切削工具する
ことができる。すなわち、供給装置２９に取り付
けられたセンサー３１によつてワーク３０ａの外
径を判別し、その判別結果によつて工具マガジン
２内のワークチヤツク１８を選定し、このワーク
チヤツク１８とチヤツクヘツド１４に装着されて
いるワークチヤツク１８とを上記の交換機構によ
つて交換する。次に、ハンドリング装置２８によ
つてワーク３０ａをワークチヤツク１８に把持さ
せ、ワーク３０ａを切削加工した後にワーク３０
ａをハンドリング装置２８によつてワークチヤツ
ク１８から取り外す。以下、３０ｂ，３０ｃ…も
同様にして切削加工する。なお、切削工具は、従
来例と同様に、工具マガジン２に着脱自在に複数
配置しておき、切削工具形状に応じて工具マガジ
ン２と工具ヘツド６との間で適宜これを交換す
る。

〔発明の効果〕

本発明による数値制御工作機械においては、工
具マガジンに、工具ヘツドに着脱自在とされ、か
つワークチヤツクを着脱自在に把持する一以上の
チヤツクホルダーを着脱自在に配設しているの
で、自動工具交換装置により工具マガジンから抜
き取られて工具ヘツドに装着されたチヤツクホル
ダーにより、チヤツクヘツドに把持されたワーク
チヤツクを取り外し、あるいはチヤツクヘツドに
所定のワークチヤツクを装着することができるた
め、外径の異なる多種類のワークに対して長時間
連続で、しかも無人運転が可能になるという効果
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は、本発明の一実施例を示
す図であつて、第１図は数値制御工作機械とワー
クのハンドリング装置およびワークの供給装置の
概略を示す平面図、第２図は数値制御工作機械の
概略を示す正面図、第３図はチヤツクホルダーを
示す側面図、第４図はワークチヤツクを示す側面
図、第５図および第６図は、従来の数値制御工作
機械の概略を示す平面図、第６図は数値制御工作
機械の概略を示す正面図である。 Ａ……数値制御工作機械、Ｂ……数値制御工作
機械、２……工具マガジン、３……自動工具交換
装置、６……工具ヘツド、９……切削工具、１４
……チヤツクヘツド、１８……ワークチヤツク、
３０ａ……ワーク、３０ｂ……ワーク、３０ｃ…
…ワーク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数の切削工具が着脱自在に配置された工具
   マガジンと、上記切削工具が着脱自在に装着され
   る工具ヘツドと、この工具ヘツドと上記工具マガ
   ジンとの間で上記切削工具を交換する自動工具交
   換装置と、上記工具ヘツドに装着された上記切削
   工具によつて切削されるワークを把持するワーク
   チヤツクが着脱自在に装着されるチヤツクヘツド
   とを具備してなる数値制御工作機械において、 上記工具マガジンに、上記工具ヘツドに着脱自
   在とされ、かつ上記ワークチヤツクを着脱自在に
   把持可能な一以上のチヤツクホルダーを着脱自在
   に配設したことを特徴とする数値制御工作機械。