JPH0144411Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はラベル貼着装置に関し、特にシリンダ
ー装置などの押付機構で二個のヘツド部を摺動さ
せるタイプのラベル貼着装置に関するものであ
る。

（従来技術） 従来、各種工場において巻取機、びん類、缶類
などの製品に、或いは製品を収納したダンボール
容器、木箱、プラスチツク容器などに内容表示や
識別のためにラベルが、また封緘を目的としてシ
ールなど（以下総称して「ラベル」と称す。）が
ラベル貼着装置で貼着される。

かかるラベル貼着装置としては種々のタイプの
ものがあるが、主にエアータイプ、ローラータイ
プ、シリンダータイプが使用されている。シリン
ダータイプのものは、他のタイプのものに比べて
貼付能力は劣つているものの、一辺が100mmを越
えるような大きなサイズのラベルでも正確に貼着
できるという利点を有している。ところが、かか
るシリンダータイプの貼着装置で使用されている
ヘツド部は、鉄、真鍮などの剛性を有する材質だ
けで製作されて、前面部はラベルを保持する構成
になつているため、被貼着物の形態が変更する毎
に、それに対応する前面部の形状を備えたヘツド
部に交換する必要がある。従つてヘツド部の取揃
えが必要であるだけでなく、作業員にはかかる取
り替え作業は非常な手間と労力を強いることにな
る。さらに、被貼着面が瓶体その他の複雑な形状
である場合には、作業員はその前面部被貼着面に
合致するように調整を行うのに神業的な技術を要
求される。また、調整がうまくいつた場合でも、
処理中には被貼着物のなかに形状の精度の悪いも
のが頻繁に混入するため、被貼着面と前面部とが
完全な面接触の状態にならず。ラベルが部分貼着
状態となり剥がれ易く、不良品が多く発生してし
まう。また、特開昭59−1337号に開示されている
ラベル貼着装置は、第４図に示すようにラベルを
貼着するためのヘツド部が１個のシングルヘツド
装置であり、それゆえ被貼着物が例えば巻取であ
る場合には、その鏡面部と胴面部の２個所にラベ
ルを貼着することは全く不可能である。しかし、
あえて実施しようとする場合には、２台の装置が
必要となり、しかも貼着面の角度ないし位置が変
われば固定したヘツド部では対応できないという
難点がある。さらに、これに対応し得る装置にす
るためには、多くの装置を設置する必要があり、
現実的には不可能なことになる。

（目的） 本考案は被貼着物の形状が異なる角度をなす二
面に対応してヘツド部を交換する必要がなく、し
かも被貼着物の形状精度が悪い場合でも二枚のラ
ベルをその二個所に且つ均一に貼着することので
きるラベル貼着装置を提供するものである。

（構成） 本考案は、吸引孔１でラベル２を吸引し、被貼
着物３の異なる角度をなす二面にラベルを貼着す
る構造のヘツド部４を有する自動ラベル貼着装置
において、吸引口とつながるフレキシブルチユー
ブ５を内蔵した海綿体６でヘツド部を二個有し、
該ヘツド部は被貼着物に貼着するための押付機構
１２及び１３に各々固定され、片方のヘツド部が
取り付けられている押付機構は回転機構１５によ
つてヘツド部を貼着位置まで回転させるためのブ
ラケツト１４に固定されていることを特徴とする
ラベル貼着装置である。

（実施例） 第１図は、本考案の主要部をなすヘツド部４を
備えた貼着装置を使用し、製紙工場で包装が完了
した巻取３の鏡面部７と外面部８の二ケ所にラベ
ル２及び９を貼着する場合の一実施例を示す。

第１図に示すように、ヘツド部４は剛性を有す
る基部１０と、基部上に接着された変形及び復元
が自在な海綿体６と、ラベルを海綿体の前面１１
に吸着或いは離脱するための吸引孔１から構成さ
れる。海綿体６はその変形によつて平面、曲面、
或いは凹凸状などの被貼着面に均一にラベルを押
し付けることができ、被貼着物３からヘツド部４
を退避させた際には元の形状に復元する機能を有
するものから、適宜選択される。例えば、スポン
ジ、ホームドプラスチツク、ホームラバーなどが
好ましい材料として使用できるが、、本実施例で
はネオプレン・スポンジを使用した。

吸引孔１はラベルの大きさにより、少なくとも
一個がヘツド部前面１１に設けられ、本実施例に
おいてネオプレンゴム製のフレキシブルチユーブ
５を介して図示されない減圧発生装置に連結され
ている。従つて、被貼着物３にラベルを押し付け
る際に海綿体６がいかなる形状に変形しても、フ
レキシブルチユーブ５がその変形に応じて自身も
変形するため、吸引孔１は常にラベルに対して吸
引力を作用させることができる。本実施例におけ
るヘツド部前面１１は、吸引力を増すためにネオ
プレンゴム製のシートが海綿体６の前面に接着さ
れているが、かかるシートは必ずしも必要ではな
い。包装工程が完了した巻取３は、ベルトコンベ
アーなどの搬送装置により床面上に鏡面部７を上
側に向けて置かれている。この巻取の平面状の鏡
面部７と曲面状の外面部８にラベル２及び９を貼
着するために、ヘツド部４は鏡面部用押し出しシ
リンダー１２と外面部用押し出しシリンダー１３
の両ロツド先端部に設けられる。

本考案の装置は、図示されない移動装置により
第１図に示すような貼着位置とラベル発行装置の
間を移動可能に構成されており、ラベル発行装置
から発行された２枚のラベルを各々のヘツド部前
面に吸引した状態で移動して、第１図で示すよう
な貼着位置に停止する。

次に、鏡面部用ラベル９は、そのまま鏡面部用
押し出しシリンダー１２のロツド部を伸ばすこと
により鏡面部７に貼着される。一方外面部用ラベ
ル２については、まず外面部用押し出しシリンダ
ー１３が固定されたブラケツト部１４を、回転用
シリンダー１５のロツド部を伸ばすことにより、
図中回転軸１６を中心にして90゜逆時計回りに回
転させて二点鎖線で示す状態にし、次に外面部用
押し出しシリンダーのロツド部を伸ばして外面部
８にラベルが貼着される。

かくして両押し出しシリンダーのロツド部の作
動によつて、巻取の外面部と鏡面部に各々ラベル
が貼着されるものである。続いて、上記工程を逆
に辿ることにより本考案の装置は再びラベル発行
装置に移動され、次のラベル貼着工程に進むもの
である。

なお、本考案の装置に適用可能な押付機構とし
ては、本実施例の如きシリンダー装置に限定され
るものではなく、ヘツド部を摺動させることがで
きる装置ならば例えばロツド部とカムの組み合わ
せやネジを切つたロツド部とウオームの組み合わ
せなど各種の装置を適宜採用できる。

（効果） 本考案の海綿体からなる二個のヘツド部を備え
たラベル貼着装置を使用すれば、ヘツド部の取り
付けが極めて容易であり、被貼着物の形状変更に
影響を受けることなく同一ヘツドで平面、曲面、
複雑な凹凸状を有する被着面、さらにはヘツド部
前面と平行でない被着面にも、均一にラベルを貼
着することができるものである。また、例えば鏡
面部と外面部とのなす角度がいかなる形状の巻取
の場合にも、転機構である回転用シリンダーのロ
ツド伸長量を調節することによつて、２個所にラ
ベルをほぼ同時に貼着することができる。さら
に、貼着に必要な装置は一台であり、従つて装置
を据え付けるためのスペースが最小で済み、ま
た、一枚当たりのラベルを貼着するのに要する時
間が最短時間で済み、優れたラベル貼着効率を達
成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のラベル貼着装置を製紙工場
の包装後の巻取に適用する場合の一実施例を示
す。 １：吸引孔、２：（外面部用）ラベル、３：被
貼着物（巻取）、４：ヘツド部、５：フレキシブ
ルチユーブ、６：海綿体、７：（平面状）鏡面部、
８：（曲面状）外面部、９：（鏡面部用）ラベル、
１０：基部、１１：ヘツド部前面、１２：（鏡面
部用）押し出しシリンダー、１３：（外面部用）
押し出しシリンダー、１４：ブラケツト部、１
５：回転用シリンダー、１６：回転軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸引孔１でラベル２を吸引し、被貼着物３の異
   なる角度をなす二面にラベルを貼着する構造のヘ
   ツド部４を有する自動ラベル貼着装置において、
   吸引孔とつながるフレキシブルチユーブ５を内蔵
   した海綿体６で構成されているヘツド部を二個有
   し、該ヘツド部は被貼着物に貼着するための押付
   機構１２及び１３に各々固定され、片方のヘツド
   部が取り付けられている押付機構は回転機構１５
   によつてヘツド部を貼着位置まで回転させるため
   のブラケツト１４に固定されていることを特徴と
   するラベル貼着装置。