JPH0144431B2 - - Google Patents
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- JPH0144431B2 JPH0144431B2 JP55041354A JP4135480A JPH0144431B2 JP H0144431 B2 JPH0144431 B2 JP H0144431B2 JP 55041354 A JP55041354 A JP 55041354A JP 4135480 A JP4135480 A JP 4135480A JP H0144431 B2 JPH0144431 B2 JP H0144431B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K9/00—Arc welding or cutting
- B23K9/09—Arrangements or circuits for arc welding with pulsed current or voltage
- B23K9/091—Arrangements or circuits for arc welding with pulsed current or voltage characterised by the circuits
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Plasma & Fusion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Arc Welding Control (AREA)
- Arc Welding In General (AREA)
Description
本発明はパルスアーク溶接装置、特にワイヤ電
極と母材との間に供給する直流のアーク電流(以
下ベース電流と称す)に周期的にパルス状のアー
ク電流(以下パルス電流と称す)を重畳させ、こ
のパルス電流による電磁収縮力で溶融したワイヤ
電極を細粒状にして母材へ移行(スプレー移行)
させて溶接するパルスアーク溶接装置に関するも
のである。 従来の直流アーク溶接機及びCO2溶接機では小
さな平均溶接電流領域において、スプレー移行溶
接が不可能で両絡移行溶接で行なうため、ワイヤ
の短絡時に多量のスパツタが飛び散り、母材、ト
ーチ、その他の機器に付着する欠点があつた。こ
の欠点を解消するため、小さな平均溶接電流領域
でスプレー移行溶接を可能とするようにアーク電
流をパルス化した、いわゆるパルスアーク溶接装
置が開発された。 従来の、パルスアーク溶接装置について説明す
る。 従来のパルスアーク溶接装置の電源は単位時間
当りのパルス発生個数を、基本電源周波数と同じ
か、または整数倍とするにとどめ、ワイヤ送給速
度の変化に応じてベース電流を変化させたり、パ
ルス継続時間(パルス幅)を変化させたり、又は
両方共変化させたりしていた。これ等の関係を第
1図に示す。第1図aはワイヤ送給速度を遅く
し、平均溶接電流(平均アーク電流)が小さくな
つた場合の溶接電流(アーク電流)波形の例で、
ベース電流12もパルス電流10のパルス幅τも
小さい。第1図bはワイヤ送給速度を速くし、平
均溶接電流が大きくなつた場合の溶接電流波形の
例で、ベース電流12もパルス電流10のパルス
幅τも大きい。 従つて、上記のような機能を備えた従来のパル
スアーク溶接装置を用いて、小さな平均溶接電流
領域で溶接する場合には、パルス電流のピーク値
が小さくなり、パルス電流による電磁収縮力が減
少するため、スプレー移行が困難になり溶滴16
は第2図aのように極端に大きくなつて、母材1
8に移行するのでスパツタが多くなつた。 また、大きな平均溶接電流領域で溶接する場合
には、第2図cのようにワイヤ20への入熱が過
多となつて、溶滴16が垂れ下がり、アーク長が
短いと、しばしば母材とワイヤが短絡してしま
う。このため、短絡時に溶融したワイヤがスパツ
タとして、周囲に多く飛び散る。しかし第2図c
の場合、溶滴16がワイヤ20から離脱する時刻
がパルス電流のピーク時点から、かなり遅れてベ
ース電流12のみ流れている期間に入るので、ベ
ース電流12が小さく、かつベース電流を供給す
る電源の無負荷電圧が低い時には、アーク22が
切れて、送給状態にあるワイヤ20が母材18に
突込みスパツタ発生の原因となる。しかしなが
ら、このようなスパツタを少なくするために、ア
ークを長く保つた溶接旋工を行なうと、溶接ビー
ドにガスが巻き込まれたり、アンダーカツトが生
じ溶接速度が上げられないなどの欠陥が生じる。 上記のように従来のパルスアーク溶接装置には
種々の問題があり、第2図bに示す溶滴16の径
が小さく而もアーク長も小さくできて、母材18
のアンダーカツトも起しにくい溶滴移行状態すな
わち適正な溶滴移行状態を得るには、ワイヤ径、
ワイヤ材質、シールドガスの種類、電流値をよほ
どうまく選択しなければならないという調整の困
難さがあつた。 しかもスパツタの発生は制御装置の損傷を起こ
す原因になると共に、母材に付着したスパツタの
除去のために余計な作業をせねばならず、作業能
率の低下を来たす原因にもなつていた。 本発明は前述した従来の課題に鑑み為されたも
のであり、その目的は幅広い平均溶接電流範囲、
すなわち幅広いワイヤ送給速度範囲にわたつて均
一なアーク長が得られやすく、したがつて均一な
溶接ビートが得られ、又適正な溶滴移行状態が得
られやすく、スパツタが少ないパルスアーク溶接
装置を提供することにある。 第3図は本発明のパルスアーク溶接装置の構成
回路図を示すもので、24はシールドガスの噴出
孔を有し中央部をワイヤ電極20が貫通する溶接
トーチ、26はワイヤ電極20と母材18間にベ
ース電流を重畳してパルス電流を供給し、かつこ
のパルス電流とベース電流の和の波高値Ipが、上
記ワイヤ電極20の直径d、ワイヤ電極の材質、
及びシールドガスの種類に応じて定められる臨界
電流値以上となるよう上記パルス電流値を定めて
供給する主電源、28はワイヤ電極20と母材1
8との間にベース電流を供給する補助電源であ
る。 主電源26は電源入力電圧を所定の値に設定し
かつ入出力間を電気的に絶縁するためのトランス
30、正弦電圧波形を所定の位相で点弦すること
により整流かつパルス電圧波形形成を行うサイリ
スタ等の能動素子32,34,36、電源回路の
短絡保護およびパルス電流波形整形用の直流リア
クトル38、パルスの単位時間当りの個数に変化
を与える回路(以下パルス周波数可変回路と称
す)40とを有する。この周波数可変回路40
は、ワイヤ送給装置70のモータ速度又はモータ
速度に応じて変化するモータの電機子電圧を検出
し、パルス電流の単位時間当りのパルス個数をN
とし、上記ワイヤ供給装置による上記ワイヤの供
給速度をvとし、この供給されるワイヤの径をd
とし、更に最適溶滴径をaとして、 N=(15・v・d2)/a3 を満足するように上記単位時間当りのパルス個数
を定め、平均アーク電流を変化させるようにして
いる。また、補助電源28は整流用のダイオード
42〜52、電流制限用抵抗54とを有する。主
電源26に内蔵された高周波電源56は、昇圧ト
ランス58、火花ギヤツプ60、コンデンサ6
2、火花ギヤツプ60のトリガによりコンデンサ
62と相呼応して共振することにより高周波電圧
を発生させ、この高周波高電圧をワイヤ電極20
と母材18間に印加させるためのカツプリングコ
イル64とで構成されている。66は上記の高周
波高電圧がトランス30側へ印加されないように
するためのバイパスコンデンサ、68はワイヤ電
極20の巻付けリール、70はワイヤ送給装置、
72は高周波高電圧がワイヤ送給機構へ印加され
ないようにするためのバイパスコンデンサ、74
は溶接トーチ24とワイヤ送給装置70との間に
配置され、ワイヤ電極20を貫通させたフエライ
ト等の筒状磁性体である。 以上のように構成された装置では、次のような
特徴を有する。 補助電源から供給されたベース電流にパルス
電流を重畳させることにより、ワイヤ電極20
と母材18とを接触させないで溶接をスタート
し、もつてスパツタの発生を防止する。 主電源から供給されるパルス電流値をパルス
電流とベース電流の和の波高値Ipが、上記ワイ
ヤ電極20の直径d、ワイヤ電極の材質、及び
シールドガスの種類に応じて定められる臨界電
流値以上となるよう定めることにより、適正な
溶滴移行をする。 パルス周波数可変回路で、パルス電流の単位
時間当りのパルス個数をNとし、上記ワイヤ供
給装置による上記ワイヤの供給速度をvとし、
この供給されるワイヤの径をdとし、更に最適
溶滴径をaとして、 N=(15・v・d2)/a3 を満足するように上記単位時間当りのパルス個
数を定め、平均アーク電流を変化させることに
より1パルス当りのワイヤへの入熱量を最適熱
量範囲とし、適正な溶滴移行をする。 このような特徴を備えることにより、総合的に
適正な溶滴移行が行なえるものであるが、以下に
その各々の特徴に基づく効果について更に詳細に
説明する。 まず、の特徴について説明する。 上記第3図の装置では、入力電圧が昇圧トラン
ス58によつて昇圧されて花火ギヤツプ60の両
端に印加され、ある限界値でギヤツプに放電破壊
を起す。このため、コンデンサ62、カツプリン
グコイル64との間に直列共振回路が形成されて
高周波高電圧が発生する。 この高周波高電圧によつてワイヤ電極20と母
材18間に放電が生じるが、この放電維持電圧は
高く主電源26から供給されるパルス電圧のみで
は放電を維持できないことが多いため、補助電源
28からベース電流を供給し、このときの電圧に
はこの放電維持電圧より確実に大きな無負荷電圧
を持たせておく。すなわち、補助電源28からの
電圧供給ののち、主電源26からのパルス電圧供
給によつてパルス電流が流れ、これと同時にワイ
ヤ送給装置70によりワイヤ電極20を送給する
ことにより溶接が実施される。 このように溶接スタートはワイヤ電極と母材と
を接触させないで実現できるので、このパルスア
ーク溶接装置では溶接スタート時に生ずるスパツ
タを防ぐことができる。 なお、補助電源28は上記のようにアークスタ
ート時の電流供給用に用いるとともに、主電源2
6から供給される各パルス間においてアークを持
続させるためにも用いるので、常時所要の電流値
を流すようにしておく。この電流は第1図のベー
ス電流12に相当する。 次にの特徴について説明する。 パルス周波数可変回路40によつてサイリスタ
32,34,36をオンにしておけば、主電源2
6からは発生個数が最大180個/秒のパルス電流
が得られるが、以下簡単なため、その単一パルス
のみを抜き出し、しかもベース電流がない場合を
考えてみる。 上記第3図に示す回路のPQ間に補助電源28
から電圧が印加されない無負荷時のパルス電流波
形およびそのパルス電圧波形を印加して溶接アー
クを点弧させた場合に流れるパルス電流波形はそ
れぞれ第4図aおよび同図bのようになる。図
中、E0はトランス30の主電源側の2次電圧の
波高値、Tは基本周波数に相当する半周期分の時
間幅、t1はサイリスタ32〜36の点弧時刻、IP
はパルス電流のピーク値、t2は主電源26からの
パルス電流が零にもどる時刻である。さらにパル
ス電流(瞬時値)をiとして、 Q1=∫t2 t1idt Q2=∫t2 t1i2dt で表わされる量Q1、Q2を定義しておく。これら
は後に述べるがワイヤへの注入熱量を算出する際
に有効な量である。Q1は第4図bに示されるパ
ルス電流波形の斜線部の面積である。波高値E0
をまず固定してパルス周波数可変回路40により
時刻t1を変化させてみれば、時刻t1が大きい場合
にはワイヤ電極20・母材18間に流れる電流の
ピーク値IP及びパルス幅τが小さく、スプレー移
行を実現させることができず第2図aのような溶
滴移行状態となる。時刻t1を減少させ、ピーク値
IPが臨界電流値Icp(これはシールドガスの種類、
ワイヤの材質、ワイヤ径によつて決まる固有の電
流値である。)を超え、しかも1パルス当りのワ
イヤへの入熱量が、スプレー移行時の溶滴分のワ
イヤを溶かすのに必要な値であれば、第2図bに
示すようなスプレー移行の形態が可能となる。し
かし、時刻t1を過度に減少させると、アーク熱と
ワイヤ20の突出し部分のジユール熱との和すな
わちワイヤ20への入熱量が過多となつて、第2
図cのような溶滴移行形態となる。第2図bのよ
うな適正な溶滴移行形態を得るには、ピーク値Ip
を臨界電流値Icp以上に設定するとともに、ワイ
ヤ20への入熱量W(厳密にはベース電流分も含
める)が最適値になるように、パルス電流波形を
設定しなければならない。 次に小さなベース電流を加えた具体的な1パル
ス期間の電流波形の設定の仕方を詳細に述べる。 第5図は、ワイヤ材質が軟鋼で溶接電流を第7
図aで示す直流電流83の場合(パルス電流がな
い場合)の臨界電流値Icpとワイヤ径dとの関係
を種々のシールドガスに対して求めたものであ
る。また、第8図はワイヤ材質が軟鋼で溶接電流
を第7図bで示す小さなベース電流とパルス電流
84の場合の臨界電流値Icとワイヤ径dとの関係
を種々のシールドガスに対して求めたものであ
る。図中76と77,78と79,80と81は
それぞれシールドガスがAr:CO2=6:4、
Ar:CO2=8:2、Ar:CO2=98:2(いずれも
流量比)の場合のものである。ここでシールドガ
スとしてArとCO2との混合ガスでしかもCO2の流
入混合割合が2%〜40%のものを例にとつたの
は、Arのみではアーク自体が広がりすぎて溶接
には不適当であり、かつCO2を混入しすぎた場合
には臨界電流値Icが大きくなりすぎ、パルス電流
としてそれだけのものを供給すると、アーク力が
強くなつて母材18の溶け込みが著しく深くなり
また溶接ビードにガスを巻き込むようになり、対
象とする板厚の範囲内ではかえつて溶接ビードが
乱れてくることなどを考慮したからである。 第5図と第8図からわかるように、直流電流の
場合の臨界電流Icpはベース電流とパルス電流の
場合の臨界電流Icに比べて小さくなる。例えば
Ar:CO2=8:2のシールドガス、軟鋼1.2mmφ
のワイヤを用いる場合の臨界電流は直流電流の時
290A程度であるが、ベース電流とパルス電流の
時370A程度となる。このことは第7図a,bの
モデル電流波形から理解される。第7図aは、高
速度カメラによる溶滴移行状況の撮影結果〔第6
図〕から求めた溶滴移行の周期τp〔ms〕で直流
電流83を分解したものであつて、aでの斜線部
期間τpでのワイヤへの入熱量とbの斜線部期間τ
でのワイヤへの入熱量はほぼ等しく、1溶滴分の
ワイヤを溶かすのに必要な熱量(これは最適熱量
範囲内にある)となつている。つまり、ワイヤへ
の入熱量を最適熱量範囲内に制限し、少なくとも
ピーク電流値Ipは直流電流の場合の臨界電流値Icp
以上とすれば適正な溶滴移行形態となる。なお、
第5図から軟鋼でシールドガスをAr:CO2=
8:2とした場合、臨界電流値Icpの近似式はIcp
≒230d+10〔アンペア〕と書ける。 他の例として、ワイヤ材質をアルミニウム、ワ
イヤの直径を1.6mm、シールドガスをArのみ(ワ
イヤ材質がアルミニウムのときは可能)としたと
きのパルス電流に対する臨界電流値Icを第9図に
プロツトした(第9図82)。アルミニウムの場
合はピーク値Ipが400A以上になるとアーク中に
空気を巻き込み溶接ビートに欠陥が生じるので、
ピーク値Ipとしてはやはり臨界電流値Icp以上では
あるが400A以下の値に制限する必要がある。 このように、ワイヤへの入熱量を最適熱量範囲
とすることは、主電源から供給されるパルス電流
値を臨界電流値以上となるよう定めることと同
様、適正な溶滴移行をするための条件として極め
て重要なことである。そこで、ワイヤへの入熱量
を最適熱量範囲とするための上記の特徴につい
て次に説明する。 第10図は、種々のワイヤ径に対する溶滴径a
をプロツトしたもので、図中84は突出し長が5
mmの場合の実測値である。この値は波高値E0=
165Vでピーク値Ipが臨界電流値Icに等しい時のデ
ータであり、溶滴径aのほぼ最小限度と見られ
る。 第10図右側に記入している値は、各溶滴径に
対して室温(0℃)から融点(1535℃)まで温度
上昇させるのに必要なエネルギー(潜熱も含む)
である。ワイヤ径1.2mmφの場合には7.4Joule程度
のエネルギーが必要になることがわかる。 一方、前述第2図aおよびcのような溶滴移行
状態にならないようにするためには、1パルス当
りのワイヤ20への入熱量をある最適熱量範囲内
に抑えなければならない。ベース電流が20Aのと
きに、溶滴移行状態が第2図bの適正状態から同
図cの悪い状態へ移行するときの、1溶滴を溶か
すのに必要な熱量を測定した結果が第10図中の
曲線86である。 前記の曲線86は、そのときの溶滴をαmax
〔mmφ〕とすれば αmax≒0.05d+1.38 の式で表わすことができる。したがつて、第10
図から、ワイヤ電極の直径dに対する最適溶滴径
範囲、最適熱量範囲は第1表に示すようになる。
極と母材との間に供給する直流のアーク電流(以
下ベース電流と称す)に周期的にパルス状のアー
ク電流(以下パルス電流と称す)を重畳させ、こ
のパルス電流による電磁収縮力で溶融したワイヤ
電極を細粒状にして母材へ移行(スプレー移行)
させて溶接するパルスアーク溶接装置に関するも
のである。 従来の直流アーク溶接機及びCO2溶接機では小
さな平均溶接電流領域において、スプレー移行溶
接が不可能で両絡移行溶接で行なうため、ワイヤ
の短絡時に多量のスパツタが飛び散り、母材、ト
ーチ、その他の機器に付着する欠点があつた。こ
の欠点を解消するため、小さな平均溶接電流領域
でスプレー移行溶接を可能とするようにアーク電
流をパルス化した、いわゆるパルスアーク溶接装
置が開発された。 従来の、パルスアーク溶接装置について説明す
る。 従来のパルスアーク溶接装置の電源は単位時間
当りのパルス発生個数を、基本電源周波数と同じ
か、または整数倍とするにとどめ、ワイヤ送給速
度の変化に応じてベース電流を変化させたり、パ
ルス継続時間(パルス幅)を変化させたり、又は
両方共変化させたりしていた。これ等の関係を第
1図に示す。第1図aはワイヤ送給速度を遅く
し、平均溶接電流(平均アーク電流)が小さくな
つた場合の溶接電流(アーク電流)波形の例で、
ベース電流12もパルス電流10のパルス幅τも
小さい。第1図bはワイヤ送給速度を速くし、平
均溶接電流が大きくなつた場合の溶接電流波形の
例で、ベース電流12もパルス電流10のパルス
幅τも大きい。 従つて、上記のような機能を備えた従来のパル
スアーク溶接装置を用いて、小さな平均溶接電流
領域で溶接する場合には、パルス電流のピーク値
が小さくなり、パルス電流による電磁収縮力が減
少するため、スプレー移行が困難になり溶滴16
は第2図aのように極端に大きくなつて、母材1
8に移行するのでスパツタが多くなつた。 また、大きな平均溶接電流領域で溶接する場合
には、第2図cのようにワイヤ20への入熱が過
多となつて、溶滴16が垂れ下がり、アーク長が
短いと、しばしば母材とワイヤが短絡してしま
う。このため、短絡時に溶融したワイヤがスパツ
タとして、周囲に多く飛び散る。しかし第2図c
の場合、溶滴16がワイヤ20から離脱する時刻
がパルス電流のピーク時点から、かなり遅れてベ
ース電流12のみ流れている期間に入るので、ベ
ース電流12が小さく、かつベース電流を供給す
る電源の無負荷電圧が低い時には、アーク22が
切れて、送給状態にあるワイヤ20が母材18に
突込みスパツタ発生の原因となる。しかしなが
ら、このようなスパツタを少なくするために、ア
ークを長く保つた溶接旋工を行なうと、溶接ビー
ドにガスが巻き込まれたり、アンダーカツトが生
じ溶接速度が上げられないなどの欠陥が生じる。 上記のように従来のパルスアーク溶接装置には
種々の問題があり、第2図bに示す溶滴16の径
が小さく而もアーク長も小さくできて、母材18
のアンダーカツトも起しにくい溶滴移行状態すな
わち適正な溶滴移行状態を得るには、ワイヤ径、
ワイヤ材質、シールドガスの種類、電流値をよほ
どうまく選択しなければならないという調整の困
難さがあつた。 しかもスパツタの発生は制御装置の損傷を起こ
す原因になると共に、母材に付着したスパツタの
除去のために余計な作業をせねばならず、作業能
率の低下を来たす原因にもなつていた。 本発明は前述した従来の課題に鑑み為されたも
のであり、その目的は幅広い平均溶接電流範囲、
すなわち幅広いワイヤ送給速度範囲にわたつて均
一なアーク長が得られやすく、したがつて均一な
溶接ビートが得られ、又適正な溶滴移行状態が得
られやすく、スパツタが少ないパルスアーク溶接
装置を提供することにある。 第3図は本発明のパルスアーク溶接装置の構成
回路図を示すもので、24はシールドガスの噴出
孔を有し中央部をワイヤ電極20が貫通する溶接
トーチ、26はワイヤ電極20と母材18間にベ
ース電流を重畳してパルス電流を供給し、かつこ
のパルス電流とベース電流の和の波高値Ipが、上
記ワイヤ電極20の直径d、ワイヤ電極の材質、
及びシールドガスの種類に応じて定められる臨界
電流値以上となるよう上記パルス電流値を定めて
供給する主電源、28はワイヤ電極20と母材1
8との間にベース電流を供給する補助電源であ
る。 主電源26は電源入力電圧を所定の値に設定し
かつ入出力間を電気的に絶縁するためのトランス
30、正弦電圧波形を所定の位相で点弦すること
により整流かつパルス電圧波形形成を行うサイリ
スタ等の能動素子32,34,36、電源回路の
短絡保護およびパルス電流波形整形用の直流リア
クトル38、パルスの単位時間当りの個数に変化
を与える回路(以下パルス周波数可変回路と称
す)40とを有する。この周波数可変回路40
は、ワイヤ送給装置70のモータ速度又はモータ
速度に応じて変化するモータの電機子電圧を検出
し、パルス電流の単位時間当りのパルス個数をN
とし、上記ワイヤ供給装置による上記ワイヤの供
給速度をvとし、この供給されるワイヤの径をd
とし、更に最適溶滴径をaとして、 N=(15・v・d2)/a3 を満足するように上記単位時間当りのパルス個数
を定め、平均アーク電流を変化させるようにして
いる。また、補助電源28は整流用のダイオード
42〜52、電流制限用抵抗54とを有する。主
電源26に内蔵された高周波電源56は、昇圧ト
ランス58、火花ギヤツプ60、コンデンサ6
2、火花ギヤツプ60のトリガによりコンデンサ
62と相呼応して共振することにより高周波電圧
を発生させ、この高周波高電圧をワイヤ電極20
と母材18間に印加させるためのカツプリングコ
イル64とで構成されている。66は上記の高周
波高電圧がトランス30側へ印加されないように
するためのバイパスコンデンサ、68はワイヤ電
極20の巻付けリール、70はワイヤ送給装置、
72は高周波高電圧がワイヤ送給機構へ印加され
ないようにするためのバイパスコンデンサ、74
は溶接トーチ24とワイヤ送給装置70との間に
配置され、ワイヤ電極20を貫通させたフエライ
ト等の筒状磁性体である。 以上のように構成された装置では、次のような
特徴を有する。 補助電源から供給されたベース電流にパルス
電流を重畳させることにより、ワイヤ電極20
と母材18とを接触させないで溶接をスタート
し、もつてスパツタの発生を防止する。 主電源から供給されるパルス電流値をパルス
電流とベース電流の和の波高値Ipが、上記ワイ
ヤ電極20の直径d、ワイヤ電極の材質、及び
シールドガスの種類に応じて定められる臨界電
流値以上となるよう定めることにより、適正な
溶滴移行をする。 パルス周波数可変回路で、パルス電流の単位
時間当りのパルス個数をNとし、上記ワイヤ供
給装置による上記ワイヤの供給速度をvとし、
この供給されるワイヤの径をdとし、更に最適
溶滴径をaとして、 N=(15・v・d2)/a3 を満足するように上記単位時間当りのパルス個
数を定め、平均アーク電流を変化させることに
より1パルス当りのワイヤへの入熱量を最適熱
量範囲とし、適正な溶滴移行をする。 このような特徴を備えることにより、総合的に
適正な溶滴移行が行なえるものであるが、以下に
その各々の特徴に基づく効果について更に詳細に
説明する。 まず、の特徴について説明する。 上記第3図の装置では、入力電圧が昇圧トラン
ス58によつて昇圧されて花火ギヤツプ60の両
端に印加され、ある限界値でギヤツプに放電破壊
を起す。このため、コンデンサ62、カツプリン
グコイル64との間に直列共振回路が形成されて
高周波高電圧が発生する。 この高周波高電圧によつてワイヤ電極20と母
材18間に放電が生じるが、この放電維持電圧は
高く主電源26から供給されるパルス電圧のみで
は放電を維持できないことが多いため、補助電源
28からベース電流を供給し、このときの電圧に
はこの放電維持電圧より確実に大きな無負荷電圧
を持たせておく。すなわち、補助電源28からの
電圧供給ののち、主電源26からのパルス電圧供
給によつてパルス電流が流れ、これと同時にワイ
ヤ送給装置70によりワイヤ電極20を送給する
ことにより溶接が実施される。 このように溶接スタートはワイヤ電極と母材と
を接触させないで実現できるので、このパルスア
ーク溶接装置では溶接スタート時に生ずるスパツ
タを防ぐことができる。 なお、補助電源28は上記のようにアークスタ
ート時の電流供給用に用いるとともに、主電源2
6から供給される各パルス間においてアークを持
続させるためにも用いるので、常時所要の電流値
を流すようにしておく。この電流は第1図のベー
ス電流12に相当する。 次にの特徴について説明する。 パルス周波数可変回路40によつてサイリスタ
32,34,36をオンにしておけば、主電源2
6からは発生個数が最大180個/秒のパルス電流
が得られるが、以下簡単なため、その単一パルス
のみを抜き出し、しかもベース電流がない場合を
考えてみる。 上記第3図に示す回路のPQ間に補助電源28
から電圧が印加されない無負荷時のパルス電流波
形およびそのパルス電圧波形を印加して溶接アー
クを点弧させた場合に流れるパルス電流波形はそ
れぞれ第4図aおよび同図bのようになる。図
中、E0はトランス30の主電源側の2次電圧の
波高値、Tは基本周波数に相当する半周期分の時
間幅、t1はサイリスタ32〜36の点弧時刻、IP
はパルス電流のピーク値、t2は主電源26からの
パルス電流が零にもどる時刻である。さらにパル
ス電流(瞬時値)をiとして、 Q1=∫t2 t1idt Q2=∫t2 t1i2dt で表わされる量Q1、Q2を定義しておく。これら
は後に述べるがワイヤへの注入熱量を算出する際
に有効な量である。Q1は第4図bに示されるパ
ルス電流波形の斜線部の面積である。波高値E0
をまず固定してパルス周波数可変回路40により
時刻t1を変化させてみれば、時刻t1が大きい場合
にはワイヤ電極20・母材18間に流れる電流の
ピーク値IP及びパルス幅τが小さく、スプレー移
行を実現させることができず第2図aのような溶
滴移行状態となる。時刻t1を減少させ、ピーク値
IPが臨界電流値Icp(これはシールドガスの種類、
ワイヤの材質、ワイヤ径によつて決まる固有の電
流値である。)を超え、しかも1パルス当りのワ
イヤへの入熱量が、スプレー移行時の溶滴分のワ
イヤを溶かすのに必要な値であれば、第2図bに
示すようなスプレー移行の形態が可能となる。し
かし、時刻t1を過度に減少させると、アーク熱と
ワイヤ20の突出し部分のジユール熱との和すな
わちワイヤ20への入熱量が過多となつて、第2
図cのような溶滴移行形態となる。第2図bのよ
うな適正な溶滴移行形態を得るには、ピーク値Ip
を臨界電流値Icp以上に設定するとともに、ワイ
ヤ20への入熱量W(厳密にはベース電流分も含
める)が最適値になるように、パルス電流波形を
設定しなければならない。 次に小さなベース電流を加えた具体的な1パル
ス期間の電流波形の設定の仕方を詳細に述べる。 第5図は、ワイヤ材質が軟鋼で溶接電流を第7
図aで示す直流電流83の場合(パルス電流がな
い場合)の臨界電流値Icpとワイヤ径dとの関係
を種々のシールドガスに対して求めたものであ
る。また、第8図はワイヤ材質が軟鋼で溶接電流
を第7図bで示す小さなベース電流とパルス電流
84の場合の臨界電流値Icとワイヤ径dとの関係
を種々のシールドガスに対して求めたものであ
る。図中76と77,78と79,80と81は
それぞれシールドガスがAr:CO2=6:4、
Ar:CO2=8:2、Ar:CO2=98:2(いずれも
流量比)の場合のものである。ここでシールドガ
スとしてArとCO2との混合ガスでしかもCO2の流
入混合割合が2%〜40%のものを例にとつたの
は、Arのみではアーク自体が広がりすぎて溶接
には不適当であり、かつCO2を混入しすぎた場合
には臨界電流値Icが大きくなりすぎ、パルス電流
としてそれだけのものを供給すると、アーク力が
強くなつて母材18の溶け込みが著しく深くなり
また溶接ビードにガスを巻き込むようになり、対
象とする板厚の範囲内ではかえつて溶接ビードが
乱れてくることなどを考慮したからである。 第5図と第8図からわかるように、直流電流の
場合の臨界電流Icpはベース電流とパルス電流の
場合の臨界電流Icに比べて小さくなる。例えば
Ar:CO2=8:2のシールドガス、軟鋼1.2mmφ
のワイヤを用いる場合の臨界電流は直流電流の時
290A程度であるが、ベース電流とパルス電流の
時370A程度となる。このことは第7図a,bの
モデル電流波形から理解される。第7図aは、高
速度カメラによる溶滴移行状況の撮影結果〔第6
図〕から求めた溶滴移行の周期τp〔ms〕で直流
電流83を分解したものであつて、aでの斜線部
期間τpでのワイヤへの入熱量とbの斜線部期間τ
でのワイヤへの入熱量はほぼ等しく、1溶滴分の
ワイヤを溶かすのに必要な熱量(これは最適熱量
範囲内にある)となつている。つまり、ワイヤへ
の入熱量を最適熱量範囲内に制限し、少なくとも
ピーク電流値Ipは直流電流の場合の臨界電流値Icp
以上とすれば適正な溶滴移行形態となる。なお、
第5図から軟鋼でシールドガスをAr:CO2=
8:2とした場合、臨界電流値Icpの近似式はIcp
≒230d+10〔アンペア〕と書ける。 他の例として、ワイヤ材質をアルミニウム、ワ
イヤの直径を1.6mm、シールドガスをArのみ(ワ
イヤ材質がアルミニウムのときは可能)としたと
きのパルス電流に対する臨界電流値Icを第9図に
プロツトした(第9図82)。アルミニウムの場
合はピーク値Ipが400A以上になるとアーク中に
空気を巻き込み溶接ビートに欠陥が生じるので、
ピーク値Ipとしてはやはり臨界電流値Icp以上では
あるが400A以下の値に制限する必要がある。 このように、ワイヤへの入熱量を最適熱量範囲
とすることは、主電源から供給されるパルス電流
値を臨界電流値以上となるよう定めることと同
様、適正な溶滴移行をするための条件として極め
て重要なことである。そこで、ワイヤへの入熱量
を最適熱量範囲とするための上記の特徴につい
て次に説明する。 第10図は、種々のワイヤ径に対する溶滴径a
をプロツトしたもので、図中84は突出し長が5
mmの場合の実測値である。この値は波高値E0=
165Vでピーク値Ipが臨界電流値Icに等しい時のデ
ータであり、溶滴径aのほぼ最小限度と見られ
る。 第10図右側に記入している値は、各溶滴径に
対して室温(0℃)から融点(1535℃)まで温度
上昇させるのに必要なエネルギー(潜熱も含む)
である。ワイヤ径1.2mmφの場合には7.4Joule程度
のエネルギーが必要になることがわかる。 一方、前述第2図aおよびcのような溶滴移行
状態にならないようにするためには、1パルス当
りのワイヤ20への入熱量をある最適熱量範囲内
に抑えなければならない。ベース電流が20Aのと
きに、溶滴移行状態が第2図bの適正状態から同
図cの悪い状態へ移行するときの、1溶滴を溶か
すのに必要な熱量を測定した結果が第10図中の
曲線86である。 前記の曲線86は、そのときの溶滴をαmax
〔mmφ〕とすれば αmax≒0.05d+1.38 の式で表わすことができる。したがつて、第10
図から、ワイヤ電極の直径dに対する最適溶滴径
範囲、最適熱量範囲は第1表に示すようになる。
【表】
ワイヤ電極の材質:軟鋼
第1表では、ワイヤ電極の材質が軟鋼である場
合を示したが、最適溶滴径に対しては、ワイヤ電
極の材質がアルミニウム、ステンレスの場合でも
ほぼ第1表で示した最適溶滴径範囲が第2図bの
適正状態領域に相当していることが高感度カメラ
等で認められた。また最適熱量範囲に対しては、
ワイヤ電極の材質がステンレスの場合は、軟鋼の
融点・比熱・比重がほぼ等しいので、第1表で示
した最適熱量範囲はステンレスについても適用で
きる。この事は、実測でも確かめられている。同
様に、ワイヤ電極の材質がアルミニウム1.6mmφ
について実測すると最適熱量範囲は1.95Jから
3.8Jとなつた。従つて、1パルス期間すなわちパ
ルスの一周期(第7図の期間τ)の電流波形は以
上のような最適熱量範囲内に入るように、設定し
なければならない。 1パルス期間の電流によつてワイヤに注入され
る熱量Wは、ほぼアーク熱によるものW1とワイ
ヤ突出し部分(トーチ24内のチツプの給電点か
らアーク端までのワイヤの長さ、すなわち突出し
長)でのジユール熱によるものW2の和で表わせ、
次式のようになる。 W=W1+W2=A∫t4 t3idt +B∫t4 t3i2dt≡AQ1+BQ2 ここで、A、Bはそれぞれ比例定数、t3、t4は
それぞれパルス期間τの始時刻、終時刻である。
W2について、もう少し具体的に説明するとW2は
いわゆる突出し部分での予熱効果であり、ワイヤ
が給電点を通過してからアーク端に到達するまで
の間に受けるジユール熱である。ここで、参考の
ためにパルスアーク溶接装置でよく用いられてい
る、銅で被覆された軟鋼のワイヤ電極におけるワ
イヤの単位長さ当りの抵抗値R、アークの電流・
電圧特性(アークの長さは平均3mm)の式を第2
表に示す。
第1表では、ワイヤ電極の材質が軟鋼である場
合を示したが、最適溶滴径に対しては、ワイヤ電
極の材質がアルミニウム、ステンレスの場合でも
ほぼ第1表で示した最適溶滴径範囲が第2図bの
適正状態領域に相当していることが高感度カメラ
等で認められた。また最適熱量範囲に対しては、
ワイヤ電極の材質がステンレスの場合は、軟鋼の
融点・比熱・比重がほぼ等しいので、第1表で示
した最適熱量範囲はステンレスについても適用で
きる。この事は、実測でも確かめられている。同
様に、ワイヤ電極の材質がアルミニウム1.6mmφ
について実測すると最適熱量範囲は1.95Jから
3.8Jとなつた。従つて、1パルス期間すなわちパ
ルスの一周期(第7図の期間τ)の電流波形は以
上のような最適熱量範囲内に入るように、設定し
なければならない。 1パルス期間の電流によつてワイヤに注入され
る熱量Wは、ほぼアーク熱によるものW1とワイ
ヤ突出し部分(トーチ24内のチツプの給電点か
らアーク端までのワイヤの長さ、すなわち突出し
長)でのジユール熱によるものW2の和で表わせ、
次式のようになる。 W=W1+W2=A∫t4 t3idt +B∫t4 t3i2dt≡AQ1+BQ2 ここで、A、Bはそれぞれ比例定数、t3、t4は
それぞれパルス期間τの始時刻、終時刻である。
W2について、もう少し具体的に説明するとW2は
いわゆる突出し部分での予熱効果であり、ワイヤ
が給電点を通過してからアーク端に到達するまで
の間に受けるジユール熱である。ここで、参考の
ためにパルスアーク溶接装置でよく用いられてい
る、銅で被覆された軟鋼のワイヤ電極におけるワ
イヤの単位長さ当りの抵抗値R、アークの電流・
電圧特性(アークの長さは平均3mm)の式を第2
表に示す。
【表】
突出し長が5mmより大きくなり、Q2が増加す
ると、ワイヤ20への1パルス期間当りの入熱量
は第10図中の曲線84(曲線84はQ1が最少
量の場合である)で示される値よりも大きくなる
が突出し長の増加の影響も加味して入熱量を同図
中の曲線86で示される値以下に設定すべきこと
はもちろんである。溶滴径aを小さくすることが
できればワイヤ20と母材18を短絡させること
なくアークの長さも短くすることができるという
ことからも、ワイヤ20への入熱量は必要以上に
大きくしたくない。これはQ1の値をできる限り
小さく(t3をできる限り大きく)設定することを
意味し、母材への入熱量がQ1にほぼ比例するこ
とを考え合わせれば、母材への入熱量を必要最小
限に抑えることができ、アンダーカツトを生じる
こともなく溶接速度を上げることができる効果も
ある。そこで、突出し長は5mmを最小とみて、5
mmのときにはワイヤ20への入熱量が必ず前記の
曲線84で示される値として主電源26からの電
流波形は固定し、残りの熱量(ワイヤ径1.2mmφ
の場合は15.1−7.4=7.7Joule)は突出し部分のジ
ユール熱分として充てるように計算する。以下第
3図に示す本発明の一実施例の構成回路におい
て、具体的にどのように回路条件を定めるか(す
なわちE0、t3、Q1、Q2等の定め方)について述
べる。第3図中の主電源26を第11図のような
簡単な回路に書き直して計算を実行する。第11
図において、260は第4図aに示すようなパル
ス電圧波形10を発生させる電源で、この出力回
路には前記の直流リアクトル38も考慮したとき
のインダクタンス分262(例えば350μH)、直
列抵抗分264(例えば5mΩ)が含まれてい
る。この場合アーク22の電流−電圧特性として
は第2表に示したものを用いた。 ワイヤ径1.2mmφで波高値E0=165Vとしたと
き、色々な時刻t1=(第2図のt1でパルス点弧時
刻を示す)の値に対して第11図に示した回路に
流れる電流波形についてのIp、Q1、Q2、τを計
算した結果が第12図である。この計算ではベー
ス電流の影響は小さいものとして無視した。Ip=
Ic(=370A)となるのはt1=5.75mSのときで、
このとき突出し長30mmの場合に直径1.2mmの溶滴
ができ、7.4Jouleのエネルギー(一般にこのエネ
ルギーをWと書く)がワイヤに注入されているこ
とになる。ここでは、パルス波形を考えているの
で臨界電流値としてもパルス波形に対するものを
採用した。 ワイヤへの入熱量Wのうち、アーク熱によるも
のW1はQ1に比例し(W1=KO1)、ワイヤの突出
し部分でのジユール熱によるものW2はQ2に比例
する。W2とQ2との関係は次のようになる。すな
わち溶滴と同じ体積のワイヤ素片を考え(長さ
Δl:ワイヤ径1.2mmφのときはΔ=0.08mm)、ワ
イヤの単位長さ当りの抵抗値R〔Ω/cm〕とQ2
〔A2・S〕とから、1パルス当りに発生するジユ
ール熱を求めると Q2・R・Δ〔Joule〕 となる。突出し長をl〔cm〕とすれば、ワイヤ素
片が突出し部分で得る熱量は、単位時間当りのパ
ルス個数をN〔個/S〕として W2=Q2×R×Δl×l/Δl・N×N =Q2・R・l〔Joule〕 となる。 第12図のt1=5.75mSのときのIp(=Ic)、Q1、
Q2の値と、そのときに7.4Joule分の熱量が1パル
ス当りに注入されていることから、W1、W2、K
を求めれば第3表aに示すようになる。
ると、ワイヤ20への1パルス期間当りの入熱量
は第10図中の曲線84(曲線84はQ1が最少
量の場合である)で示される値よりも大きくなる
が突出し長の増加の影響も加味して入熱量を同図
中の曲線86で示される値以下に設定すべきこと
はもちろんである。溶滴径aを小さくすることが
できればワイヤ20と母材18を短絡させること
なくアークの長さも短くすることができるという
ことからも、ワイヤ20への入熱量は必要以上に
大きくしたくない。これはQ1の値をできる限り
小さく(t3をできる限り大きく)設定することを
意味し、母材への入熱量がQ1にほぼ比例するこ
とを考え合わせれば、母材への入熱量を必要最小
限に抑えることができ、アンダーカツトを生じる
こともなく溶接速度を上げることができる効果も
ある。そこで、突出し長は5mmを最小とみて、5
mmのときにはワイヤ20への入熱量が必ず前記の
曲線84で示される値として主電源26からの電
流波形は固定し、残りの熱量(ワイヤ径1.2mmφ
の場合は15.1−7.4=7.7Joule)は突出し部分のジ
ユール熱分として充てるように計算する。以下第
3図に示す本発明の一実施例の構成回路におい
て、具体的にどのように回路条件を定めるか(す
なわちE0、t3、Q1、Q2等の定め方)について述
べる。第3図中の主電源26を第11図のような
簡単な回路に書き直して計算を実行する。第11
図において、260は第4図aに示すようなパル
ス電圧波形10を発生させる電源で、この出力回
路には前記の直流リアクトル38も考慮したとき
のインダクタンス分262(例えば350μH)、直
列抵抗分264(例えば5mΩ)が含まれてい
る。この場合アーク22の電流−電圧特性として
は第2表に示したものを用いた。 ワイヤ径1.2mmφで波高値E0=165Vとしたと
き、色々な時刻t1=(第2図のt1でパルス点弧時
刻を示す)の値に対して第11図に示した回路に
流れる電流波形についてのIp、Q1、Q2、τを計
算した結果が第12図である。この計算ではベー
ス電流の影響は小さいものとして無視した。Ip=
Ic(=370A)となるのはt1=5.75mSのときで、
このとき突出し長30mmの場合に直径1.2mmの溶滴
ができ、7.4Jouleのエネルギー(一般にこのエネ
ルギーをWと書く)がワイヤに注入されているこ
とになる。ここでは、パルス波形を考えているの
で臨界電流値としてもパルス波形に対するものを
採用した。 ワイヤへの入熱量Wのうち、アーク熱によるも
のW1はQ1に比例し(W1=KO1)、ワイヤの突出
し部分でのジユール熱によるものW2はQ2に比例
する。W2とQ2との関係は次のようになる。すな
わち溶滴と同じ体積のワイヤ素片を考え(長さ
Δl:ワイヤ径1.2mmφのときはΔ=0.08mm)、ワ
イヤの単位長さ当りの抵抗値R〔Ω/cm〕とQ2
〔A2・S〕とから、1パルス当りに発生するジユ
ール熱を求めると Q2・R・Δ〔Joule〕 となる。突出し長をl〔cm〕とすれば、ワイヤ素
片が突出し部分で得る熱量は、単位時間当りのパ
ルス個数をN〔個/S〕として W2=Q2×R×Δl×l/Δl・N×N =Q2・R・l〔Joule〕 となる。 第12図のt1=5.75mSのときのIp(=Ic)、Q1、
Q2の値と、そのときに7.4Joule分の熱量が1パル
ス当りに注入されていることから、W1、W2、K
を求めれば第3表aに示すようになる。
【表】
【表】
第3表aには、以上と全く同様の手法で求めた
ワイヤ径0.9mmφ、1.6mmφのときの値も示した。
このようにして求めたKが、ワイヤ径一定なら
E0に依らず一定になるものと仮定すれば、E0が
165V以外の場合についてもIp=Icにおける点での
入熱量Wが種々の突出し長に対して求められる。 突出し長が20mm、5mmのときのIcの実測値、お
よびIp=Icと設定した場合にやはり7.4Joule分の
熱量が1パルス当りに注入されるとしてW2、
W1、Kをそれぞれ突出し長に対して算出した結
果も第3表aに付記した。また第3表bはIcp、τ0
の測定値、およびIp=Icpのときにワイヤが最小溶
滴径の大きさとなつて移行するとした場合のW2、
W1、Kを、種々のワイヤ径、突出し長に対して
求めた結果である。 次に、1パルス当りにワイヤ電極に注入される
熱量Wを第1表で示した最適熱量範囲内に設定す
るように、パルス電流のピーク電流値、パルス幅
を定めると、ワイヤ送給速度ν〔cm/s〕言い換
えれば、ワイヤの単位時間当りの送給量は1パル
スで落ちる溶滴径d〔mmφ〕の体積と単位時間当
りのパルス個数N〔個/s〕の積に等しくなるよ
うにしなければならない。 この事を式で表わすと ν×(d/2)2×π×1/100=4/3×(
a/2)3×π×N×1/1000 単位時間当りのワイヤ 送給量 単位時間当りの溶融量 この式から、ワイヤ送給速度ν〔cm/s〕は ν=0.0667×a3/d2×N、N=(15・v・d2)/a3 となるように、送らなければ一定にアーク長を保
つて溶接は出来ない。 上式をもう少し、一般的にするため、上式のパ
ルス個数Nを左辺に移すと、ワイヤ送給速度とパ
ルス個数の関係は次式のようになる。 ν/N=0.667×a3/d2〔cm/個〕 この式のaとして第1表の最適溶滴径範囲の値
をとれば、第4表に示すような、ワイヤ径に対す
るν/Nの最適範囲が得られる。
ワイヤ径0.9mmφ、1.6mmφのときの値も示した。
このようにして求めたKが、ワイヤ径一定なら
E0に依らず一定になるものと仮定すれば、E0が
165V以外の場合についてもIp=Icにおける点での
入熱量Wが種々の突出し長に対して求められる。 突出し長が20mm、5mmのときのIcの実測値、お
よびIp=Icと設定した場合にやはり7.4Joule分の
熱量が1パルス当りに注入されるとしてW2、
W1、Kをそれぞれ突出し長に対して算出した結
果も第3表aに付記した。また第3表bはIcp、τ0
の測定値、およびIp=Icpのときにワイヤが最小溶
滴径の大きさとなつて移行するとした場合のW2、
W1、Kを、種々のワイヤ径、突出し長に対して
求めた結果である。 次に、1パルス当りにワイヤ電極に注入される
熱量Wを第1表で示した最適熱量範囲内に設定す
るように、パルス電流のピーク電流値、パルス幅
を定めると、ワイヤ送給速度ν〔cm/s〕言い換
えれば、ワイヤの単位時間当りの送給量は1パル
スで落ちる溶滴径d〔mmφ〕の体積と単位時間当
りのパルス個数N〔個/s〕の積に等しくなるよ
うにしなければならない。 この事を式で表わすと ν×(d/2)2×π×1/100=4/3×(
a/2)3×π×N×1/1000 単位時間当りのワイヤ 送給量 単位時間当りの溶融量 この式から、ワイヤ送給速度ν〔cm/s〕は ν=0.0667×a3/d2×N、N=(15・v・d2)/a3 となるように、送らなければ一定にアーク長を保
つて溶接は出来ない。 上式をもう少し、一般的にするため、上式のパ
ルス個数Nを左辺に移すと、ワイヤ送給速度とパ
ルス個数の関係は次式のようになる。 ν/N=0.667×a3/d2〔cm/個〕 この式のaとして第1表の最適溶滴径範囲の値
をとれば、第4表に示すような、ワイヤ径に対す
るν/Nの最適範囲が得られる。
【表】
第4表に示したようなν/Nの値に設定すれ
ば、1パルス当りのワイヤへの入熱量が最適熱量
範囲となり、適正な溶滴移行形態が得られるわけ
である。 さて、ベース電流は少なくともアークを安定に
維持させる必要があることから10A以上は必要で
ある。しかしあまり大きくしすぎると補助電源の
容量を大きくせねばならないうえ、パルス電流に
比べてベース電流によるワイヤへの入熱が顕著と
なり、必要な臨界電流値を確保し且つワイヤへの
入熱量を一定に抑えるためには、E0を大きくし
かもt1も大きくしてτを小さくせねばならず、ト
ランス30の使用効率が悪くなる。同時にベース
電流が大きくなれば、後述のようにワイヤ送給速
度に応じてパルスの単位時間当りの個数を変える
場合、ワイヤ送給速度と上記個数との比例関係が
崩れ、自動機への応用が困難となる。このような
配慮からベース電流の上限は50Aとする。 以上の如くして各種の回路条件を定め、適正な
溶滴移行状態を得て良好な溶接を行なうものであ
るが、さらに厚みの違つた母材18でも溶接でき
なければならない。すなわち、母材18が厚いと
きは平均アーク電流を大きくして、母材の溶融量
および溶込み深さを増し同時にワイヤ10の溶融
量を多くする(ワイヤ10の送給速度を上げる)
必要があり、母材18が薄いときは反対に平均ア
ーク電流を小さくして、母材の溶融量および溶込
み深さを少なくし同時にワイヤ10の溶融量を少
くする(ワイヤ10の送給速度を下げる)必要が
ある。 そこで、従来のパルスアーク溶接装置は母材1
8の厚さに応じて平均アーク電流を変える手段と
して、主にパルス電流のピーク値Ip又はベース電
流を変えている。このため、上述の最適な溶滴移
行状態を得るための回路条件が少なく、装置の使
い勝手、すなわち操作性が極めて悪いものであつ
た。 然るに本発明パルスアーク溶接装置は母材18
の厚さに応じて平均アーク電流を変える手段とし
て最適な溶滴移行状態となる最適熱量範囲、ピー
ク電流値Ipが得られるようにサイリスタの点弧時
刻t1を最適値に固定して、パルス周波数可変回路
40によつてサイリスタ32〜36のゲートを適
宜オン−オフ制御し、主電源26が供給する180
個/秒のパルスを間引きして、単位時間当りのパ
ルス発生個数をほぼ連続的に変化させるものであ
る。 第13図はその間引きの例を示すもので、同図
aは180個/秒のパルス(主電源26が例えば6
相半波、3相全波であればパルス発生個数は360
個/秒となり、基本電源周波数が50Hzの場合には
その整数倍となる)。同図b,c,dはパルス発
生個数がaの2/5、1/4、2/3となつた場合のパル
ス電流波形の模式図である。図中ベース電流は省
略している。 なお、各パルスを隣り同志重なり合わせて用い
た場合は、各パルス毎に溶滴移行を独立して考え
ることは難しくなるが溶接は可能である。また、
アーク長の変動等のアーク安定性を考慮すれば間
引きは第13図b,c,dのようにできるだけ等
間隔にすることが望ましく、パルス周波数可変回
路40にそのような間引きのできる機能を持たせ
ておくものである。 上記のように平均アーク電流を変える手段とし
て、単位時間当りのパルス発生個数を変えること
により、使用するアーク電流の全領域すなわち母
材の薄板から厚板までに最適な溶滴移行を行なえ
る、また、このようにすることによりワイヤ20
の送給速度と溶滴個数が比例しかつワイヤ20の
送給速度が単位時間当りのパルス発生個数に対応
するため、ワイヤ送給速度とパルス発生個数とを
ほぼ比例させることができる。この利点を利用し
て自動溶接機等に応用することができる。 上記のワイヤ送給速度とパルス個数とを対応さ
せる具体的手段として次のようなものが考えられ
る。 (1) 速度検出器によつて、ワイヤ送給速度を検出
し、速度に比例した信号、例えば電圧を発生す
る。 (2) 上記信号を読み取り、電子計算機等により必
要な演算を実行させて、パルス個数(例えば上
記信号に比例したパルス個数)を設定する。 (3) 上記の設定されたパルス個数をパルス周波数
可変回路40に指示する。 このような制御を応用すれば、主にアークの起
動時(ワイヤ20の送りはじめ)またはアークの
消滅時(ワイヤ20の送り終了)に生ずるアーク
の這い上りやワイヤ20の母材18への突込み現
象も防止できる。 以上の制御はシールドガス、ワイヤ材質、ワイ
ヤ径によらず適用できるものである。 なお、本発明装置の実施例を示す第3図は主電
源26が3相半波、補助電源28が3相全波であ
るが、それ以外の電源でも上記と同様の作用効果
を奏する。 第14図は主電源26、補助電源28ともに3
相全波の場合を示す。主電源26は単相でもよ
く、補助電源28は抵抗負荷以外の回路例えば漏
れ変圧器を利用したものでもよい。第14図のも
のは又周波数可変回路40のパルス周波数に応じ
て、ワイヤ送給装置70のモータ速度を変化させ
るものである。 第15図は本発明装置の他の実施例を示すもの
で、高周波電源56を補助電源28に含めて、カ
ツプリングコイル64の形状が小さくなるように
構成している。第15図の実施例においては第3
図中のバイパスコンデンサ72の役目はバイパス
コンデンサ66が兼ねている。 第16図はさらに他の実施例を示すもので、ト
ランス30の2次電圧はダイオード96〜106
で全波整流されて、トランジスタ1081〜10
8oのコレクタに印加される。パルス周波数可変
回路40がトリガパルスを発生すると、トランジ
スタ1081〜108oがオン状態となり、所要周
波数のパルス電流が直流リアクトル38側へ送り
流がされる。このようにトランジスタ1081〜
108oを用いると、パルスの単位時間当りの個
数を連続的に変化させることができる。すなわち
パルスとパルスとの間の休止時間(トランジスタ
がオフの期間)を連続的に変化させて、パルスの
単位時間当りの個数を連続的に変化させることが
できる。上記の並列接続したトランジスタ108
1〜108oの個数は、トランジスタの電流容量と
使用アーク電流値とにより適宜設定する。トラン
ジスタの並列運転は、各トランジスタに接続され
ているリード線の電圧降下を利用して安定に実施
できる。また図中、ダイオード109はトランジ
スタ1081〜108oに対するサージ電圧抑制の
ためのものであり、コンデンサ110は上記サー
ジ電圧抑制、および立上りの改善のために設ける
ものである。 以上の如く本願発明では、補助電源から供給
されたベース電流にパルス電流を重畳させ、かつ
主電源から供給されるパルス電流値をパルス電
流とベース電流の和の波高値Ipが、上記ワイヤ電
極20の直径d、ワイヤ電極の材質、及びシール
ドガスの種類に応じて定められる臨界電流値以上
となるよう定め、更にはパルス周波数可変回路
で、パルス電流の単位時間当りのパルス個数をN
とし、上記ワイヤ送給装置による上記ワイヤの供
給速度をvとし、この供給されるワイヤの径をd
とし、更に最適溶滴径をaとして、 N=(15・v・d2)/a3 を満足するように上記単位時間当りのパルス個数
を定め、平均アーク電流を変化させることによ
り、1パルス当りのワイヤへの入熱量を最適熱量
範囲とするようにしたので、スパツタの発生が防
止でき、また適正な溶滴移行ができるという効果
がある。
ば、1パルス当りのワイヤへの入熱量が最適熱量
範囲となり、適正な溶滴移行形態が得られるわけ
である。 さて、ベース電流は少なくともアークを安定に
維持させる必要があることから10A以上は必要で
ある。しかしあまり大きくしすぎると補助電源の
容量を大きくせねばならないうえ、パルス電流に
比べてベース電流によるワイヤへの入熱が顕著と
なり、必要な臨界電流値を確保し且つワイヤへの
入熱量を一定に抑えるためには、E0を大きくし
かもt1も大きくしてτを小さくせねばならず、ト
ランス30の使用効率が悪くなる。同時にベース
電流が大きくなれば、後述のようにワイヤ送給速
度に応じてパルスの単位時間当りの個数を変える
場合、ワイヤ送給速度と上記個数との比例関係が
崩れ、自動機への応用が困難となる。このような
配慮からベース電流の上限は50Aとする。 以上の如くして各種の回路条件を定め、適正な
溶滴移行状態を得て良好な溶接を行なうものであ
るが、さらに厚みの違つた母材18でも溶接でき
なければならない。すなわち、母材18が厚いと
きは平均アーク電流を大きくして、母材の溶融量
および溶込み深さを増し同時にワイヤ10の溶融
量を多くする(ワイヤ10の送給速度を上げる)
必要があり、母材18が薄いときは反対に平均ア
ーク電流を小さくして、母材の溶融量および溶込
み深さを少なくし同時にワイヤ10の溶融量を少
くする(ワイヤ10の送給速度を下げる)必要が
ある。 そこで、従来のパルスアーク溶接装置は母材1
8の厚さに応じて平均アーク電流を変える手段と
して、主にパルス電流のピーク値Ip又はベース電
流を変えている。このため、上述の最適な溶滴移
行状態を得るための回路条件が少なく、装置の使
い勝手、すなわち操作性が極めて悪いものであつ
た。 然るに本発明パルスアーク溶接装置は母材18
の厚さに応じて平均アーク電流を変える手段とし
て最適な溶滴移行状態となる最適熱量範囲、ピー
ク電流値Ipが得られるようにサイリスタの点弧時
刻t1を最適値に固定して、パルス周波数可変回路
40によつてサイリスタ32〜36のゲートを適
宜オン−オフ制御し、主電源26が供給する180
個/秒のパルスを間引きして、単位時間当りのパ
ルス発生個数をほぼ連続的に変化させるものであ
る。 第13図はその間引きの例を示すもので、同図
aは180個/秒のパルス(主電源26が例えば6
相半波、3相全波であればパルス発生個数は360
個/秒となり、基本電源周波数が50Hzの場合には
その整数倍となる)。同図b,c,dはパルス発
生個数がaの2/5、1/4、2/3となつた場合のパル
ス電流波形の模式図である。図中ベース電流は省
略している。 なお、各パルスを隣り同志重なり合わせて用い
た場合は、各パルス毎に溶滴移行を独立して考え
ることは難しくなるが溶接は可能である。また、
アーク長の変動等のアーク安定性を考慮すれば間
引きは第13図b,c,dのようにできるだけ等
間隔にすることが望ましく、パルス周波数可変回
路40にそのような間引きのできる機能を持たせ
ておくものである。 上記のように平均アーク電流を変える手段とし
て、単位時間当りのパルス発生個数を変えること
により、使用するアーク電流の全領域すなわち母
材の薄板から厚板までに最適な溶滴移行を行なえ
る、また、このようにすることによりワイヤ20
の送給速度と溶滴個数が比例しかつワイヤ20の
送給速度が単位時間当りのパルス発生個数に対応
するため、ワイヤ送給速度とパルス発生個数とを
ほぼ比例させることができる。この利点を利用し
て自動溶接機等に応用することができる。 上記のワイヤ送給速度とパルス個数とを対応さ
せる具体的手段として次のようなものが考えられ
る。 (1) 速度検出器によつて、ワイヤ送給速度を検出
し、速度に比例した信号、例えば電圧を発生す
る。 (2) 上記信号を読み取り、電子計算機等により必
要な演算を実行させて、パルス個数(例えば上
記信号に比例したパルス個数)を設定する。 (3) 上記の設定されたパルス個数をパルス周波数
可変回路40に指示する。 このような制御を応用すれば、主にアークの起
動時(ワイヤ20の送りはじめ)またはアークの
消滅時(ワイヤ20の送り終了)に生ずるアーク
の這い上りやワイヤ20の母材18への突込み現
象も防止できる。 以上の制御はシールドガス、ワイヤ材質、ワイ
ヤ径によらず適用できるものである。 なお、本発明装置の実施例を示す第3図は主電
源26が3相半波、補助電源28が3相全波であ
るが、それ以外の電源でも上記と同様の作用効果
を奏する。 第14図は主電源26、補助電源28ともに3
相全波の場合を示す。主電源26は単相でもよ
く、補助電源28は抵抗負荷以外の回路例えば漏
れ変圧器を利用したものでもよい。第14図のも
のは又周波数可変回路40のパルス周波数に応じ
て、ワイヤ送給装置70のモータ速度を変化させ
るものである。 第15図は本発明装置の他の実施例を示すもの
で、高周波電源56を補助電源28に含めて、カ
ツプリングコイル64の形状が小さくなるように
構成している。第15図の実施例においては第3
図中のバイパスコンデンサ72の役目はバイパス
コンデンサ66が兼ねている。 第16図はさらに他の実施例を示すもので、ト
ランス30の2次電圧はダイオード96〜106
で全波整流されて、トランジスタ1081〜10
8oのコレクタに印加される。パルス周波数可変
回路40がトリガパルスを発生すると、トランジ
スタ1081〜108oがオン状態となり、所要周
波数のパルス電流が直流リアクトル38側へ送り
流がされる。このようにトランジスタ1081〜
108oを用いると、パルスの単位時間当りの個
数を連続的に変化させることができる。すなわち
パルスとパルスとの間の休止時間(トランジスタ
がオフの期間)を連続的に変化させて、パルスの
単位時間当りの個数を連続的に変化させることが
できる。上記の並列接続したトランジスタ108
1〜108oの個数は、トランジスタの電流容量と
使用アーク電流値とにより適宜設定する。トラン
ジスタの並列運転は、各トランジスタに接続され
ているリード線の電圧降下を利用して安定に実施
できる。また図中、ダイオード109はトランジ
スタ1081〜108oに対するサージ電圧抑制の
ためのものであり、コンデンサ110は上記サー
ジ電圧抑制、および立上りの改善のために設ける
ものである。 以上の如く本願発明では、補助電源から供給
されたベース電流にパルス電流を重畳させ、かつ
主電源から供給されるパルス電流値をパルス電
流とベース電流の和の波高値Ipが、上記ワイヤ電
極20の直径d、ワイヤ電極の材質、及びシール
ドガスの種類に応じて定められる臨界電流値以上
となるよう定め、更にはパルス周波数可変回路
で、パルス電流の単位時間当りのパルス個数をN
とし、上記ワイヤ送給装置による上記ワイヤの供
給速度をvとし、この供給されるワイヤの径をd
とし、更に最適溶滴径をaとして、 N=(15・v・d2)/a3 を満足するように上記単位時間当りのパルス個数
を定め、平均アーク電流を変化させることによ
り、1パルス当りのワイヤへの入熱量を最適熱量
範囲とするようにしたので、スパツタの発生が防
止でき、また適正な溶滴移行ができるという効果
がある。
第1図は従来のパルスアーク溶接装置によるパ
ルス電流波形図、第2図は溶滴移行の有様を示す
模式図、第3図は本発明パルスアーク溶接装置の
1実施例を示す構成回路図、第4図はパルス電
圧、パルス電流の波形図、第5図はワイヤ材質が
軟鋼で、そのワイヤ径、シールドガスの種類を変
化させたときの直流電流に対する臨界電流Icpの
変化を示す図、第6図は高速度カメラで直流電流
およびパルス電流での溶滴移行現象を観測した結
果を示す模式図、第7図は直流電流、パルス電流
波形を示す図、第8図はワイヤ材質が軟鋼で、そ
のワイヤ径、シールドガスの種類を変化させたと
きのパルス電流における臨界電流値Icの変化を示
す図、第9図はワイヤ材質がアルミニウムで、そ
のワイヤ径を変化させたときの臨界電流値Icの変
化を示す図、第10図は種々のワイヤ径に対する
溶滴径およびその溶滴を作るために必要な熱量を
示す図、第11図は本発明装置に適用する主電源
の等価回路図、第12図はIp・Q1、Q2、τの計
算結果を示す図、第13図はパルス発生の間引き
の様子を示す図、第14図、第15図、第16図
は本発明パルスアーク溶接装置の他の実施例を示
す構成回路図である。 各図中同一符号は同一又は相当部分を示し、1
0はアーク電流、12はベース電流、18は母
材、20はワイヤ、22はアーク、24は溶接ト
ーチ、26は主電源、28は補助電源、40はパ
ルス周波数可変回路、56は高周波電源、70は
ワイヤ送給機構、74は磁性体である。
ルス電流波形図、第2図は溶滴移行の有様を示す
模式図、第3図は本発明パルスアーク溶接装置の
1実施例を示す構成回路図、第4図はパルス電
圧、パルス電流の波形図、第5図はワイヤ材質が
軟鋼で、そのワイヤ径、シールドガスの種類を変
化させたときの直流電流に対する臨界電流Icpの
変化を示す図、第6図は高速度カメラで直流電流
およびパルス電流での溶滴移行現象を観測した結
果を示す模式図、第7図は直流電流、パルス電流
波形を示す図、第8図はワイヤ材質が軟鋼で、そ
のワイヤ径、シールドガスの種類を変化させたと
きのパルス電流における臨界電流値Icの変化を示
す図、第9図はワイヤ材質がアルミニウムで、そ
のワイヤ径を変化させたときの臨界電流値Icの変
化を示す図、第10図は種々のワイヤ径に対する
溶滴径およびその溶滴を作るために必要な熱量を
示す図、第11図は本発明装置に適用する主電源
の等価回路図、第12図はIp・Q1、Q2、τの計
算結果を示す図、第13図はパルス発生の間引き
の様子を示す図、第14図、第15図、第16図
は本発明パルスアーク溶接装置の他の実施例を示
す構成回路図である。 各図中同一符号は同一又は相当部分を示し、1
0はアーク電流、12はベース電流、18は母
材、20はワイヤ、22はアーク、24は溶接ト
ーチ、26は主電源、28は補助電源、40はパ
ルス周波数可変回路、56は高周波電源、70は
ワイヤ送給機構、74は磁性体である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ワイヤ電極と、母材と間隔をおいて対向する
溶接トーチと、シールドガスを溶接箇所に供給す
るガス供給装置と、上記ワイヤ電極を上記溶接ト
ーチに送り込むワイヤ供給装置と、上記ワイヤ電
極と上記母材間にベース電流を供給する電源と、
上記ワイヤ電極と上記母材間に、上記ベース電流
に重畳してパルス電流を供給し、かつこのパルス
電流とベース電流の和の波高値が、上記ワイヤ電
極の直径、上記ワイヤ電極の材質、及びシールド
ガスの種類に応じて定められる臨界電流値以上と
なるよう上記パルス電流値を定めて供給する電源
と、上記パルス電流の単位時間当りのパルス個数
をNとし、上記ワイヤ供給装置による上記ワイヤ
の供給速度をvとし、この供給されるワイヤの径
をdとし、更に最適溶滴径をaとして、 N=(15・v・d2)/a3 を満足するように上記単位時間当りのパルス個数
を定め平均アーク電流を変化させるパルス周波数
可変回路とを備えたパルスアーク溶接装置。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4135480A JPS56139286A (en) | 1980-03-31 | 1980-03-31 | Pulse arc welding equipment |
DE19813112287 DE3112287A1 (de) | 1980-03-31 | 1981-03-27 | Impuls-lichtbogenschweissmaschine |
CA000374084A CA1169927A (en) | 1980-03-31 | 1981-03-27 | Pulse arc welding machine |
GB8109847A GB2075773B (en) | 1980-03-31 | 1981-03-30 | Pulse arc welding machine |
FR8106307A FR2481977B1 (fr) | 1980-03-31 | 1981-03-30 | Machine a souder a arc electrique alimente par un courant continu auquel est superpose un courant pulse de frequence variable |
US06/534,540 US4594498A (en) | 1980-03-31 | 1983-09-22 | Pulse arc welding machine |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4135480A JPS56139286A (en) | 1980-03-31 | 1980-03-31 | Pulse arc welding equipment |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS56139286A JPS56139286A (en) | 1981-10-30 |
JPH0144431B2 true JPH0144431B2 (ja) | 1989-09-27 |
Family
ID=12606160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4135480A Granted JPS56139286A (en) | 1980-03-31 | 1980-03-31 | Pulse arc welding equipment |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4594498A (ja) |
JP (1) | JPS56139286A (ja) |
CA (1) | CA1169927A (ja) |
DE (1) | DE3112287A1 (ja) |
FR (1) | FR2481977B1 (ja) |
GB (1) | GB2075773B (ja) |
Families Citing this family (21)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4994646A (en) * | 1988-05-19 | 1991-02-19 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Pulse arc discharge welding apparatus |
US5495091A (en) * | 1989-02-27 | 1996-02-27 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Pulse welding apparatus |
WO1990009858A1 (en) * | 1989-02-27 | 1990-09-07 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Pulse welding apparatus |
SE8900758A0 (sv) * | 1989-03-06 | 1990-09-07 | Esab Ab | Sätt vid pulsbågsvetsning |
WO1991016168A1 (en) * | 1990-04-17 | 1991-10-31 | Daihen Corporation | Mag arc-welding method and welding apparatus |
US5751568A (en) * | 1996-12-03 | 1998-05-12 | Sansha Electric Manufacturing Company, Limited | Power supply apparatus for arc-utilizing equipment |
GB2320143B (en) * | 1996-12-04 | 2000-07-19 | Sansha Electric Mfg Co Ltd | Power supply apparatus for arc-utilizing equipment |
JP3132409B2 (ja) * | 1997-03-19 | 2001-02-05 | 松下電器産業株式会社 | 消耗電極式パルスアーク溶接機の制御装置 |
TW445192B (en) | 1999-04-12 | 2001-07-11 | Tri Tool Inc | Control method and apparatus for an arc welding system |
US6204476B1 (en) * | 1999-05-12 | 2001-03-20 | Illinois Tool Works | Welding power supply for pulsed spray welding |
US7067766B2 (en) * | 2002-11-04 | 2006-06-27 | Gino Saccon | Solid state switch for arc welding |
SE525419C2 (sv) * | 2003-06-13 | 2005-02-15 | Abb Ab | Metod för avstämning av ett system för bågsvetsning samt bågsvetssystem, datorprogramprodukt och datorläsbart medium |
JP4498263B2 (ja) * | 2005-11-08 | 2010-07-07 | 株式会社神戸製鋼所 | パルスアーク溶接方法 |
US8513568B2 (en) * | 2009-06-19 | 2013-08-20 | Panasonic Corporation | Consumable electrode arc welding method and consumable electrode arc welding device |
US9833854B2 (en) * | 2010-05-18 | 2017-12-05 | Mitsubishi Electric Corporation | Workpiece retainer, wire electric discharge machining device, thin-plate manufacturing method, and semiconductor-wafer manufacturing method |
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