JPH0144949B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、サーモスタツト制御式の冷温両用コ
ツクであつて、ケーシングを備え、このケーシン
グ内に複数の混合水放出開口を有する混合室が形
成されており、混合室内に１つの温度感応素子が
配置されており、この温度感応素子には１つの調
整ピストンが連結されていて、この調整ピストン
は２つの弁座と共に冷水用の調整間〓と温水用の
調整間〓とを形成しており、ケーシング軸線に対
して平行に移動可能な可動の制御部材が設けられ
ていて、この制御部材はケーシング側の不動の制
御部材と協働して放出される混合水の量を制御
し、ケーシング上部にキヤツプが設けられてお
り、このキヤツプ内に操作レバーが支承されてい
て、この操作レバーはケーシング軸線に対して直
角の軸線を中心として旋回可能であつて、運動変
換機構並びに調節リングを介して前記可動の制御
部材のケーシング軸線方向の調節を生ぜしめる形
式のものに関する。

［従来の技術］ この種の冷温両用コツクはドイツ連邦共和国特
許第2648091号明細書によつて知られている。こ
の公知例の場合、量調整は両方の弁座の一方が軸
線方向で移動されることによつてなされる。この
ような形式で流出混合水量にとつての１つの基準
として両方の調整間〓幅の和があらかじめきめら
れる。この場合操作レバーの旋回運動が弁座の軸
線方向移動に変換される。

この公知例の欠点、両方の調整間〓を弁の閉鎖
位置で完全に、要するに水のしたたりもなく閉ざ
すことが困難であるという点にある。また、量調
整に伴う弁座の移動量が温度に関連して動作する
温度調整部材の行程と同じ大きさであることも不
利である。即ち温度調整部材の行程自体が比較的
小さく、その結果として混合水の微細な調量が不
可能になる。

この公知例と同様の作用形式の冷温両用コツク
がPCT特許出願第PCT／SE79／00038号による
国際公開公報第WO79／00679号明細書によつて
知られている。この公知例においても、混合水量
の調整のために両方の調整間〓の幅の和があらか
じめきめられる。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の課題は、冒頭に述べた形式のサーモス
タツト制御式の冷温両用コツクにおいて、閉鎖位
置で何らの漏出も発生せず、量調整を行う弁部材
が手入れ不要であつてわずかなスペースを必要と
するにとどまり、特にケーシングや温度感応素子
の大きさを変えずにセラミツク製の制御板を使え
るようにすることである。

［課題を解決するための手段］ このような課題を本発明は次のようにして解決
した。すなわち、混合室壁の外面が各混合水出口
の範囲をそれぞれ平らに面取りされていて、これ
らの範囲にケーシング軸線に対して平行に位置ぎ
められた不動の制御板が各１つ配置されており、
これらの制御板がケーシング側の不動の制御板を
なしており、これらの不動の制御板上で各１つの
可動の制御板がケーシング軸線方向でしゆう動可
能であり、不動および可動のそれぞれ対をなす制
御板は混合室壁上に配置された各１つのガイド片
によつて互いに接触保持されており、可動の制御
板はケーシング軸線方向の各１つのスライダによ
つて保持されていて、これら両方のスライダは共
通に１つの調節リングに連結されているのであ
る。

この本発明の構成の冷温両用コツクの場合、要
するに、混合室の２つの混合水出口の範囲いずれ
にも不動の制御板と可動の制御板とが対をなして
配置されている。可動の制御板をしゆう動されて
いるためには、調節リングに共通に連結されてい
る２つのスライダが利用される。２対の制御板組
が設けられていることにより、各制御板組の周方
向に占める範囲が小さいにもかかわらず多量の混
合水放出量を得ることができる。

この本発明による制御板配置は全体として温度
感応素子とケーシング壁との間の比較的狭い環状
スペースを必要とするにとどまり、ケーシングを
半径方向で拡大する必要はない。

制御板は、温度感応素子を収容している混合室
の軸線方向範囲内に位置するにとどまり、要する
に混合室の上方又は下方に設ける必要はない。

セラミツク製の制御板を使うならば、制御板は
事実上手入れ不要となり、摩耗に強く、石灰質化
を生じない。

西独特許第2056072号明細書所載のサーモスタ
ツト制御式の冷温両用コツクによれば、温度設定
用並びに混合水の量調整用の制御部材としていず
れも円筒スプールが使われている。これらの円筒
スプールは固定ソケツトもしくはケーシングとの
摩擦しゆう動面が全周にわたつており、加えて量
調整用の円筒スプールはケーシングに対する相対
運動のためにケーシング側に弾性的なシールリン
グを、閉鎖位置のために固定ソケツト側に弾性的
なシールリングをそれぞれ必要とする。本発明の
場合この種の広範囲の摩耗面および消耗部品は不
要となる。

［実施例］ 次に図面に示した実施例について本発明を説明
する： 冷温両用コツクケーシング１は外ねじを有する
差込接続口２を有している。差込接続口２は冷温
両用コツクを取り付けた状態（図示せず）では例
えば洗面台を貫通し、洗面台にリングねじによつ
て連結されている。冷水は管３から、温水は管４
から導入されている。管３，４はそれぞれ差込接
続口２を貫通してケーシング１のリング室状の流
入室５，６へ通じている。ケーシング１はさらに
１つの流出室７を有しており、この流出室７は流
入室５，６同様に薬きよう形の弁体９用の１つの
シリンダ状の受容室８と連通している。

弁体９は弁体ケーシング１０を備えており、こ
の弁体ケーシング１０は外形が上から下に見て４
つの区分に区切られている。即ち、外径の最も小
さい頸部区分１０ａに次いで外径の最も大きい組
付けフランジ１０ｂが続き、この組付けフランジ
１０ｂの次には受入れ室８の内径よりもわずかに
小さな外径を有する中間区分１０ｃが続き、次い
で受入れ室８の内径に相当する外径を有する底部
区分１０ｄが続いている。

この弁体ケーシング１０の内で下方へ開いてい
てプレート状の弁座１１によつて閉鎖されている
混合室１２は温度感応式の膨張素子１３を保持し
ている。この膨張素子１３は上方へ突出した押し
ピン１４を有している。この押しピン１４は加熱
を受けると膨張素子１３のケーシングから押し出
される。この押しピン１４は弁体ケーシング１０
の頸部区分１０ａの半径方向の中間壁１５を貫通
してばね室体１６内へ入り込んでいる。ばね室体
１６は頸部区分１０ａの端部孔１７内で軸線方向
に一定限動可能である。この場合押しピン１４は
プレート１８に支えられていて、このプレート１
８はばね室体１６の底に一端を支えられた１つの
押しばね１９による負荷を受けている。ばね室体
１６の底はねじスリーブ２１の端部にねじ込まれ
た１つの止めねじ２０に接触している。

ねじスリーブ２１は弁体ケーシング１０の頸部
区分１０ａの周面の外ねじ上へ軸線方向でねじ嵌
められている。この場合ねじスリーブ２１は、回
動可能で接線方向で位置固定される１つの頭部２
２とキー結合しており、この頭部２２はプロテク
タとして役立つ比較的長いスカート部分２３を有
している。

止めねじ２０は嵌め付けられた飾りキヤツプ２
４をはずせば調整できる。

頭部２２の半径方向の開口２５から操作レバー
２６が入り込んでいて、その内方端部が水平方向
の旋回軸２７を介して頭部２２に連結されてい
る。

膨張素子１３の鐘形の膨張材室１３ａには下方
へ向かつて二部分構造の調整ピストン２８の第１
のピストン部分２８ａが続いている。調整ピスト
ン２８、ひいては膨張素子１３の全体は１つのリ
ング状のダイアフラム２９によつて浮動保持され
ている。このダイアフラム２９はその外周に沿つ
て弁体ケーシング１０の段部とねじ部分３０との
間で、また内周に沿つて第１のピストン部分２８
ａとこのピストン部分２８ａにねじ付けられた第
２のピストン部分２８ｂとの間でそれぞれ固定さ
れている。

調整ピストン２８および膨張素子１３は１つの
コイルばね５３によつて図で見て上へ押され、こ
れによつて押しピン１４がばね室体１６内のプレ
ート１８に圧着された状態に保たれる。安全ばね
として働く押しばね１９はコイルばね５３よりも
剛性的に設計されている。これによつてばね室体
１６も押しばね１９の圧縮をほとんど伴わるに止
めねじ２０に圧着された状態を保つ。

第２のピストン部分２８ｂの下縁２８ｃはプレ
ート状の弁座１１と共に第１の可変の調整間〓を
形成し、この調整間〓は流入室５からの温水流を
絞る。温水は次いで二部分構造の調整ピストン２
８を貫流し、冷水と混合されて弁体ケーシング１
０内の混合室１２へ入る。

流入室６からの冷水流は第２の可変の調整間〓
によつて調整される。この第２の調整間〓はダイ
アフラム２９と弁体ケーシング１０に形成された
下向きの弁座３１とによつて形成される。

混合水は鐘形の膨張材室１３ａの内外両側に沿
つて流れ、その際に調整ピストン２８の軸線方向
位置に影響を及ぼす。弁体ケーシング１０内の混
合室１２は直径方向で対置する２つの出口３２，
３３および冷水並びに温水の流入口を除いて水密
であり、従つて、混合室を貫流する混合水は両方
の出口３２，３３において調整される。

第３図から判るように、弁体ケーシング１０の
中間区分１０ｃの周壁は出口３２，３３に隣接す
る範囲が平らに面取りされている。この面取り部
にシール部材をはさんで不動の制御板３４，３５
が配置されている。これらの制御板３４，３５は
セラミツク材製であつて外側に面する側が研摩さ
れている。いずれの制御板もその出口３２，３３
と合致する制御開口３６，３７を有していて、こ
の制御開口３６，３７の形は第２図に示すように
“家型”であつて、四角形の一辺が三角形の底辺
をなす輪郭を呈している。このような開口の形は
弁の開放初期における配量が敏感に行われるとい
う利点を伴う。

不動の両方の制御板３４，３５には各１つの第
２の制御板３８，３９が重ねられている。これら
の制御板３８，３９は開口を有してなく、制御板
３４，３５上で相対移動可能である（後述）。不
動の制御板との接触面はやはり高品度に研摩され
ている。

不動および可動の各制御板組３４，３８，３
５，３９はいずれも１つのガイド片４０，４１に
よつて弁体ケーシング１０の面取り部に押し付け
られる。可動の制御板３８，３９の案内にも役立
つこれらのガイド片４０，４１は第３図に示すよ
うに弁体ケーシング１０に締付け固定されてい
る。このガイド片４０，４１は開口４２，４３を
有しており、この開口４２，４３は不動の制御板
３４，３５の制御開口３６，３７および弁体ケー
シング１０の出口３２，３３と同列をなして流出
室７へ通じている。

可動の制御板３８，３９の各１つのスライダ４
４，４５によつて保持されて動かされる。このス
ライダ４４，４５は弁軸線方向に延びて水密に弁
体ケーシング１０の組付けフランジ１０ｂを貫通
案内されていて、弁軸線方向で押しずらし可能な
１つの押しリング４６に固定されている。押しリ
ング４６は、頭部２２に沿つて弁軸線方向で可動
に案内されている１つのラツク４７と連動連結し
ている。このラツク４７は操作レバー２６の端部
に形成されている歯車４８とかみ合つている。薬
きよう形の弁体９の全体はコツクケーシング１の
シリンダ状の受容室８内で１つのねじリング４９
によつて保持されている。このねじリング４９は
頭部２２と組付けフランジ１０ｂとの間に挿入さ
れた金属製の補強リング５０に締め付けられてい
る。この補強リング５０は、混合室１２内で特に
制御板３８，３９の閉鎖時に発生する圧力に対し
て組付けフランジ１０ｂを補強し、コツクケーシ
ング１並びに弁体ケーシング１０の両方に形状結
合していることによつて弁体９の不都合な相対回
動の防止に役立つ。

以上の冷温両用コツク内での水の流れは次の通
りである： 温水は管３、流入室５並びに弁体ケーシング１
０の底部区分１０ｄ（さらに、場合によつてはね
じ部分３０）に形成された１つ又はもつと多くの
半径方向の開口５１を経由して調整ピストン２８
と弁座１１との間の調整間〓へ流れる。調整ピス
トン２８の内部から斜め外向きの開口を経て温水
は混合室１２で冷水と混合される。

冷水は管４から流入室６並びに底部区分１０ｄ
の半径方向へ開口５２および弁座３１とダイアフ
ラム２９との間の調整間〓を通つて混合室１２へ
到達する。混合水は既に述べたように膨張素子１
３に沿つて弁体ケーシング１０の出口３２，３３
から両方の制御板組３４，３８，３５，３９へ流
れる。各制御板組における制御板組相互の相対位
置次第で不動の制御板３４，３５およびガイド片
４０，４１の開口３６，３７，４２，４３を通つ
て流出室７への混合水流路が程度の差はあれ開放
される。

弁ケーシング１０の底部区分１０ｄの外周にお
けるシール部材によつて、流入室５，６相互間お
よび流入室６と流出室７との間で直接に水が流通
し合うようなことは防止される。

以上述べた冷温両方コツクの作用形式は次の通
りである。

使用する混合水の所要温度をきめるために頭部
２２が操作レバー２６を介してコツクの鉛直軸線
を中心として回動される。その結果ねじスリーブ
２１が弁体ケーシング１０の頸部区分１０ａ上で
軸線方向で締め付けられる。ねじスリーブ２１、
止めねじ２０、ばね室体１６、押しピン１４等が
互いに摩擦結合していることによつて膨張素子１
３が相応に軸線方向で押し動かされる。この場
合、比較的ばね力の強い押しばね１９は事実上１
つの鋼体を呈する。このようにして調整ピストン
２８は軸線方向での新たな位置を占め、この位置
において両方の調整間〓の幅が相応に変わる。

量調整のためには操作レバー２６が旋回軸２７
を中心として旋回される。操作レバー２６の端部
に形成されている歯車４８がこの旋回軸をラツク
４７、押しリング４６、スライダ４４，４５、ひ
いては可動の制御板３８，３９の軸線方向運動に
変える。これによつて、不動の制御板３４，３５
の制御開口３６，３７を可動の制御板３８，３９
が閉ざすか開放する程度が変わる。

第２図において不動の制御板３４に対する可動
の制御板３８の相対位置が鎖線で示されている。
この図示の相対位置は両用コツクの全開位置に相
当し、制御開口３６は完全に開放されている。実
線で両用コツクの１つの中間位置が示されてい
る。この中間位置では可動の制御板３８が不動の
制御板３４の制御開口３６の“三角形”の尖端部
のみを開放する位置である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の冷温両用コツクの実施例の縦
断面図、第２図は第１図中に示す片方の制御板組
の相対位置を示す平面図、第３図は第１図中の
−線による断面図である。 １……コツクケーシング、２……差込接続口、
３，４……管、５，６……流入室、７……流出
室、８……受容室、９……弁体、１０……弁体ケ
ーシング、１，１……弁座円板、１２……混合
室、１３……膨張素子、１４……押しピン、１５
……中間壁、１６……ばね室体、１８……プレー
ト、１９……押しばね、２０……止めねじ、２１
……ねじスリーブ、２２……頭部、２４……飾り
キヤツプ、２６……操作レバー、２７……旋回
軸、２８……調整ピストン、２９……ダイアフラ
ム、３１……弁座、３２，３３……出口、３４，
３５……不動の制御板、３６，３７……開口、３
８，３９……可動の制御板、４０，４１……ガイ
ド片、４２，４３……開口、４４，４５……スラ
イダ、４６……押しリング、４７……ラツク、４
８……歯車、４９……ねじリング、５０……補強
リング、５１，５２……開口、５３……コイルば
ね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ サーモスタツト制御式の冷温両用コツクであ
   つて、ケーシングを備え、このケーシング内に複
   数の混合水放出開口を有する混合室が形成されて
   おり、混合室内に１つの温度感応素子が配置され
   ており、この温度感応素子には１つの調整ピスト
   ンが連結されていて、この調整ピストンは２つの
   弁座と共に冷水用の調整間〓と温水用の調整間〓
   とを形成しており、ケーシング軸線に対して平行
   に移動可能な可動の制御部材が設けられていて、
   この制御部材はケーシング側の不動の制御部材と
   協働して放出される混合水の量を制御し、ケーシ
   ング上部にキヤツプが設けられており、このキヤ
   ツプ内に操作レバーが支承されていて、この操作
   レバーはケーシング軸線に対して直角の軸線を中
   心として旋回可能であつて、運動変換機構並びに
   調節リングを介して前記可動の制御部材のケーシ
   ング軸線方向の調節を生ぜしめる形式のものにお
   いて、混合室壁の外面が混合水出口３２，３３の
   範囲を平らに面取りされていて、この範囲にケー
   シング軸線に対して平行に位置ぎめした不動の制
   御板３４，３５が各１つ配置されており、これら
   の制御板３４，３５がケーシング側の不動の制御
   部材をなしており、これらの不動の制御板３４，
   ３５上で可動の制御板３８，３９がケーシング軸
   線方向でしゆう動可能であり、不動および可動の
   それぞれ対をなす制御板３４，３８；３５，３９
   は混合室壁１０ｃ上に配置された各１つのガイド
   片４０，４１によつて互いに接触保持されてお
   り、可動の制御板３８，３９はケーシング軸線方
   向の各１つのスライダ４４，４５によつて保持さ
   れていて、両方のスライダ４４，４５は共通に１
   つの調節リング４６に連結されていることを特徴
   とする、サーモスタツト制御式の冷温両用コツ
   ク。 ２ 不動の制御板３４，３５がシール部材を介し
   て混合室外壁に支えられていて、ガイド片４０，
   ４１がほぼ剛性的であつて、混合室外壁に嵌め付
   けられている、特許請求の範囲第１項記載の冷温
   両用コツク。