JPH0143923B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電線、ケーブル（含架空地線）内に
封入されるアルミシース光フアイバーケーブルの
製造方法に関する。

従来、発送電系統の情報伝達は別個に布設した
通信ケーブルに頼つて来たが、近年電波障害を受
けず、多重回線がとれる光フアイバーケーブル
（以下、光ケーブルと称す）が開発され、実用化
されるようになつた。この光ケーブルによると、
別個にケーブルを布設する必要がなく、電線、ケ
ーブル内に封入して光フアイバー複合電線とする
ことが可能である。

これに使用する光ケーブルとしては、光フアイ
バー（例、ガラスフアイバー）が強度的に弱いの
で、第１図に例を示すように光フアイバーをアル
ミシースで保護したアルミシース光フアイバーケ
ーブルが用いられる。

第１図において、１は光フアイバー線で、２は
アルミシースである。イ図は単芯の場合を示し、
ロ図では２本の光フアイバー線１に２本のテンシ
ヨンメンバー１８が縦添え又は撚合わされ、その
周りをアルミシース２で被覆している。ハ図では
溝付き線条体１９の４本の溝に光フアイバー線１
が収納され、その周りをアルミシース２で被覆し
ている。

本説明において、光フアイバー線とは、１本も
しくは複数本の光通信用フアイバーより成る線
芯、又はこれらに合成樹脂等を被覆した線を意味
する。

従来光フアイバー線を保護するアルミシースは
アルミパイプを用いているので、強度が弱く、ケ
ーブルの曲げ、架線張力、温度変化による伸縮等
の外力を受けるとアルミシースが座屈したり、変
形する欠点があつた。

本発明は、上述の欠点を解消するため成された
もので、外径を増加させずにアルミシースの断面
積を大きくし得、かつ溶接部がなく、強度が強い
アルミシース光ケーブル、およびそれを連続的に
かつ無限長の長さで製造し得る適切な方法を提供
せんとするものである。

本発明の第１の発明は、アルミニウム又はアル
ミ合金線に、長さ方向に貫通する複数の孔を設
け、該孔内に光フアイバー線を収納して成ること
を特徴とするアルミシース光フアイバーケーブル
である。

本発明の第２の発明は、アルミニウム又はアル
ミ合金材の供給管路後端付近にパイプ押出ダイス
と芯材挿入孔とを設けた摩擦駆動型押出装置を使
用し、上記押出ダイス内に上記各芯材挿入孔に連
結された複数の中空マンドレルを設け、複数本の
光フアイバー線をそれぞれ上記芯材挿入孔および
上記中空マンドレルを通して挿入し、上記押出ダ
イスより上記複数本の光フアイバー線の周りにア
ルミニウム又はアルミ合金を押出し、両者を同時
に引き取ることを特徴とするアルミシース光フア
イバーケーブルの製造法である。

以下、本発明を図面を用いて実施例により説明
する。

第２図は本発明光ケーブルの実施例を示す横断
面図である。図において、３はシースとなるアル
ミニウム又はアルミ合金線（アルミシース）で、
長さ方向に貫通する複数（図では４本）の孔４が
設けられ、各孔４内に光フアイバー線１が収納さ
れて、アルミシース光ケーブル５が構成されてい
る。

ここでアルミニウム又はアルミ合金（以下、
Alと称す）線３は、純アルミニウム、又は他の
強化元素もしくは熱処理硬化元素を添加した、例
えばAl−Mg系、Al−Mg−Si系、Al−Cu系、Al
−Mn系等のアルミ合金より成るものである。

第２図に示すようなアルミシースでは、従来の
ようなアルミパイプではなく、中実型のAl線で
あるので、従来と外径が同じでも断面積を大きく
することができ、強度が強くなる。特にアルミ合
金を用いた場合にはさらにアルミシースの強度を
向上することができる。又パイプでないので座屈
や変形を生じない効果がある。

次に、本発明のアルミシース光ケーブルを製造
するには、摩擦駆動型押出装置を使用する。

この摩擦駆動型押出装置とは、金属の供給管路
の側壁の駆動による摩擦により、金属が送られ、
押出圧力を得るように構成された押出装置で、具
体的には第３図に例を示すようなコンフオーム装
置（特開昭47−31859号参照）、又は金属の供給管
路が対向する駆動キヤタビラと両側面の固定壁に
より構成され、駆動キヤタピラによつて押出力を
得るライネツクス装置（Wire Journal、1976−
４月号、P.64参照）を使用する。

以下、本発明方法をコンフオーム装置を使用し
た場合について説明するが、本発明はこれに限ら
れるものではなく、ライネツクス装置を使用した
場合も同様である。

第３図は本発明方法の実施例を説明するための
縦断面図である。図において、駆動ホイール６の
溝面７と固定シユーブロツク８の内壁面９とで供
給管路１０が形成され、この後端１１付近には、
管路１０と、例えば直角方向に連通して押出室１
２が設けられ、パイプ押出ダイス１３が設けられ
ている。固定シユーブロツク８を貫通して光フア
イバー線１を挿入する芯材挿入孔１４が設けら
れ、第４図に押出し部の拡大図を示すように、そ
の先端部に複数の中空マンドレル１５，１５が接
続され、押出ダイス１３の出口のアルミシース３
内に光フアイバー線１を導びくようになつてい
る。なお芯材挿入孔１４は、線１に相当する本数
でも、又まとめて１本としても良い。

このようなコンフオーム装置の管路１０の前端
１６よりシース材料としてのAl１７を供給する
と、駆動ホイール６の回転に伴ない、溝面７と
Al１７との接触摩擦抵抗により、Al１７は管路
１０の後端１１に向つて送り込まれて、圧力をか
けられ、押出室１２のパイプ押出ダイス１３より
アルミシース３が押出される。

同時に複数本の光フアイバー線１を各芯材挿入
孔１４、中空マンドレル１５を通じて挿入する
と、押出ダイス１３より複数本の光フアイバー線
１の周りにアルミシース３が被覆された状態で出
てくるので、アルミシース３と光フアイバー線１
を同時に引き取ることにより、第２図に示すよう
なアルミシース光ケーブル５が無限長で得られ
る。この場合、中空マンドレル１５はアルミシー
ス３の孔４の内径を規制すると共に、光フアイバ
ー線１とAl１７の直接接触を防ぎ、光フアイバ
ー線１に外力が加わらないので、光フアイバーを
全く損傷せずにアルミシース３を被覆することが
できる。

次に、本発明において、シース材料として熱処
理型アルミ合金、例えばイ号アルミ合金、
60636061等のAl−Mg−Si合金等を用いた場合に
は、押出し前、押出工程中又は押出し後、熱処理
を施すことが望ましい。

一つの方法は、摩擦駆動型押出装置供給前に予
め別工程で溶体化温度以上に加熱し、冷却又は急
冷することによつて溶体化処理を施し、押出し後
巻取つた後、別工程で時効処理を施すものであ
る。

他の方法は、Al１７を押出し前に溶体化温度
以上に加熱し、押出後押出ダイス１３の出口付近
で水冷することによつて溶体化処理を施し、巻取
つた後、別工程で時効処理を施すものである。

いずれの方法も、押出し又は付随工程中、簡単
な操作で熱処理し得、強度がより一層向上され
る。

なお、本発明方法において押出す方向は、図で
は駆動ホイール６の切線方向としたが、他の方
向、例えばこの切線方向に垂直な方向（駆動ホイ
ール６の軸線方向に平行な方向）に押出しても良
い。

以上述べたように、本発明のアルミシース光ケ
ーブルは、アルミニウム又はアルミ合金（Al）
線に、長さ方向に貫通する複数の孔を設け、該孔
内に光フアイバー線を収納して成るため、アルミ
シースはパイプでなく、中実線に孔を開けたもの
であるから、従来のパイプの場合の外径を増加さ
せずに断面積を増加させることができるので、従
来と外径を同じにしてもアルミシースの強度が強
く、外力に対して強く、座屈、変形等を生じない
効果がある。

又本発明の製造方法は、前述のような摩擦駆動
型押出装置を使用し、上記押出ダイス内に上記芯
材挿入孔に連結された複数の中空マンドレルを設
け、上記押出ダイスより上記複数本の光フアイバ
ー線の周りにアルミニウム又はアルミ合金を押出
す連続押出しによりアルミシース光フアイバーを
製造するため、連続的にかつ無限長の長さのもの
が得られ、又アルミシースに溶接部がないので、
外力に対して強いアルミシース光ケーブルを容易
に製造し得る利点がある。

又本発明製造方法は、シース材料として熱処理
型アルミ合金を使用することもでき、この場合、
溶体化処理および時効処理を、押出し前又は押出
し工程中および押出し後簡単な操作で行なうこと
ができるので、より一層外力に対して強いアルミ
シース光ケーブルを製造し得る利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロ，ハはそれぞれ従来のアルミシー
ス光フアイバーケーブルの例を示す横断面図であ
る。第２図は本発明光ケーブルの実施例を示す横
断面図である。第３図は本発明方法の実施例を説
明する縦断面図で、第４図は第３図に示す押出し
部の拡大図である。 １…光フアイバー線、２…アルミシース、３…
アルミニウム又はアルミ合金線（アルミシース）、
４…孔、５…アルミシース光フアイバーケーブ
ル、６…駆動ホイール、７…溝面、８…固定シユ
ーブロツク、９…内壁面、１０…供給管路、１１
…後端、１２…押出室、１３…パイプ押出ダイ
ス、１４…芯材挿入孔、１５…中空マンドレル、
１６…前端、１７…アルミニウム又はアルミ合金
（Al）、１８…テンシヨンメンバー、１９…溝付
き線状体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ アルミニウム又はアルミ合金線に、長さ方向
   に貫通する複数の孔を設け、該孔内に光フアイバ
   ー線を収納して成ることを特徴とするアルミシー
   ス光フアイバーケーブル。 ２ アルミニウム又はアルミ合金材の供給管路後
   端付近にパイプ押出ダイスと芯材挿入孔とを設け
   た摩擦駆動型押出装置を使用し、上記押出ダイス
   内に上記芯材挿入孔に連結された複数の中空マン
   ドレルを設け、複数本の光フアイバー線をそれぞ
   れ上記芯材挿入孔および上記中空マンドレルを通
   して挿入し、上記押出ダイスより上記複数本の光
   フアイバー線の周りにアルミニウム又はアルミ合
   金を押出し、両者を同時に引き取ることを特徴と
   するアルミシース光フアイバーケーブルの製造
   法。 ３ アルミ合金材が、熱処理型アルミ合金より成
   り、その溶体化処理が摩擦駆動型押出装置供給前
   に行なわれ、その時効処理が押出し後別工程で行
   なわれる特許請求の範囲第２項記載のアルミシー
   ス光フアイバーケーブルの製造法。 ４ アルミ合金材が、熱処理型アルミ合金より成
   り、押出し前に溶体化温度以上に加熱され、かつ
   押出し後押出ダイス出口付近で水冷されることに
   より溶体化処理を施され、その後、別工程で時効
   処理を施される特許請求の範囲第２項記載のアル
   ミシース光フアイバーケーブルの製造法。