JPH0145480B2 - - Google Patents

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JPH0145480B2
JPH0145480B2 JP1707282A JP1707282A JPH0145480B2 JP H0145480 B2 JPH0145480 B2 JP H0145480B2 JP 1707282 A JP1707282 A JP 1707282A JP 1707282 A JP1707282 A JP 1707282A JP H0145480 B2 JPH0145480 B2 JP H0145480B2
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Japan
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bleomycin
formula
amide
group
copper
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JP1707282A
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Hamao Umezawa
Akio Fujii
Yasuhiko Muraoka
Tokuji Nakatani
Takeyo Fukuoka
Katsutoshi Takahashi
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は式 (式中BLはブレオマイシン群抗生物質の骨格
残基を示す。) を有するデアミドブレオマイシン群抗生物質又は
そのカルボキル基における反応性誘導体に一般式 NH2−X [] [式中Xは(1)炭素数1〜18のアルキル、(2)炭素
数1〜12のアミノアルキル、(3)置換基として1〜
3個のハロゲン原子、1〜2個のフエニル、イン
ドリル、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含
む5〜6員環の複素環基を有する低級アルキル
(置換基中のフエニルまたはインドリルは、更に
ハロゲン原子または低級アルコキシで置換されて
もよい。) (4)X1―低級アルキル(式中X1
【式】 又は
【式】であり、X2は水素原子、低級ア ルキルまたはベンジル、X3は低級アルキル、フ
エニル低級アルキル、フエニルまたはハロゲンフ
エニルで置換されていてもよいモノまたはジ低級
アルキルアミノ低級アルキル、X4は低級アルキ
ルまたはフエニル低級アルキルを示す。)(5)ナフ
チル、(6)チアゾリル、(7)N―フエニル低級アルキ
ルピペラジニル、を示す]で示されるアミンを縮
合させることを特徴とする下記式 [式中BLおよびXは前記と同じ。] を有するアミドN置換ブレオマイシン群抗生物質
の製造法に関するものである。 ブレオマイシンは1966年本発明者の一人である
梅沢らにより発見された制癌性抗生物質で(梅沢
らジヤーナル・オブ・アンチビオチクス、19A、
200頁、1966年)放線菌ストレプトミセス・バー
チシラスにより生産される1原子の2価の銅を容
易にキレートする塩基性水溶性糖ペプチドで、通
常の培養法では16種が生産され、単離されてい
る。(例えば、梅沢ら:ジヤーナル・オブ・アン
チビオチクス19A,210頁、1966年)。これらブレ
オマイシンのうち、A1、A2、A5、B2、デメチ
ルA2等は、その混合物の脱銅体(以下「ブレオ
マイシン・コンプレツクス」という。)が現在す
でに癌治療の臨床面で広く使用されており、とく
に偏平上皮癌を中心に、皮膚癌、頭頚部癌、肺
癌、悪性リンパ腫などで優れた成績をあげてい
る。 しかしながらこれらのブレオマイシン類はブレ
オマイシン不活化酵素(以下「不活化酵素」とい
う:梅沢ら:ジヤーナル・オブ・アンチビオチク
ス27巻、419頁、1974年)の作用により、ブレオ
マイシンの下記部分構造式 の、2,3―ジアミノプロピオン酸アミド
【式】部分が加水分解 を受けることにより、アミドの―NH2がなくな
り、前記構造式[]となるため不活化されるこ
とがわかつた。ブレオマイシンが強く作用する皮
膚や肺ではブレオマイシンは比較的不活化され
ず、ブレオマイシンが作用しないといわれる胃な
どでは、不活化され易いことがわかつた。また、
20メチルコラントレンで発生するネズミの偏平上
皮癌ではこの不活化力が低く、同じ原因で発生す
る肉腫には高いことがわかつた。(梅沢ら:ジヤ
ーナル・オブ・アンチビオチクス25巻409頁、
1972年:梅沢ら:ジヤーナル・オブ・アンチビオ
チクス27巻、419頁、1874年)。さらにまた、ヒト
の頭頚部にできる偏平上皮癌にも、ブレオマイシ
ンを不活化する作用が認められ、中でもブレオマ
イシンが比較的効かないといわれる低分化型の偏
平上皮癌に、この不活化が顕著であることがわか
つた(ミユラーら:カンサー40巻2787頁、1977
年)。 これらの知見からわかるように、不活化酵素の
活性が強い癌にはブレオマイシンは十分な効果を
発揮できない。現在ブレオマイシンに一層の改良
が期待される理由の一つはこの点にある。 そこで発明者らは、もし不活化されにくいブレ
オマイシン誘導体が見つかれば、たとえば頭頚部
癌、食道癌、肺癌その他の領域における偏平上皮
癌の治療をより効果的に行なえ、また従来のブレ
オマイシンが効かない腺癌、たとえば胃癌等の治
療も行なえる可能性が生じると考えた。 このような観点から種々検討した結果、本発明
者らはブレオマイシン群抗生物質における前記部
分構造式[]の2,3―ジアミノプロピオン
酸アミド
【式】のアミ ド部分のN原子に置換基(―X)を導入すること
により、比較的不活化されにくくなることを発見
し、本発明を完成した。 本発明において、デアミドブレオマイシン群抗
生物質とはブレオマイシン群抗生物質の部分構造
式[]における2,3―ジアミノプロピオン酸
アミド
【式】のアミド 部分の―NH2が加水分解により除かれ、―OH基
に置換された前記構造式[]を有する、ブレオ
マイシン群抗生物質のデアミド体をさすものとす
る。 従つて本発明で原料化合物として用いる構造式
[]を有するデアミドブレオマイシン群抗生物
質はブレオマイシン群抗生物質の前記部分構造式
[]の2,3―ジアミノプロピオン酸アミド
【式】のアミド部分を 前記不活化酵素などにより加水分解することによ
り容易に製造される。部分構造[]を有するブ
レオマイシン群抗生物質としてはストレプトミセ
ス・バーチシラスの培養液から公知の方法(梅沢
ら:ジヤーナル・オブ・アンチビオチクス19巻、
210頁、1966年)により採取されるブレオマイシ
ン類、培養に際しアミノ化合物を前駆物質として
添加する方法(特公昭48−32355、同48−32354、
米国特許第Re30451号)によつて製造されるブレ
オマイシン類、特公昭50−31122に開示されたブ
レオマイシン類、ストレプトミセス・ビキニエン
シス・バリアント・ソルボネンシス
(Streptomyces bikiniensis var.zorbonensis)
の生産するゾルボマイシンBおよびC(アルグデ
リスら:ジヤーナル・オブ・アンチビオチクス24
巻、543頁、1971年)、ストレプトスポランギウ
ム・ビオラセオクロモゲネス
(Streptosporangium violaceochromagenes)の
生産するビクトマイシン(河本ら:ジヤーナル・
オブ・アンチビオチクス28巻、358頁、1975年)
ストレプトスポランギウム・ビオラセオクロモゲ
ネス・亜種グロボフイルム(Streptosporangium
violaceochromagenes sub sp.globophilum)の
生産するプラトマイシンAおよびB(高沢ら:ジ
ヤーナル・オブ・アンチビオチクス28巻、366頁、
1975年)およびアクチノミセーテス
(Actinomycetes)に属するNo.E465−94株の生産
するタリソマイシンAおよびB(川口ら:ジヤー
ナル・オブ・アンチビオチクス30巻、779頁、
1977年)、ジヤーナル・オブ・アンチビオチクス
34巻、658〜674頁、(1981年)に開示されるタリ
ソマイシン類等があげられる。これらのブレオマ
イシン群抗生物質のうち最も代表的なブレオマイ
シン類の構造式を次頁に例示する。 前頁の式においてRは末端アミノ基を示す。ま
た点線で囲われた部分はブレオマイシン類の骨格
残基を示す。これらのブレオマイシン群抗生物質
からのデアミドブレオマイシン群抗生物質の製造
に使用することができる不活化酵素は前述のラツ
トの不活化酵素の他、それと同様にして牛又は豚
の肝臓から調製した不活化酵素等も用いることが
できる。不活化酵素及びデアミドブレオマイシン
群抗生物質の製造法を具体的に述べれば、次に通
りである。 たとえば、牛肝臓を燐酸緩衝液とホモジエネエ
イトして、8000RPMで遠心分離し、その上清を
燐酸緩衝液に対し透析し粗酵素液し、それにブレ
オマイシン類を燐酸緩衝液に溶解したものをを加
え、37℃、5〜48時間反応させる。反応液から適
当な方法で蛋白質を除き、(たとえば5%となる
ように、トリクロロ酢酸(以下TCAと略す)を
加え蛋白質を沈澱させ、遠心分離で沈澱を除き、
沈澱を3回5%TCAで洗浄し洗液をあつめる)
中和後、ブレオマイシンに対して過剰の酢酸銅を
加え目的物を銅キレートとする。これを脱塩する
ため蒸留水で充填した吸着樹脂ダイアイオン
HP40、のカラムに注ぎ目的物を吸着する。蒸留
水で塩類をあらい流した後、1/50規定塩酸水溶液
―メタノール(1:4v/v)で溶出し、波長290
ミリミクロン付近に吸収極大を示す分画をあつめ
る。陰イオン交換樹脂、ダウエツクス 44(OH
型;ザ・ダウ・ケミカル社製)で中和したのち、
減圧下で濃縮して凍結乾燥する。 上記の粉末を蒸留水に溶解し、あらかじめPH
4.5,1/20モル酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液で平
衡化したCMセフアデツクス C―25(Na+型:
フアルマシア、フアインケミカル社製)を充填し
たカラムに注入し吸着し、上記の緩衝液に連続的
に塩化ナトリウムを加えることによりナトリウム
濃度を1.0モルまで除々に上昇させる直線濃度勾
配法により溶出し、目的物の青紫色の分画を集め
る。先に用いたダイアイオン HP40脱塩法で脱
塩したのち、凍結乾燥すると、デアミドブレオマ
イシン類の含銅体が青色の無定形粉末で得られ
る。 次に一般式[]のアミン類を具体的に例示す
れば次のものがあげられる。 メチルアミン、エチルアミン、n―プロピルア
ミン、イソプロピルアミン、n―ブチルアミン、
イソブチルアミン、tert―ブチルアミン、n―ペ
ンチルアミン、3―メチル―ブチルアミン、ネオ
ペンチルアミン、n―ヘプチルアミン、3―メチ
ルペンチルアミン、n―ヘキシルアミン、1,5
―ジメチルヘキシルアミン、イソヘキシルアミ
ン、n―オクチルアミン、n―デシルアミン、ラ
ウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミ
ン、ステアリルアミン等、2―アミノエチルアミ
ン、3―アミノプロピルアミン、4―アミノブチ
ルアミン、6―アミノヘキシルアミン、12―アミ
ノドデシルアミン、4―アミノ―4―メチル―1
―ジメチルペンチルアミン、2,2―トリフルオ
ロエチルアミン、2,2,2―トリクロロエチル
アミン、2,2―ジフルオロエチルアミン、2,
2―ジクロロエチルアミン、ベンジルアミン、ジ
フエニルメチルアミン、2―フエニルエチルアミ
ン、2,2―ジフエニルエチルアミン、1―フエ
ニルエチルアミン、1,2―ジフエニルエチルア
ミン、3―フエニルプロピルアミン、2―フエニ
ルイソプロピルアミン、1,3―ジフエニルプロ
ピルアミン、3,3―ジフエニルプロピルアミ
ン、4―フエニルブチルアミン、4,4―ジフエ
ニルブチルアミン、クロロベンジルアミン、ジク
ロロベンジルアミン、ブロモベンジルアミン、メ
トキシベンジルアミン、ジメトキシベンジルアミ
ン、エトキシベンジルアミン、メチレンジオキシ
ベンジルアミン、プロポキシベンジルアミン、p
―クロロフエニルエチルアミン、p―メトキシフ
エニルエチルアミン、p―ベンジルオキシベンジ
ルアミン、フリルメチルアミン、2―フリルエチ
ルアミン、2―チアゾリルメチルアミン、2―ピ
ラゾリルメチルアミン、2―イミダゾリルメチル
アミン、4―イミダゾリルメチルアミン、2―チ
エニルメチルアミン、2―ピリジルメチルアミ
ン、3―ピリジルメチルアミン、4―ピリヂルメ
チルアミン、インドリルメチルアミン、インドリ
ルエチルアミン、4―メトキシインドリルメチル
アミン、2―ピリミヂルメチルアミン、2―ピリ
ミヂルエチルアミン、4―ピリミヂルメチルアミ
ン、4―ピリミヂルエチルアミン、2―ピペリジ
ルメチルアミン、3―ピペリジルメチルアミン、
4―ピペリジルメチルアミン、2―(2―ピペリ
ジル)エチルアミン、2―(3―ピペリジル)エ
チルアミン、2―(4―ピペリジル)エチルアミ
ン、1―(2―ピペリジル)エチルアミン、1―
(3―ピペリジル)エチルアミン、1―(4―ピ
ペリジル)エチルアミン、2―(ピペリジノ)エ
チルアミン、2―ピペラジルメチルアミン、2―
(2―ピペラジルエチル)アミン、2―(ピペリ
ジノ)エチルアミン、3―ピペリジノプロピルア
ミン、2―(モルフオリノ)エチルアミン、3―
(モルフオリノ)プロピルアミン、2―モルフオ
リニルメチルアミン、3―モルフオリニルメチル
アミン、2―(モルフオリニル)エチルアミン、
3―(モルフオリニル)プロピルアミン、ジメチ
ルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルア
ミン、ジプロピルアミノエチルアミン、プロピル
アミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルア
ミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジプロピ
ルアミノプロピルアミン、プロピルアミノプロピ
ルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ブチ
ルアミノプロピルアミン、ベンジルアミノプロピ
ルアミン、2―フエニルエチルアミノプロピルア
ミン、1―フエニルエチルアミノプロピルアミ
ン、3―フエニルプロピルアミノプロピルアミ
ン、4―フエニルブチルアミノプロピルアミン、
メチルアミノエチルアミノプロピルアミン、エチ
ルアミノプロピルアミノプロピルアミン、プロピ
ルアミノプロピルアミノプロピルアミン、ブチル
アミノプロピルアミノプロピルアミン、N―(ブ
チルアミノプロピル)―N―メチルアミノプロピ
ルアミン、ジブチルアミノプロピルアミノプロピ
ルアミン、ペンチルアミノプロピルアミノプロピ
ルアミン、エチルアミノブチルアミノプロピルア
ミン、プロピルアミノブチルアミノプロピルアミ
ン、エチルアミノプロピルアミノブチルアミン、
ブチルアミノプロピルアミノブチルアミン、ベン
ジルアミノエチルアミノエチルアミン、ベンジル
アミノエチルアミノプロピルアミン、ベンジルア
ミノプロピルアミノプロピルアミン、ベンジルア
ミノプロピルアミノプロピルアミン、ベンジルア
ミノブチルアミノプロピルアミン、フエニルエチ
ルアミノプロピルアミノプロピルアミン、N―
(フエニルエチルアミノプロピル)―N―メチル
アミノプロピルアミン、N―クロロベンジルアミ
ノプロピル)―N―メチルプロピルアミン、N―
(ブロモベンジルアミノプロピル)―N―メチル
プロピルアミン、N―クロロフエニルエチルアミ
ノプロピル)―N―メチルプロピルアミン、ジベ
ンジルアミノプロピル―N,N―ジメチルアミノ
プロピルアミン、ジベンジルアミノプロピル―
N,N―ジエチルアミノプロピルアミン、ジベン
ジルアミノプロピル―N―メチル―N―ベンジル
アミノプロピルアミン、α―ナフチルアミン、β
―ナフチルアミン、2―チアゾリルアミン、3―
チアゾリルアミン、4―チアゾリルアミン、N―
ベンジル―4―ピペリジルアミン、N―フエニル
エチル―4―ピペリジルアミン、N―ベンジル―
3―ピペリジルアミン、N―ベンジル―2―ピペ
リジルアミン等が挙げられる。 前記部分構造式[]を有するデアミドブレオ
マイシン群抗生物質又はそのカルボキシル基の反
応性誘導体と一般式[]のアミンとの縮合は酸
アミド結合を形成するための公知の方法を用いる
ことができ、特にペプチド合成のために使用され
る方法が好ましい。上記反応のため使用されるカ
ルボキシル基の活性化試薬としては、例えば6―
クロロ―1―パラ―クロロベンゼンスルフオニル
オキシベンズトリアゾール(CCBT)、N―エチ
ル―5―フエニルイソオキサゾーリウム―3′―ス
ルフオネート(NEPIS)、N―3級ブチル―5―
メチルイソオキサゾリウム・パークロレイト、N
―エトキシカルボニル―2―エトキシ―1,2―
ジヒドロキノリン、ジ―パラ―ニトロフエニル亜
硫酸エステル、トリ―パラ―ニトロフエニル亜リ
ン酸エステル、パラニトロフエニルトリクロロ酢
酸エステル、N―ヒドロキシスクシンイミド、N
―ヒドロキシベンゾトリアゾール、パラニトロフ
エノール、ペンタクロロフエノール、ベンジルア
ルコールなどの活性エステル合成試薬、あるいは
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1―
エチル―3―(3―ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド、1―シクロヘキシル―3―(2―
モルフオリノエチル)カルボジイミド、ジ―パラ
トルイルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボ
ジイミドなどのカルボジイミド類、あるいはアジ
ド合成試薬などが有用である。 これらのカルボキシル基の活性化試薬との反応
により生成する誘導体を本発明では反応性誘導体
という。反応は溶媒として水、ジメチルフオルム
アミド、アセトニトリル、それらの混合液が用い
られる。温度は−10〜30度、反応時間は1時間〜
70時間、がよい。 本発明の方法をより詳しく説明すると、まずデ
アミドブレオマイシン群抗生物質を水、ジメチル
フオルムアミド、ジメチルスルホキシドあるいは
これらの混合物に溶解し、この溶液に上記の活性
化試薬の中から選ばれた一種類を−10乃至は30℃
で撹拌しながら添加する。これに塩酸あるいは苛
性ソーダ等の無機酸、無機塩基あるいはトリクロ
ロ酢酸、N―メチルモルホリン等の有機酸、有機
塩基を加えることにより、溶液のPHを活性化に適
したPHに合せる。この操作によりデアミドブレオ
マイシン群抗生物質のカルボキシル基の活性化が
開始する。 上記操作を終了した直後乃至はその後30分間の
間にアミノ化合物を直接あるいはPHを調整した溶
液として、上記反応液に添加撹拌し、そのまま1
時間乃至は70時間放置すれば、目的の反応が進行
し、アミドN置換ブレオマイシン群抗生物質が生
成する。 上記活性化試薬並びにアミノ化合物の相対的量
比はデアミドブレオマイシン群抗生物質に対して
1等量乃至10倍当量が適当である。 以上のようにして得られた目的化合物はブレオ
マイシン群抗生物質の単離に使用される通常の方
法を用いて単離することができる。例えば具体的
にアミドN置換ブレオマイシン類の場合について
説明すると、アセトンまたはエーテル等の有機溶
媒を反応液に加え目的物を沈澱させ、次いで蒸留
水に溶解しPHを6に合わせ、脱塩するため吸着樹
脂たとえばアンバーライト XAD―2(ローム・
アンド・ハース社製)を蒸留水を用いて充填した
カラムに注入して、目的物を吸着する。蒸留水で
塩類をあらい流した後、酸性の含水メタノール、
たとえば1/50規定塩酸水溶液−メタノール(1:
4v/v)で溶出し、波長290ミリミクロン付近に
吸収極大を示す分画をあつめる。陰イオン交換樹
脂、ダウエツクス 44(OH型;ザ・ダウ・ケミ
カル社製)で中和したのち減圧下で濃縮して凍結
乾燥すると、誘導体の粗粉末がえられる。上記脱
塩操作は省略できる場合もあり、そのときは上記
沈澱を蒸留水に溶解しつぎの操作にうつることも
できる。 上記の粉末を蒸留水に溶解し、あらかじめPH
4.5,1/20モル酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液で平
衡化したCMセフアデツクス C―25(Na+型:
フアルマシア、フアインケミカル社製)を充填し
たカラムに注入し吸着する。上記の緩衝液に連続
的に塩化ナトリウムを加えることによりナトリウ
ム濃度を1.0モルまで除々に上昇させる直線濃度
勾配法により溶出する。この時未反応の原料と副
生物はより早く溶出する性質があるので、紫外線
吸収モニターを用いることにより分離除去するこ
とが可能である。もし目的物の分画に不純物の混
入が認められれば、上記のクロマトグラフイーを
再度行ない完全除去をはかればよい。 上記のクロマトグラフイーを行うかわりに吸着
樹脂たとえばアンバーライトORXAD―2を用い
るクロマトグラフイーをおこなつてもよい。樹脂
を緩衝液、たとえば1%酢酸アンモニウム水溶
液、を用いて充填したカラムに粗物質の水溶液を
注入して、目的物を吸着する。緩衝液に連続的に
メタノールを加えることによりメタノール濃度を
除々に上昇させる直線濃度勾配法により溶出す
る。この時未反応の原料はより早く、主な副生物
はより遅く溶出する性質があるので、紫外線吸収
モニターを用いることにより分離除去することが
可能である。もし目的物の分画に不純物の混入が
認められれば、上記のクロマトグラフイーを再度
行ない完全除去をはかればよい。 上記2種の精製操作は単独でも、又組合せて行
なつてもよい。 このようにして得られる目的物の分画を上述し
た吸着樹脂、例えばアンバーライト XAD―2
を用いた脱塩法で脱塩したのち、凍結乾燥する
と、アミドN置換ブレオマイシン類の含銅体が青
色の無定形粉末で得られる。 このようにして得られるアミドN置換ブレオマ
イシン類の含銅体を公知の方法、たとえば
EDTAを用いる方法(特公昭52−31875)で脱銅
すれば脱銅体が得られる。 その一例を説明すると、含銅体を蒸留水に溶解
し、これを蒸留水で充填したアンバーライト
XAD―2のカラムに注入し吸着する。樹脂を塩
化ナトリウムと5%のエチレンジアミン四酢酸・
2ナトリウム(以下「EDTA・2Na」という)
からなる水溶液でカラムを洗うと、銅イオンは
EDTA・2Naにより運び去られ、アミドN置換
ブレオマイシン類(脱銅体)が樹脂上に残る。塩
化ナトリウムで洗いEDTA・2Naを除去し、さ
らに蒸留水で洗浄する。最後に酸性含水メタノー
ル、たとえば1/50規定塩酸水溶液―メタノール
(1:4v/v)で溶出し波長290ミリミクロン付
近に吸収極大を示す分画を集める。ダウエツクス
44(OH型;ザ・ダウ・ケミカル社製)でPH6.0
に合わせた後、減圧下で濃縮し、凍結乾燥すると
アミドN置換ブレオマイシン類の脱銅体・塩酸塩
が白色の無定型粉末で得られる。 もし、上記の塩酸水溶液のかわりに、硫酸水溶
液を用いれば硫酸塩が得られる。このように、上
記溶出工程で用いられる酸の種類を選択すること
により、任意の酸との間の塩がえられる。 以上に説明した方法により製造されたアミドN
置換ブレオマイシン類を6規定塩酸水中で、105
℃、20時間加水分解にかけると、ブレオマイシン
類に共通する分解生成物[L―トレオニン、β―
アミノ―β―(4―アミノ―6―カルボキシ―5
―メチル―ピリミジン―2―イル)プロピオン
酸、4―アミノ―3―オキシ―2―メチル―n―
ペンタン酸、β―オキシ―L―ヒスチジン、β―
アミノ―L―アラニン、2′―(2―アミノエチ
ル)―2,4′―ビチアゾール―4―カルボン酸]
とアミン[X―NH2とブレオマイシン類の末端
アミン]が検出された。 このようにして得られるアミドN置換ブレオマ
イシン群抗生物質の前記部分構造式[]のXの
具体例を次に示す。 (1) 炭素数1〜18のアルキル:メチル、エチル、
n―プロピル、イソプロピル、n―ブチル、イ
ソブチル、tert―ブチル、n―ペンチル、3―
メチル―ブチル、ネオペンチル、n―ヘプチ
ル、3―メチルペンチル、n―ヘキシル、1,
5―ジメチルヘキシル、イソヘキシル、n―オ
クチル、n―デシル、ラウリル、ミリスチル、
セチル、ステアリル等。 (2) 炭素数1〜12のアミノアルキル:2―アミノ
エチル、3―アミノプロピル、4―アミノブチ
ル、6―アミノヘキシル、12―アミノドデシ
ル、4―アミノ―4―メチル―1―ジメチルペ
ンチル等。 (3) 置換基として1〜3個のハロゲン原子、1〜
2個のフエニル、インドリル、酸素原子、硫黄
原子または窒素原子を含む5〜6員環の複素環
基を有する低級アルキル(置換基中のフエニル
またはインドリルは、更にハロゲン、低級アル
コキシで置換されてもよい。):2,2,2―ト
リフルオロエチル、2,2,2―トリクロロエ
チル、2,2―ジフルオロエチル、2,2―ジ
クロロエチル、ベンジル、ジフエニルメチル、
2―フエニルエチル、2,2―ジフエニルエチ
ル、1―フエニルエチル、1,2―ジフエニル
エチル、3―フエニルプロピル、2―フエニル
イソプロピル、1,3―ジフエニルプロピル、
3,3―ジフエニルプロピル、4―フエニルブ
チル、4,4―ジフエニルブチル、クロロベン
ジル、ジクロロベンジル、ブロモベンジル、メ
トキシベンジル、ジメトキシベンジル、エトキ
シベンジル、メチレンジオキシベンジル、プロ
ポキシベンジル、p―クロロフエニルエチル、
p―メトキシフエニルエチル、p―ベンジルオ
キシベンジル、フリルメチル、2―フリルエチ
ル、2―チアゾリルメチル、2―ピラゾリルメ
チル、2―イミダゾリルメチル、4―イミダゾ
リルメチル、2―チエニルメチル、2―ピリジ
ルメチル、3―ピリジルメチル、4―ピリヂル
メチル、インドリルメチル、インドリルエチ
ル、4―メトキシインドリルメチル、2―ピリ
ミヂルメチル、2―ピリミヂルエチル、4―ピ
リミヂルメチル、4―ピリミヂルエチル、2―
ピペリジルメチル、3―ピペリジルメチル、4
ピペリジルメチル、2―(2―ピペリジル)エ
チル、2―(3―ピペリジル)エチル、2―
(4ピペリジル)エチル、1―(2―ピペリジ
ル)エチル、1―(3―ピペリジル)エチル、
1―(4ピペリジル)エチル、2―(ピペリジ
ノ)エチル、2ピペラジルメチル、2―(2―
ピペラジルエチル)、2―(ピペリジノ)エチ
ル、3―ピペリジノプロピル、2―(モルフオ
リノ)エチル、3―(モルフオリノ)プロピ
ル、2―モルフオリニルメチル、3―モルフオ
リニルメチル、2―(モルフオリニル)エチ
ル、3―(モルフオリニル)プロピル、等。 (4) X1―低級アルキル基
【式】 ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチ
ル、ジプロピルアミノエチル、プロピルアミノ
エチル、ジメチルアミノプロピル、ジエチルア
ミノプロピル、ジプロピルアミノプロピル、プ
ロピルアミノプロピル、ジブチルアミノプロピ
ル、ブチルアミノプロピル、ベンジルアミノプ
ロピル、2―フエニルエチルアミノプロピル、
1―フエニルエチルアミノプロピル、3―フエ
ニルプロピルアミノプロピル、4―フエニルブ
チルアミノプロピル、メチルアミノエチルアミ
ノプロピル、エチルアミノプロピルアミノプロ
ピル、プロピルアミノプロピルアミノプロピ
ル、ブチルアミノプロピルアミノプロピル、N
―(ブチルアミノプロピル)―N―メチルアミ
ノプロピル、ジブチルアミノプロピルアミノプ
ロピル、ペンチルアミノプロピルアミノプロピ
ル、エチルアミノブチルアミノプロピル、プロ
ピルアミノブチルアミノプロピル、エチルアミ
ノプロピルアミノブチル、ブチルアミノプロピ
ルアミノブチル、ベンジルアミノエチルアミノ
エチル、ベンジルアミノエチルアミノプロピ
ル、ベンジルアミノプロピルアミノプロピル、
ベンジルアミノプロピルアミノプロピル、ベン
ジルアミノブチルアミノプロピル、フエニルエ
チルアミノプロピルアミノプロピル、N―(フ
エニルエチルアミノプロピル)―N―メチルア
ミノプロピル、N―クロロベンジルアミノプロ
ピル)―N―メチルプロピル、N―(ブロモベ
ンジルアミノプロピル)―N―メチルプロピ
ル、N―(クロロフエニルエチルアミノプロピ
ル)―N―メチルプロピル、ジベンジルアミノ
プロピル―N,N―ジメチルアミノプロピル、
ジベンジルアミノプロピル―N,N―ジエチル
アミノプロピル、ジベンジルアミノプロピル―
N―メチル―N―ベンジルアミノプロピル、
等。 (5) ナフチルとしてはα―ナフチル、β―ナフチ
ル等。 (6) チアゾリルとしては2―チアゾリル、3―チ
アゾリル、4―チアゾリル等。 (7) N―フエニル低級アルキルピペリジルとして
はN―ベンジル―4―ピペリジル、N―フエニ
ルエチル4―ピペリジル、N―ベンジル―3―
ピペリジル、N―ベンジル―2―ピペリジル、
等が挙げられる。 また本発明において、ブレオマイシン類、タリ
ソマイシン類のアミドN置換誘導体である場合、
末端アミノ残基(下記部分構造式[]のR部
分) (式中Rは末端アミノ残基を示す。) を有するが、ブレオマイシン類、タリソマイシン
類の末端アミノ基ならいずれもよく、通常置換又
は非置換脂肪族アミノ基である。これらは塩基性
を有する脂肪族第一級アミノ基が普通であり、下
記一般式[] R2−R1−NH− [] {式中R1はアルキレンまたは式―R12―Y1
R13―または―R12―Y1―R13―Y2―R14―で示さ
れる基[但し式中R12,R13,R14はアルキレンで
ありY1、またはY2
【式】または
【式】で 示される基(但し式中R3,R4は水素原子または
置換基を有してもよい低級アルキル)または
【式】またはフエニレン]、R2は塩基 性基であれば特に限定はないが、例えば、式
【式】 【式】
【式】
【式】 【式】
【式】
【式】 【式】
【式】
【式】で示される基であり、式中R4は前記 と同じ、R5,R6およびR9は置換基を有してもよ
い低級アルキル、R7およびR8は水素または炭素
数1〜10のアルキルである。}で示されるアミノ
基を挙げることができる。このアミノ基における
アルキレンとしては炭素数1〜8のアルキレン、
例えば―CH2―,―(CH22―,
【式】― (CH23―,
【式】―(CH24―,― (CH25―,―(CH26―,―(CH28―等が挙げ
られ通常は炭素数2〜4のアルキレンの場合が多
い。上記のアルキル上の置換基としては水酸基、
アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、ブトキシ等、フエニル(ハロゲン、ベンジ
ルオキシシアノまたは低級アルキル基で置換され
ていてもよい)またはC5〜C11のシクロアルキル
等が挙げられる。これらのアミノ基の具体例をあ
げれば下記の通りである。 2―アミノエチルアミノ、3―アミノプロピル
アミノ、2―ジメチルアミノエチルアミノ、2―
ジエチルアミノエチルアミノ、3―ジメチルアミ
ノプロピルアミノ、3―ジエチルアミノプロピル
アミノ、3―(3―ブチルアミノプロピルアミ
ノ)プロピルアミノ、3―(2オキシプロピルア
ミノ)プロピルアミノ、3―ピペリジノプロピル
アミノ、3―(1―フエニルエチルアミノ)プロ
ピルアミノ、2―アミノプロピルアミノ、3―メ
チルアミノプロピルアミノ、3―ブチルアミノプ
ロピルアミノ、3―(6―アミノヘキシルアミ
ノ)プロピルアミノ、3―トリメチルアミノプロ
ピルアミノ、3―(3―ジメチルアミノプロピル
アミノ)プロピルアミノ、3―(3―アミノプロ
ピルアミノ)プロピルアミノ、3―(N―メチル
―N―(3―アミノプロピル)アミノ)プロピル
アミノ、3―ピロリジニルプロピルアミノ、3―
ピペリジニルプロピルアミノ、3―モルフオリノ
プロピルアミノ、3―ピペラジニルプロピルアミ
ノ、3―(4―(3―アミノプロピルピペラジニ
ル)プロピルアミノ、3―(3―ピロリジニルプ
ロピルアミノ)プロピルアミノ、3―(3―ピペ
リジニルプロピルアミノ)プロピルアミノ、3―
(3―モルフオリニルプロピルアミノ)プロピル
アミノ、3―(3―オキシプロピルアミノ)プロ
ピルアミノ、3―(3―メトキシプロピルアミ
ノ)プロピルアミノ、3―ベンジルアミノプロピ
ルアミノ、m―アミノメチルベンジルアミノ、p
―アミノメチルベンジルアミノ、2―シクロペニ
ツアミノエチルアミノ、3―シクロヘキシルアミ
ノプロピルアミノ、4―シクロヘキシルアミノブ
チルアミノ、シクロヘプチルアミノプロピルアミ
ノ、3―シクロオクチルアミノプロピルアミノ、
3―(N―メチル―3―N―(シクロオクチルメ
チルアミノプロピル)アミノ)プロピルアミノ、
3―シクロデカニルアミノプロピルアミノ、3―
(N―メチルN―(3―(2―p―クロロフエニ
ルエチルアミノ)プロピル))アミノプロピルア
ミノ、3―(N―メチルN―(3―(m,p―ジ
ベンジルオキシベンジルアミノ)プロピルプロピ
ル)アミノプロピルアミノ、3―(N―メチルN
―(3―(p―シアノベンジルアミノ)プロピ
ル)アミノ)プロピルアミノ、3―(N―メチル
N―(3―(シクロウンデカニルメチルアミノ)
プロピル))アミノプロピルアミノ、3―(N―
メチルN―(ビス(m,p―ジベンジルオキシベ
ンジルアミノ)プロピル)アミノ)プロピルアミ
ノ、3―(N,N―ジメチルN―(3―(ジベン
ジルアミノ)プロピル)アミノプロピルアミノ、
3―(N,N―ジエチルN―(3―(ジベンジル
アミノプロピル))アミノプロピルアミノ、3―
(N,N―ジメチルN―(3―(N,N―ジメチ
ルN―(3―ジベンジルアミノプロピル)アミ
ノ)プロピル))アミノプロピルアミノ、3―
(N,N―ジメチルジ(3―(N,N―ジメチル
N―(3―シクロオクチルメチルアミノプロピ
ル)アミノ)プロピル))アミノプロピルアミノ、
3―(4―(3―ジベンジルアミノプロピルアミ
ノ)ピペリジル)プロピルアミノ、3―(4―
(3―(シクロオクチルメチルアミノプロピル)
ピペリジル)プロピルアミノ等。 好ましい化合物としては、Rが3―((S)―
1′―フエニルエチル)アミノプロピルアミノ、
3′―(n―ブチルアミノプロピル)―アミノプロ
ピルアミノまたは下記一般式[]で表わせる
アミン残基 ―NH―(CH23―A―(CH23―B [] [式中Aは
【式】又は
【式】―又は
【式】又は
【式】 (式中R10,R10′,R11,R11′は低級アルキル、
ベンジル、ハロゲン置換ベンジルを示し、同じか
異なつてもよい。) Bは
【式】(式中R12は1,フエニル低 級アルキル、2、フエニル核上に置換基として、
ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、シア
ノ、トリフルオロメチル、ベンジルオキシ、ジ低
級アルキルアミノ、フエニルから選ばれる1種ま
たは2種以上の置換基を有するフエニル低級アル
キル、3、シクロヘキシル、4、トリフエニルメ
チル、5、ナフチルメチル、6、フリルメチル、
7、チオフエンメチル、8、C5〜C11のシクロア
ルキルで置換された低級アルキル、9、ノルボル
ネン―2―メチル、R13は1、水素、2ベンジ
ル、フエニル核上にハロゲン又はベンジルオキシ
を置換基にもつベンジル]を有する化合物を挙げ
ることができ、これらは比較的肺毒性が少ない点
で好ましい。上記において低級アルキルとして
は、メチル、エチル、ブチル、フエニル低級アル
キルとしては、ベンジル、2―フエニルエチル、
1―フエニルエチル、3―フエニルプロピル、
2,2―ジフエニルエチル、ジベンジルメチル、
フエニル核上に置換基を有するフエニル低級アル
キルとしては、2―p―クロロフエニルエチル、
p―クロロベンジル、o―クロロベンジル、m―
クロロベンジル、1―(p―クロロフエニル)エ
チル、o,p―ジクロロベンジル、m,p―ジク
ロロベンジル、p―ブロモベンジル、p―フロロ
ベンジル、ペンタフロロベンジル、m―トリフロ
ロメチルベンジル、p―メチルベンジル、p―ジ
エチルアミノベンジル、p―メトキシベンジル、
o,p―ジメトキシベンジル、m,p―ジベンジ
ルオキシベンジル、p―シアノベンジル、p―フ
エニルベンジル、C5〜C11のシクロアルキルで置
換された低級アルキルとしては、シクロペンチル
メチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチル
メチル、シクロオクチルメチル、シクロウンデカ
ニルメチル、2―シクロヘキシルエチル、等があ
げられる。 R10が低級アルキル、R11があるときは、低級
アルキル、ベンジル、R12がクロロ置換メチルま
たはエチル、シアノ置換ベンジル、C5〜C11のシ
クロアルキルで置換された低級アルキル、R13
水素、ベンジル、クロロ置換ベンジルである場合
の化合物は特に肺毒性が少くなく好ましい。 本発明化合物としては例えば第1表に示す化合
物があげられる。なお化合物名において「BL
M」は「ブレオマイシン」の語を示し、化合物名
の呼び方は、R(末端アミノ残基)の名称―アミ
ド―N―[Xの名称]―BLMと呼ぶことにす
る。
【表】
【表】
【表】 次にこれらの化合物の理化学的性質を第2表に
示す。
【表】
【表】
【表】 次に本発明で得られる化合物の代表例によつて
調べた生物学的諸性質を以下に説明する。 1 不活化酵素に対する耐性試験 1 不活化酵素の抽出 雌性ドンリユー系ラツトの肝臓に2倍重量
の1/15モル、PH7.2の燐酸緩衝液を加えて粉
砕し、組織乳剤とした。105,00xGで60分遠
心分離を行い、その上清液を透析した。この
高分子分画を不活化酵素の抽出液として用い
た。 2 不活化反応の測定法 上記抽出液1mlに、基質溶液1ml
(800mcgのブレオマイシン誘導体を含有す
る。)を加えて、37℃、40分反応を行なつた。
反応液0.3mlについて、除蛋白した後、 ミコバクテリウム・スメグマチス・
ATCC607に対する残存活性を測定した。対
照として用いたブレオマイシンB2は、この
条件で50%活性が低下した。 その結果を第3表に示す。 この結果からあきらかなように、本発明の
アミドN置換ブレオマイシン誘導体は一般
に、ブレオマイシンに比較して、ブレオマイ
シン不活化酵素の影響を受けにくいことがわ
かる。 2 ミコバクテリウム・スメグマチス・
ATCC607、及びバチルス・ズブチリスに対す
る抗菌活性 上記の検定菌を用いて、寒天平板円筒法によ
り測定した。ただし、標準物質ブレオマイシン
A2(脱銅体)を1000mcg力価/mgとした。その
結果を第3表に示した。 3 培養HeLaS3細胞に対する増殖阻害効果 プラスチツク・シヤーレの培養基(10%仔牛
血清添加MEM)にHeLaS3細胞を接種し、2
日後にブレオマイシン類を添加した。さらに3
日間培養を続けた後、細胞数を測定した。増殖
阻害率は次式 阻害率(%)=100×(B−A)/(B−C) [式中、Aは被験試料添加後3日目の最終細
胞数、Bは被験試料を添加しない対照における
最終細胞数、Cは被験試料添加時の細胞数を表
わす。]を用いて算出した。試料濃度と阻止率
のグラフから、ID50値(50%阻害のための濃
度)を求めた。その結果を第3表に示した。
【表】
【表】 4 マウスの肺毒性(肺線維化)ICR系マウス
(雄性15週令)を一群9匹として用いた。各薬
剤の投与量は、5mg/Kgとし、1日1回、連続
10日間、腹腔内注射し、投与終了後、5週間飼
育し、観察後、屠殺剖検し、肺の線維化の頻
度、及び程度を調べた。 成績は、投与群の肺線維化をもつマウス数の
頻度(Incidence)及び、の強弱の程度
(Grade)について比較した。その結果を第4
表に示す。表中の点数は下記のとうりである。 0点:線維化を認めない。 1点:肺胞に浸出液の蓄積がみられ、肺胞中隔
に線維化様変化が見られる。 2点:数か所にみられる線維化 4点:散在性にみられる線維化 6点:2/3以上の広範囲にみられる線維化 また、表中の比はブレオマイシンコンプレツ
クスとの比率を示す。
【表】 以上の結果から明らかなように、本発明化合
物はブレオマイシン不活化酵素に抵抗し、培養
HeLaS3細胞に対する増殖阻害活性が強く、優
れた抗菌活性をも有しており、肺毒性を著しく
減じていることがわかり、臨床面での有用性を
強く示唆している。 次に本発明を実施例により具体的に説明する。 実施例 1 Aステツプ 新鮮な牛肝臓200gを400mlの0.05モル燐酸緩衝
液(PH:7.2)とホモジエネエイトして、
8000RPMで30分遠心分離し、その上清を0.05モ
ル燐酸緩衝液に対し透析し粗酵素液とする。ブレ
オマイシンB2、10gに上記粗酵素液400mlを加
え、37℃、24時間反応させる。反応液に55%トリ
クロロ酢酸(以下TCAと略す)40mlを加え蛋白
質を沈澱させ、遠心分離で沈澱を除き、沈澱を3
回5%TCAで洗浄し濾液と洗液をあつめ
4MNaOHで中和後、3.2gの酢酸銅(ブレオマイ
シンに対して2.4等量)を加え目的物を銅キレー
トとする。これを脱塩するため蒸留水で充填した
吸着樹脂ダイアイオン HP40、(三菱化成社製)
のカラム(1L容)に注ぎ目的物を吸着した。
1.5Lの蒸留水で塩類をあらい流した後、1/50規定
塩酸水溶液―メタノール(1:4v/v)で溶出
し、波長290ミリミクロン付近に吸収極大を示す
分画をあつめた。ダウエツクス 44(OH型、
ザ・ダウ・ケミカル社製)で中和したのち減圧下
で濃縮した。 上記の濃縮液を、あらかじめPH4.5,1/20モル
酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液で平衡化したCMセ
フアデツクスC―25(Na+型:フアルマシア、フ
アインケミカル社製)を充填したカラム(1L容)
に注入し吸着した。上記の緩衝液に連続的に塩化
ナトリウムを加えることによりナトリウム濃度を
1.0モルまで除々に上昇させる直線濃度勾配法に
より溶出した。0.3M前後で溶出する青色の分画
を集め、先に用いたダイアイオン HP40脱塩法
で脱塩したのち、凍結乾燥すると、デアミドブレ
オマイシンB2の含銅体が8.5g青色の無定形粉末
で得られた。(収率83%) 本品の蒸留水で測定した紫外吸収極大および
(E1%/1cm)は242mμ(138),291mμ(115)で
あつた。臭化カリ錠剤法で測定した赤外吸収極大
波数(cm-1)は3425,2975,2940,1720,1640,
1575,1460,1420,1400,1375,1280,1260,
1240,1190,1140,1100,1060,1020,760であ
つた。その他の理化学的性状は第5表に示した通
りであつた。 本実施例と同様にブレオマイシンA2′―c,3
―((S)―1′―フエニルエチル)アミノプロピ
ルブレオマイシン、3―(3―n―ブチルアミノ
プロピルアミノ)プロピルアミノ―ブレオマイシ
ンを原料として用いることにより、夫々デアミド
ブレオマイシンA2′―c,3―((S)―1′―フエ
ニルエチル)アミノプロピル―デアミドブレオマ
イシン、3―(3―n―ブチルアミノプロピルア
ミノ)プロピルアミノ―デアミドブレオマイシン
等が得られた。これらの代表的なものの理化学的
性質を第5表に示す。
【表】 R○
註2:アビセルSF (FMC社)〓ギ酸−酢酸−水(27:75
:900v/v)800V、15分
Bステツプ Aステツプで得たデアミドブレオマイシンB2
の含銅体1gと1.77gの1―ヒドロキシベンズト
リアゾール(以下HOBTと略す)を10mlのジメ
チルフオルムアミドに溶解し、0℃に冷却撹拌
し、1.35gのジシクロヘキシルカルボジイミド
(以下DCCと略す)(ブレオマイシンに対して10
倍量)を加える。5分後3―((S)―1′―フエ
ニルエチル)アミノプロピルアミン塩酸塩840mg
(ブレオマイシンに対して5倍量)とN―メチル
モルフオリン0.72mlを加える。室温で16時間撹拌
し反応させる。 反応液に10倍容のアセトンを加え、目的物を沈
澱させ、アセトンでよく洗つた後この沈澱を蒸留
水に溶解し、あらかじめPH4.5,1/20モル酢酸−
酢酸ナトリウム緩衝液で平衡化したCMセフアデ
ツクスC―25(Na+型:フアルマシア、フアイン
ケミカル社製)を充填したカラム(100ml容)に
注入し吸着した。上記の緩衝液に連続的に塩化ナ
トリウムを加えることによりナトリウム濃度を
1.0モルまで除々に上昇させる直線濃度勾配法に
より溶出した。0.6モル前後で溶出する青色の分
画を集め、先に用いたダイアイオン HP―40
(100ml使用)の脱塩法で脱塩したのち、凍結乾燥
するとアミドN―[3―((S)―1′―フエニル
エチル)アミノプロピル]―ブレオマイシンB2
の含銅体880mgが青色の無定形粉末で得られた。
(収率76%)本品の蒸留水で測定した紫外吸収極
大および(E1%/1cm)は243mμ(125),292mμ
(96)であつた。臭化カリ錠剤法で測定した赤外
吸収極大波数(cm-1)は3425,2975,2930,
1720,1640,1580,1575,1550,1455,1430,
1400,1370,1290,1240,1190,1130,1095,
1060,1005,980,875,760であつた。 その他の理化学的性状は第2表に示した通りで
ある。 本実施例と同様にデアミドブレオマイシンB2
の含銅体を用い第2表中に示すアミドN置換ブレ
オマイシンB2誘導体7〜20が合成された。 また、本実施例と同様にして、デアミドブレオ
マイシンA2′―c,3―((S)―1′―フエニルエ
チル)アミノプロピル―デアミドブレオマイシ
ン、3―(3―n―ブチルアミノプロピルアミ
ノ)プロピルアミノ―デアミドブレオマイシンの
含銅体を用いることにより第2表に示す1〜6、
21〜38の化合物が合成された。 Cステツプ Bステツプで得た含銅体880mgを20mlの蒸留水
に溶解し、脱銅のため蒸留水で充填したアンバー
ライトXAD―2のカラム(100ml容)に注入し吸
着する。樹脂を塩化ナトリウムと5%の
EDTA・2Naからなる水溶液300mlで洗い、2%
塩化ナトリウム100ml、蒸留水250mlの順序で洗浄
した後、最後に1/50規定塩酸水溶液−メタノール
(1:4v/v)で溶出し波長290ミリミクロン付
近に吸収極大を示す分画を集めた。ダウエツクス
44(OH型;ザ・ダウ・ケミカル社製)でPH6.0に
合わせた後、減圧下で濃縮し、凍結乾燥してアミ
ドN―[3―((S)―1′―フエニルエチル)ア
ミノプロピル―ブレオマイシンB2の脱銅体・塩
酸塩790mgが白色の無定型粉末で得られた。収率
93% 本品の蒸留水で測定した紫外吸収極大および
(E1%/1cm)は291mμ(79)であつた。臭化カ
リ錠剤法で測定した赤外吸収極大波数(cm-1)は
3425,2950,1720,1640,15555,1450,1400,
1360,1320,1260,1190,1060,980,910,805,
770,700であつた。その他の理化学的性状は第2
表に示した通りである。 実施例 2 Aステツプ フザリウム・ロゼウム財団法人発酵研究所保存
番号IFO7189を培養して得られる菌体60gを750
mlの1/20モル燐酸緩衝液(PH:7.5)とホモジエ
ネエイトする。これに実施例1で得られた1.5g
のデアミドブレオマイシンB2(含銅体)を200ml
の上記燐酸緩衝液に溶解した液と混合し、37℃21
時間反応させる。反応液に濾過助剤を加え吸引濾
過し、残渣を上記燐酸緩衝液で洗浄し、濾液を集
めた。これを蒸留水で充填した吸着樹脂アンバー
ライトXAD ―2カラム(500ml容)に注ぎ目的
物を吸着した。カラムを蒸留水750mlで洗つた後、
水―メタノール(4:1)を用い溶出し、緑色を
示す分画(750ml)をあつめ減圧下で濃縮した。 この濃縮液を、あらかじめPH4.5,1/20モル酢
酸−酢酸ナトリウム緩衝液で平衡化したCMセフ
アデツクス C―25(Na+型:フアルマシア、フ
アインケミカル社製)を充填したカラム(60ml
容)に注入した。カラムを蒸留水で洗い、通過し
てくる青色分画(80ml)を集めた。このCMセフ
アデツクス クロマトツグラフイーを再度行なつ
て純度を高めた後、青色分画を濃縮し、あらかじ
め水−メタノール(1:4)を用いて充填したセ
フアデツクス LH―20(フアルマシア・フアイ
ンケミカル社製)のカラム(1L容)に注ぎ、水
−メタノール(1:4)で展開し青色の分画を集
め、減圧下濃縮し、凍結乾燥するとデアミド―ブ
レオマイシン酸の含銅体890mgが青色の無定形粉
末で得られた。(収率67%)本品の蒸留水で測定
した紫外吸収極大および(E1%/1cm)は
254mμ(143)292mμ(144)であつた。臭化カリ錠
剤法で測定した赤外吸収極大波数(cm-1)は
3450,2975,2940,1720,1640,1560,1465,
1420,1380,1280,1190,1140,1100,1060,
1020,990,880,810,775であつた。又第5表に
しめした条件での薄層クロマトグラフイーのRf
値は0.91*であり電気泳動におけるRm値は0.49
であつた。 Bステツプ Aステツプで得た含銅体500mgと2010mgの
HOBTとを5mlのジメチルフオルムアミドにに
溶解し、以下実施例1と同様にして、DCC770mg
を用い、3―((S)―1′―フエニルエチル)ア
ミノプロピルアミンと21時間縮合させた。反応液
を実施例1と同様にアセトン処理、CM―セフア
デツクス クロマトグラフイー、アンバーライト
XAD―2クロマトグラフイーで精製し、HP―40
脱塩法で脱塩したのち、凍結乾燥すると3―
((S)―1′―フエニルエチル)アミノプロピルア
ミドN―[3―((S)―1′―フエニルエチル)
アミノプロピル[ブレオマイシンの含銅体280mg
が青色の無定形粉末で得らた。(収率42%) 本実施例と同様にして、アミンとして3―(3
―n―ブチルアミノプロピルアミノ)プロピルア
ミン、N―(3―アミノプロピル―N′―メチル
アミノプロピル)N―(2―(p―クロロフエニ
ル)エチル)アミンを用いることにより3―(3
―n―ブチルアミノプロピルアミノ)プロピルア
ミノ―アミドN[3―(3―n―ブチルアミノプ
ロピルアミノ)プロピル]ブレオマイシン、3―
(2―(p―クロロフエニル)エチルアミノ)プ
ロピル)―N―メチルアミノプロピルアミノ―ア
ミドN―[3―(2―(p―クロロフエニル)エ
チルアミノ)プロピル)―N―メチルアミノプロ
ピル]ブレオマイシンが得られた。 Cステツプ Bステツプで得た3―((S)―1′―フエニル
エチル)アミノプロピルアミドN―[3―((S)
―1′―フエニルエチル)アミノプロピル]ブレオ
マイシンの含銅体280mgを7mlの蒸留水に溶解し、
実施例1と同様にアンバーライトXAD―2と5
%のEDTA・2Na水溶液を用いて脱銅した。カ
ラム流出液を凍結乾燥して3―((S)―1′―フ
エニルエチル)アミノプロピル―アミドN―[3
―((S)―1′―フエニルエチル)アミノプロピ
ル]ブレオマイシンの脱銅体・塩酸塩250mgが白
色の無定型粉末で得られた。収率92% 臭化カリ錠剤法で測定した赤外吸収極大は、
3370,2975,2940,1715,1660,1565,1500,
1455,1385,1320,1255,1190,1140,1100,
1060,1020,970,920,880,805,760,730,
695であつた。その他の理化学的性状は第2表に
示した通りである。 本実施例と同様に上記Bステツプで示した化合
物も脱銅体とした。これらの理化学的性状は第2
表に示した通りである。 参考例 1 Aステツプ フザリウム・ロゼウム財団法人発酵研究所保存
番号IFO7189を培養して得られる菌体400gを4L
の1/20モル燐酸緩衝液(PH:7.5)とホモジエネ
エイトする。これにアミドN―[3―((S)―
1′―フエニルエチル)アミノプロピル]―ブレオ
マイシンB2の含銅体10gを1Lの上記燐酸緩衝液
に溶解したものを加え、37℃20時間反応させる。
反応液に濾過助剤を加え吸引濾過し、残渣を上記
燐酸緩衝液で洗浄し、濾液を集めた。これを蒸留
水で充填した吸着樹脂アンバーライト XAD―
2(1L容)のカラムに注ぎ目的物を吸着した。2L
の蒸留水で塩類をあらい流した後、50%メタノー
ルで溶出し、青〜青緑色を示す分画5Lをあつめ
た。減圧下濃縮した後、これを80%メタノール
350mlに溶解し、80%メタノールで充填した70ml
のアルミナのカラムに注いだ。100mlの80%メタ
ノールで洗つた後40%メタノールで展開し、溶出
される青色の分画350mlを集め減圧下で濃縮した。
これを蒸留水に溶解し、あらかじめPH4.5,1/20
モル酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液で平衡化した
CMセフアデツクス C―25(Na+型:フアルマ
シア・フアインケミカル社製)を充填したカラム
(600ml容)に注入し吸着した。上記の緩衝液に連
続的に塩化ナトリウムを加えることによりナトリ
ウム濃度を1.0モルまで除々に上昇させる直線濃
度勾配法により溶出した。0.2モル前後で溶出す
る青色の分画を集め、ダイアイオン HP40脱塩
法で脱塩したのち、凍結乾燥するとアミドN―
[3―((S)―1′―フエニルエチル)アミノプロ
ピル]ブレオマイシン酸の含銅体7.1gが青色の
無定形粉末で得らた。(収率79%) 本品の蒸留水で測定した紫外吸収極大および
(E1%/1cm)は245mμ(121),293mμ(119)で
あつた。臭化カリ錠剤法で測定した赤外吸収極大
波数(cm-1)は3450,2975,2940,1720,1645,
1580,1555,1460,1370,1300,1190,1140,
1095,1060,1005,980,880,765,700であつ
た。 その他の理化学的性状は第6表に示した通りで
ある。 本実施例と同様にアミドN―n―オクチル―ブ
レオマイシンB2、アミドN―(3―ジブチルア
ミノプロピル)ブレオマイシンB2から、アミド
N―n―オクチル―ブレオマイシン酸、アミドN
―(3―ジブチルアミノプロピル)ブレオマイシ
ン酸が得られた。これらの理化学的性質を第6表
にしめす。
【表】 R○
註1:シリカゲル60F 254シラナイズド (メルク社)
〓メタノール−6%酢酸アンモン(60:40v/v)但
し*印をつけたものは(65:34v/v)で測定した。
R○
註2:アビセルSF (FMC社)〓ギ酸−酢酸−水(27:75
:900v/v)800V、15分
Bステツプ Aステツプで得たアミドN―[3―((S)―
1′―フエニルエチル)アミノプロピル―ブレオマ
イシン酸含銅体1.0gと1.71gのHOBTとを10ml
のジメチルフオルムアミドに溶解し、以下実施例
1(Bステツプ)と同様にして、1.31gのDCCを
用い、340mgの3―((3′―シクロオクチルメチル
アミノ)プロピル―N―メチルアミノ)プロピル
アミノと3時間縮合させた。反応液を実施例1と
同様にアセトン処理、CM―セフアデツクス ク
ロマトグラフイーで精製したのち、アンバーライ
トXAD―2の100mlのカラムに吸着させた。500
mlのPH4.5酢酸緩衝液と500mlのメタノールを用い
た直線濃度勾配法によりメタノールを直線的に上
昇させて溶出を行なつた。目的物はメタノール濃
度40〜50%で溶出された。溶出液を上記の方法で
HP40(100ml)カラムで脱塩したのち、凍結乾燥
すると3―((3′―シクロオクチルメチルアミノ)
プロピル―N―メチルアミノ)プロピル―アミド
N―[3―((S)―1′―フエニルエチル)アミ
ノプロピル―ブレオマイシンの含銅体が980mgの
青色の無定形粉末で得られた。収率83%。 Cステツプ Bステツプで得た3―((3′―シクロオクチル
メチルアミノ)プロピル―N―メチルアミノ)プ
ロピル―アミドN―[3―((S)―1′―フエニ
ルエチル)アミノプロピル―ブレオマイシン含銅
体980mgを22mlの蒸留水に溶解し、実施例1と同
様にアンバーライトXAD―2と5%のEDTA・
2Na水溶液を用いて脱銅した。カラム流出液を凍
結乾燥して3―((3′―シクロオクチルメチルア
ミノ)プロピル―N―メチルアミノ)プロピル―
アミドN―[3―((S)―1′―フエニルエチル)
アミノプロピル―ブレオマイシンの脱銅体・塩酸
塩870mgが無色の無定型粉末で得られた。収率92
%。本品の蒸留水で測定した紫外吸収極大および
(E1%/1cm)は291mμ(89)であつた。臭化カ
リ錠剤法で測定した赤外吸収極大波数(cm-1)は
3400,2925,1720,1650,1550,1520,1480,
1460,1450,1405,1385,1360,1320,1255,
1190,1130,1100,1055,1020,980,960,920,
880,805,760,725,695であつた。 その他の理化学的性状は第2表に示した通りで
ある。 本実施例と同様に第2表に示す化合物29〜63の
脱銅体が得られた。 参考例 2 3―アミノプロピル―ジメチルアミン10.22g
をメタノール100mlに溶解し氷酢酸12mlで中和し
た。これにベンズアルデヒド100gを加え、撹拌
しつつ8.38gのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを
少量ずつくわえた。室温で16時間反応させ、反応
液を濃塩酸でPHを1にする。メタノールを減圧下
溜去して残渣を水200ml、クロロフオルム200mlで
溶解し水層をとる。水層をさらにクロロフオルム
200mlで抽出しベンズアルデヒドを除く。ついで
水層をNaOHでPH12にあわせ、200mlのクロロフ
オルムで2回抽出し硫酸ナトリウムで乾燥し、溶
媒を減圧下溜去すると、(3―(N,N―ジメチ
ルアミノ)プロピル)ジベンジルアミンが26g得
られる。収率92%。 これを100mlのアセトニトリルに溶解し、N―
3―ブロモプロピルフタルイミド22.25gの100ml
アセトニトリル溶液を撹拌しながら滴下し、室温
で18時間撹拌した。薄層クロマトグラフイーでハ
ライドの消失を認めた。減圧下アセトニトリルを
溜去し、残渣を6規定塩酸200mlに溶解し110度8
時間加熱して加水分解した。冷却後析出したフタ
ル酸を濾過して除き、減圧下濃縮乾固し蒸留水に
溶解し、イオン交換樹脂ダウエツクス ―1カラ
ム(Cl型:279ml容)を通過させ流出液を減圧下
濃縮乾固すると、3―(N―(3―アミノプロピ
ル)N,N―ジメチルアミノ)プロピル―ジベン
ジルアミン3塩酸塩43.7gを得た。 本化合物の重水中で測定したPMRスペクトル
はδ2.0〜2.7ppm,4H(m)、δ2.9〜3.8ppm,8H
(m)、δ3.3ppm,6H(s)、δ4.6ppm,4H(m)、
δ7.7ppm,10H(s)のシグナルをしめし上記の
構造を有することを示している。ただし( )中
のmはマルチプレツト、sはシングレツトを表わ
す。その他の理化学的性質は第7表にしめす。 本実施例と同様にして、原料として3―アミノ
プロピル―ジエチルアミンを用いることにより、
3―(N―(3―アミノプロピル)N,N―ジエ
チルアミノ)プロピル)―ジベンジルアミン3塩
酸塩を得た。理化学的性質は第7表にしめす。
【表】
【表】 参考例 3 ビス(3―アミノプロピル)―メチルアミン
150gを水180mlに溶解しさらにトリエチルアミン
53gを加え、氷冷下撹拌しつつこれに83g(1/3
当量)の4、6―ジメチル―2―t―ブチロキシ
カルボニルチオ―ピリミジンの200mlジオキサン
溶液を少量づつ加える。室温で5時間反応させ、
ジオキサン、トリエチルアミンを減圧下溜去して
残液を6規定塩酸でPH2とし、クロロフオルムで
洗浄した。水層をNaOHでPH13.5にあわせ、クロ
ロフオルムで抽出し硫酸ナトリウムで乾燥し、溶
媒を減圧下溜去すると、(3―t―ブチロキシカ
ルボニルアミノプロピル)―(3―アミノプロピ
ル)メチルアミンが60g得られる。収率24% これを130mlのメタノールに溶解し、6M塩酸メ
タノールでPH5とし氷冷下撹拌しながらシクロオ
クチルアルデヒド69g(2当量)、10gシアノ水
素化ホウ素ナトリウムの20mlメタノール溶液を加
え室温で24時間撹拌した。反応後6M塩酸―30ml
を加え過剰の還元剤を分解し、同時にt―ブチロ
キシ基を除去した。メタノール減圧溜去し蒸留水
400mlを加えたのちクロロフオルム300mlで残つた
アルデヒドを抽出除去し残渣をNaOHでPH13.5と
しクロロフオルム200mlで2回目的物を抽出し硫
酸ナトリウムで乾燥後クロロフオルムを減圧下溜
去した。これに蒸留水100ml、濃塩酸50mlを加え、
減圧下蒸発乾固すると、3―(N―(3―アミノ
プロピル)Nメチルアミノプロピル―シクロオク
チルメチルアミン・3塩酸塩66gが得られた。収
率71%。 本化合物の重水中で測定したPMRスペクトル
は1.2〜2.3ppm,15H(m)、2.0〜2.8ppm,4H
(m)、3.0〜3.9ppm,10H(m)、3.25ppm,3H
(s)のシグナルをしめし上記の構造を有するこ
とを示している。ただし( )中は上記と同じ。
その他の理化学的性質はすでに第7表に示した。 本実施例と同様にして、アルデヒドとしてp―
シアノベンズルアルデヒド、p―クロロフエニル
アセトアルデヒドを用いることにより、夫々3―
(N―(3―アミノプロピル)N―メチルアミノ)
プロピル)―p―シアノベンジルアミン3塩酸塩
(収率81%)、3―(N―(3―アミノプロピル)
N―メチルアミノ)プロピル)―p―クロロフエ
ニルエチルアミン3塩酸塩(収率51%)、を得た。
これらの理化学的性質はすでに第7表に示した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記式 [式中BLはブレオマイシン群抗生物質の骨格
    残基を示す。] を有するデアミドブレオマイシン群抗生物質又は
    そのカルボキシル基の反応性誘導体に一般式 NH2−X [式中Xは(1)炭素数1〜18のアルキル、(2)炭素
    数1〜12のアミノアルキル、(3)置換基として1〜
    3個のハロゲン原子、1〜2個のフエニル、イン
    ドリル、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を含
    む5〜6員環の複素環基を有する低級アルキル
    (置換基中のフエニルまたはインドリルは、更に
    ハロゲン原子または低級アルコキシで置換されて
    もよい。)(4)X1―低級アルキル(式中X1
    【式】又は【式】であり、X2は水素原 子、低級アルキルまたはベンジル、X3は低級ア
    ルキル、フエニル低級アルキル、フエニルまたは
    ハロゲンフエニルで置換されていてもよいモノま
    たはジ低級アルキルアミノ低級アルキル、X4
    低級アルキルまたはフエニル低級アルキルを示
    す。)(5)ナフチル、(6)チアゾリル、(7)N―フエニ
    ル低級アルキルピペラジニルを示す。]で示され
    るアミンを縮合させることを特徴とする下式 [式中BLおよびXは前記と同じ。] を有するアミドN置換ブレオマイシン群抗生物質
    の製造法。
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