JPH0141757B2

JPH0141757B2 -

Info

Publication number: JPH0141757B2
Application number: JP27785385A
Authority: JP
Inventors: Takeshi Fukuda
Original assignee: Permachem Asia Ltd
Current assignee: Permachem Asia Ltd
Priority date: 1985-12-12
Filing date: 1985-12-12
Publication date: 1989-09-07
Also published as: JPS62141187A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は製紙工程洗浄剤、特に紙パルプ製造工
程に付着するスケールの洗浄剤に関する。紙パルプ製造工程は各種原料のタンク、パイプ
ライン、ワイヤーパート、プレスパート、ドライ
ヤーパート、カレンダーパート、リールパート、
ワインダパート等から成つている。これら装置の
汚れの原因としては下記のものがあげられる。バ
ージンパルプからのピツチ、微細パルプ繊維、故
紙からの印刷インキ、タール、ピツチ等のほか、
充填料としてのクレー、珪藻土、タルク、炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化
亜鉛等、サイズ剤としてのロジンサイズ、硫酸バ
ンド、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、アル
ケニル無水コハク酸系サイズ剤、サイズ定着剤、
紙力増強剤としてのポリアクリル樹脂、尿素ホル
ムアルデヒト樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド
樹脂、エポキシ樹脂等、用水からのアルミニウ
ム、鉄、カルシウム、マグネシウム等の金属塩更
にバクテリア、カビ等の繁値によるスライム等。ワイヤーパート、プレスパート等の化学的洗浄
法としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面
活性剤等の界面性剤による洗浄、塩酸、硫酸、ス
ルフアミン酸等の酸による洗浄、ソーダ灰、苛性
ソーダ等のアルカリによる洗浄、灯油、軽油、キ
シレン、塩素系溶媒等の有機溶媒による洗浄が知
られている。しかし界面活性剤による洗浄は、使
用中に発泡が起こりやすく、金属塩に対してはほ
とんど効果がない。塩酸、硫酸等の鉱酸による洗
浄は金属腐食性が大きく、実際上使用できないの
が現状である。またタール、ガム、ピツチ及び遊
離サイズからくる汚れに対しては洗浄効果が不充
分である。アルカリ洗浄はタール、ガム、金属塩
等に対しては効果が不充分であり、有機溶媒によ
る洗浄は火気及び有毒ガスに充分注意する必要が
あり、金属塩に対しては効果が不充分である。実
際にはスライム等の汚れに対してはアルカリ洗浄
を行つている例が大半であり、スケールに対して
は道具を用いて手作業で除去しているのが現状で
ある。本発明者は、コーテイングカラー用フイルター
のスケールその他の汚れに対し、アルカリ洗浄及
び溶媒洗浄を試みたが充分な効果が得られなかつ
た。そこでスケールを顕微鏡観察したところ、ポ
リマー状物質がからみつき、そこに褐色の有機物
が付着していることを知つた。また、このスケー
ルを灰化したのち金属を分析したところ、Al1.73
％、Ca22.3％、Cu0.2％、Fe0.5％、Mg9.6％、
Na6.3％、Pb4.2％、Si7.3％、Ba17.6％及び
Sr14.7％の組成を得た。そしてこのスケールに対
してさらに洗浄試験を行つたところ、りんご酸、
くえん酸、酒石酸及び乳酸が優れた洗浄効果を示
すことを見出した。本発明は、この知見に基づくもので、りんご
酸、くえん酸、酒石酸及び乳酸の群から選ばれる
１種又は数種の有機酸を有効成分として含有する
製紙工程用洗浄剤である。さらに、この有機酸と非イオン界面活性剤を併
用すると、洗浄速度が促進され、洗浄時間を短縮
することができる。非イオン界面活性剤としては、例えばポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルフエニルエーテル、ソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪
酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン・ポリオ
キシプロピレン・ブロツク重合型界面活性剤等が
用いられる。非イオン界面活性剤を併用する場合は、これと
有機酸の割合は重量で0.5：99.5ないし30：70と
することが必要で、好ましくは２：98ないし25：
75の範囲である。非イオン界面活性剤の割合がこ
れより少ないと洗浄速度の促進効果が充分でな
く、またこれにより多くしても格別の効果はみら
れない。本発明の洗浄剤は、有効成分をそのまま洗浄用
水に添加してもよいが、溶媒に溶解して液剤の形
に製剤化しておくことが好ましい。溶媒としては
アルコール、グリコール、水などが用いられる。
水を用いることが経済的に有利である。製剤中の
有機酸の濃度は１〜40％が好ましい。本発明の洗浄剤を用いて製紙工程を洗浄する場
合は、有機酸濃度0.1〜40％の洗浄溶液を調製し、
この洗浄液をポンプを用いて循環させることが好
ましい。下記例中の部は重量部を意味する。製剤例１くえん酸 30部水 70部前記成分を撹拌溶解して液剤とする（以下同
じ）。製剤例２酒石酸 30部水 70部製剤例３りんご酸 30部水 70部製剤例４くえん酸 10部酒石酸 10部りんご酸 10部水 70部製剤例５乳酸 30部水 70部製剤例６りんご酸 30部ノニオンNS−215（日本油脂社製） 10部水 60部製剤例７くえん酸 30部ニユーポールPE−62（三洋化成工業社製）
１部水 69部製剤例８酒石酸 30部エマルゲン408（花王石鹸社製）５部水 65部製剤例９くえん酸 10部りんご酸 10部酒石酸 10部レオドールTW−L120（花王石鹸社製）
５部水 65部製剤例 10 乳酸 15部りんご酸 15部エマルゲン108（花王石鹸社製）５部水 65部比較例１ノニオンNS−215（日本油脂社製） 30部水 70部比較例２水酸ナトリウム 30部水 70部比較例３灯油 90部ノイゲンEA73（第一工業製薬社製）10部比較例４トリクロエチレン 50部メチルジクリコール 50部比較例５エチレングリコール 50部ジエチレングリコール 50部試験例１製剤例１〜５並びに比較例１、２及び５の製剤
は水で４倍に希釈し、また比較例３及び４の製剤
はそのまま試験液として用いた。丸網抄紙機のシ
リンダーモールからかき取つたスケール約１ｇを
精秤し、容量100mlのビーカーに入れ、これに試
験液各50ｇを加え、40℃で３時間浸漬した。浸漬
終了後、溶解残査を取し、105℃で１時間乾操
したのち精秤し、スケールの溶解量を次式により
求めた。その結果を第１表に示す。溶解量（％）＝試料重量−溶解残査／試料重量×100

【表】試験例２製剤例１〜10の製剤を水で10部に希釈し試験液
とする。容量100mlのビーカーに各試験液50ｇを
入れ、30℃に調整する。この試験液にコーテイン
グカラー用フイルターからかき取つたスケール約
１ｇを加え、無機物質が溶解しポリマー状物質が
浮上する時間（剥離時間）を測定した。その結果
を第２表に示す。

【表】試験例３紙力増強剤に用いるポリアクリルアミド系のパ
イプラインを水1000Kgでポンプを用い１時間循環
洗浄した。水洗後、この水洗液を除去し、製剤例
７の製剤100Kgを水900Klに溶解し、この洗浄液を
用いて30分間循環洗浄した。洗浄終了後、水洗液
及び洗浄液の一部を過し、液５ｇをルツボに
秤取し、ガスバーナーで水を蒸発乾固したのち約
1200℃で２時間灰化し、冷後、得られた灰分を秤
量した。その結果、液５ｇ中の灰分量は、水洗
液では0.3mg、製剤例７の洗浄液21.5mgであつた。
製剤例７の製剤で洗浄したパイプラインには、ス
ケールの付着は認められなかつた。

Claims

【特許請求の範囲】１りんご酸、くえん酸、酒石酸及び乳酸の群か
ら選ばれる１種又は数種の有機酸を有効成分とし
て含有する製紙工程用洗浄剤。２りんご酸、くえん酸、酒石酸及び乳酸の群か
ら選ばれる１種又は数種の有機酸(a)と非イオン界
面活性剤(b)を(a)：(b)＝99.5：0.5ないし70：30の
重量割合で含有する製紙工程用洗浄剤。