JPH0142920Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は電気回路に過大な負荷電流が流れたと
きに、負荷への電流供給を遮断できるようにした
過電流保護器に関するものである。

［背景技術］ 従来、電源と負荷との間に介装されて過大な負
荷電流が流れたときには電源から負荷への電流供
給を遮断するようにした回路遮断器として、リン
クや可動枠などを有する複雑な構造のものが提案
されている。しかしながら、かかる従来例にあつ
ては構造が複雑で装置が大型化すると共に重量も
大きくなり、部品点数も多くなつてコストも高く
なるという問題があつた。

［考案の目的］ 本考案は上述のような点に鑑みて為されたもの
であり、部品点数が少なくて組立が容易であり、
小型軽量で安価に形成できる過電流保護器を提供
することを目的とするものである。

［考案の開示］ 第１図は本考案の一実施例に係る過電流保護器
の断面構造を示している。１はハウジングであ
り、合成樹脂成型品のような絶縁物により形成さ
れている。外部接続端子２と３の一端はハウジン
グ１の外方に突出している。一方の外部接続端子
２の内方端には、バイメタル４の一端が接続され
ている。また他方の外部接続端子３の内方端に
は、固定接点５が装着されている。円筒状の成型
品よりなる回転体６は回転軸７にて軸支されてい
る。回転体６の外周面には、バイメタル４の自由
端側に形成せる切欠部８とラツチ係合される金属
板よりなる係合片９が突設されている。また回転
体６に一端を固定された可動接触子１０の自由端
側には、固定接点５と接触する可動接点１１が装
着されている。この可動接触子１０には可撓性を
有する編線１２の一端が接続されており、また編
線１２の他端はバイメタル４の自由端側に接続さ
れている。また、可動接触子１０は第１図に示す
ように、回転体６の略中心に向かう形で回転体１
０に固定されている。回転体６は開離ばね１３に
よつて第１図の矢印Ｐに示す方向に付勢されてい
る。開離ばね１３の一端は回転体６から突設され
た突起１４に当接され、他端はハウジング１の内
壁面に当接されている。ハウジング１の内部に
は、バイメタル４の長手方向に沿つて、リセツト
レバー１５が配設されている。リセツトレバー１
５は第１図の矢印Ｑに示す方向に摺動自在になつ
ている。リセツトレバー１５の一端はハウジング
１の外方に突出している。またリセツトレバー１
５の他端にはリセツトばね１６が配設されてお
り、このリセツトばね１６はリセツトレバー１５
をハウジング１の外方に追い出す方向に付勢して
いる。しかしてこのリセツトレバー１５の略中央
部には、第２図に示すように、回転体６の係合片
９を遊嵌する透孔１７が形成されている。なおハ
ウジング１にはリセツトレバー１５の表面に当接
する突起１８が多数形成されている。

次に本実施例の動作を説明する。通常時は、第
１図に示すように係合片９とバイメタル４の切欠
部８とが係合された状態となつており、固定接点
５と可動接触子１０の可動接点１１とが接触して
いる。この状態において過大な電流が流れてバイ
メタル４が第３図に示すようにたわむと、係合片
９とバイメタル４の切欠部８との係合が外れて、
回転体６は開離ばね１３によつて回転する。これ
によつて可動接触子１０が回転し、可動接点１１
と固定接点５とは開離する。またリセツトレバー
１５はリセツトばね１６の付勢力によつてハウジ
ング１の外方に向つてスライドする。可動接点１
１と固定接点５とを元の接触状態に戻す際には、
バイメタル４が冷却されて元の位置に復帰した時
点において、リセツトレバー１５をハウジング１
の内方に向かつて付勢するものである。このよう
にすれば回転体６の係合片９とバイメタル４の切
欠部８との係合が回復されて、可動接点１１と固
定接点５とが接触した状態に保持されることにな
る。

ここで、リセツトレバー１５を押してリセツト
させた場合、回転体６が回転して可動接触子１０
を回転させるが、可動接触子１０はその基部が回
転体６の略中心に向かう形で固定されているため
に、可動接点１１と固定接点５との接触位置は横
方向にずれることはなく、そのため、接点位置が
安定して、確実な開閉を行うことができるもので
ある。

［考案の効果］ 本考案は上述のように、中央部が回転軸により
回動自在に軸支された回転体と、基部が回転体の
略中心に向かう方向に該回転体に固定された可動
接触子と、可動接触子の自由端に装着された可動
接点と、可動接触子の回動により可動接点と接触
開離する固定接点と、可動接点と固定接点とが開
離する方向に回転体を付勢する開離ばねと、一端
を固定され他端を自由端としたバイメタルと、バ
イメタルの固定端に接続される第１の外部接続端
子と、固定接点に接続される第２の外部接続端子
と、バイメタルの自由端側に一端を接続され、他
端を可動接触子に接続された可橈性を有する導電
部材と、可動接触子と連動して回動し、常時はバ
イメタルの自由端側に設けた切欠部に係合して可
動接触子を可動接点と固定接点とが接触する位置
に保持し、過電流通電時にはバイメタルの切欠部
に係合せず可動接触子の前記保持を解除する回転
体に設けられた係合片と、この係合片に遊嵌され
る透孔を有し、一端をハウジングの外方に突出さ
れ、バイメタルの切欠部と係合片とが係合する方
向に係合片を駆動可能としたリセツトレバーとを
有するものであるから、従来のリンクや可動枠の
ような複雑な部材を多数有する回路遮断器に比べ
ると、簡単に組み立てることができて、極めて小
型軽量かつ安価に製造することができ、また、過
電流遮断後においてもリセツトレバーによつて容
易に通電状態に復帰させることができるという効
果を奏し、しかも、通電状態に復帰させる場合に
は、リセツトレバーによりリセツトさせた場合、
回転体が回転して可動接触子を回転させるが、可
動接触子はその基部が回転体の略中心に向かう形
で固定されているために、可動接点と固定接点と
の接触位置は横方向にずれることはなく、そのた
め、接点位置が安定して、確実な開閉を行うこと
ができるという効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
同上の要部斜視図、第３図は同上の電流遮断時の
状態を示す断面図である。 １はハウジング、２，３は外部接続端子、４は
バイメタル、５は固定接点、６は回転体、７は回
転軸、８は切欠部、９は係合片、１０は可動接触
子、１１は可動接点、１２は編線、１３は開離ば
ね、１５はリセツトレバー、１７は透孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部が回転軸により回動自在に軸支された回
   転体と、基部が回転体の略中心に向かう方向に該
   回転体に固定された可動接触子と、可動接触子の
   自由端に装着された可動接点と、可動接触子の回
   動により可動接点と接触開離する固定接点と、可
   動接点と固定接点とが開離する方向に回転体を付
   勢する開離ばねと、一端を固定され他端を自由端
   としたバイメタルと、バイメタルの固定端に接続
   される第１の外部接続端子と、固定接点に接続さ
   れる第２の外部接続端子と、バイメタルの自由端
   側に一端を接続され、他端を可動接触子に接続さ
   れた可橈性を有する導電部材と、可動接触子と連
   動して回動し、常時はバイメタルの自由端側に設
   けた切欠部に係合して可動接触子を可動接点と固
   定接点とが接触する位置に保持し、過電流通電時
   にはバイメタルの切欠部に係合せず可動接触子の
   前記保持を解除する回転体に設けられた係合片
   と、この係合片に遊嵌される透孔を有し、一端を
   ハウジングの外方に突出され、バイメタルの切欠
   部と係合片とが係合する方向に係合片を駆動可能
   としたリセツトレバーとを有して成る過電流保護
   器。